ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

アルバリーニョ100%の[ヴィーニョ・ヴェルデ]で新展開

2023-01-31 16:30:00 | ワイン&酒

ポルトガルワインの話題をもうひとつ。

数あるポルトガルワインの中で、私たち消費者が最も手に取りやすいのは、おそらく「ヴィーニョ・ヴェルデ」だと思います。

 

ヴィーニョ・ヴェルデ Vinho Verde DOC(DOP)は、ポルトガル北西部ミーニョ地方の原産地呼称ワインです。

ポルトガルで最も古くから生産区域が定められた(1908年)ワイン産地のひとつで、スパークリング、白、赤、ロゼと、多彩なワインが生産されています。

 

 

ヴィーニョ・ヴェルデに関しては、ここで何度も紹介してきましたので、今さら、なのですが、昨秋にヴィーニョ・ヴェルデ生産者協会主催のプレゼンテーションが都内であり、皆さんにお知らせできる情報をひとつ得ましたので、紹介したいと思います。

 

 

ヴィーニョ・ヴェルデの原産地呼称で認められているブドウは45品種

多く使われているのは、ロウレイロ(60%)、アリント(20%)、トラジャドゥーラ(20%)の3つ。

 

ヴィーニョ・ヴェルデには、西の海側のエリア、東の山岳地帯など、ヴィーニョ・ヴェルデ内の地形や土壌、気候はバラエティに富み、9つのサブリージョンがあります。

認定ブドウ品種は45ですが、サブリージョンによってテロワールに違いがありますので、各地の栽培推奨品種も違ってきます。

 

ヴィーニョ・ヴェルデのサブリージョンの中で、最も名前が知られているのが、最北部に位置する「モンサオン&メルガソ」でしょう。

白ブドウのアルバリーニョ種の生育にベストな条件が揃い、アルバリーニョに特化した高品質ワイン、高級ワインの生産者が集中している地域です。

 

昨日紹介した「ソアリェイロ」は、メルガソでアルバリーニョの生育に力を入れ、ヴィーニョ・ヴェルデのトップ生産者といわれています。

 

ヴィーニョ・ヴェルデは複数のブドウをブレンドしてつくるのが伝統ですが、上記の理由で、モンサオン&メルガソではアルバリーニョ100%のヴィーニョ・ヴェルデが多く見られます。

 

とはいえ、アルバリーニョは他のサブリージョンでも栽培されています。

複数品種のブレンドがヴィーニョ・ヴェルデの伝統ですが、近年は単一品種100%でつくる生産者も増え、品種による味わいの違いを楽しむのもトレンドになっています。

 

ロウレイロ100%のヴィーニョ・ヴェルデ

 

そうなると、アルバリーニョ100%のヴィーニョ・ヴェルデをモンサオン&メルガソ以外でもつくりたい、と思う生産者も出てきます。

 

モンサオン&メルガソ以外でアルバリーニョ100%のワインをつくることはできますが、その場合、「ヴィーニョ・ヴェルデ」の原産地呼称を名乗れず、地理的表示名「IGT(IGP)Minho ミーニョ」になってしまう、というのがこれまででした。

 

アルバリーニョ100%でヴィーニョ・ヴルデを他でも名乗れないのはおかしい!

モンサオン&メルガソがあまりにも優遇されているんじゃ?

という声が当然出てきます。

 

ということで、他のサブリージョンのアルバリーニョ100%のワインも2021年ヴィンテージからヴィーニョ・ヴェルデを名乗れる、ということになりました。

 

Vinho Verde  POUCO COMUM Alvarinho 2021 Quinta da Lixa

 

同じワインを遡って調べると、2019年ヴィンテージはIGTミーニョでした。

これは2021年なので、ヴィーニョ・ヴェルデを名乗ることができました。

 

バックラベルにも「VINHO VERDE ヴィーニョ・ヴェルデ」であることを証明するグリーンのシール(下部)が貼られています。

 

こうなってくると、本家のモンサオン&メルガソは、面白くありません(笑)

そこで、ヴィーニョ・ヴェルデのシールにモンサオン&メルガソの地名を入れる、ということをしてきたのが下記です。

 

「ソアリェイロ」のバックラベルシールですが、二つの山の絵と「Monção & Melgaço」が記されています。

 

アルバリーニョ100%のヴィーニョ・ヴェルデで、モンサオン&メルガソのものを飲みたい人には、このシールが目印になってきます。

 

 

 

ヴィーニョ・ヴェルデはスーパーなどでも1000円前後から売っているので、デイリーに楽しめるのが嬉しいワインです。

 

また、泡もあり、ロゼもあり、赤もあり、樽熟させたワインもあります。

 

エスパデイロ100%の辛口ロゼワインのヴィーニョ・ヴェルデ

 

ヴィニャオン100%の辛口赤ワインのヴィーニョヴェルデ

 

ヴィーニョ・ヴェルデだけで食事のコースの最初から最後まで通すのも楽しいかもしれません。

 

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2023年に飲みたいワインーポルトガルワイン

2023-01-30 23:17:19 | ワイン&酒

日本に古くから輸入されているヨーロッパのワイン産地の中で、このところ急激に認識が高まり、評価されるようになったのが「ポルトガルワイン」です。

 

かつて、ポルトガルワインといえばポートワイン、でしたが、酒精強化されたポートワインは食後にまったり楽しむものだよね、との認識もあり、日本ではポルトガルワイン全体の姿がなかなか伝わってこなかった歴史があるかもしれません。

近年は、軽やかスタイルのヴィーニョ・ヴェルデのキャンペーンが始まったおかげで、気軽にカジュアルに楽しめるポルトガルワインもある、ということが知られるようになってきました。

海外の展示会に行くと、ヴィーニョ・ヴェルデは大きなブースで紹介され、価格がお手頃なこともあって、人気を集めています。

私もヴィーニョ・ヴェルデは大好きです。

 

ポートワインとヴィーニョ・ヴェルデ。

両極端なこの2つの間には興味深いポルトガルワインがあり、ここ数年の日本でのポルトガルワインのプロモーションのおかげで知られるようになってきました。

 

Wines of Portugalのポルトガルワイン日本事務局では、2022年は日本の主要都市6カ所でマスタークラスセミナーを行ない、参加申し込みが殺到したそうです。

また、東京で6月に開催されたプロ対象のグランドテイスティングには400名が参加したとのことで、ワインを扱うプロの方々のポルトガルワインへの興味、認識が高まってきています。

なお、グランドテイスティングは2023年も予定されています。

 

日本への輸出実績を見ると、2022年は価格で25%以上の伸びだそうです。

この伸びが消費者に意識されることはなかなか難しいかもしれませんが、この事実を知った皆さんは、ぜひ今からポルトガルワインを気にかけてみてください。

 

 

昨年末、ポルトガルワインのインポーターとプレスとのミーテングが都内で開催されたのですが、これまでポルトガルワインを輸入していなかったインポーターの出席もあり、嬉しい驚きでした。

輸入業者が新規取り扱いしたくなる魅力がポルトガルワインにある、ということですね。

 

ミーティングに出席したインポーター各社が持参したポルトガルワインの数々

 

ヴィーニョ・ヴェルデの中では出色!の「ソアリェイロ」

※輸入元:木下インターナショナル

 

これもヴィーニョ・ヴェルデ

※輸入元:ポルトガル・トレード株式会社

 

これは初!「フイタプレタ・ア・トウリガ・ヴァイ・ヌア 2020」

※輸入元:ヴィレッジ・セラーズ

 

品質が高いのにこの価格?というパフォーマンスの良いワインが揃っています

 

ラベルを見ているだけでも、飲んでみたくなってきます

 

由緒あるというH.M.ボルジェス社 「アデガ・マデイラ・ミディアムリッチ」

マデイラもポルトガルの酒精強化ワインです

※輸入元:アデカ

 

うさぎ年の2023年にピッタリなうさぎラベルの「エト・カルタ」

※輸入元:木下インターナショナル

 

 

そういえば、昨年11月30日に「ポルトガルワインコンテスト2022」が開催され、決勝の様子をリポートしました。

以前からポルトガルワインのコンテストは開催されていましたが、コロナ禍もあって久しぶりに開催されたコンテストは一般愛好家も参加可能とあって、ユニークで興味深い審査結果になったように思います。

コンクールのリポートは、下記にURLを貼り付けます。

 

 

コンクールの最終審査でブラインドで登場したワインのひとつがこちら。

ポルトガルならではの品種エンクルザードの白ワインで、私は樽で熟成させたシャルドネに似た風味をいつも感じます。

※輸入元:正光社

 

コンクールの課題になったワインはこちらにもあります。

中央の「キンタ・ド・クラスト2019」、DOCドウロの赤ワインです。

このワインの輸入元は株式会社Row & Co.で、ドイツ出身のクリストフ ローゼさんが代表を務めています。

リゼルバは平均樹齢70年の古木のブドウ(品種はポルトガルらしく色々)を使っているそうです。

ここのワイナリーは、世界のベストヴィンヤード2022で8位に選ばれています。

ドウロ川の右岸にあり、とても美しいところのようですので、いつかぜひ訪問してみたいです!

 

 

 

かつては、安くておいしい!コスパがいい!のがポルトガルワインの売りでしたが、現在はそれだけでなく、ポルトガルにしかない地場品種を使った多彩なワインがあり、非常に品質の高いワインが増え、ますます魅力的になってきました。

私が特に惹かれるのは、生産者でさえよくわからないという多品種のブレンドワインです。

個性が突出しているというより、ちょうどいいバランスで口馴染みがいいものが多く、飲んでいてほっとします。

 

現在、日本に輸入されているポルトガルワインのワインリストは、ポルトガルワイン日本事務局の公式HPにありますので、ぜひアクセスしてみてください

[輸入ワインリスト]

http://www.wincle.com/winesofportugal/search.html

 

[参考]

「ポルトガルワインコンテスト2022」最優秀賞決定!

https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/75187e7e2c34886933d706d7e41b3b7e

 

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防犯対策への意識の高まり

2023-01-29 23:58:59 | 雑記

このところ起きている連続強盗事件を受け、防犯対策を意識する人が増え、ホームセンターなどで防犯対策用品が売れている、というニュースを見ました。

 

強盗のターゲットにされるのは65歳以上のお金のありそうな家庭だそうで、我が家は街頭しないから大丈夫、とはいえなくなってきているようです。

ニュースでは、30~50代の家庭でも入られている、と言っていましたので、誰もが注意しないと、です。

 

これも気を付けなければならないと思いますが、

今日の昼間、「お宅の屋根の〇〇が壊れていて、早く直さないと、とうちの親方が言っている」とやってきた人がいました。

屋根関係の訪問はよくあり、どれも怪しく感じます。

「近くの家で仕事をしていて、通りかかったらたまたま気付いた」というのがお決まりのセリフですが、近所にそんな様子の家はなく、今日などは日曜日なので、職人さんは基本的にはお休みのはず。

以前来た人は若いチャラそうなお兄ちゃんでしたが、今日来た人は人の良さそうな純朴タイプの青年で、その風貌と雰囲気に警戒心を解く人は多いだろうなと思いました。

 

「今すぐ直さないと雨漏りが…」と言っていましたが、以前直してもらった地元の瓦屋さんが実際にいるので、そういってお断りしました。

 

こうした飛び込みは、後で大きな金額を吹っ掛ける詐欺であることが多いばかりか、家の内部情報を特殊詐欺などに利用する場合もあるので、家の中に入れず、ピシャリと断るに限ります。

 

皆さんもご注意ください

 

何年か前の大雪

ここまで積もると、本当に屋根が壊れていたら心配になりますが。



 

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夜の町内散歩ー夜警初体験

2023-01-28 23:54:20 | 雑記

私のところの町内自治会では、12月と1月の毎週土曜日の夜に夜警を行なっています。

これまでは一度も参加したことがありませんでしたが、今年度は班長に当たっているので、初めて夜警に参加しました。

 

グループに分かれ、「火の用心」と掛け声をかけながら町内を回ります。

このところの寒波で冷え込んでいる今週は、夜になるとますます冷え込み、寒い~

 

それでも、町内をパトロールしながら歩き回ると、だんだんと寒さを感じなくなってきます。

散歩効果ですね

 

夜警は30分ほどで終了。

今日は参加人数が少なかったそうですが、たしかにこんな日は夜に出歩きたくない!

 

でも、真冬の晴れた日の夜は星がキレイでした。

かなり久し振りに夜空の星を見たかもしれません 

 

美しい夜景で印象に残っているのは、フランスのボルドー市

 

 

 

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第17回A.S.I. 世界最優秀ソムリエコンクールはライブ配信されます

2023-01-27 23:50:54 | ワイン&酒

国際ソムリエ協会(Association de la Sommellerie Internationale:A.S.I.)の主催による 

第17回(2023年)A.S.I. 世界最優秀ソムリエコンクールが、2月にパリで開催されます。

 

日本代表の岩田渉選手をはじめ、世界65カ国から68名が参加し、ソムリエ世界チャンピオンの座を競います。

 

決勝は2月12日(日)で、現地時間の14~18時に公開で行なわれ、オンラインでのライブ配信も行なわれます。

私はパリに現地取材に行くつもりにしていましたが、諸般の事情でパリ行きを断念しましたので、ライブ配信を観て応援しようと思います。

ぜひファイナルまで残ってほしいですね!

 

決勝ライブは下記のサイトからアクセスできます。

日本時間では夜22時から翌2時までの深夜になりますが、昨年のサッカーW杯で真夜中や早朝の試合観戦をしたことに比べれば楽勝なんじゃないでしょうか(笑)

 

 第17回A.S.I. 世界最優秀ソムリエコンクール ファイナル(決勝)

2023年2月12日(日)14:00~18:00(日本時間22:00~2:00) 

YouTubeにてライブ配信ー https://youtu.be/IRKfg1JAvNk

 

 

日本代表選考会(2022/11/22)時の岩田選手

 

※選考会のリポートは下記をご覧ください

岩田渉さん「A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクール」日本代表に決定!

https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/d110a8cdc2b9b6b1b752e8536e751d64

 

 

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今朝の室温2℃!

2023-01-26 23:44:27 | 雑記

寒中お見舞い申し上げます

 

10年に一度という寒波到来で、氷点下で水道管の凍結や破裂に注意、という氷点下とは屋外の温度のことですが、室内もかなり冷えていますね!

今朝、朝の準備をしようと1階に下りて温度計を見たら、台所は2℃!

目盛りひとつが二度分で4℃かと思ったら、そのまんま2℃でした。

 

室内でこの温度ということは、屋外は相当冷えてますよね。

バケツの水は前日に続き氷が張っていました。

こんなに冷え込んでも、我が家の水道管は無事でした。

おそらく、母が夜中にたびたびトイレに行き、手を洗うために水道を流しているから凍結するヒマがないのだと思います。

 

エアコンの暖房を入れ、コタツを温め、だんだんと室温が上がってきましたが、それでもようやく10℃。

今日も寒い1日でした。

なのに、来週はもう節分、立春。

この時期、暦だけはどんどん移り変わっていきますね。

 

皆さん、どうぞあたたかくしてお過ごしください。

 

 

この冬はまだ我が家の庭で積雪は見られませんが、上の写真は10年ほど前に雪が降った時の我が家の庭の様子。

ご近所の猫がかわいい足跡を残しています(笑)

 

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給料日にはジャンボシュークリーム

2023-01-25 23:38:50 | 甘いもん

私が会社員時代、働いていたビルの地下街に洋菓子の「銀座コージーコーナー」がありまして、お給料日の25日は、社食でランチ後、地下でジャンボシュークリームを買って食べるのが毎月の楽しみでした。

 

当時、ジャンボシュークリームは100円で、しかも手のひらからはみ出すほどのジャンボサイズ。

ジャンボサイズとはいえ、ランチ後でもペロリと食べてました(笑)

 

ランチに食べられなかった時は、帰りがけに買い、家で食べていました。

最寄り駅から自宅までの途中には大判焼きの店があり(今もあります)、ジャンボシューを買わなかった時は、大判焼きを買っていました。

ちまり、お給料日は、ささやかな甘いものを楽しむ日

 

今日出かけた先は、会社員時代の勤務先のご近所。

しかも、25日ということもあり、となれば、銀座コージーコーナーでジャンボシュークリームを買わないわけにいきません(笑)

 

ジャンボシュークリーム ホイップ&カスタード  

銀座コージーコーナー

 

私がいつも買っていたのは、カスタードクリームのみのジャンボシューでした。

昔はカスタード1種類だけだったような気がします。

価格は、1個140円(税込み151円)と、100円時代からかなり上がっていますが、原材料費高騰の折から仕方ありません。

 

 

写真からはサイズ感がわかりませんが、やたら大きかった昔と比べると、二回りはコンパクトになっているような?

 

 

中のクリームはたっぷり

クリームがとてもやわらかく、クリーミーでした。

クリームを垂らさずに食べるコツは、上下さかさまにして食べること。

なので、上の写真は上下さかさまに置いています。

 

1個270kcal

久しぶりに食べたので、目をつぶりましょう

家でコーヒーとともに楽しみました。

 

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フランチャコルタ「Castello Bonomi」のススメ

2023-01-24 18:12:47 | ワイン&酒

遅ればせながら、昨秋にオンライン取材した生産者をひとつ紹介します。

 

イタリアロンバルディア州のフランチャコルタ生産者「Castello BONOMI」です。

 

 

DOCGフランチャコルタは、ロンバルディア州の中央部に位置し、イゼオ湖の南に広がる約200キロ平方メートルに及ぶ土地で生産される瓶内二次発酵の発泡性ワインです。

19の自治体を含み、地図を見るとけっこう広く、地域によって地形や土壌なども違ってきそうです。

 

今回紹介する「Castello Bonomi カステッロ・ボノミ」は、フランチャコルタの最南部に位置するCoccaglio(コッカーリオ)という町にあります。

ここにはモンテ・オルファノという山があり、モンテ・オルファノの南側にボノミがあります。

フランチャコルタ地域の南にはポー平野が広がっていますので、ボノミの北側にモンテ・オルファノ山、南にポー平野、という立地。

 

 

「標高275m。屏風のようなモンテ・オルファノの山の南側にポツンとある場所」と、生産者の談。

 

このエリアの生産者はわずか5軒ほどだとか。

 

フランチャコルタでは氷河の堆積土壌が一般的に見られますが、モンテ・オルファノは海底が隆起してできた山なので、石灰岩土壌がメイン。

「石灰岩土壌はブドウに強いミネラルを与え、長熟のポテンシャルと与えます」

 

赤い色の土壌部分もあり、鉄や粘土が多く含まれているとのこと。

鉄や粘土もブドウにミネラルを与え、長熟の可能性をさらに高めます。

 

こうしたことから、ボノミでは、瓶内二次熟成の期間を長くしているといいます。

期間を聞くと、30カ月から、長いもので10年!

 

また、フランチャコルタエリアの最南部ということもあり、平均気温が5度高く、暑い気候。

降雨量も20%少ないそうで、暑く乾燥している土地になります。

南イタリアなどの地中海沿岸に生えるケッパーがここでも生えているとか。

 

 

フランチャコルタでも特殊なモンテ・オルファノ山の南側に、ボノミは29haの土地を所有し、うち26haがブドウ畑。

ボノミで栽培してるブドウは、ピノ・ノワール、シャルドネ、エルバマット

シャルドネを22区画、ピノ・ノワールを12区画植えていますが、比率としてはピノ・ノワールが多く、ここの土壌がピノ・ノワールに合っているからだそうです。

ボノミでは、それぞれの区画のテロワールを引き出したワインづくりを行なっています。

 

 

「エルバマット」は聞きなれない品種かもしれません。

フランチャコルタ南東部のブレシア県で16世紀から生産されていた古い白ブドウ品種で、晩熟で酸が強いのが特徴です。

フランチャコルタのDOCG規定(DOCG認定は1995年)では、エルバマットの使用は認められていませんでしたが、2017年の規定改定により10%以下の使用が認められました。

果皮が厚く、病害にも強い品種で、リンゴ酸がとても多いいため、長熟に向くだけでなく、地球温暖化にも役立つと期待されています。

フランチャコルタ生産者協会からの実験依頼で、ボノミでは2010年に植樹。

他と違う個性を与える役割をしてくれるブドウ品種として、ボノミでは、ワインへの使用が認められた2017年ヴィンテージの「Dosage Zero 2017」に10%ブレンドしています。

 

 

ボノミは、エルバマットの栽培をはじめ、2019年にBIO認証の取得と、常に革新を行ない、モンテ・オルファノの特殊なテロワールを表現することをコンセプトとしたワイナリーです。

 

 

ワイナリーが創設されたのは1985年。

2008年にパラディンファミリー(ヴェネト州の生産者)が購入し、以降はパラディンファミリーによって運営されています。

運営は変わりましたが、1985年以来のスタッフ、シェフ・ド・カーヴのルイジ・ベルシーニさんが今なお健在で、区画の特徴を知り尽くしているのが強みだそうです。

 

なお、フランチャコルタとして使用が認められている基本的なブドウは、ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)、シャルドネ、ピノ・ビアンコ(50%以下)になります。

 

 

 

以上のことを踏まえ、3本のフランチャコルタを試飲しました。

 

Castello Bonomi Franciacorta Cuvèe 22 NV DOCG

 

キュヴェ22(ヴェンティデューエ)は、シャルドネ100%で、22区画のブドウをブレンドしてつくられた、エントリーレベルのフランチャコルタ。

南向き石灰土壌で、熱風が吹き、日中は暑いものの、夜には温度が下がります。

瓶内二次熟成30カ月(テクニカルデータでは24カ月)。

ドサージュ6g/LのBrut、アルコール12.5%

一番やわらかく、飲みやすいキュヴェで、より食事に合うとのこと。

 

飲んでみると、泡がソフトで、やわらかなタッチですが、酸がしっかりあり、ミネラリーで、クール&フレッシュ。塩味も少々感じました。

フードとのペアリングを難しく考えることなく、リラックスしながら楽しめるキュヴェだと思いました。

※希望小売価格:4,400円(税抜)

 

 

Castello Bonomi Franciacorta Brut Cru Perdu 2011 DOCG

 

Cru Perdu(ペルドゥ)は、ピノ・ノワールの古木の畑名から。

森の中に隠れるようにあった、忘れられていた畑で、樹齢35年ですが、クローンは古いかもしれないそうです。

このキュヴェの構成は、シャルドネ70%+ピノ・ノワール30%

区画ごと、畑ごとに何度も収穫しています。

瓶内熟成期間は60カ月(5年)。ドサージュは4g/L。

 

プレゼンテーションの中で紹介されたヴィンテージは「2014年」でした。

フレッシュでエレガントで、ピノ・ノワールはスケールが大きいワインになるといいます。

食事に合わせやすく、鶏やうさぎ、牛肉のタルタルやカルパッチョ、焼き鳥もおすすめとか。

 

私のところに届いたのは「2011年」

この15年でベストヴィンテージだそうで、ラッキーでした

色濃く、うまみも濃く、凝縮感があります。

しなやかで、熟成のうまみ、複雑味があり、塩味もやや感じるふくよかなボディで、余韻が長く、とてもエレガント。これは素晴らしい!

2014年のペアリングで挙げていた料理よりも、もう少し洗練された料理が合うのではないかと感じました。

※希望小売価格:5,800円(税抜)(2011年)

 

 

Castello Bonomi Franciacorta Millesimato Dosage Zero 2012 DOCG

 

ピノ・ノワール50%+シャルドネ50%のキュヴェで、ドサージュはゼロ

ブドウがしっかりと熟しているので、ドサージュゼロが可能だそうです。

2012年は暑い年でしたが、透明感のある酸が特徴です。

シャルドネの10%はフレンチオークのバリック樽で熟成させています。

瓶内二次熟成6年!

 

ボノミでは、テロワールを明確に表現するために残糖を少なくしているとのこと。

 

 

飲んでみると、辛口ですが、ボディに厚みがあり、酸も厚みがあり、骨太でボディがしっかりとしています。

より熟したニュアンスがあり、トロピカルフルーツ的な印象も感じました。

※希望小売価格:10,000円(税抜)(2010年)

 

 

 

BONOMIのフランチャコルタを飲んで感じたことは、

 

エリア最南のモンテ・オルファノ山の南側という気候も土壌も、他のフランチャコルタとまったく違う点がユニーク

 

ユニークな土壌で育った長期熟成のポテンシャルのあるブドウを使い、より長い瓶内二次熟成を行なっていること、

それにより、長期熟成の可能性をもつエレガントなワインをつくっている点を大いに評価したいと思います。

 

あと、飲んだ時にミネラル感やほのかな塩味を感じたのは、ここの土地が元々は海底だったことによるかと思いますが、ほかのキュヴェでも感じるのか気になりました。

 

今回のプレゼンテーションでは3アイテムのみ試飲しましたが、日本には他にいくつかのキュヴェが輸入されていますので、気になった方は、ぜひ試してみてください。

個人的なイチオシは2番目に紹介した「Brut Cru Perdu 2011」で、内容と価格を考えると、ありえないほどのお買い得!

 

瓶内二次熟成が長いので、シュワシュワ感よりも、しっとり落ち着いた熟成感を楽しみたい方にオススメしたい生産者です。

パラディンの運営に変わり、近年は国内外のアワードを次々と獲得しているということですが、飲んで納得でした。

 

※輸入元:AVICO

 

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海苔の不作で恵方巻が危機?

2023-01-23 23:56:11 | おいしい食べもん

ネットニュースを見ていたら、今年は国産海苔が不作らしいとか。

それに伴い、節分の「恵方巻」に影響が出そう、とのこと。

 

前から書いていますが、私は恵方巻には一切興味がなく、一度も購入したことがありません。

海苔巻きは普通に食べますが、やたらと高い恵方巻を買う気はまったくありません。

 

国産海苔の不作情報は気になりますし、不作であるなら、無理に恵方巻にしなくても良いのでは?

必要としているところに海苔が届かなくなるのは困るでしょうし、そもそも、恵方巻の売れ残りを廃棄している様子は見たくないですよね。

 

話題のものに長い行列を作ったり、日本人は流行りものに踊らされることが多いように感じます。

まあ、人それぞれですが。

 

手軽に食べられる海苔巻きは、ときどき我が家の食卓に登場します

 

 

 

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今日はナスと挽肉のカレー@カレーの日

2023-01-22 22:48:57 | おいしい食べもん

1月22日はカレーの日、らしいです。

調べてみると、学校給食と関係があるそうですが、よくある語呂合わせではないので、覚えにくいですね。

2016年に制定されたそうですが、数日前までまったく知りませんでした。

 

カレーの日、だからじゃないですが、本日の我が家の晩御飯はナスと挽肉のカレーです。

買ってあるナスを早く使わなくちゃ、というのと、カレー用に買った挽肉を消費する予定があったため、前から決めていました。

寒い日が続くので、カレーにしたいなぁというのもありました。

 

 

ということで、ナスと挽肉のカレー + ナン

 

ナンは市販のものですが、薄くて頼りない…

ムチムチ感ゼロで残念

 

 

我が家では市販のカレールーは一切使わず、インドカレー店から取り寄せたカレーパウダーを使っています。

サラサラで味のついていないカレーパウダーは汎用性が高いので、便利なんです。

 

ルーが残ったので、ゆでたまごをプラスして、明日はライスで「朝カレー」にしようと思います。

 

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【反対の手もバネ指】注射して1カ月

2023-01-21 23:51:01 | バネ指

【反対の手もバネ指】注射か手術か  から続きます

 

右の親指のバネ指の手術をしてから8年、反対側の左手の親指もバネ指になってしまい、まずは注射をして様子を見ましょう、と書いたのが1カ月前。

つまり、注射をしてから1カ月が経ちました。

 

年が明けてからもしばらくは左の親指の付け根周辺に痛みと違和感が残っていましたが、注射して1カ月たった現在、痛みはまったく感じません。

注射の効果がようやく出ました

 

右手の時は、1回めの注射をした後に痛みがぶり返したので2回めの注射を打ち、それでもまたまた痛みが出てきたので、手術となりました。

さて、左手はどうなるでしょうか?

 

医師の話では、注射で解決する場合もあるそうなので、少し期待しています。

 

左手は手首の腱鞘炎にも悩まされ、2回の注射を打ちました。

1回目は2020年5月後半、2回めは2021年6月。

なので、2回めからは1年半以上が経過しましたが、手首の痛みが復活する気配はありません。

腱鞘炎は注射でなんとかなったみたい?

 

ということで、左手の親指の1年後に期待が高まっています(笑)

 

ちょうど1年ほど前に飲んだ「会津ほまれ」大吟醸

 

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今日は大寒だった?

2023-01-20 23:55:35 | 雑記

この週末はとても寒い、とか、来週はさらにさらに寒い!というニュースが流れています。

水道局からも、寒波の到来と水道管凍結の注意を促すSMSが届きました。

首都圏だと水道管凍結はめったにありませんが、注意するにこしたことはないですね。

 

冬至から約1カ月が過ぎたこともあり、夕方の日の入りが遅くなったのを感じます。

冬至の頃の夕方5時は真っ暗でしたけれど、今の夕方5時はずいぶん明るくなりましたよね。

 

このところは陽ざしにもあたたかみが増し、だんだん春に向かっていくのを感じているので、この冬一番の寒波到来?!というニュースに驚いていますが、暦を見ると、1月20日は大寒

大寒から2月にかけてが一年でもっとも寒い時期ということなので、大寒波到来も納得ですが、頭でわかっていても、寒い~(笑)

 

電気代は気になりますが、暖房を我慢して体調を崩すのもバカらしいので、必要な時はしっかり使いたいですね。

皆さんも、どうぞあたたかくしてお過ごしください

 

 

 

先月、友人宅でごちそうになった手作りカスレ。

アツアツの極上美味料理で、身も心もあたたまりました

 

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処方薬+飲酒がOKか薬剤師さんに尋ねると・・・

2023-01-19 23:49:13 | 美容&健康

体調で気になる点があり、病院に行ったところ、不調の原因が判明し、処方薬を出してもらいました。

 

気になるのが、薬を飲んでいる期間に飲酒してOK? ということ。

 

職業柄、飲まないと、というワインの待ちリストがあり、また、外食+ワインの取材もあるため、飲酒できるかどうかは大事なんです。

 

薬剤師さんに尋ねると、この薬は大丈夫です、とのこと。

アルコール関係の仕事をしているので、と伝えると、そういえば以前そうおっしゃってましたね、と薬剤師さん。

この手の質問をしてくる人は少ないからでしょうか、覚えられていたようです(笑)

 

服薬初日の今日はさすがに、ワインもビールも飲みませんでしたが、明日以降はうまくコントロールしていこうと思っています。

 

 

 

基本的には、薬+アルコールはNGなので、どうしても、という場合は、薬の受け渡しの際に薬剤師さんにしっかり確認することが重要ですね。

 

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防災用に寝袋を購入 暖房費削減にもなる?

2023-01-18 22:34:18 | 雑記

1月17日が淡路・阪神大震災が発生しただったこともあり、防災用に「寝袋」を注文し、本日届きました。

 

振り返ると、日ごろの防災意識は低いかもしれません。

反省…

いちおう、防災持ち出し用リュックは用意していますが、その中身は入れっぱなしなので、チェックのタイミングを決めないといけないですね。

 

「寝袋」のことを考えたのは、この冬の節電対策からでした。

電気代の高騰で、部屋の中だけど寝袋に入って暖房費を節約している人がいる、という話を聞き、寝袋は防災用に用意しておきたいなぁと思い、口コミなどを参考にネットで購入しました。

 

このところのアウトドアブームやひとりキャンプなどの影響もあり、お手頃価格の寝袋も多く、極寒地で使うのでなければ、選択肢は多いです。

色々と調べ、価格的には超お手頃の寝袋を2つ購入しました。

単独で使えるのはもちろん、2つを連結して使えます。

広げられるので、敷布団としても掛け布団としても使えるタイプです。

 

 

本日届いた寝袋を見てみると、予想していたよりもしっかりしていました。

ためしに寝袋にもぐってみましたが、とても暖かく、いい感じ。

災害の避難先の体育館とか、車内とかなら充分間に合いそうです。

安くなっていた上、ポイントを使って購入したので、2つで3000円

いい買い物でした

 

早速、2つとも車のトランクに収納しました。

この冬の暖房費対策のために室内で使ってもよかったですが、やはり防災持ち出し用にしたいので。

部屋の中で暖房費対策のために、もうひとつ追加注文してもいいかもですね。

 

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朝も昼も夜も眠い~苦笑

2023-01-17 23:54:08 | 雑記

今週から本格復帰、といいながらも、まだ雑事もろもろで、まともに仕事ができていません。

加えて、ずっと眠い…

 

どこかでどっぷり休めるといいのですが

 

南仏の小さな町のマルシェで売られていたトマトが多種多様でカラフルでした


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