ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

Anchor Steam Beer@アメリカンクラフトビール

2011-12-18 16:40:38 | ワイン&酒
先日、ある会の二次会として辿り着いた店が、アメリカンクラフトビールの専門店でした。
クラフトビールとは地ビールのこと。
そういえば、今年3月の食品展示会で、知り合いにアメリカのクラフトビールを紹介してもらったことを思い出しました。

それは、Anchor Brewing  (アンカー・ブリューイング社)



1896年にサンフランシスコで創業したアンカー社は、Steam Beer(スチームビール)で人気を博しました。しかし、その後、経営が傾くようになったため、1965年にフリッツ・メイタグ氏(現社長)が買収し、アンカー・ブリューイング社として復活。現在は、さまざまな種類のビールをつくっています。
いくつか試飲しましたので、簡単に紹介します。



アンカーを代表するビールが、スチームビール
樽を開けた際に、炭酸ガスと泡が勢いよく蒸気のように噴出する音がすることから名付けられており、「Steam Beer」はアンカー社の登録商標となっています。
つまり、スチームビールは世界にひとつしかありません。


Anchor Steam Beer

ラガー酵母をエール酵母のように発酵させることで、ラガーのコクと麦芽の香りとエールの華やかな香りを兼ね備えているといわれます。アルコール度数4.9%。
ほどよいコクがあり、スッキリと飲め、これは飲みやすくてイイ!



Anchor Liberty Ale

1975年に誕生したアンカーリバティーエールは、アメリカ初のニュージェネレーション・アメリカンエール。アメリカのマイクロブルワリーの教科書的存在のインディアペールエール。アルコール6.0%。
クセがあり、ビター感が強いビールで、かなり個性的な味わいでした。



Anchor Porter Beer

アンカーポータービールは、濃厚で苦味の強いポータースタイルの、伝統的なアメリカン黒ビール。味わいはスタウトよりもやや軽め。アルコール5.6%。



Anchor Old Foghorn

アンカーオールドフォグフォーンは、別名「バーレイワイン」(大麦のワイン)。“ビール界のコニャック”とも評されています。アルコール度数はワイン並みの8.9%。



Ancor Bock Beer  

アンカーボックビールは、春の訪れを祝う、ドイツタイプの黒ビール。チョコレートやキャラメル、ローストした大麦の風味があるといわれます。アルコール5.5%。



Anchor Summer Beer

アンカーサマービールは、夏の暑い季節に乾きを潤す、クリスピーでクールなノドごしの爽やかなビール。アルコールも4.5%とライト。



Anchor Christmas Ale

1975年以降、毎年、年末に出しているスペシャルエールが、クリスマスエール
リッチでコクのあるダークなエールに、スパイスやハーブなどを加えて風味付けします。
試飲しましたが、オレンジピール、シナモン、バニラの風味などがあり、冷たいビールなのに、身体がホカホカ温かくなる気がしました。

毎年レシピが違い、ラベルに描かれた樹も違いますが、“新しい生活を祝うため”というコンセプトは変わりません。なお、樹の絵は、メイタグ社長が描いています。
(上記の写真は2009年のクリスマスエール)



2011年の樹は、5000年も前から地球上に存在するという、非常に古い植物であるヒッコリー松。
この樹はカリフォルニアのホワイトマウンテンの頂上付近で見られるようです。

クリスマスエールは、クリスマスプレゼントにオススメ
通常の355mlサイズ瓶のほかに、1500mlボトルもあります。
ただし、11月から翌1月に発売される特別限定品なので、欲しい方はお早めに!




※アンカービールは、355mlサイズ瓶なら400円前後から入手できると思います

(輸入元:三井食品株式会社)



さて、話は冒頭に戻り、二次会で行ったのは、渋谷の「CRAFTHEADS」(クラフトヘッズ)



ここは、独自輸入しているものがかなり多く、本当にたくさんの種類のビールがあり、どれにしようか目移りします。そこで、スタッフに好みを相談し、オレンジ・ペール・エールを選んでもらいました。
オレンジの風味のする軽めのエールで、口当たりもノドごしもソフトで飲みやすい!


アメリカ~ンな雰囲気が楽しめました
(アンカービールが置いてあるかは不明ですので、店で確認してください)

CRAFTHEADS  東京都渋谷区神南1-13-10 B-1


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バウムクーヘンの山を食べ比べ

2011-12-17 16:55:43 | 甘いもん
私の身と心を潤すもののひとつに、スウィーツ があります。
“休肝日”はあっても、“休甘日”はありません(笑)

先日、バウムクーヘンの山 を食べるイベントがあり、参加してきました。
(いずれのバウムも特注品です)




バウムクーヘン  ヴィヨン (東京都世田谷区)

長さ60cm、直径19cmという堂々たる姿は、まさに丸太!


まだ芯棒が残った状態の本当に丸ごとで、端っこもそのまんま



しっとり、みっちり系ですが、ふっくら感もあり、ほどよくキメが詰まっています。
杏仁的なアーモンドの風味が独特で、スパイスも軽くきいています。少し個性を出しながらも、誰からも愛されるバウムです。
右の画像はバウムの端っこ。さすがにカリカリとドライでした(笑)



クリスマスバウム  メルヘン (石川県珠洲市)

高さ57cmのクリスマスツリーを象った楽しいバウムで、幹から枝もニョキニョキ出ています。


小さなリングはサクサクした食感のラスク状「バウムチップス」 /右はタワーの内側(笑)


サンタクロースのオーナメントでデコレーション


枝の部分もバウムクーヘンで、これもラスク状にサクサクしていました


緑色は 抹茶

生地はみっちりしていますが、今まで食べたメルヘンの山型バウムと比べると、しっとり感がやや少ないように思いました。おそらく、外側が「抹茶」だからなのでは?と思ったのですが。
私の今までの経験では、どのメーカーも、抹茶バウムはパサつく傾向にあるような気がします。おそらく、抹茶は水分を発散させる素材のような気がします(科学的にはどうなんでしょう?)
それゆえ、今回のこのクリスマスバウムは、大好きなメルヘンなのに、個人的に少々残念でした。



ガトー・ピレネー  オーボンヴュータン (東京都世田谷区)

高さ60cm、ゴツゴツした表面が野生的なこのお菓子は、フランスのピレネー山脈周辺が発祥地らしいといことから、“ピレネーのお菓子”と名付けられています。

ロースターなどなかった昔の時代に、木の枝に生地を付けては火にかざし、それを辛抱強く繰り返して焼き上げていった姿が目に浮かぶような、素朴な姿のお菓子です。



食べてみると、本当に表面がカチカチに硬く、フォークは入りません(笑)
色は他のバウムクーヘンに比べて黄色が濃く、卵の味わいを強く感じます。また、非常に細かくみじんにしたオレンジピールやレモンピールが入っているようで、口の中にオレンジの風味が残り、バウムというよりフルーツケーキ的なお菓子です。以前いただいた時よりも、さらにいい方向に私好みになってきています。




バウムクーヘン  フェルダーシェフ (広島県廿日市市)

高さ29cmと、他の3台の半分のサイズですが、味の点では他に負けていません。
トップにドライフルーツやナッツがデコレーションされていて、バウムでもこんなふうに飾れば華やかに演出できるというヒントをもらいました。1リングなら簡単にできますね



緻密なボディはしっとりとキメ細かく、甘さもしっかりで、非常に好みのタイプ。
以前に食べた時に比べて、ラム酒の風味が華やかに感じます。

地方の洋菓子屋ながら、ドイツで8年修業し、マイスターを取得した実力派。
このバウムクーヘンで(デコレーションは除く)、2011年のドイツ農業協会国際食品品種協議会主催のコンクールのお菓子部門で、日本人初の金賞を受賞したそうです

地方でも実力のある店が増えてきました。
特にバウムクーヘンは、生菓子と違って日持ちがし、配送しても形が崩れにくいので、都会の一等地やデパ地下に店を構えなくても、実力があれば人気が出るお菓子なのかもしれません。



バウムクーヘン  バッハマン  (神奈川県平塚市)

バッハマンも地方の人気店。
高層タイプではありませんが、外側をチョコレートとホワイトチョコでコーティングした2タイプを食べ比べました。



ここのバウムはスパイス使いが独特ですが、今回食べたバウムは、スパイスの風味が以前より軽めになったような気がしました。

フェルダーシェフはラム酒が強めになりましたが、ずっと同じレシピではなく、時代の流行や他のさまざまな理由により、変わっていく場合もあるんですね。
これだから、ときどき食べて味を確認しないといけません(笑)


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イタリアの土着品種ワインが面白い!

2011-12-16 15:48:12 | ワイン&酒
この秋に出かけた、イタリアワイン専門のインポーターの試飲会で、あ、これイイ!面白い!美味しい!と思って記録に収めたワインを見直していたら、どれもイタリアの土着品種ブドウからつくられたものでした。

その土地の気候や土壌をひっくるめ、ワインを生み出す環境を総合した“テロワール”という言葉があり、ワインを語る際には、よくこの言葉が使われますが、地元ならではのブドウ品種もテロワールのひとつに違いありません。

カベルネやメルロ、シャルドネといった国際品種のブドウからつくられるワインは知名度も人気もあり、国際市場に進出する際に“グローバルスタンダード”とされましたが、このところは、国際品種よりもその土地ならではのブドウ(土着品種、ローカル品種)からつくられるワインに興味を示す人が非常に増えてきたように感じます。



土着品種の中には、栽培に手間がかかるとか、ブドウの個性が強すぎるとか、収量が少ないからとか、さまざまな理由で消えかかっているもの、消滅してしまったものもあります。
今までは、そのマイナス面だけを見ていましたが、近年はその個性を重視し、復活させる動きがイタリアの各ワイン生産地で見られます。

消費者の立場から見れば、どこにでもありそうなワインよりも、その土地でしか育たないブドウでつくられたユニークなワインの方に興味を持つのは当然ですよね?

イタリア は、それこそ、土着品種の宝庫
数え切れないほどのブドウ品種がありますが、今回はその一部だけ紹介します。

では、北のピエモンテから南下していきましょう



Langhe Freisa 2010 Adriano Marco e Vittorio

ピエモンテ州の土着ブドウであるフレイザ種からつくられた、微発泡の赤ワインです。
フレイザ種で長期熟成型のワインがつくられることもありますが、色調が薄いので、ラズベリーやスミレの風味のする軽快な発泡タイプのワインになることが多くなります。

アドリアーノ社がつくるこのワインは、ブドウらしい果実の風味が前面に出ていて、少し野生的なニュアンスもあり、しかも発泡しているので、非常にユニークで、飲んで楽しいワインです。
エチケットもピンクでカワイイし、ワインの色も赤なので、女子会にオススメしたいですね。
(輸入元希望小売価格 2,400円)



左)Riviera Ligure di Ponente Pigato 2009 Punta Crena
右)Riviera Ligure di Ponente Vermentino2009 Punta Crena

白ワイン好きの私が、これは素晴らしい!と思ったのが、リグーリア州のPunta Crena(プンタ・クレーナ社)のDOC Riviera Ligure di Ponente 2アイテム。

リグーリアはピエモンテ州の南、ティレニア海に面する小さな州で、ワイン生産量も非常に少ないため、リグーリアのワインは日本ではなかなか見つけることが難しいかもしれません。
しかし、イタリア最大の港ジェノヴァが州都で、フランスのコート・ダジュールから続くリヴィエラ海岸、音楽祭で有名なサン・レモ、ポルトフィーノなどの洗練された観光地もあり、そこに集まる人の胃袋を満足させる美食との縁は切っても切れません。
海に面しているので魚介料理が多く、それに合わせる白ワインが有名です。

上で紹介しているヴェルメンティーノはリグーリアだけに限らず、また、フランスでも栽培が広がっている白ブドウ品種ですが、ピガートはリグーリアの土着品種になります。

プンタ・クレーナのオーナーであるルフィーノ氏は、ミラノ大学醸造学部との提携で新しいピガート種の苗木を生み出した人物。彼のピガートのワインは、果実味と酸のバランスがよく、ピュアでエレガントな味わいです。

ヴェルメンティーノは、スーッと自然に入ってきますが、艶やかさがあり、品があります。
どちらもクリーンなミネラル感がありますが、海に面した段々畑でつくられているからでしょうか。
(各3,300円)



Dindarella 2006 Aldeghert

リグーリア州の東に位置するヴェネト州のアルデリーゲ社のつくる赤ワインです。
ディンダレッラがブドウ品種名で、アマローネにごく少量使われることはありますが、これ単体だけでワインをつくることはない品種です。
このディンダレッラを100%使用してつくったIGTワインです。ブドウの収穫後、数ヶ月トレーで房を寝かせておき、11月下旬から12月下旬に醸造が始まります。

飲んでみると、なんとも不思議な風味がします。それでいて、ワインとしてはエレガント。これは面白い!1本をじっくり飲んでみたいと思ったワインでした。(6,000円)



左)Ciro Rosso Classico Riserva “DURI” 2007 Scala (DOC)
中)Calabria Ross “Briseo” 2008 Scala (IGT)
右)Ciro Rosso Classico Siperiore 2008 Scala (DOC)

イタリアのブーツのつま先、カラブリア州のワイナリーSCALA(スカラ社)のワインで、両端の2本がガリオッポ100%、真ん中がガリオッポとマリオッコ各50%のブレンド。

私がイイナと思ったのは、ガリオッポ種(Gaglioppo)100%の2本。
ギリシャ原産とされ、乾いた土地でもしっかり育ち、糖度も高く、男性的なワインになるといわれる品種です。

スペリオーレは、まだタンニンが若々しいながらも果実の甘さがあり、コスパ的にも充分おいしい!(2,300円)
リゼルヴァ“ドゥリ”は、非常に凝縮感があり、果実のエキス分、酸、タンニンがしっかりし、複雑味があり、飲みごたえのある点が気に入りました(3,300円)
マリオッポ種が半分は行った“プリセオ”は、少々ビターなニュアンスを感じました(マリオッポ種の個性か?)(3,000円)



“LUI” Puglia Rosso 2008 Cantina Albea

ブーツのカカト、プーリア州のアルベア社がつくるウーヴァ・ディ・トロイア種(Uva di Troia)100%の赤ワインで、3種類の小樽で8カ月熟成させています。
ウーヴァ・ディ・トロイアは南イタリア、特にプーリアで見られる品種ですが、あまり人気がないため、減少の一途を辿っているのですが・・・

色濃く、しっかりした骨格を持つ濃厚なワインですが、ボディはなめらかで、独特の野性味があります。これも飲んでいくうちにどんどん変化していきそうですから、腰を落ち着けて飲んでみたいと思いました(5,800円)。



どれも国際品種にはない個性があり、飲んでみないとわからないワクワク感を持たせてくれるワインでした。
今回はごく一部しか紹介できませんでしたが、イタリアだけにとどまらず、フランスにもスペインにも、その土地ならではの土着ブドウからつくられたワインがありますので、気になるブドウ品種名を見つけたら、ぜひぜひチャレンジしてみてください


(輸入元:株式会社 MONACA)


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ドイツのクリスマスの美味

2011-12-15 12:32:59 | 甘いもん
クリスマスまであと10日。
街もクリスマスモード全開ですね



クリスマスにはケーキが必須(笑)
クリスマスケーキをどうしようか迷っている方は、以前紹介した コチラ をご参考にどうぞ





私も家でクリスマス気分を盛り上げようと、以前ドイツのクリスマスマーケットで買ってきたグリューワイン用のカップ (上の写真)を出し、コーヒーを飲む時に使ってみたのですが、なぜかコーヒーが美味しくない…
ブーツ型でカワイイのですが、これはやはりグリューワイン用でしょうか(笑)



グリューワインとソーセージ については → コチラ

ブーツ型のカップを買ったのは → マイセンのクリスマスマーケット

マイセンのお出かけ情報 は → コチラ を参照ください

フランクフルトのクリスマスマーケットもどうぞ → コチラ

ドレスデンのクリスマスマーケットも素敵でした → その1 ・ その2





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過渡期にあるヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ

2011-12-14 22:02:27 | ワイン&酒
イタリアワインに関するクイズです
  (Vino Nobile di Montepulciano 編)



Q1.ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノは“何州”のワインでしょうか?

Q2.ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノの"主要ブドウ品種”は何でしょうか?





どうですか?わかりましたか?







A1.トスカーナ州

A2.プルニョーロ・ジェンティーレ(サンジョヴェーゼ)



ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノは、イタリアのDOCGワインの中で最初に認定された3つのうちの一つ(1980年7月、他2つはバローロとブルネッロ・ディ・モンタルチーノ)であり、DOCGの最初の帯封(シール、No.1~50)が印刷されたのは、実はヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノでした。

ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノは、古くは2000年前の文献に「モンテプルチアーノの甘美な命の酒」として登場しました。その後も、「モンテプルチアーノは、あらゆるワインの王」とメディチ家に仕えていたフランチェスコ・レーディが著書で明言し(17世紀後半)、フランスの作家アレクサンドル・デュマも、このワインについて触れています(19世紀中頃)。

ノービレ(高貴な)という名称の由来は、数世紀にわたり、貴族や聖職者がこのワイン造りに関わっていたことによります。ノービレという文字は、18世紀後半、ワインをシエナに運んだ際の旅行記に登場しています。

ここまで来ると、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノは伝統ある素晴らしいワインだということがわかりますが、同じトスカーナ州のDOCGキアンティ・クラシコと比べると、一般消費者においては知名度が低いのが現状です。

また、やはり同じトスカーナ州のDOCGブルネッロ・ディ・モンタルチーノ は、素晴らしいワイン!大ファン!という声をよく聞きますが、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノに関しては、
「いまひとつ地味だよね、わかりにくいかなぁ・・・」という声をよく耳にします。

「本当はブルネッロを飲みたいけれど、予算的にコッチ?」的な選ばれ方をされることも多く、かなり不遇なワインかもしれません。



なぜ、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノの人気がいまひとつか?

ということを真剣に考えた生産者はやはりいて、例えば、アヴィジョネージやポリツィアーノなどがヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノの改革に取り組みました。

ご存知の方も多いかと思いますが、かつてのヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノは、サンジョヴェーゼの使用比率は50~70%、カナイオーロ・ネロが10~20%、白ブドウ品種のマルヴァジーア・デル・キアンティやトレッビアーノ・トスカーノも10~20%の使用が認められていました。

白ブドウを混ぜることは、DOCGキアンティ・クラシコでも伝統的に行なわれていました。
早いうちから飲みやすい赤ワインとなりますが、当然、ワインが薄まります。
キアンティでは白品種から脱却し、2006年ヴィンテージからサンジョヴェーゼ100%もOKになり、国際品種も20%まで使用できることになりました。

ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノでも、改革者たちが、セパージュの見直し、バリックの採用、畑の整備、最新醸造設備の導入などを積極的に行なった結果、地域の生産者たちを刺激し、生産者組合全体でヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノの改革に取り組むようになりました。

まず、1999年7月に、白ブドウ使用がなくなりました
現在は、2010年10月11日の省令の下、プルニョーロ・ジェンティーレ最低70%以上、トスカーナ州で栽培に適した黒ブドウ品種を30%まで使用可能となっています。
つまり、カベルネやメルロといった国際品種が30%まで使えます。

ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノは、収穫の翌年の1月1日から最低2年間の熟成が必要ですから(リゼルヴァは最低3年)、最新の生産規則で造られたワインがリリースされるのは2013年になります。1年後が楽しみですね。



2011年11月21~27日の日本でのイタリアワインウィーク開催に際し、来日したヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ生産者協会のイベントマネージャーであるトマス・フランチョーニ氏は、

「消費者のワインに対する知識が高まってきたことで、よりよいワインを造らねば!と、生産者の意識も高くなってきた。ワインの品質は、最新技術の導入などにより、近年、非常に高まってきている。また、環境の維持のため、サステーナブルな農業に移行する生産者が増えている」と言います。

消費者は、味を追求するだけでなく、生産地の自然、風景、文化、歴史などの背景や、環境への関心も高く示すようになってきていることから、モンテプルチアーノの地域全体で総合的なプロモーション活動を2010年から行なっている(モンテプルチアーノ・システム)、とも言っていました。

かつての要塞だった建物を修復し、協会の本拠地兼多目的施設(大学の夏期講習の拠点などに利用)とし、地元のイベント(樽転がし競争、国際野外芸術祭など)を巻き込みながら、モンテプルチアーノの村がワインの付加価値のひとつになるよう、総合的なプロモーション活動を行っています。
また、地元やイタリア国内だけでなく、世界各地でのプロモーション活動も開始しています。

生産規則の改正も、総合プロモーションのスタートも 2010年
歴史ある産地なのに、消費者にとっては印象が薄かったヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノが、いよいよ本腰を入れてきましたね!

日本でのイタリアワインウィークでは、他の3生産地と共に ワインアンバサダー(ワイン大使)の選定も行ないました。


福村真弓さん(ヴィーニ・ディ・アライ)が、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノのワインアンバサダーに就任(2011/11/22) 右は同協会のトマス・フランチョーニ氏。

他の3生産地に比べて、正直、ここのアンバサダーが一番大変だと思いました。
が、今、自ら大きな変化を遂げ始めていますので、今後、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノがどのように伸びていくか、福村さんの活躍とともに、要注目です。



【耳寄り情報】 2000年以降の収穫年

最高       2006、2007
きわめて優良  2000、2001、2003、2004、2005、2008、2009
優良       ―
並         2002
不良       ―

1990年代では 1990、1995、1997、1999 も ”最高”とされています


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ヴォルパイア@キアンティ・クラシコ

2011-12-13 10:12:37 | ワイン&酒
マレンマに進出した カンパーニア・ディ・ヴォルパイア (Compania di Volpaia ) の 本家である
カステッロ・ディ・ヴォルパイア(Castello di Volpaia) を紹介しましょう。

「カステッロ・ディ・ヴォルパイア」はトスカーナ州キアンティ・クラシコラッダ・イン・キアンティヴォルパイア村 の生産者です。(生産者プロフィールは昨日の記事も参照ください)

ヴォルパイア村は、中世の時代にフィレンツェ共和国の守備の重要拠点となった村で、小高い丘の上にあり、小さいながらも城があり、見張りのための塔も6つありました(塔のうち2つは今も健在)。

この村の2/3を1966年に購入したのが、カンパーニア・ディ・ヴォルパイアのマネージャーであるフェデリカさんの祖父ラファエロ・スティアーニ氏でした。
購入した中には城も含まれています。これは相当な資産家ですね!

ヴォルパイア村では古くから村全体でワイン造りが行なわれていました。
よって、1972年にカステッロ・ディ・ヴォルパイアを譲り受けたラファエロ氏の娘夫婦(フェデリカさんの両親)も、ここでワイン造りを行なうことにしましたが、問題は昔ながらの古い醸造設備でした。

近代的な醸造設備を整えたいと思っても、政府から景観保護区に指定されている中世以来の建物および周辺設備に手を入れることはできません。
ダクト(導管)などが表に見えるのはもちろんNGで、とにかく、この外観を保ったまま、内部にさまざまな最新設備を導入するのは大変な苦労だったようです。

一見すると、中世のまんまの建物ですが、内部には、キアンティ・クラシコ地区でいち早く取り入れた温度管理装置の付いた発酵槽が設置され、醸造されたワインをセラーまで重力で移すダクトなども敷かれています。
フェデリカさんの話では、城を含むヴォルパイアのさまざまな建物はすべて地下道で繋がっているとのこと。いつか訪問して地下まで見てみたいですね。



さて、肝心のワイン。
2007年からオーガニック栽培に転換しました。


左)Bianco di Volpaia 2009  右)Chianti Classico 2008

白ワイン(輸入元希望小売価格2,000円)はシャルドネとソーヴィニヨン・ブランのブレンド。フレッシュで柑橘のニュアンスがあり、酸がキリリとしています。酸味を好む私としては、この白のスタイルは好みです。

キアンティ・クラシコ(同2,600円)は、サンジョヴェーゼ90%+メルロ10%。なめらかな口当たりで、手軽に料理に合わせて楽しむにはピッタリの赤ワインです。



Chianti Classico Riserva 2007

畑の中で厳選した、ベストのブドウだけをチョイスして仕込んだ、サンジョヴェーゼ100%のワインです(同4,200円)。
樽を使って熟成させていますが、アグレッシブでなく、非常にいいバランス。
ワインとしてちょうどいい飲み頃に入ってきたと思います。



左)Chianti Classico Riserva "Coltassala" 2006 
右)"Balifico" IGT Toscana 2006

どちらも特級畑的存在の場所(ColtassalaもBalificoも畑名)のブドウから造られています。
(各6,500円)

コルタッサーラは、サンジョヴェーゼ95%+マンモーラ5%のブレンド。マンモーロはキアンティの許可品種で、サンジョヴェーゼと似ていますが、紫色の花をつけるマンモラ(スミレらしい)の華やかな風味を加えています。凝縮感があり、タンニンも酸もしっかりし、スパイシーさもある力強いワインです。

バリフィコは、サンジョヴェーゼ(Sangioveto di Volpaia、ネイティブクローン)65%+カベルネ・ソーヴィニヨン35%のブレンド。
キアンティ・クラシコはサンジョヴェーゼの比率が80~100%と法律で決められていますので、このワインの格付けはToscana IGTになります。
カベルネが1/3ブレンドされていますので、骨格がしっかりし、タンニンの収れん味がパワフルで、まだ今の段階ではアグレッシブさを感じる逞しさがあります。

どちらもまだ若さいっぱいですが、コルタッサーラはランクの高いリストランテの料理とのマリアージュを楽しみ、バリフィコはパンとチーズでワインそのものをじっくり味わってみたい、と思いましたが、さて、今後どのように変化していくでしょうか?



ところで、ヴォルパイアのエチケットをよく見ると、キツネの姿が描かれています。
これは、“Volpe” はイタリア語で“キツネ”を意味するからです。
Volpaia村にはキツネが多くいたからなのでしょうか?(笑)



Volpaiaでは オリーブオイル も生産しています


(輸入元:メイワ株式会社)


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トスカーナ州マレンマでオーガニックワインに挑戦

2011-12-12 16:55:46 | ワイン&酒
イタリアのトスカーナ州には、キアンティ・クラシコやブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、ヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノといった伝統的名醸地がいくつもありますが、注目の新ワイン産地が多いことでも知られています。

例えば、ボルゲリ、マッサ、ピサ、スヴェレート、スカンザーノ、オルチャ渓谷etc...
サッシカイアのあるボルゲリは、もう新産地とはいえないほど成熟してしまいましたが。

トスカーナの伝統的ワイン生産地は内陸の丘陵地にありますが、上記に挙げた生産地は、オルチャ渓谷を除きすべてティレニア海に面した西トスカーナのエリアになります。

西トスカーナは内陸に比べると気候が温暖で、土壌は砂や粘土が多くなります。
収穫は内陸より早くなり、ワインはボリュームがあって甘味が多いのが特徴といわれます。



今日紹介するのは、スヴェレートを含む マレンマ地方 です。
マレンマ地方は、ティレニア海に近い西トスカーナのグロセート郊外(トスカーナ南西部)から南のラツィオ州にかけて広がる地域です。

マレンマ地方は1980年代頃から次第に注目され始めましたが、よく名前を聞くようになったのはここ10年くらいでしょうか。
元々は大きな湖を含む湿地帯で、20世紀に入ってからムッソリーニによって干拓されましたが、未開墾や休耕地が多い土地でした。
しかし、それが逆にブドウを植え替えたり、新しく植えたりするのに好都合となったようです。

特に、アンティノリ、フレスコバルディ、ガヤといった著名生産者らがマレンマに新ジョイントベンチャーとして進出したことで新生産地としての注目度が高まりました。

カステッロ・ディ・ヴォルパイア(Castello di Volpaia)もマレンマに進出したワイナリーのひとつ。
今回が日本初登場になります。

キアンティ・クラシコ地区のラッダ・イン・キアンティのヴォルパイア村にあるカステッロ・ディ・ヴォルパイアは、1966年設立のワイナリーで、自社畑37haを所有し、オーガニック栽培を行なっています。

1972年の結婚の際にここを譲り受けた娘のジョヴァンネッラさんと夫のカルロ・マスケローニ氏が現当主で、カルロ氏は1997年からキアンティ・クラシコ協会の会長を務めるなど、この地区の重鎮として活躍しています。

このヴォルパイアがマレンマに設立したのが、カンパーニア・ディ・ヴォルパイア (Compania di Volpaia )で、2001年から2005年にかけてブドウ樹を植え始め、2007年にワイナリー設立、2009年4月に初めてのワインがリリースされました。

彼らが採用したのは、ラッダ・イン・キアンティでも実践してきたオーガニック農法です。

カンパーニア・ディ・ヴォルパイアのワイナリーおよび畑の周辺にはイタリア最大の湿地帯があります。ここは陽射しが強く、夏は40℃に達するほど暑くなる地域です。
湿地帯の近くで高温と、病虫害が発生しやすい、非常に厳しい環境でありながら、オーガニックに挑戦したのは、マレンマ地方の美しい自然に敬意を払い、それを守るため
(AGRICOLTURA BIOLOGICAの認証を取得)


Federica Mascheroni Stianti さん

カンパーニア・ディ・ヴォルパイアのマネージャーは、フェデリカさん(ジョヴァンネッラ&カルロ夫妻の娘)です。10月に来日した彼女が、マレンマでの新プロジェクトワイン “Prelius” を紹介してくれました。

Prelius (プレリウス)は、古代ローマ時代にこの地方にあった大きな湖の名前で、その湖の姿がエッチングでボトルに描かれています。これはフェデリカさんの祖父の友人がデザインしたもので、2009年にヴェローナで開催されたVinitalyでのパッケージコンペティションで受賞をしたといいます。
ブルーの色調が印象的な湖は、周辺を湿地帯に囲まれた小さな湖として現在も残っているそうで、湖を見下ろす丘の斜面にプレリウスの畑(52エーカー、約20ha)が広がります。

この辺りはフランスのボルドー地方に気候条件や土壌タイプが似ていることから、ボルドー品種(カベルネ系、メルロ)が多く栽培されています。


左)Prelius Vermentino 2010 IGT  右)Prelius Morello di Prile 2009 IGT

左はヴェルメンティーノ100%の白ワイン(輸入元希望小売価格2,200円)、右はカベルネ・ソーヴィニョン35%+カベルネ・フラン35%+メルロ30%の赤ワイン(同3,000円)です。

ヴェルメンティーノはミネラル感があり、非常にフレッシュ。フェデリカさんは、このミネラル感は海の影響があるから、と言います。
モレッロ・ディ・プリールはタンニンが充実して骨格がしっかりとし、豊かな果実味とのバランスがよく取れています。



Citto 2009 IGT

チットは、サンジョヴェーゼとカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドした赤ワインで、サンジョヴェーゼはキアンティ・クラシコ地区からのもの、カベルネ・ソーヴィニヨンはマレンマ地区からのものを使っています。
つまり、キアンティ・クラシコとマレンマのミックスワインです。

サンジョヴェーゼとカベルネのいいとこ取りをした、しっかりした味わいが魅力で、1,800円というプライスを考えると、非常にコストパフォーマンスがいいと思いました。



なお、カンパーニア・ディ・ヴォルパイアでは、ライフゲート社(LifeGate)のインパットゼロ(IMPATTO ZERO)という環境保全プログラムに参加しています。
CO2を減らすことを目的に各企業がそれぞれ活動するもので、カンパーニア・ディ・ヴォルパイアは “ブドウの苗を1本植えることでCO2削減する” ことを目指しています。

オーガニックやビオを実践するワイナリーはずいぶん多くなってきましたが、自己完結に終わらず、社会の中の一企業として責任を果たすところも、今後は増えてくるでしょうか。


(輸入元:メイワ株式会社)


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皆既月食と満月ロゼ

2011-12-11 10:06:19 | ワイン&酒
12月10日の夜皆既月食 があることは知っていましたが、しかもその晩は満月という情報をキャッチしたので、それならばと、満月ロゼ を楽しむことにしました。

満月ロゼについては、以前紹介したものの、自分で実践する機会がないままでいましたが、これはいいチャンス!

手持ちのロゼワイン ―ボジョレー・ヌーヴォーのロゼを開けました。
今さら、と言わないでください(笑)


ボジョレー・ヌーヴォー・ロゼ 2011 モメサン

エチケットに描かれているマドモワゼル・モメサンの顔を見て毎年購入する人もいる人気シリーズで、このロゼワインは今年初登場です。

ボジョレー・ヌーヴォーなので、ブドウ品種はガメイになります。
ガメイ種には独特の風味があり、ちょっと苦手という人もいるようですが、このロゼワインはチャーミングなストロベリーやエレガントな花の風味があります。
口当たりがフレッシュで、果実味はジューシーでみずみずしく、軽快でかわいらしい味わいはクリーンでクセがありません。

今もおいしくいただけます
ボジョレー・ヌーヴォー・ロゼとして終わらせるのは惜しいのでは?
スクリューキャップも便利でいいですね。



皆既月食 の、月の欠けていく様子を写真に収めてみました。


掛けるにつれ色がだんだん赤くなってきましたが、残念ながら私のカメラではこれが限界(笑)


これがほぼ欠けた状態 ―神秘的です


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二日酔い対策のアレも過信は禁物(苦笑)

2011-12-10 17:05:42 | ワイン&酒
秋の初め、まだまだ残暑が厳しい日でした。

久しぶりに会う友人と、友人の友達を交えた女子会に備え、私が二日酔い防止として絶大な信頼を寄せている 「ヘパリーゼ」 のドリンク剤を飲み、会場となった某チェーン店Sへ。



ココはワインがお手軽価格で飲めることもあり、メンバーは4人いるし、今回もたっぷり飲む気でいました(笑)



が、カラフの白ワインを飲み、ボトルの白ワイン、カラフの赤ワイン、ボトルの赤ワイン・・・と飲んでいるうち、あれ?ちょっと具合が・・・?

ヘパリーゼで万全なはずなのに、21時という早い時間でギブアップ。
帰宅するのも辛く、翌日もかなり苦しみました。
これまで負け知らずだったヘパリーゼ神話が初めて崩れた日でした(苦笑)



その女子会までの1週間を思い起こすと、週のうち3日はイベントなどで夜遅くまで無理をしていましたし、大きな仕事も入っていたので、体力的にかなりクタクタになっていた週でした。

また、数日前から原因不明の“じんましん”が出ていて、女子会の日も症状がまだ少し残っていたのですが、このじんましんも酔いが回りすぎた大きな要因になったかもしれません。

自分では気がつかなくても実は体調がよくない時に二日酔い防止のドリンクやサプリ剤の力を借りて無理をすると、酷い目に遭うことがあります

飲み会の多いこの季節、体調管理にはどうぞご注意くださいね


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お気に入りのリストランテ「ラ・チャウ」@田町

2011-12-09 16:03:18 | レストラン&店
東京にはおいしいイタリアンのお店がたくさんありますが、ココに誘われたら、二つ返事でOKしてしまうのが、田町のリストランテ 「ラ・チャウ」 
イタリアのピエモンテ州で修業した馬渡シェフの作る料理は、私の大のお気に入り

今回紹介するのは、半年前に伺った際のものですが、この時も抜群の内容でした。
(おまかせのコース料理)




前菜盛り合わせ

牛肉のタルタルとサマートリュフ&アスパラ、サンダニエーレ産プロシュート、うさぎのゼリー寄せ白ワイン風味、ひこイワシのマリネの盛り合わせ。
美味満載で、目にも鮮やか。これだけでワインが進む進む・・・


天使の海老のソテー アメリケーヌソース 北海道産ウニを添えて

“天使の海老”は、ここ1,2年でよく聞く、ニューカレドニア産のブランド海老。
プリップリの海老と、濃厚な北海道のウニとの饗宴がゴージャスでした。
緑のソースはルッコラ。


フランス産ホワイトアスパラガスとタレッジョチーズのオーブン焼

伺ったのは初夏でしたので、旬のホワイトアスパラが出てきました。
ウオッシュチーズのタレッジョと組み合わせることで、ホワイトアスパラの甘さがより生きてきます。赤いソースはブラッドオレンジを使っているとのことでした。


チポッラ リピエナ ピエモンテーゼ

玉ねぎの詰め物料理で、中はサルシッチャ(生ソーセージ)。クリーミーなソースがかけられ、ヘーゼルナッツとトリュフを散らした一皿。


うさぎのラグーとクーネオ産ポルチーニ茸のタリオリーニ

ガツンとしたラグーにむっちりした手打ち麺がよく絡んだ、力強いパスタです。


アニョロッティ ディ プリン ワラの香り

ワラを器に見立て、ラビオリを載せた、食べるのが楽しくなる一皿。
この器は独特ですね。


フィナンツェーラ ピエモンテーゼ シャラン産鴨むね肉とフォアグラを添えて

鶏のトサカ、レバー、砂肝などの煮込み(フィナンツェーラ)はピエモンテの郷土料理で、内臓料理が苦手な人はギョッとするトサカ(姿煮の状態)が入っていますが、やわらかく煮込まれて美味です。シャラン産の鴨とフォアグラも豪華。ソースにはゴルゴンゾーラチーズを使っているとのことでした。


ドルチェ ミスト ピエモンテーゼ

デザートの盛り合わせは、これで1人前 スウィーツ好きにはたまりません
真ん中にあるプリン状のものはパンナコッタ、手前はピスタチオのアイスクリーム。


小菓子

コーヒーと一緒に出された小菓子ですが、これは「小」とはいえないと思うのですが(笑)
(写真は3人前)



写真を見ていたら、また行きたくなってきました
今は冬ならではの食材を使った料理が楽しめます。


RISTORANTE  La Ciau

東京都港区芝浦3-14-21 トレストイン田町1F

http://r.gnavi.co.jp/p608000/


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パルッソのバローロ

2011-12-08 12:24:37 | ワイン&酒


バローロの造り手である Parusso (パルッソ)を紹介します。

北イタリアのピエモンテ州でつくられるバローロは、イタリア最高峰ワインのひとつとして不動の人気を誇っています。

著名かつ定評のある生産者が数多くいますが、今回紹介する「パルッソ」もそのひとつで、しかもユニークなワイン造りを行っています。

パルッソ は、1971年にアルマンド・パルッソ氏がバローロの瓶詰めを始めた時から始まり、アルマンドの息子マルコが1985年に醸造学校を卒業したのを機会に、カンティーナとして設立されました。
現在は、マルコと姉のティツアナさんによって運営されています。

パルッソは、1990年代はマルク・デ・グラツィアのバローロ・ボーイズのメンバーでしたが、2000年から方向転換し、バローロ・ボーイズを脱退しました。
現在は、ランガ・イン(LANGA IN)というグループ(ピエモンテのバローロ、バルバレスコ、モスカート、ロエロのエリアの18生産者で構成)に所属して活動しています。

パルッソが方向転換をしたキッカケは、マルコが2000年に体調を崩したことでした。
自分の健康と向き合った時、より自然な味わいのワイン造りをしたい、と思うようになりました。

そこで考えたのが、「酸素といかに上手に付き合っていくか?」 ということ。

ワイン造りの過程において、酸素に触れること ―酸化は気をつけねばならないことですが、
マルコは、酸化を恐れないワイン造りをしていこう、と考えました。

収穫後のブドウは発酵前にしっかり休ませ、酸素となじませ、風味を安定させます。
この間に果梗の水分が抜け、タンニンも甘くなり、種や果皮のタンニンも追熟させます。
大量のオリを残したままバリックで熟成し、熟成中はバトナージュ(ワインをかき混ぜること)を行ない、酸素と接触させます。

こうして育てた酸化を恐れないワインは、逞しく(マッチョという意味ではない逞しさ)、抜栓してからも長持ちする、とマルコは考えています。

さて、21世紀のパルッソは、どんな味わいになっているでしょうか?
バローロ以外のラインナップも交え、6アイテムを試飲しました。




Langhe Bianco 2010 Parusso

ソーヴィニヨン・ブラン100%の白ワインです。ステンレスタンクで6カ月シュル・リーで熟成。
白い花的な清楚なアロマが上品で、これがソーヴィニヨン?と思うほど。ツルツルしてなめらかな口当たりで、非常にクリーン&クリア。酸はしっかりしています。ほどよいボリュームで、肉系の前菜(生ハムなど)によく合いました。



Langhe Bricco Rovella 2009 Parusso

こちらもソーヴィニヨン・ブラン100%の白ワイン。アルコールは14%あります。
樹齢20年の木のブドウを使い、小樽でマロラクティック発酵、12~15カ月熟成。
色調は琥珀色が入って深みを増し、香りにもトロピカルな甘さが加わります。
テクスチャーは非常になめらかで、コク、複雑味、深みがあり、酸も充分で、ヴィオニエ的な華やかさも感じられるワインです。
パルッソで、このように素晴らしい白ワインを造ってたとは!



Dolcetto d'Alba 2010 Parusso

ドルチェット種から造られた、チャーミングな若々しい赤ワインです。
まだプチプチした感じがあり、みずみずしくジューシー。酸もタンニンもフレッシュ。
時間が経つと、やわらかく、甘く、まろやかになってきます。
アルコール12.5%とライト。これは気軽に楽しめますね。



Barbera d'Alba Superiore 2007 Parusso

樹齢30年のバルベーラから造られた赤ワインで、アルコールは14.5%。
深い色調で、パープルのニュアンスが残る黒紫。充実した酸はフレッシュ感が残り、ジューシーなのに、タンニンはよく溶け込んで緻密。なめらかでトロみがあり、濃厚。このバルベーラはレベルが高い!



Barolo Bussia 2006 Parusso

さて、いよいよバローロ。
Rocche、Munie、Bussia Sottanaをブレンドし、“バローロ・ブッシア”として造っています。
標高300~330m、樹齢は10~50年、順に、南南東、南西、西に向いた畑です。
小樽での熟成は24カ月、瓶詰め後も12カ月寝かせています。アルコール14%。
口に含むと、軽やかで繊細なタッチに驚かされます。果実味がきれいで、ボディはみっちり濃密で緻密ですが、しっとりなめらかで、デリケート。ズシッと重厚なタイプではなく、軽快でエレガント。



Barolo Bussia Riserva 1999 Parusso

パルッソが方向転換をする前の時代のバローロで、黄金ラベルのリゼルバは良年のみに造られます。モンフォルテ・ダルバののブッシアのエリアの厳選したブドウを使い、小さいオークバレルで30カ月熟成させ、瓶詰め後は6年間寝かせています。

12年も経っているのだから、熟成したニュアンスが出ていてもいいはずなのに、香りを嗅いだ瞬間、若い!と感じました。
口にすると、酸が若々しく厚みがあります。ボディは非常にしなやかですが、力強さがあります。この酸があるからこそ、今の状態があるのだと思いますが、2000年以降のパルッソでは、酸は非常に少なく感じるはずだとマルコは言っています。
たしかに、ひとつ前のバローロ・ブッシア2006は、酸の存在を忘れていました(存在がないわけではないのですが)。

1999年のこのワインは、ちょうど転換前のもので、非常にパワフル!
2006年のバローロのデリケートなタッチと比べると、この変化は興味深いですね。
願わくば、もう少しさまざまな飲み比べをして探ってみたいものですが(笑)


(輸入元:株式会社協和興材)

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ミッションを受けたスパークリングワイン

2011-12-07 12:31:07 | ワイン&酒
昨日、カリフォルニアの黒いイチジク「ブラック・ミッション」に触れたついでに、
ミッション関連のワインを紹介しましょう。



カリフォルニアで“ミッション”と呼ばれるのはイチジクだけでなく、ブドウもあります。

ブドウ品種のミッション(Mission)についてはソノマの記事で取り上げていますので、
コチラを参照ください。

スペイン人のフランシスコ修道士がアメリカでキリスト教の布教活動をする際、宗教行事用のワインをつくるために植えたのが、黒い皮を持つミッション種です。

ミッション は、使命、任務、のほか、布教、伝道所の意味もあり、1769年にサン・ディエゴに最初の伝道所(ミッション)が建てられました。
スペインが新大陸でのキリスト教布教にいかに力を入れていたか、ブドウの名前からもわかりますね。

米国でMissionと呼ばれたブドウが、フランシスコ修道士によって16世紀にチリに持ち込まれた際は、Pais(パイス)という名前でした。

このパイス100%でつくられたチリのスパークリングワインを試飲会で見つけました


Santa Dinga Estelado Rose 2010 Miguel Torres Chile (チリ)

パイス100%、瓶内二次発酵(シャンパーニュと同様)でつくられた、フレッシュな果実味と爽やかな酸が心地よい辛口スパークリングロゼワインです。
ロゼスパークリングで色がキレイな上、ピンク色のエチケットもフォルムもキュート。
これは確実に女子受けしますよね。
お値段もイイ感じでしょう? (輸入元希望小売価格1,700円)

ミゲル・トーレスはスペインの名門ワイナリーですが、早い時期にチリに進出し(ミゲル・トーレス・チリ)、チリでもさまざまなワインを造り、コンクール受賞の常連となっている生産者です。
コストパフォーマンスに優れたミゲル・トーレス・チリのワインは、デイリーからハイエンドまで幅広いラインナップが揃っていますので、覚えておくと便利な名前です。


Vendimia Tardia Riesling 2008 Miguel Torres Chile (チリ) 375ml

なんと、ミゲル・トーレス・チリのリースリングの甘口を発見

“ヴェンダミア・タルディア”とは“レイト・ハーベスト”(遅摘み)のこと。
南半球のチリでは2月下旬から収穫が始まりますが、このリースリングは2008年5月8日~6月11日に収穫されたブドウを使って造られています。熟成はフレンチオーク樽(新樽50%)で16カ月。

リースリングならではのしっかりした酸を備えた、トロけるような甘口ワインです。
これはリースリング好き、甘口好きにはたまりません
しかも、お値段も魅力的(同2,000円)  ただし、数量限定品なのでお早めに!



パーティーやクリスマスディナーの席に、パイスのロゼスパークリングもリースリングの甘口はピッタリですが、最後にもうひとつオススメワインを紹介します。


Whispers Sparkling White NV
Litore Family Wines (豪州、ヴィクトリア)

シャルドネ、セミヨン、コロンバールから造られた辛口スパークリングワイン(白)で、この秋、日本に初上陸しました。
ブドウ畑の近くに生えているユーカリの木が風に揺られてざわめく音が“ささやき=ウィスパーズ”に聞こえることから名付けられた、ちょっとロマンティックなネーミングのワインです。

乾杯から軽い前菜まで活躍できる爽やかな辛口で、エチケットも姿もセンスよくて素敵なのに、プライスを聞いてピックリ!(同1,200円)
テーブルにあると華やぐので、これもこれからのシーズンに超オススメの1本です

(輸入元:三国ワイン株式会社)


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黒いゲミシュターサッツ&イチジク@カリフォルニア

2011-12-06 15:52:56 | ワイン&酒
『料理王国』 1月号が本日発売されました。
私がこの号で執筆している記事に、あら、偶然!という共通点がありますので紹介します。




ジンファンデルのゴッドファーザー来日 (P51)

米カリフォルニアはソノマの「RAVENSWOOD」の創始者であるジョエル・ピーターソン氏の単独インタビューを行いました。

レーヴェンスウッドといえば ジンファンデル
ジョエル氏とサシで8アイテムのジンファンデルワインを試飲しながらのインタビューで、緊張しながらも興味深い話を聞くことができました。



彼のつくるジンファンデルワインは、果実味が凝縮してボディに厚みがあり、飲みごたえがありますが、キレイな酸味が入っているのでバランスがいいと思いました。
さすがにうまく造っており、カリフォルニアのジンファンデルで間違いないものを選ぶとしたら、必ずTOP3に入ってくる生産者です。

特に印象的だったのは、オーストリアのゲミシュターサッツ的に仕込まれる赤のブレンドワイン
オーストリアでは白ワインですが、ジョエル氏は黒ブドウのみでつくります。


ICON  “mixed blacks” がコンセプト

詳細は本誌をご覧ください(笑)

(輸入元:アコレード・ワインズ・ジャパン株式会社)



もうひとつの記事も「カリフォルニア」 かつ、テーマは「黒い」イチジク。


カリフォルニアドライフィグを使って カリフォルニアキュイジーヌを提案 (P86-87)

世界各国からドライイチジクが輸入されていますが、よく見るのは地中海沿岸地域の白イチジクではありませんか?


California Fig   “Black Mission”

「ブラック ミッション」という品種の黒イチジクです。
取材時にブラックミッションのドライフィグを使った料理を試食させていただきましたが、果肉がみっちり&しっとりしているので、料理への応用がかなりきく!と実感しました。

カリフォルニアフィグアドバイザリーボードのスタッフや、今回の料理を作ってくださったシェフから、さまざまな楽しみ方を教えていただいたので、私も試してみようと思っています。

さまざまな楽しみ方の詳細も、ぜひ本誌で(笑)



『料理王国』  2012年1月号(12/6発売)


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ボルドーのシャトーが大震災復興支援ディナー&オークションを開催

2011-12-05 16:54:15 | ワイン&酒
先週開催された 「ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー・トレード・テイスティング 2011」 では、過去最大級の103シャトーが出展し、大阪会場(11/29)では約420名、東京会場(11/30)では約1000名の来場者がありました。

東京会場(ホテルオークラ東京)では、午後からの試飲会の後、
「東日本大震災復興支援のチャリティー・ディナー&オークション」 も行われました。

このディナー&オークションは、今年3月11日の東日本大震災に心を痛めたユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドーのメンバーが、日本の人々の支援のために開催したもので(社団法人日本ソムリエ協会と共催)、ディナーには有志85シャトーからワインが無償提供されました。



オークションでは89シャトーが無償提供した優良年のマグナムボトルなど20ロットが出品

ワイン以外では、エールフランス航空提供の東京/ボルドー往復ビジネスクラス・ペア航空券(ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー提供のシャトー4泊および運転手つき車による訪問付き)というものもありました  これはいくらで落札されたか気になりますね(笑)

オークションの落札合計金額は 616万5,000円。
ここに、ディナー参加費から諸経費を除いた収益を加え、総額 816万5,000円 が、日本ソムリエ協会を通して日本赤十字社に寄付されました。

これは大拍手ですね!



“運転手付きのシャトー訪問”の落札ができなかった方に(笑)、素敵なニュースがあります

2012年5月12~13日、ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドーが主催する
ワイン愛好家のためのワイン・イベント 「ウィークエンド・デ・グラン・クリュ」ボルドーで開催されます。

ボルドー市内で、ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー加盟の100を超すシャトーによる試飲会、シャトー・ディナー、ブドウ畑ツアー、ゴルフ・コンペなどを行うワイン・イベント、「ウィークエンド・デ・グラン・クリュ」に誰でも参加できます。

この時期にフランスに行こうと計画している方、ぜひスケジュールに組み込んでみてください。

 ※詳細案内・申し込み方法  http://www.ugcb.net


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ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー2011

2011-12-04 18:10:18 | ワイン&酒
ボルドーの134のシャトーが加盟する団体、「ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー」 のアジアツアーが今年も行われ、日本では大阪(11/29)と東京(11/30)で大試飲会が開催されました。

2011年のツアーでは2008年ヴィンテージが紹介されました。



まず、辛口白ワイン
生産アペラシオンは Graves Pesac-Leognan になります。

出ていたシャトーはほぼ試飲しましたが(1つだけ早々になくなっていました)、どこも軽い?果実味の凝縮感はライトで、よく捉えればデリケートでエレガント。少々シャバシャバしているのでは?と思ったシャトーもありました。

その中でイイナと思ったのは、Ch. de Fieuzal Ch. Larrivet-Haut-Brion



3年前にも取材した、ラリヴェ・オ・ブリオンのBruno Lemoine 氏に話を聞くと、
「2008年の白の出来は、やはりシャトーによって違い、ひとことでヴィンテージを表現することはできない。春に雹の被害があり、それが影響しているのは確か。ただ、そのせいで自然に房が少なくなり、当シャトーは本当に良い房だけを残すことにした。結果、収量は18hl/haとなり、それがワインの質につながったと思う」とのこと。

同シャトーの赤ワインの収量は34hl/haでしたから、白の厳しさがわかりますね。

ラリヴェ・オ・ブリオンの白2008年は、果実味のボリュームもほどよく、エキス分がきれいに抽出されてエレガントにまとまっており、非常にバランスがいいと思いました。



赤ワインを見ると、白ワイン同様、2008年は軽めなのでは?という印象を受けました。
果実味の凝縮感がライトで、今から飲みやすく、チャーミング、というものが多いように感じました。

サン・テミリオンのあるシャトーの方に話を聞くと、
「わたしは2008年はいいミレジムだと思う。2009年の方がエレガントで、2008年の方が骨格がしっかりして男性的。クラッシックないい年だと思うが」とのこと。

そのシャトーの赤ワインを飲んでみると、果実味はそれほど濃厚ではないけれど、酸と収れん味がしっかりして均整が取れ、育ちの良さを感じさせる味わいでした。

飲み比べると、2008年の赤はシャトーによって大きく違うのがよくわかります。

試飲会に連れ立って来ている人たちが会話する声がよく耳に入ってきますが、「いいね」と言っているのは、濃厚でなめらかなタイプ。つまり、店ですぐ使えそうなタイプの評価が高いようです。

ただ、2008年はやはりやや軽めでクラシカルな味わいのものが多いと思いましたので、長期熟成させるのではなく、早いうちから楽しめるワイン、食事にも合わせやすいワインとして活躍してくれるように思います。
これは赤ワインだけでなく、辛口白ワインにもいえると思います。



甘口白ワイン (Sauternes/Barsac) は、どれも濃密でなめらかで、うっとりするほど甘美 2008年のソーテルヌ&バルサックは非常にいい出来だと思います。



個人的なイチオシは、Ch. de Fargues
エキス分が濃く、複雑味があり、甘い余韻がいつまでも長く続きます。

今回は過去最高の103シャトーが来日し、あれこれ試飲して口の中が麻痺するほどでしたが、最後に辿り着く甘口ワインは本当に甘露。自然のもたらす恵みに感謝せずにいられません


コメント (4)
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