ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

今年の締めは銀座「カーヴ・デ・ヴィーニュ」

2008-12-31 10:17:22 | レストラン&店
今年も一番たくさん通い、大変お世話になったのが

銀座のワインバー 「カーヴ・デ・ヴィーニュ」 (Cave des Vigne)

何年か前から、月に一度、ここで定例会と称するブラインド会をワイン仲間の友人たちと開催しています。

ワインバーでありながら本格的なフレンチが、しかも その季節の色々な素材がいただけるので、いつもここの料理を本当に楽しみにしています 



そこで、今年の締めということで、この10~12月にいただいた料理のいくつかを、画像で紹介したいと思います。

店の照明がやや暗めなこと&私のデジカメ&腕の具合もあり、あまりきれいに撮れていないものもありますが、ぜひ目で楽しんでください。

料理名と素材がわかるもの(覚えているもの)のみ書いておきます。





魚のフリット(ワカサギだったような?)



雉肉



これも雉 もも肉・・・ソヴァージュを感じさせる香ばしい一皿でした



イカのフリット?



素材は魚介系だったような?



とてもジューシーな豚肉だったと思います



馬肉のタルタル



ムール貝と牡蠣とアボカドの熱々キッシュ



スッポンとチーズのリゾット



シャラン鴨のロースト



今年もごちそうさまでした&本当にお世話になりました!

また来年もどうぞよろしくお願いいたします



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「モダンな白眉」パリ・セガン島 兵庫達弥写真展

2008-12-30 17:33:26 | 雑記


友人の日記で、銀座シャネルビルの4Fホールで、
パリのセーヌ川に浮かぶ島の写真展 があると知り、ちょうど銀座に出かける用事もあったので覗いてきました。

銀座のシャネルビルは、レストランの「ベージュ東京」には行ったことがあるものの、ホールがあるとは知りませんでした。

ブティック内に入り、奥のエレベーターで4Fに上がると、
「シャネル・ネクサス・ホール」がありました。


実は、写真家の 兵庫達弥 (ひょうご たつや)さんの名前は初めて聞きましたが、パリの風景が楽しめたらと、何の予備知識もなく出かけたのですが・・・




タイトルになっている 「モダンな白眉」(はくび)の「眉(まゆ)」は島の形から、「白」 は1919年に建てられて2004年に取り壊しが始まったルノーの自動車工場の建物の色から来ていました。

パリの西側、ちょうどセーヌ川が蛇行しているところの中洲に「セガン島」があるのですが、そこにあったルノーの白い工場は、まるで白い眉のように見えたのでしょう。




約35枚の写真が展示されていましたが、ほとんどのものがモノクロで、それが「光と影」をよく表し、写真に奥行きを感じさせます。

また、被写体を直接捉えたショットより、被写体の「影」を写したものが印象的で、それによって「光」がくっきりと際立っているように感じました。

全体を通して、非常に「静謐な」、不思議に音のない世界が伝わってきて、年末の慌しさを少し忘れさせてくれました。


なお、セガン島(L' Ile Seguin)は今も島としては残っていますので、
パリのメトロ9号線の西側の終点「Pont de Sevre」で下車すれば、その姿を見ることができます。


この写真展は明日31日まで開催されています(11時~17時、入場無料)。

年が明けてからは、1月13日~2月15日にお台場の「Gallery 21」で同じ写真展が開催されます。

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歳末の吉祥寺の風景

2008-12-29 14:10:21 | お出かけ&旅行
先日、年末恒例の吉祥寺へ。

この街での一番のお目当ては、私の大好きな「壷最中」 

羊羹で有名な「小ざさ」のもので、ここはあんこが本当に美味しい 




もう毎年、年末はここの最中を買い、年末から年始にかけて楽しんでいます。

小豆あんと白あんがあり、今朝は白あんの方を楽しみましたが、丁寧に仕上げられた白いんげんの豆がふっくらやさしく、甘さもしっかり付いてちょうどよく皮となじみ、ホント、ここの最中は私の中のマイベスト

なんたって1個54円という良心的な値段が嬉しい

美味しい上にお手軽なこともあり、ここはいつも行列ができるのですが、特に年末は店頭から離れたところから並ばされます。
今回は15~20分ほどで無事に買えました。



この「小ざさ」のお隣が、メンチカツの行列で有名な「肉のサトウ」

2007年の7月、1年半ほどにわたって不法滞在の中国人を従業員として雇い入れていたことから、不法就労助長として社長らが逮捕されたという事件がありました。
さすがに、その年(昨年)の年末には行列は見なかったのですが、今年は行列が回復していました。

ちょうど、小ざさの行列と平行に並ぶので、どちらの列がどっちの店なのか、よく見てから並ばないといけません(笑)



他には、ドイツパンの「リンデ」でドイツパンを少し購入。

そして、吉祥寺はドラッグストアがたくさんあるため、どこの店もかなりの安さを競っているので、ドラッグでの買い物もハズせません!
私も、ポイントカードを貯めている店であれこれと買い込みました(笑)

靴屋や雑貨のお店も多く、もちろん安いし、本来の用事(いつもの店で食事&ワイン)がなければ、もっと色々と買い込みたいと思うのですが、ホント、吉祥寺はショッピングするには楽しい街だと、来る度に感動しています 

そうそう、最中の「小ざさ」は明日まで営業しているそうですので、気になる方はぜひどうぞ~

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第10回 Vina Perez Cruz@「キャッチ The 生産者」

2008-12-29 10:52:03 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2005年5月11日)

第10回 Felipe Uribe Valdes  <Vina Perez Cruz>



第10回目のゲストは、 チリのワイナリー『ヴィーニャ・ペレス・クルス』の輸出部長のフェリペ・ウリブ・バルデスさんです。

ペレス・クルス社は、2002年がファースト・ヴィンテージという新しいワイナリーです。このところ、チリワインの話題が淋しい日本ですが、この新ワイナリーでチリ人気再燃なるか?という期待を胸に、フェリペさんにお話を伺いました。


<Felipe Uribe Valdes>
今回の来日が5回目、いや6回目かも…?というほど、日本は何度も訪れているというフェリペさん。以前はチリの大手ワイナリーで北米担当の輸出マネージャーをしていましたが、現在は『ペレス・クルス』の首脳陣の1人として、世界中を駆け回る忙しい日々を送っています。 



"チリカベ"という言葉に象徴されるように、1990年代後半には、「安くておいしい」ということから、チリワイン、特にその中でもカベルネ・ソーヴィニヨンに注目が集まり、普段からワインを飲み慣れていない人でさえも「好きなワインはチリカベ!」と言うほど、チリワインが大変な人気を博しましたが、ワインブームが落ち着いてきた2000年代に入ると、チリワインは息をひそめてしまったような感さえあります。

こんなふうに、現在の日本でのチリワインはちょっと形勢不利かも…という状況の中、『ペレス・クルス』がやってきました!
なんと、生産するワインは赤ワインのみ、しかも全てがレセルバクラス以上というこだわりようです。
さて、新しいチリワインは、一体どんなワインなのでしょうか?



生産ワイン5アイテム -すべてが赤ワイン

ペレス・クルスがあるのは、チリの首都サンチャゴから南西に45kmほど行った"マイポ・ヴァレー"で、この地域はチリの高級ぶどう品種栽培地の中では古い歴史を持ち、気候は温暖で穏やかな地中海性気候で、カベルネ・ソーヴィニヨン中心に栽培が行われています。


1) Cabernet Sauvignon Reserva 2003

2) Cot Reserva Limited Edition 2002

3) Carmenere Reserva Limited Edition 2002

4) Syrah Reserva Limited Edition 2002

5) Liguai 2002




1)"カベルネ・ソーヴィニヨン・レセルバ"が生産量の9割を占める主力商品

2)~4)の"リミテッド・エディション(LE)"は、収量を厳しく制限してつくられた(平均収量は36hl/ha)限定品です。

LEは全ての製造過程にグラヴィティシステム(重力によってワインを移動させるシステム)を採用し、マロラクティック発酵は樽で行い、熟成にはフレンチおよびアメリカンのオークの新樽が使われています。




最上級レンジとなる、5) リグアイ は、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、カルムネールを約3割ずつブレンドした、17~18hl/haという驚きの収量のスペシャルなワインで、こちらももちろん、全過程にグラヴィティシステムが採用され、新樽で熟成が行われています。


今回、この5アイテムすべてをテイスティングしましたが、
ベーシックなカベルネにおいては、果実味は豊かでありながら、ベタつくような甘さは全く感じず、品の良いタンニンがくっきりと輪郭を保ち、全体的にバランスが取れています。
価格はデイリーなのに、よくここまで頑張った!という上質なチリカベです。

LEの3アイテムに関しては、どれも凝縮感があり、かつ骨格ががっちりとしていますが、口当たりはなめらかでやさしく、しかも品種それぞれの個性がはっきりと出ています。ちょっと贅沢な味わいを楽しみたいときにぴったりです(実はこれも嬉しい価格!)。

最高級のリグアイは、カルムネールやシラーからのアロマが個性的で馨しく、味わいはまろやかでコクがあり、質の良さを舌でも鼻でも実感でき、特別なときに開けたいと感じるワインでしょう。





Q.現在のチリでは、ペレス・クルスのような新しいワイナリーがどんどん誕生しているのですか?

A.はい、新しいワイナリーは多いです。ただし、小さいところが多く、当社も、ブティック・ワイナリーのコンセプトでつくられた小規模のワイナリーで、レセルバ以上のクラスのワインしかつくらないという考えのもと、設立されました。
オーナー一族は電気やガスを供給する会社などを経営していますが、20世紀の半ばに農業に進出し、1990年代にぶどうを植え始め、2002年ヴィンテージを初めてリリースしました。年間生産量は約6万ケースです。


Q.ペレス・クルスのコンセプトについて、もう少し具体的に教えて下さい。

A.当社の主力商品は「カベルネ・ソーヴィニヨン・レセルバ」ですが、価格帯的にも(輸入元希望小売価格:2,100円)非常に競争相手が多く、これを世界に広く販売していくことは容易なことではありません。競争に勝つためには、高品質であるのに価格的にはお値打ち、ということが求められるかと思います。
確かに、世界最高品質のカベルネ・ソーヴィニヨンのワインは他にもたくさんあるかと思いますが、当社のカベルネ・レセルバは、この価格で最高の品質のワインであることをめざして努力しています。


Q.現在のペレス・クルスの体制は?

A.畑から醸造の仕事を含め、35~40人くらいの社員がいます。社長はオーナー一族のアンドレス・ペレス・クルスで、首脳陣5人のうち3人が一族の兄弟関係ですが、ワイン・メーカーは専門のエノロゴが務め、販売関係は私が国内外ともに担当しています。
確かに一族経営のワイナリーですが、醸造と販売の責任者を一族と切り分けることにより、風通しが良いワイナリー経営ができる体制を取っています。


Q.ペレス・クルスでは、赤ワインしか生産していないのはなぜですか?

A.このあたりの土地のテロワールに合う品種が赤ワイン用のぶどうだからです。白ワイン品種も育たないわけではありませんが、我々は理想的なワインをつくることを目標としてしています。


Q.赤ワイン用ぶどう品種は、土壌の違いなどによって植え分けているのですか?

A.実は土壌は、ほとんど同じ性質です。川から流れ出した堆積層で、大きな石や、砂が固まったような石が転がり、土地の栄養分がとても低い土質です。このような土地ではぶどうにストレスがかかり、収穫量も少なくなるので、高品質のぶどうが得られます。

畑は全部で140haあり、そのうち100haがカベルネ・ソーヴィニヨンで、40haにメルロ、コット(=マルベック)、カルムネール、シラー、プティ・ヴェルドを植えています。カベルネが多いのは市場戦略を考えてのことです。


Q.ペレス・クルスでは「環境にやさしい農業」を行っているということですが。

A.チリの北にはアタカマ砂漠、東はアンデス山脈、南は南氷洋、西には大西洋という自然のバリアがあり、こうした自然環境の条件から、外部からの病害虫やウィルスの侵入を防ぐことができるので、特別なことをしなくても、健康的なぶどうを得ることができます。

また、夏の間に雨が少ない地中海性気候であり、ぶどうの生育期である10月から3~4月にかけてほとんど雨が降らないことも、ぶどうには非常に良いことで、そのため、ケミカルなものは元々使う必要がありません

正しい方法で畑の作業に努めていれば(例:グリーン・ハーベストなど)、よいぶどうが得られます。特に「有機」とか「ビオディナミ」という名のついたものではありません。


Q.輸出のシェアはどのくらいですか?また主な輸出先は?

A.国内消費は8%で、輸出が92%です。輸出先は、カナダ、デンマーク、アメリカ、日本、ベルギー、オランダ、イギリス、スイスなどで、スーパーなどではなく、良いレストランやワイン専門店などに置くようにしています。

日本への販売戦略ですが、現在の日本はチリワインの第2の成長期、と捉えています。単なるアルコールを含んだ飲み物を飲む層にではなく、ワインを理解する新しい層に訴えていきたいと思っています。価格的にも、最低の価格ではなく、1,500~2,500円くらいの良質なワインを選んでくれる層がターゲットで、量だけが掃ければよいと考えるのではなく、消費者の視点に立った販売をしていくことが、これからは、輸入業者を含めた売り手側に求められることではないでしょうか。

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インタビューを終えて

確かに、チリワインは「安くてそこそこ美味しいからいいだろう」と、私たち消費者は思っていました。でも、それだけで終わっていて、今となっては、特に強い印象が残っているわけではないような…?

大手ワイナリーでの経験を生かし、 
「小さなワイナリーが世界で勝負して生き残っていくためには、価格以上の品質のものをつくっていくことが大事!」と、フェリペさんは繰り返し力説していましたが、実際に飲んでみると、ペレス・クルスのワインには、その意気込みがひしひしと感じられます。

大変洗練された、スタイリッシュでモダンな味わいで、ワインの美味しさをよくわかっている人も「ううむ…」と唸りそうなほど、高いクオリティを持っています。
しかも、嬉しいくらいのお手ごろ価格とは!

「こういうワインが飲みたかったんだよね!えっ?これがチリワインなの?!」という消費者の驚きの声が聞えてきそうで、これこそ『新生チリワイン』と言っていいかもしれません。

ただ単に価格が安いだけではなく、適正な価格で最大限に高い品質を提供するワイン。これからは、そんなワインがチリのスタンダートになっていきそうです。

「我々は短期間のうちに、チリのトップワイナリーのひとつに成長してきたと思っています。それは最初から計画的にワイナリー経営に取り組んだからですが、今度は、もう数年のうちには、名実ともにチリのナンバーワンになりますよ!」と宣言したフェリペさん。

彼が次に日本にやってくるときには、果たして、チリのナンバーワンマネージャーになっているでしょうか?


(ペレス・クルス社のHP:http://www.perezcruz.com) (スペイン語のみ)


*取材協力: (株)稲葉 

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第 9回 Vallformosa Vinos & Cavas@「キャッチ The 生産者」

2008-12-29 09:37:11 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2005年4月11日)

第 9回  Rafael Rostoll Aranda  <Vallformosa Vinos & Cavas>



第9回目のゲストは、スペインのワイナリー『ヴァルフォルモサ』ラファエル・ロストール・アランダさんです。
ヴァルフォルモサのコマーシャル・ディレクターを務めるラファエルさんは、この3月に幕張メッセで開催されたイベント『FOODEX』のために来日しました。

このワイナリーの得意とするのは"CAVA"(カバ)

特にこれからの季節に嬉しいCavaのあれこれを、ラファエルさんに伺ってみましょう!


<Rafael Rostoll Aranda>
7年前までは香港のブイヨン工場!で働いていたラファエルさんは、ヴァルフォルモサ・ファミリーとの出会いでワイン業界へ転職。以前はそれほどワインが好きではなかったけれど、「今では毎日飲みます!(笑)」と言い、同社のコマーシャル・ディレクターとして世界各地を飛び回る日々を送っています。



CAVA とは…  

フランスのシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵でつくられたスペインのスパークリングワインのことで、その製法は、古典的方式(クラッシック・メソッド)、または伝統的方式(メソッド・トラディショナル)と呼ばれます。  

スペインワインにおいては、一般的には特定の原産地にDO名(*1)が付けられていますが(例:DOプリオラート、DOリベラ・デル・ドゥエロなど)、Cavaだけは特殊で、ひとつの生産地だけでなく、カタルーニャ州を中心に分散した地域でつくられているのが特徴です。しかし、その生産地やぶどう品種には規定があります。  

通常使われるぶどう品種は、マカベオ(=ヴィウラ)、パレリャーダ、チャレッロの3種で、マルバジアやシャルドネ、黒ぶどうのモナストレル、ピノ・ノワール(ピノはロゼのみに使用可)などもごく少量使われています。  

味わいのタイプは、1リットルあたりの残糖グラム数により、極辛口のブリュット・ナトゥーレから、エクストラ・ブリュット、ブリュット、エクストラ・ドライ、ドライ、セミ・ドライ、スウィートまで、幅広く揃っています。



Q.Cavaには色々な味わいのタイプがありますが、スペインで人気のタイプは?

A.極辛口のブリュット・ナトゥーレが人気です。
日本では、やや甘口タイプを好む傾向にあるように感じます。


Q.スペインでブリュット・ナトゥーレが人気の理由は?

A.最初はスペインでも甘口タイプの方が好まれていました。しかし、飲んでいくうちに、人々はだんだん甘くないものを好むようになり、辛口が主流になってきました。


Q.ブリュット・ナトゥーレでも、ほのかな甘さを感じるのですが?

A.確かにブリュット・ナトゥーレには甘味は加えませんが、自然に3g程度(1リットルあたり)の糖分が残るためです。これは他のタイプでも同じで、例えば甘味を6g加えたブリュットの場合は、元々の残糖分と合わせて10g程度の甘さになります。


Q.タイプ別のCavaの楽しみ方を教えて下さい。

A.極辛口のブリュット・ナトゥーレは、アペリティフに飲まれることが一番多いのですが、甘いものにも意外と合いますよ。
お腹にたまるような料理には、ブリュットやセミ・セコ(=セミ・ドライ)を合わせるとよいと思います。
私は、肉料理のときはブリュット・ナトゥーレを、魚料理のときはブリュットを飲むことが多いですね。


Q.日本では今、フランスのシャンパーニュが大変人気ですが、それに対して、スペインのCavaの秘策は?

A.瓶内二次発酵という製法はCavaもシャンパーニュも全く同じです。違うのはぶどうの種類だけで、ワインのクオリティとしてはとてもよく似ていると思います。
"同等のクオリティなのに価格が安い!"という点が、Cavaの優れたポイントです(笑)。著名なヨーロッパ系航空会社のウェイティングルームでも扱っていただいているほど、当社のCavaの品質は保証済みです!


(*1)DO:
Denominacion de Origen(デノミナシオン・デ・オリヘン)の略で、原産地呼称ワインのこと。





ヴァルフォルモサでは、トラディショナルラインからワンランク上のノーブルライン、さらに最上級なセレクションラインと、バラエティ豊かな約40アイテムのワインとCavaのラインナップを持っています。
中でも、ワイナリーのあるペネデスがCavaの生産の中心地であるため、Cavaには特に力を入れているとのこと。

「当社はファミリーによるワイナリー経営をしているので、大量生産のCavaと当社のCavaを同レベルで考えずに飲んでもらいたいですね」と、語るラファエルさん。



今回私がテイスティングしたのは、トラディショナルライン(○)の中から3種類と、ノーブルライン(◎)の中から1種(Carla)の4種。

Vallformosa Brut Nature

Vallformosa Brut

Vallformosa Semi Seco

Vallformosa Carla Grand Reserva Brut




左から「Brut Nature」、「Brut」、「Semi Seco」、「Extra Seco」。

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インタビューを終えて

Cavaは通常は9ヶ月以上の瓶内熟成が必要とされていますが、グラン・レセルバともなると30ヶ月の熟成期間が必要で、ノーブルラインの『Carla』も30ヶ月熟成とのこと。これはさすがに複雑な味わいが楽しめました。

今回、私が特に気に入ったのが、『ブリュット・ナトゥーレ』。
極辛口といいながらも、やさしく、みずみずしい飲み心地で、もちろんこのまま飲んでも美味しく、しかも食事にも合わせやすいタイプだと感じました。料理は、あまり手をかけず、素材の持ち味を生かしたシンプルなものがいいかもしれません。

『ブリュット』、『セミ・セコ』になると、果実の甘味が加わり、ジューシーで心地よい飲み口が楽しめます。


*残念ながら、日本で手に入るのは、『ブリュット』と『セミ・セコ』の2アイテムのみ。『ブリュット・ナトゥーレ』や『Carla』、ラファエルさんが写真で抱えている最高級クラスの『Gala』は、スペインに行かなくては飲めません。
(→後日談ですが、このFOODEXでの評判がよかったので、『ブリュット・ナトゥーレ』が名前を変えて日本に入ってくるというお話を、原稿を書き上げた後に聞きました。楽しみですね!)


確かに"シャンパーニュ"は、その響きだけで私たちを酔わせてくれます。
"カバ"という名はユーモラスで、笑いを誘うかもしれませんが、ぶどうの違いによる個性が楽しめ、クオリティの面でもシャンパーニュにひけを取りません。

さまざまなシチュエーションやシーンに応じて色々なワインを飲み分けるのも、ワインの楽しみ方のひとつ。
コストパフォーマンスに優れたCavaは、あなたの毎日の生活の素敵なパートナーになってくれるかもしれませんよ?


*取材協力:中部貿易(株)
(注:2008年1月に社名を「株式会社アグリ」に変更)


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第 8回 Domaine Robert Arnoux@「キャッチ The 生産者」

2008-12-28 16:28:38 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2005年2月11日)

第 8回  Pascal Lachaux  <Domaine Robert Arnoux>



第8回目のゲストは、 フランスのブルゴーニュ『ドメーヌ・ロベール・アルヌー』の現当主パスカル・ラショーさんです。
ラショーさんは、日本各地でのテイスティングセミナーのため、第7回で登場したジャン・マルク・ピヨさんと一緒に、2004年12月に来日しました。


<Pascal Lachaux>
1962年生まれ。Beaune(ボーヌ)で薬剤師をしていたが、先代の娘との結婚をきっかけに、1985年にドメーヌ・ロベール・アルヌーに入る。
ディジョン大学で1年間醸造について学び、他のドメーヌでも研修を経験。先代の没(1995年)後は、ドメーヌ・ロベール・アルヌーの5代目当主となる。
現在、生産量の70%を輸出し、主要輸出先は、1位:イギリス、2位:日本、3位:アメリカ。



ロベール・アルヌーは、ブルゴーニュのCote de Nuits(コート・ド・ニュイ)地区にあるVosne-Romanee(ヴォーヌ・ロマネ)村の村はずれにドメーヌを構えています。
グラン・クリュであるRomanee-Saint-Vivant(ロマネ・サン・ヴィヴァン)、Echezeaux(エシェゾー)を筆頭に、ヴォーヌ・ロマネ1級や、お隣のグラン・クリュClos de Vougeot(クロ・ド・ヴージョ)、Nuit-Saint-Georges(ニュイ・サン・ジョルジュ)1級などを含め、現在は17種類のワインをつくっています。  

ブルゴーニュのドメーヌとしては珍しく、一般客向けのテイスティングルーム兼ショップを備えているので、ここでワインを気軽に試してから買うことができ、とても便利です。もしかしたら、稀少なヴィンテージのワインも手に入るかもしれません。
ブルゴーニュを訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみたいドメーヌのひとつと言えるでしょう。


ヴォーヌ・ロマネ村は、お隣のフラジェ・エシェゾー村と合わせて、"ヴォーヌ・ロマネ"のAOCを名乗るワインを生み出しています。
多くの著名なグラン・クリュ畑を抱え、ブルゴーニュ一有名な、いえ、フランス一、世界一有名とも言えるあの"ロマネ・コンティ"も、ここヴォーヌ・ロマネ村から生まれます。  

ヴォーヌ・ロマネのワインは華やかで豊かな香りがあり、ブルゴーニュにしてはスパイシーなニュアンスを持ち、みずみずしく、かつ優美で、長期熟成にも向くボディを持っていると言われています。


冬のVosne-Romanee村 (2003年12月訪問)


Q.先代のロベール・アルヌー氏の娘さんである奥さまとの結婚が、ワインづくりの道に入ったきっかけということですが?(奥さまは三姉妹とのこと)。

A,確かにそうですが、もともとは義父ロベールその人と、彼のつくるワインに魅力を感じたからです。
義父は私を本当の息子のように、また旧来の友達のようにも扱ってくれました。
そうした彼の人柄に惹かれたこと、そして、彼の人となりがワインにも反映されていたことが、私をワインづくりの道へと引き込んだのです。


Q.先代の時代と比べて、ワインづくりで変わったことは?

A.私が初めてワインをつくったのは1990年ですが、この10~15年で、ぶどう栽培においても醸造においても、かなり変わってきました。
栽培では、私はリュット・レゾネ(減農薬農法)を実施しています。土壌を大切にし、土壌の持ち味をぶどうに反映させるため、ここ6年ほどは除草剤も殺虫剤も使っていません。それが健全で完熟したぶどうを得るために必要なことと考えているからです。

収穫は手摘みで行い、摘み取ったぶどうの房がつぶれないよう、小さなカゴを使います。梗は100%除梗します。果実の15%ほどだけを破砕し、約18~22日間かけて発酵させます。
熟成の際の新樽の使用率は、村名クラスで30%、1級で60%、グラン・クリュは100%で、ワインにより14~18ヵ月間樽熟成します。
清澄作業もしませんし、フィルターもかけません。
瓶詰め後は、6~10ヵ月ほど寝かせてから出荷をします。 。


Q.あなたはリュット・レゾネを実施していることはわかりましたが、ビオディナミ(*1)に移行する予定はありますか?。

A.実は私も、月の満ち欠けに従って瓶詰めなどの作業をしていますが、今のところ、ビオディナミを採用しようとは思っていません。必要性からではなく、ビオディナミ自体が目的になってしまっている生産者が多いように感じるので…。


Q.薬剤師の経験はワインづくりに役立っていますか?

A.全く役に立っていませんね(笑)。
身体の不調を治すにはワインが一番ですよ(笑)。
でも、薬剤師の経験で"ホメオパシー"の理論を学び、それがワインづくりに非常に役に立つのではないか、と考えています。

注)ホメオパシー(Homeopathy)は、「同種療法」「同毒療法」「類似療法」などと訳され、「同じようなもの、似たものが病を押し出し、癒し、終わらせる」という考えに基づく療法です。
例えば、頭痛のときに鎮痛剤を飲めば、その痛みは和らぎますが、その原因そのものが除去されたわけではありません。これを繰り返すと、次第に鎮痛剤も効かなくなってしまう恐れがあります。
ホメオパシーでは、その症状(例えば頭痛)を引き起こす物質(自然界にあるものを使用)を超微量投与し、それにより、生体の自然治癒力を高め、治療につなげます。副作用もなく、欧米では非常に注目が集まっている療法です。


Q.あなたのワインづくりのコンセプトは?

A."自分の好きなワインをつくる"ということです。
私は自分の感性を信じ、フィーリングで働いていますので、その時の気分で、ワインも毎年違ってきているはずです(笑)。


Q.あなたの好きなワインは、シャンボール・ミュジニーと聞きましたが?

A.当ドメーヌでは、4つのコミューン(*2)にまたがる14haの畑から17種類のワインをつくっていますが、1999年に念願のシャンボール・ミュジニー(2ha)(村名クラス)を手に入れました。
シャンボールの、女性的で、フルーティーで、ふくよかで、エレガントで、チャーミングな点が非常に気に入っています。


Q.日本は2番目の輸出先となっていますが、輸出先によって、ワインの仕込み方法を変えていますか?

A.いえ、変えていません。日本はいいのですが、例えば○○○○など、私のワインを理解していない国には売りたくない、というのが本音です(笑)。  

注)○○○○に入る国名は聞きましたが、ここでは伏字とさせていただきます。みなさんの方でご推理下さい。ちなみに、アルヌーの輸出先上位3位に入っている国です。


(*1)ビオディナミ:
英語では"バイオダイナミックス"。化学肥料や薬品を使用せず、独自の自然調剤を用い、暦や月の満ち欠けなどに従った独特の理論によって栽培を行う農法。

(*2) コミューン:
フランスの最小行政区画のこと。市町村。

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今回のテイスティングセミナーで提供されたワインは下記の通り(全て赤)

1)Vosne-Romanee Les Hautes Maizieres 2000

2)Nuit-Saint-Georges 1er Cru Clos des Corvees Pagets 2000

3)Vosne-Romanee 1er Cru Les Chaumes 2001

4)Echezeaux Grand Cru 2001

5)Romanee-Saint-Vivant Grand Cru 2001

6)Vosne-Romanee 1er Cru 1976

7)Vosne-Romanee 1er Cru Les Suchots 1976




テイスティングをしてみると…  

ロベール・アルヌーのワインは、村名クラスでは心地よい素直な美味しさを感じさせてくれますが、1級になるとグンと凝縮感が増し、余韻も非常に長くなります。
さらに特級クラスになると、そこにエレガントさも加わり、無類の幸福感を与えてくれます。

今回は2)だけがニュイ・サン・ジョルジュです。

「ヴォーヌ・ロマネのワインは"エレガント"ですが、ニュイ・サン・ジョルジュには"力強さ"があります」とラショーさん。

たしかに、2)のワインのタンニンはキュッと引き締まり、やや冷たい堅さを感じさせますが、アタックはピュアで甘く、余韻の長さも光っています。

4)は2001年とまだ若く、タンニンも充分溶け込んでいないので、今飲むにはまだ早い感じがありますが、この凝縮感とエレガントな口当たりは、さすがエシェゾーです。
5)は香ばしい樽のロースト香があり、味わいもボリュームがありますが、酸に品の良さを感じます。
4)も5)も、今でもおいしくいただけますが、充分熟成させてから飲んでみたいワインだと感じました。

6)と7)は先代の時代のもの。
1976年は雨がなく、乾燥した暑い年だったとのこと。これらは2年前にリコルクされています。かなり色合いが薄れてきていますが、まだ酸がしっかりと残っているので、保存状態が良ければ、あと4~5年は耐えてくれそうです。
 
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インタビューを終えて



自称"トム・ハンクス"似(笑)というラショーさんは、ユーモアたっぷりで、とてもフレンドリー。

今回は、第7回のゲストであるジャン・マルク・ピヨさん(写真右)も同席してのインタビューでしたが、二人が並ぶと、ピヨさんの方が落ち着いて見えるのは(実際はピヨさんの方が3つ年下)、ラショーさんの、明るく、かつ軽やかなシャンソンの楽曲のような雰囲気を持っているせいかもしれません。

それは、"フィーリングが大事"という彼のワインづくりの姿勢にも現われているようです。
きっちりとした薬剤師時代より、自然とともにのびやかに生き、自由な感覚でワインをつくっている今の生活の方が、彼には合っているのかもしれません。

まさに、"水を得た魚"。

この先、彼がどんなワインを生み出してくれるのか、これからもロベール・アルヌーのワインから目が離せそうにありません。


*取材協力: Wijnhandel Herman B.V.

        (Special thanks to Masaki Takeshita)

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第 7回 Domaine Jean Pillot & Fils@「キャッチ The 生産者」

2008-12-28 15:46:54 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2005年1月21日)

第 7回  Jean-Marc Pillot  <Domaine Jean Pillot & Fils>



第7回目のゲストは、 フランスはブルゴーニュの生産者、ジャン・マルク・ピヨさんです。
ピヨさんはコート・ド・ボーヌの Chassagne-Montrachet(シャサーニュ・モンラッシェ) でワインづくりをしていますが、日本各地でのテイスティングセミナーのため、2004年12月に来日しました。
今回は、東京でのセミナーを終えたピヨさんに、彼のワインを飲みながらお話を伺いました。



シャサーニュ・モンラッシェは、隣接するPuligny-Montrachet(ピュリニー・モンラッシェ)とともに、偉大なるブルゴーニュの白ワインMontrache(モンラッシェ)やBatard-Montrachet(バタール・モンラッシェ)などを生み出す村ですが、グラン・クリュ以外では、いまひとつ印象が薄いAOCかもしれません。

じゃあ、グラン・クリュ以外の白ワインはどうなの?
また、実は生産量の半分以上を占めるという赤ワインについてはどうなの?と、実に疑問だらけです。

では、そんなシャサーニュ・モンラッシェでワインづくりをしているピヨさんのワインとは、一体どんなワインなのでしょうか?


<Jean-Marc Pillot>
1965年生まれ。シャサーニュ・モンラッシェで歴史あるドメーヌの5代目オーナーであり、エノロジスト(醸造家)。
12歳の頃から父の仕事を手伝う。ボーヌの醸造学校を卒業後、1985年にドメーヌに入る。
他のドメーヌでの修業も経験し、1986年から妹のベアトリスとともにドメーヌ・ピヨを引き継ぐ。
現在、生産量6万本のうち80%を輸出し、主要輸出先は、1位:アメリカ、2位:イギリス、3位:日本。




Q.ドメーヌ・ピヨの歴史を教えて下さい。

A.祖父の代まではトヌリエ(樽職人)もやっていました。
1900年代の頃はバルク売りをしていましたが、1930年頃からは瓶詰めをするようになり、仕事量が増えたと聞いています。
父ジャンの代になると畑も増えてきたので、樽作りはやめて、本格的にワインづくりに取り組むようになりました。


Q.現在のドメーヌの体制を教えて下さい。

A.父はすでに引退しましたので、母と妹と私の3人でやっています。家族経営の小さなドメーヌです。私の妻はドメーヌの仕事には関わっていません。
ピノ・ノワールとシャルドネを5haずつ、合計10haの畑から赤ワインと白ワインをつくっています。


Q.あなたのワインづくりについて教えて下さい。

A.できるかぎり"良いぶどう"をつくるようにしています。例えば、最適な時期に余分な芽や葉を摘み取り、グリーンハーベスト(*1)も行います。
これらは全て手作業で、収穫ももちろん手摘みで行います。

収穫したぶどうは100%除梗し、ピュアなアロマを残すよう、空気圧でプレスします。こうすると、絞ったジュースが酸化しません。
マロラクティック発酵(MLF)(*2)は毎年100%行い、MLFが終わるまでバトナージュ(*3)は欠かしません。
新樽の使用率は25~30%で、12ヵ月の熟成期間中、オリ引きは1回のみです。フィルターはかけません。


Q.シャサーニュ・モンラッシェの特徴は何でしょうか?

A.全体的に "力強さ"が特徴と言えるかと思います。
また、食事を楽しむためのワインでもありますし、誰にでも好きになってもらえるワインであると思います。
土壌的には、岩盤がむき出しになって崖になっている場所があり、その岩盤から直接ぶどうの樹が生えていますので、そこから吸い上げたミネラルで、生き生きとしたワインができます。


Q.シャサーニュは"白"のイメージが強いですが、赤ワインの特徴は?

A.シャルドネ用とピノ・ノワール用の畑は違います。ピノ・ノワールを植えている畑には、コート・ド・ニュイのヴォーヌ・ロマネと同じ、ジュラ紀に堆積した土壌が少し見られます。
シャサーニュの赤は、5年から8年熟成させると飲み頃になってくるワインです。ヴォーヌ・ロマネと同じ土壌の赤、ということを考えると、プライス的にお買い得ではないでしょうか?(笑)


Q.あなたとお父さんのワインのスタイルの違いは?

A.父は15~18ヵ月の樽熟成をしていました。が、長く樽に入れていると、せっかくのアロマが失われてしまいますので、私は1990年からは樽熟成は12ヵ月にし、フレッシュ感を残したまま瓶詰めするようにしています。
こうすると、花やフルーツのフレッシュな香りが残ります
瓶詰め後は、セラーで1年間寝かせてから出荷します。


Q.リュット・レゾネ(減農薬農法)でぶどうを栽培しているそうですが、ビオディナミ (*4)については、どのように考えていますか?

A.98年のように、ウドンコ病やベト病が広く発生したときには、ビオディナミが役に立たない年もありました。
私は、環境を守ることを第一としていますので、薬品を使わざるを得ない場合は、必要なところにのみかけ、噴霧器は使いません。また、益虫を増やすことができるような畑をめざしています。


(*1) グリーンハーベスト:
1本のぶどう樹の房数を制限するため、まだ未熟な段階の青い房を摘み取って落とすこと。

(*2) マロラクティック発酵(MLF):
主発酵の後、ワイン中のリンゴ酸が乳酸菌の働きによって乳酸に変化する現象。ワインの酸味を和らげ、複雑な香味を増す効果などがある。

(*3)バトナージュ:
タンクや樽の中のオリを攪拌して混ぜること。酵母に含まれる旨味成分を抽出し、酸化を促す効果などがある。

(*4) ビオディナミ:
英語では"バイオダイナミックス"。化学肥料や薬品を使用せず、独自の自然調剤を用い、暦や月の満ち欠けなどに従った独特の理論によって栽培を行う農法。





今回のテイスティングセミナーで提供されたワインは下記の5本(いずれも白)

1)Saint Romain Blanc 1999

2)Chassagne-Montrachet 1er Cru les Marcherelles 2000

3)Chassagne-Montrachet 1er Cru Morgeots 2000

4)Chassagne-Montrachet 1er Cru les Vergers Clos Saint Marc 2001

5)Meursault Genevrieres 1er Cru Cuvee Baudot 2001 Hospices de Beaune


ドメーヌ・ピヨでは、白のトップワインとして、グラン・クリュのChevalier-Montrachet(シュヴァリエ・モンラッシェ)、また、Puligny-Montrachetの1級や、Meursault Charmes(ムルソー・シャルム)など、赤ワインでは、シャサーニュ・モンラッシェ1級はもちろん、お隣の村、Santenay(サントネイ)のワインもつくっています。


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インタビューを終えて


一見まじめな職人風で、最初はちょっと口数の少なかったピヨさんでしたが、グラスが進んで口もだんだんとなめらかになってくると、

「僕って、あの自動車会社社長のゴーンに似ていない?」

と、一番似ているという横顔の角度でポーズまで取ってくれました。


この横顔、本当にゴーン氏そっくり!

そんなお茶目なピヨさんに、同席していた一同はみな大爆笑!
年齢をうかがったら意外と若く(失礼)、話をすればするほど、彼の魅力にどんどんと引き込まれていきました。



さて、肝心のワイン。
今回のテイスティングセミナーで提供されたのは白ワインばかりですが、どのワインも酸がしっかりとベースにあるのを感じました

やや樽のニュアンスが強めに感じる(2)や(4)、香ばしいナッツの香りを持ち、デリケートで心地よい酸味の(3)など、それぞれに個性があります。
特に(4)の酸には力強さがあり、しかもその余韻が非常に長く感じられました。これは長期熟成に耐えられるワイン、とピヨさんが言うだけのことはあります。

年にもよりますが、シャサーニュの白は10~20年は熟成可能とのこと。
もちろん、良い状態で保管できればの話です。


今回テイスティングした1級クラスのシャサーニュは、"偉大"とまでは言えないものの、そっとそばに寄り添ってくれるようなワインたちで、食事のお供にはもちろん、くつろぎの時にそのままずっと飲み続けていたいような、非常に心地よい余韻が実に魅力的でした。

普段から気軽に、そして長く熟成させたものはちょっと特別なときに。
そんな幅広い楽しみ方ができるのが、シャサーニュの魅力かもしれません。


*取材協力: Wijnhandel Herman B.V.

       (Special thanks to Masaki Takeshita)

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第 6回 Weingut Louis Guntrum@「キャッチ The 生産者」

2008-12-28 13:47:57 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2004年12月11日)

第 6回  Louis Konstantin Guntrum  <Weingut Louis Guntrum>



第6回目のゲストは、 ドイツのRheinhessen(ラインヘッセン)にある"Weingut Louis Guntrum"(ワイングート・ルイ・グントルム)の若き11代目、ルイ・コンスタンティン・グントルムさんで、今回はドイツを訪問してのインタビューです。(2004年10月訪問)


<Louis Konstantin Guntrum>
1648年から続くワイナリーの11代目。実際にはもっと古い歴史があるようですが、戦争で記録が失くなってしまったとのこと。
グントルム家が現在の土地に移ってきたのは1920年で、1923年には現醸造所が建てられました。伝統を重んじながらも近代的技術を用いたワインづくりがグントルムのコンセプト。
輸出先は世界約80ヶ国にもわたり、現在コンスタンティンは、経営者としての敏腕ぶりを発揮中です。



ドイツのワイン生産地は国土の南西部に集中していますが、ラインヘッセンはちょうどそれらの中心付近に位置し、北側はラインガウ、西側はナーエ、南側はファルツといった生産地域に囲まれています。
ラインヘッセンはドイツ最大のワイン生産地で、品種ではミュラー・トゥルガウ、ドルンフェルダー、シルヴァーナー、リースリングの順に生産が多く(ドルンフェルダー以外は白品種)、どちらかというと大量生産の安ワイン的なイメージがありました。
しかし、そのイメージを脱却しよう!という若い世代の動きも活発になりつつあり、今後注目したい地域のひとつといえます。



ニーアシュタインの丘から望むライン河

ルイ・グントルムの醸造所はNierstein(ニーアシュタイン)という地区にあります。醸造所の目の前をライン河が流れているので、道路が発達していなかった時代には、船を使ってのワイン輸送に大変便利なロケーションだったようです。

ライン河はマインツで西に向きを変えるまで、ラインヘッセン地域の東側を南から北に流れています。ここニーアシュタイン付近では、ライン西岸の緩やかに連なる丘の斜面にぶどうが植えられ、畑は東から東南を向いています(この斜面は"ラインテラス"と呼ばれています)。
ライン河の東の対岸は見渡す限りの平地で、こちらはジャガイモ畑だそうです。



ライン河に向かう急な斜面のラインンテラスの畑

訪問した10月の後半は、ちょうど仕込みの真っ最中。せっかくだから、この時期ならではのテイスティングをしましょうと、醸造所地下のステンレスタンクから直接白ワインのモスト(*1)をいただきました。

仕込み直後のものから、だいぶワインに近づいてきたものまでありましたが、外観はどれも"にごり酒"のように濁っています。

まず、仕込み直後のものの味わいはぶどうジュースそのもので、アルコール度数も1%しかありません。
少し日数を経たモストもまだまだジュース風で、アルコール度数は5~6%。
その次は"Federweisser"(フェーダーヴァイサー)(*2)という状態のものでしたが、これも口当たりがよく、ゴクゴク飲めてしまいますが、「これをくいっと飲んだら、かなり危険だよ(笑)」とコンスタンティンさん。
実はこれのアルコール度数は12%でした。

なお、エクスレ度(*3)がゼロ?!というモストも試してみましたが、舌が痺れるほど超辛口でエグみもあり、この段階ではとても飲めたものではありません。これが華麗な辛口ワインに変化するというのですから、なんとも不思議なものです。



地下セラーで(左は2004年4月に就任した醸造長)


訪問した日はお天気も良かったので、「畑の中でテイスティングをしましょう!」と言うコンスタンティンさんの提案で、ニーアシュタインの丘の上に移動することに。
畑まで車で狭い農道を登って行きますが、ここの"ラインテラス"はとても急で、作業する人にとってはかなりキツそうです。

土壌はサラサラの赤土で、土が固まってスレート状になった破片があちこちに散らばっていました。
余談ですが、帰国後、履いていたクツの底や側面を見たら、ここの赤土がべったりと付いていました。かなり粒子のキメは細かいようです。


今回のテーマは『辛口リースリング』ということで、コンスタンティンさんが以下の白ワイン7本を用意してくれました。(最後の2本はオマケの甘口です)

1)Niersteiner Pettenthal Riesling Kabinett Trocken 2003

2)Guntrum Classic Oppenheimer Sacktrager Riesling Spatlese Trocken 2002

3)Niersteiner Bergkirche Riesling Kabinett 2003

4)Niersteiner Rehbach Riesling Spatlese 2003

5)Oppenheimer Schutzenhutte Riesling Auslese 2002

6)Pinguin Eiswein 2003 (甘口)

7)Oppenheimer Kreuz Silvaner Beerenauslese 1976 (甘口)




Q.ラインヘッセンのワインの特徴は?

A.リースリングは酸に特徴があり、クリスピーで、グリーンアップルのニュアンスもあります。
リースリングやシルヴァーナーはラインヘッセンでは歴史ある品種で、ルーレンダー(ピノ・グリのドイツでの呼び名)も伝統的ですが、今はマーケットから消えつつあります。
しかし、これら各種のぶどうからつくられるさまざまなタイプのワインは、さまざまなシーン別に楽しむことができるワインです。


Q.ルイ・グントルムのワイン生産について教えて下さい。

A.自社畑は9haですが、50ha分のぶどうを買っています。全体の50%がリースリングで、残り50%が他のぶどう(約10種類)からのワインです。白ワインが多いですが、シュペートブルグンダー(ピノ・ノワールのドイツでの呼び名)やカベルネ・ソーヴィニヨンなどの赤ワインもつくっています。


Q.貴社ではリースリングを多く生産しているようですが、リースリングの魅力とは?

A.リースリングの特徴は"酸"にあります。この酸は食事のためにあり、食欲を湧き立たせてくれます。また、クリームたっぷりの食事にもこの酸が合うんですよ。ほら、口の中がさっぱりするでしょう?
リースリングは健康にも良く、社交的な飲み物で、良いディスカッションのお供にもなったりします。(-いいことづくめですね-笑)。


Q.土壌の違いによるワインの味わいの違いを教えて下さい。

A.この地区で代表的な村は"ニーアシュタイン"と"オッペンハイム"ですが、
ニーアシュタインの畑はサラサラの赤土ですので、ワインもライトなタイプに仕上がります。
それに対して、オッペンハイムは重たい土質なので、土壌の水分をよく保ち、ワインはリッチでフルボディタイプになります 。


Q.スクリューキャップタイプの栓のワインもあるようですが?

A.当社では1リットルボトルにスクリュータイプの栓を採用しています。これらはスーパーマーケットなどで売られるデイリータイプ用ですが、スクリューキャップでも充分その役目を果たしますし、使い勝手も良いのではないでしょうか。
25年以上保管するワインであればコルクの方が望ましいと思いますが…。
なお、"王冠"タイプの栓は、ワインをフレッシュに保つことができる栓だと思います。


Q.このリースリングは一部が貴腐化(*4)していますが、収穫はどのようにするのですか?

A.まず、貴腐化した部分だけをていねいに手で摘み取ります。貴腐菌はその粒の周辺の粒にも付くことになるので、後日、それらの粒が完全に貴腐化したら摘み取る、ということの繰り返しで、何回かに分けて収穫することになります。




Q.ぶどうはすべて手摘みですか?

A.畑によって違い、手摘みのところもあれば、機械で収穫する畑もあります。
ちょうど今機械で収穫している畑がありますので、見に行きましょう!



丘の上からだいぶ下った、ちょうどライン河に面した畑に到着すると、赤い収穫機が活躍していました。畑では機械を操作する人がひとりで広い畑を担当していました。収穫機のスピードはかなり速く、あっという間に斜面を降りて行きました。


(*1) モスト:
ぶどうから得られる果汁で、赤ワインなどは果皮や種子も含む。

(*2) フェーダーヴァイサー:
まだ発酵途中の濁ったワインで、いわば"どぶろくワイン"。仕込みから数週間程度の限られた時期の9~10月頃に、ワイナリーの直売所などで買うことができる。まだ炭酸ガスが発生しているのでコルクは打たれておらず、残念ながらお土産には不適当。地元で飲むのが楽しい"旬"のワイン。

(*3)エクスレ度:
ドイツの物理学者エクスレが発明した、果汁の糖度を調べる比重計によって表される数値のこと。果汁に含まれる糖分はアルコールに変わるため、ワインになったときのおよそのアルコール度数がエクスレ度から計算できる。

(*4) 貴腐化:
ボトリティス・シネレア菌の働きでぶどう粒の水分が失われ、エキス分だけを残した干しぶどう状態になること。こうして貴腐化したぶどうから天然の甘口のワインができるが、貴腐化する条件はかなり厳しいので、貴腐ワインは非常に稀少で高価。

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インタビューを終えて  

伝統あるワイナリーに生まれながらも、若い世代らしく、最新技術の導入、外部からの新醸造長の抜擢、販売ネットワークの拡大など、非常に積極的で意欲的なコンスタンティンさん。
英語も堪能で、スーツ姿もぴしっと決まり、どこから見ても有能なビジネスマンですが、収穫のときは自らも畑に出るなど、現場をとても大切にしている様子。
明るく、人見知りしない気さくな性格と行動力が彼の武器のようで、彼の力で、ラインヘッセンのワインの評価がグーンと高まる日が来るのも、そう遠いことではないかもしれません。

ホームページ→ http://www.guntrum.de




さて、今回訪問したドイツですが、実は2005~2006年は日本におけるドイツ年、ということをご存知でしたか?ドイツの文化やスポーツなど、さまざまな分野でドイツが注目を浴びそうです。
もちろんドイツワインにも注目が集まること必至です。ドイツのワイン生産地では、この10年でかなり大きな変化が起こっています。ぜひ新しいドイツに目を向け、素晴らしいドイツワインを発見してみて下さい。



ドイツといえば、ハム類が自慢!


(*取材協力:ドイツワイン基金 http://www.dwfjp.com )

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第 5回 Domaine C. et Claude Marechal@「キャッチ The 生産者」

2008-12-28 11:18:08 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2004年10月11日)

第 5回  Claude Marechal  <Domaine Catherine et Claude Marechal>



第5回目のゲストは、 フランスのブリニィ=レ=ボーヌ(Bligny-les-Beaune)村の"Domaine Catherine et Claude Marechal"(ドメーヌ・カトリーヌ・エ・クロード・ マレシャル)のオーナー、クロード・マレシャルさんです。

マレシャルを訪問したいと思ったのは、東京で飲んだ彼のワインのピュアでみずみずしいおいしさに感動したからです。
ブリニィ=レ=ボーヌという村のことも、非常に気になりました。彼はどんなところで、どんなふうにワインをつくっているのでしょうか?

<Claude Marechal>
ドメーヌの設立は1981年。
以前は他の仕事をしていたクロードは、カトリーヌと結婚した後、実家に戻り、ワインづくりに携わるようになりました。
現在は夫婦二人三脚でぶどう&ワインづくりに力を注いでいますが、仕事を離れると、小さな男の子を持つパパの顔に戻ります。リビングにはおもちゃがあちこちに散らばり、ベビーの写真が飾られていました。



そもそも、ブリニィ=レ=ボーヌ村ってどこにあるのでしょう?

実はブルゴーニュにあるのですが、この村の名前のAOC(*1)名がないため、残念ながら、ブルゴーニュの生産地マップにはめったに載っていません。

ブルゴーニュの中心ボーヌの街から南に向け、国道74号線を3kmほど車で走らせると、"Bligny-les-Beaune"の標識が見えてきます。その標識を左折し、ちょっと日本の田舎的な風景にも見える平坦な畑の中を通り抜けると、そこはもう村の中。  
しかし、本当に小さな村です。ドメーヌはどこ?と探しているうちに、車は村を通り過ぎそうになりました。村の中は人っ子ひとりとして歩いていないので、道を尋ねることもできません。
なんとか無事に到着すると、ダイニングではマレシャル一家と友人たちとのランチがちょうどお開きになるところでした。
クロードのパパもかなりいい感じにご機嫌状態(下のにこやかなお顔の写真をごらん下さい)です。


マレシャルではコート・ド・ボーヌエリアのワインを生産しています。
ここを訪問したのはこの前の冬だったので、樽に入れたばかりの2003年のワインを中心にテイスティングさせてもらいました。下記はその一部です。

●Bourgogne Aligote (B)

●Bourgogne Blanc Gravel (B)

●Bourgogne Rouge Gravel (R)

●Auxey-Duresses (B) (R)

●Ladoix-Serrigny (R)

●Chorey-les-Beaune (R)

●Savigny-les-Beaune (B) (R)

●Savigny-les-Beaune 1er Les Lavieres (R)

●Volnay (R)

●Pommard La Chaniere (R)

(注)(B)は白、(R)は赤ワインです





Q.ブリニィ=レ=ボーヌ村で収穫されたぶどうからのワインは、どういう名前で出されるのですか?

A.ご存知のように、"ブリニィ=レ=ボーヌ"というAOC名はありませんが、ここもブルゴーニュですので、白は"ブルゴーニュ・ブラン"、赤は"ブルゴーニュ・ルージュ"として出しています。
赤白とも"Gravel"という畑名を付けています。

 
Q.ぶどうの樹齢はどのくらいですか?

A.Ladoixは20年くらいですが、Choreyは30年、Savignyは35~40年、Volnayは50年で、ラベルに"ヴィエーユ・ヴィーニュ"(*2)と入れているものもあります。
 

Q.現在はブルゴーニュでもビオディナミ(*3)の生産者が増えていますが、あなたのところはどういう農法ですか?

A.私のところはビオディナミではなく、必要最小限の除草剤や殺虫剤類を使う"リュット・レゾネ"です。ビオディナミは大変です。
 

Q.あなたのワインづくりのコンセプトは何ですか?

A. "ベスト・フルーツ"を大切にすることを心がけています
そのため、樽の風味が勝ち過ぎないよう、新樽の使用はできるだけ控えめにし(平均20%ほど)、キュヴェによっては新樽は使わず、3~4年経った樽を使うようにしています。
また、ろ過にはこだわりがあり、ワインにフィルターはかけません

 
Q.あなたにとって"ワイン"とは?

A.ワインは生きています。決して同じものはなく、いつ飲んでも違っています。今日はこう感じても、明日はまた違ってきます。それがワインの面白さだと思っています。

(*1)
Appellation d'Origine Controleeの略で、原産地統制名称ワインのこと

 
(*2)
"vieille"(=古い)+"vigne"(=ぶどうの樹)で、樹齢の古いぶどうの樹からつくられたワインを意味し、"V.V."と略されたりする。何年以上をV.V.にするかは、各生産者の捉え方によっても違う。

(*3)
英語では"バイオダイナミックス"。化学肥料や薬品を使用せず、独自の自然調剤を用い、暦や月の満ち欠けなどに従った独特の理論によって栽培を行う農法。

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インタビューを終えて  

樽に入れられたばかりの2003年のワインはどれも色が濃く、よく熟した果実感がたっぷり。まだワインになっていない、フレッシュでプチプチとしたアタックが舌に小気味良く当たります。
しかしながら、通常は酸味が強いとよく言われる"アリゴテ"には熟したパイナップルのようなニュアンスがあり、とてもまろやかな味わいでした。

白では珍しい"サヴィニ・レ・ボーヌ"があり、そのやさしくふくよかな味わいには、一気にファンになってしまったほど。見かけたらぜひ試してみて下さい。
"ポマール"になるとさすがにパワフルで逞しく、長い熟成の必要性とポテンシャルを感じました。


とってもにこやかなクロードのパパ


約20種のテイスティングを終えて感じたのは、
彼のつくるワインにはすべて、自然な果実のピュアで凝縮したおいしさがある、ということです。
突き刺すような攻撃的なところは一切なく、なめらかな舌触りで、すうっとノドをすべり落ちていきます。

おとなしくシャイな感じの彼ですが、ワインに向かったときに見せる鋭い目の奥の輝きが、妥協を許さない意志の強さを物語っています。
それが、やさしいのに凝縮している彼のワインに現れているのでしょう。

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第 4回 Domaine du Deffends@「キャッチ The 生産者」

2008-12-27 13:15:46 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2004年9月11日)

第 4回  Anne de Lanversin  <Domaine du Deffends>



第4回目のゲストは、
フランスのコトー・ヴァロワ(Coteaux Varois)の "Domaine du Deffends" (ドメーヌ・デュ・デュフォン)のヴィニュロン(*1)、
Anne de Lanversin (アン・ドゥ・ランヴェルサン)さんです。


<Anne de Lanversin>
ドメーヌの現オーナーであり、エクス・アン・プロヴァンス大学で教鞭をとっている父ジャックと母スゼルの長女として生まれる。
会社勤めの傍ら、自らヴィニュロンとしてぶどう栽培に携わっています。
兄エマニュエルと妹マリー・リエスもドメーヌを手伝い、3兄妹で両親を支えています。
若々しくチャーミングな長女アンは、3歳と7歳の男の子のママでもあります。



コトー・ヴァロワは、1993年にAOC(*2)になったばかりの新しいアペラシオン(*3)で、日本ではまだあまり知られていません。
アンによると、イタリアのピエモンテ地方に似ていて、ぶどうづくりに適している土地だとか。

ドメーヌ・デュ・デュフォンは、現当主ジャック・ドゥ・ランヴェルサン(アンの父)が畑にぶどうの苗を植えた1968年に、その歴史が始まりました。
最初の頃は協同組合にぶどうを売っていましたが、1982年からドメーヌでのワインづくりがスタートしました。
ジャックはブルゴーニュのドメーヌ・デュジャック(Domaine Dujac)で修業を積んでいます。

現在所有する畑は14ha。ぶどうの出来によって、生産するワインは年によって異なりますが、主に以下のラインナップでつくられています。


Vin de Pays du Var Champs du Sesterce  (Blanc)

Coteaux Varois Rose d'une Nuits   (Rose)

Coteaux Varois Clos du Becassier  (Rouge)

Coteaux Varois Clos de la Truffiere  (Rouge)





Q.コトー・ヴァロワという地域はまだ馴染みがないのですが、どういう土地ですか?

A.コトー・ヴァロワはマルセイユの北東、エクス・アン・プロヴァンスの東、トゥーロンの北側にあります。オーレリアン山、サント・ボーム山、サント・ヴィクトワール山という3つの山に囲まれ、孤立したエリアになっています。

プロヴァンスにはコート・ド・プロヴァンスAOCが東と西に飛び地状にありますが、ちょうどその間にコトー・ヴァロワがあります。小高い丘になっていて、川が流れ、水が豊かな土地柄です。

プロヴァンスの他の地域は、“乾いた”特徴を持つプロヴァンスなのですが、コトー・ヴァロワと呼ばれ、オリーブの樹も多く植えられています。
土壌は石灰質で水はけがよく、痩せています。


Q.コトー・ヴァロワのワインの特徴は?

A.プロヴァンスというと”ロゼワイン”の印象が強く、実際にも多くつくられていますが、コトー・ヴァロワでは赤ワインが中心です。しかも、長期熟成をさせるタイプが多く生産されています。
ワインの性格はパワフルですが、複雑でデリケートでもあります。
土地柄、畑のパーセル(区画)は小さく、規模も小さいところが多いのですが、とても強い意志を持った生産者ばかりです。いくつかの協同組合もあります。


Q.コトー・ヴァロワでは、赤ワインにはカベルネ・ソーヴィニヨンが使用品種として認められているんですね?デュフォンでもカベルネを栽培しているようですが?

A.デュフォンでは、最初はグルナッシュとサンソーだけ植えていたのですが、近くにカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーの素晴らしいワインをつくっている生産者があったので、勉強に行きました。
1993年のAOC認定の背景には、その素晴らしいカベルネとシラーがあったから、という理由もあったそうです。
私のところの代表ワイン“クロ・ド・ラ・トリフィエール”も、カベルネとシラーのブレンドなんです。


Q.デュフォンのワインづくりのコンセプトは何ですか?

A.テロワールを大切にするということです。そのパーセル(畑の区画)のキャラクターをワインに反映させたいと思っています。
私たちは、以前はぶどう生産者でもあったので、ぶどう生産者の気持ちを大切にしながらワインをつくっています。


Q.デュフォンのワインをお料理に合わせるとしたら、何がいいですか?

A.白ワインは、コキーユ・サンジャック(*4)などがいいですね。日本のお寿司にも合うと思います。

ロゼは食事の前のアペリティフとして。

赤ワイン、特に“クロ・ド・ラ・トリフィエール”は、その名前の通り、“トリュフ”(*5)に合わせると最高です。フレッシュなトリュフを、塩とオリーブオイルで、それにパンを添えていただきます。


(*1)
ぶどうの栽培に従事する人のこと

(*2)
Appellation d'Origine Controleeの略で、原産地統制名称ワインのこと

(*3)
"アペラシオン・ドリジーヌ・コントローレ"の略で、一般的には(*2)のAOCで認められた原産地名称を指して使われることが多い。

(*4)
帆立貝のこと。バターやホワイトソースでグラタン風に調理することが多い。

(*5)
土の中に自生するキノコの一種で、超高級食材として有名。  

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インタビューを終えて

お料理との相性の答えに"トリュフ"が出てきました!私は「日本ではフレッシュのトリュフは高級食材ですから、そんな食べ方はできませんよ(笑)」と応戦。

“クロ・ド・ラ・トリフィエール”は、トリュフの採れる畑からのぶどうでつくられているため、その名をつけたということですが、実際この地方ではトリュフが採れ、デュフォンのぶどう畑のまわりの森でもトリュフがよく見つかるとか。ホント、羨ましい限りです。  

今回はトリュフとのマリアージュは実現しませんでしたが、“クロ・ド・ラ・トリフィエール”の2001年と1990年のヴィンテージを飲ませていただきました。

2001年のものはスパイシーでコクがあり、土やミネラルの風味を感じる若々しいワインでしたが、14年の歳月を経た1990年ヴィンテージは非常によく熟成しており、官能的なニュアンスさえ感じるまろやかさと艶やかさがありました。

アンによると、「これは、いつ開けても楽しめるタイプのワインなんですけど、まだまだ熟成しますよ~」とのこと。

熟成したプロヴァンスの赤ワインなんて、なかなかお目にかかれる機会のない稀少モノ。コトー・ヴァロワなんていう新しいアペラシオンで、こんなポテンシャルを持ったワインがつくられていたなんて、びっくりです。

となると、この コトー・ヴァロワ、今後ぜひ注目したい生産地ですね!


http://www.deffends.com


(輸入元&取材協力:横浜君嶋屋)


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第 3回 Mas de Libian@「キャッチ The 生産者」

2008-12-27 09:30:17 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2004年7月11日)

第3回  Helene Thibon  <Mas de Libian>



第3回目のゲストは、フランスはコート・デュ・ローヌのドメーヌ“Mas de Libian”(マス・ド・リビアン)のオーナー、Helene Thibon(エレーヌ・ティボン)さんです。

初めて日本を訪問し、「久しぶりのバケーションを楽しんでます」と屈託なく笑うエレーヌ。若くして(しかも美しい!)ドメーヌを引き継ぎ、現在はご主人のアランと力を合わせ、また、引退したご両親も手伝って、4人でドメーヌを切り盛りしています。
メカニックなことは男性陣が、営業的な面は女性陣が主導権を取りつつも、大事なアッサンブラージュ(*1)などは常に4人で決めているという、とても仲のよいファミリーです。


<Helene Thibon>
1974年12月11日生まれ。血液型はO型。3人姉妹の長女。ハンサムなご主人アランとの間に11歳の男の子がいます。
オフのときも“試飲”をしているという熱心なエレーヌは、植物や花が大好きで、家の庭の手入れが趣味とか。
インタビュー前日には、上野の「ぼたん園」を楽しんできたそうで、日本の「お茶」の木にも興味を持っているという、根っからの植物好き。



現在のラインナップには、下記のワインがあります。(2004年の春時点)

Vin de Pays Coteau d'Ardeche 2003(Rouge)

Cotes du Rhone Blanc 2002

Cotes du Rhone Rouge 2002

Cotes du Rhone Village 2002(Rouge)

La Calade 2002(Rouge)





Q.マス・ド・リビアンのあるロケーションは、どんなところですか?

A.南ローヌでのアヴィニョンから北西に車で1時間ほどのところにあります。アルデッシュ県の南の端に位置し、ローヌ河の右岸です。
乾燥した北風、ミストラル(*2)の影響がありますが、冬は比較的暖かく、夏は家の中でも35~40℃になるほどの暑さです。
畑は全部で17haありますが、この地域は赤ワイン用品種がほとんどで、私のところも白用品種は1.5haしか持っていません。


Q.畑には大きな石がゴロゴロしていると聞いたのですが?

A.大きいもので赤ちゃんの頭くらいの丸い石がゴロゴロしています。
この石が日中に受けた太陽の熱を夜間も保ってくれるのです。この石の層はどれくらの深さまであるのかと思い、掘り返してみたことがあるのですが、1mまで掘ったところで諦めました(笑)。数mはあるみたいです。
この石の層の下に粘度層があり、ぶどうの根はそこまで伸びて水分やミネラルを吸い上げています。
こんな土壌なので収穫量は自然と減ってしまい、収穫量は平均して15~30hl/haです。他に粘土石灰土壌の畑もありますが、そちらの収穫量は40hl/haです。


Q.昔からビオロジックでぶどうを栽培していたのですか?

A.1670年から農業をしていましたが、ぶどうだけでなく色々な農作物をつくっていました。その頃はワインは自家用のみでした。しかし、1870年頃にフィロキセラでぶどうは死滅してしまい、その後30年は試行錯誤の時期があったと聞いています。
本格的にワインをつくり始めたのは父の代からで、1970年にカーヴを建て、今に至っています。昔から現在まで、農薬も化学肥料も一切使っていません。


Q.かなり古いぶどうの樹があるということですが、樹齢は平均でどのくらいですか?

A.フィロキセラで死滅した後、1902年に植えられたグルナッシュの樹があります。すでに100年が経っていますが、実はこの樹からのぶどうはそれほど品質が優れているわけではなく、珍しいからブレンドしています(笑)。
白品種でクレレットの樹齢75年の樹がありますが。これは素晴らしいワインになります。
ほかのぶどうの樹齢はバラバラですが、平均すると40年くらいです。


Q.マス・ド・リビアンのワインの特徴、コンセプトは何でしょうか?

A.この土地の土壌と収穫年の特徴を反映させたワインをつくりたいと思っています。また、ワインは飾るものではなく、すぐに楽しく飲めるもの、と考えていますので、自然で、ピュアで、バランスよく、エレガンスを感じさせるものを目指しています。

私が一番愛するぶどうは“グルナッシュ”なのですが、みなさんが思うよりもずっとやわらかでエレガントなワインになります。但し、南のワインですので、少し冷やし気味の16℃以下程度で飲むと、より美味しくいただけると思います。


(*1)
アッサンブラージュ:仕込んだワインを瓶詰め前にブレンドすること。
(*2)
ミストラル:南フランスで、ローヌ河の谷間や海に向かって吹く北(西)風のこと。

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インタビューを終えて

今回はエレーヌのご主人のアランも同席してくれたのですが、活発な彼女に対して、アランはとってもシャイで無口。
「彼は口ベタだから、営業的なことは私と母が取り仕切っているのよ(笑)」とエレーヌ。

南仏の太陽のように明るくナチュラルなその姿は、彼女のつくるワインにも現われています。
ふっくらしながらも酸がきゅっと引き締まった白ワイン、濃厚過ぎず、軽快な口当たりなのにタンニンの輪郭がはっきりとしている赤ワインは、いずれも2,000円以下というコストパフォーマンスの良さ!
スペシャル・キュヴェの“ラ・カラード”はさすがにお値段も少々上がるものの、ムールヴェードル主体でアッサンブラージュしているので骨格がしっかりとし、果実味と旨味の乗った逸品でした。

ローヌは強すぎて、ちょっと…という方でも、マス・ド・リビアンのワインを飲むと、きっとローヌ好きになること間違いなしですよ!


(輸入元:ソレイユ・テルクール)
(取材協力:クラブ・パッション・デュ・ヴァン)

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(社)日本ソムリエ協会関東支部HPにリンク

2008-12-26 22:13:00 | ワインのお仕事


(社)日本ソムリエ協会 web「ワイン村.jp」 の終了に際し、
いままで掲載していた私の提供するコンテンツ「キャッチ The 生産者」を当ブログ「ワインなささやき」に移行することをご案内しましたが、

それに伴い、
(社)日本ソムリエ協会 関東支部のリンクページに当ブログを掲載 していただきました

http://www.sommelier.jp/kanto/link.htm   <LINKページ>



今後は相互リンクを張らせていただきたいと思いますので、
(社)日本ソムリエ協会 関東支部のHP も、どうぞよろしくお願いいたします

http://www.sommelier.jp/kanto/index.htm   <TOPページ>



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第 2回 BEAU PAYSAGE@「キャッチ The 生産者」

2008-12-26 15:02:04 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2004年6月11日)

第2回 岡本 英史  <BEAU PAYSAGE>




第2回目は、日本の若きエースの登場です。
勝沼のワイナリーに勤めていた一青年が、新たな土地を求め、自分のドメーヌを立ち上げるという夢を実現させてしまいました。
彼の選んだ地は、山梨県北杜市須玉町津金(つがね)(*1)。


<岡本 英史(おかもと えいし)>

栽培醸造家。1970年、愛知県生まれ。明治大学農学部農芸化学科を卒業後、山梨大学附属醗酵化学研究施設(現ワイン科学研究センター)博士前期過程終了。勝沼のワイナリー勤務の傍ら、ぶどう栽培に適した土地探しを始め、勝沼で苗木育成に着手。1999年、津金の畑70aにメルロの苗木を植える。1999年ヴィンテージが初リリース。



1999年、70aのメルロから始まった畑も今は1.8haにまで増え、品種もカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、ピノ・ノワール、シャルドネが加わりました。

垣根式栽培(VSP)で、栽植密度は2900~5810本/ha。収穫量は28~42hl/haで、収穫量を制限するということを最重要ポイントとしています。

ワイナリーの建物はまだありませんが、他のワイナリーを借りて、自らの手で仕込みを行なっています。

4年目となる2003年ヴィンテージが2005年4月にリリースされ、東京で発表会がありました。

2003年ヴィンテージは以下の6アイテムです。いずれもまだごく少数の生産量しかありません。

なお、『ボー・ペイサージュ』とは、フランス語で『美しい景色』の意味です。



「日本人としての自然観や美意識を大切にしたい」と、ラベルデザインには家紋をあしらっています。


BEAU PAYSAGE "TSUGANE" Chardonnay 2002
(*CH 100%(375ml 320本)

BEAU PAYSAGE "TSUGANE" Pinot Noir 2002
*PN 100%(375ml 344本)

BEAU PAYSAGE "TSUGANE" le vent 2002
*CS 65% Me 35%(750ml 320本)

BEAU PAYSAGE "TSUGANE" la bois 2002
*CF 100%(750ml 232本)

BEAU PAYSAGE "TSUGANE" le feu 2002
*Me 80% CF20%(750ml 523本)

BEAU PAYSAGE "TSUGANE" la montagne 2002
*Me 100%(750ml 720本)

*ぶどう品種:CHシャルドネ、 PNピノ・ノワール、CSカベルネ・ソーヴィニヨン、Meメルロ、CFカベルネ・フラン (375mlサイズは各2,000円、750mlサイズは各3,800円(税込))



Q. 津金は、どういった特徴を持つ土地ですか?

A.標高800mの高地にあります。降雨量は勝沼と同じくらいですが、ぶどうの生育期間の平均気温はボルドーやナパとほぼ同じです。
大事なのは“気温”です。夏でも夜は涼しく、1日の寒暖の差が大きいので、糖度が上がります。
糖分はアルコール度数につながりますが、それ以外の味の濃さ、つまり凝縮感をどれだけぶどうに詰め込むかが大事だと考えています。
この寒暖の差は、よいぶどうをつくる重要な条件のひとつです。


Q. 岡本さんはメルロから栽培を始め、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、シャルドネ、ピノ・ノワールと増やしていますが、津金の土地にはどの品種が適していると思いますか?

A.シャルドネはどこでも栽培がしやすく、糖度も上がりやすい品種なので、この津金でも可能性があると考えています。
が、白品種のワインは“ぶどう”が勝負です。畑でしたことが丸見えになってワインに現われてしまいます。つまり、ぶどうをいかにつくるか、にかかってきます。ですので、シャルドネは本当はやりたくない品種なんですけどね(笑)。

ピノ・ノワールの樹は3年目ですが、これは自分が大好きな品種なので、半分趣味みたいなものです。もう可愛くてたまりません(笑)。


Q. 山梨には“甲州”という品種がありますが、甲州種のワインはつくらないのですか?

A.僕は芸術性が高い醸造用のぶどうをつくりたいと思って、この津金の地を選びました。甲州種は生食用と考えているので、津金ではつくりません。
かといって、甲州種を否定しているのではないのですが、つくる状況、そして飲む状況によってはOKと思っています。


Q. あなたは“津金の風景の感じられるワイン”を目指しているということですが、それは具体的にはどういうワインですか?


A.そう聞かれると言葉に詰まってしまうのですが(笑)、これはつくり手の気持ちの問題だと思うのです。
具体的に説明できることではないのですが、つくり手のそういった気持ちは伝わるもの、と強く信じるのと、なにも考えないでただつくるのとでは、伝わり方が全然違うと思います。この気持ちは、飲み手だけではなくて、ぶどうにもワインにも伝わると信じています。

実はこの“風景が感じられるようなワイン”というのは、僕の尊敬するつくり手のひとり、マダム・ルロワ(*2)さんが、話されていたことを聞いて感じたことなんです。

彼女はポマール(*3)を飲んで、ポマールの街並みや教会を説明し始めたのです。「ねっ?目を閉じると浮かんでくるでしょう?」と。僕はびっくりしたのですが、心を動かされました。

僕も自分のワインを飲むと、津金の景色が浮かんできます。そして、初めて畑にいらっしゃった方にも、「思っていた通りの場所だった」と、不思議とよく言われるのです。


Q. 今後、日本の中で伸びていく生産地、注目の生産地はどこだと思いますか?

A.長野県の桔梗が原(塩尻市)は以前から注目しています。
また、長野だけでなく、全国各地でも新しくワイナリーを立ち上げる人が出てきていますので、彼らからも目が離せないと思います。


Q. お隣の長野県で導入された『長野県原産地呼称管理制度』(*4)について、どう思いますか?

A.最初の第一歩を踏み出したのではないかと思います。評価したいですね。


(*1)
山梨県北巨摩郡須玉町津金:山梨県の北西部にあり、有名な観光地清里の約7kmほど南に位置する。岡本さんのぶどう畑は、眺めのいい南向きのゆるやかな傾斜地にある。

(*2)
マダム・ルロワ:世界的にも知られるメゾンおよびドメーヌをフランスのブルゴーニュに所有するマダム、ラルー・ビーズ・ルロワさんのこと。

(*3)
ポマール:ブルゴーニュのコート・ド・ボーヌ地域にある村のひとつ。

(*4)
長野県原産地呼称管理制度:農産物やその加工品が長野県産であることを保証するものとして、平成14年産のワインと日本酒から始まった認定制度。制度2年目の2004年3月には、28銘柄の認定ワインが誕生している。

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インタビューを終えて

私が岡本さんの畑を初めて訪問したのが2000年の秋
まわりに遮るものがなにもない大きく広がる空の下、まだ弱々しい若木の姿を見たとき、本当にここでやっていけるの?と思ったものです。

しかし、2年後の2002年の夏に再び訪問したときには、真っ黒に日焼けした岡本さんと、確実に成長したぶどうの樹がそこにありました。

そして2004年春、あの夏に見たぶどうがワインに姿を変え、再び私の目の前に現われました。

これまではメルロ100%のワイン(現在のla montagne)しかつくられていませんでしたが、2002年ヴィンテージは6アイテムに増えました。今回すべてを飲んでみましたが、メルロは荒削りと感じた部分がまるくなり、洗練された印象さえ感じます。

初めてのシャルドネ、そしてピノ・ノワールは、あたたかみのあるふっくらしたやさしい味わいです。目を閉じると…、津金の風景が浮かんでくるような、こないような?(笑)

『ボー・ペイサージュ』はまだ発展途上中の若いドメーヌですが、これからの岡本さんの頑張りに期待しつつ、長い目で見守っていきたいと思います。

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銀座の「ビストロ・ヴィオニス」でディナー

2008-12-26 11:40:29 | レストラン&店
先月のことになりますが、銀座の「ビストロ・ヴィオニス」でディナーをいただく機会がありました。

ここは、2002年に日本最優秀ソムリエになった 阿部 誠さんのお店
近所には同経営のシャンパーニュサロンなどもあります。



この "ヴェー." ド ビストロ ヴィオニス では、300種類のフランスワインと、洗練を加えたフランス郷土料理をいただくことができます。

お店は外堀通りに面したビルの地下1階。
こじんまりとした暖か味のあるフロアで、テーブル席はもちろん、カウンターや、奥にはちょっと個室チックなコーナーも用意されていました。

今回、いただいたお料理はコチラ(11月下旬の内容)



帆立のタルタル サラダ仕立て

白ワインと合わせて楽しみたい一皿。
けっこうボリュームがありました。



鴨の自家燻製

スモークにすると、素材の旨味がグンと増すのはなぜなんでしょう?
これも前菜。メインにしてもおかしくない一皿です。



牛ほほ肉の赤ワイン煮

ビストロ料理の定番中の定番でしょうか。
やわらかく煮込まれた牛のほほ肉は、身も心も満足させてくれます(笑)



チョコレートのタルト

最後にハズせないのがデザート



ここはアラカルトも、コース(6300円~)も充実しています。

また、毎月 テーマ別のフランスの地方料理とワインを合わせる企画 をやっていて、いつもメールで案内が届くのですが、お値段も手頃で、けっこう気になる会なのです。
この会は、HPにもアップされますので、チェックしてみることをオススメします。

ごちそうさまでした~

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“V”.de Bistro Vionys

東京都中央区銀座7-4-14 光ビルB1

 03-3571-7414

http://www.vionys.com/bistro/index.htm

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第 1回 Podere La Brancaia@「キャッチ The 生産者」

2008-12-25 16:03:04 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2004年5月20日)

第1回 Martin Kronenberg  <Podere La Brancaia>




第1回目のゲストは、イタリアはトスカーナ州のワイナリー
“Podere La Brancaia” (ポデーレ・ラ・ブランカイア)の
オーナーである Martin Kronenberg (マーティン・クローネンバーグ)氏です。


<Martin Kronenberg>
スイスのチューリッヒ生まれ。大学では経済学を学び、スイスの食品会社でマーケティングや販売の仕事をしてきましたが、2001年にバーバラと結婚後、2002年にイタリアに移り、同年3月からバーバラとともに“Podere La Brancaia”の経営
に参画。現在は1ヵ月のうち1週間をスイスで、3週間をイタリアで過ごす日々。



ラ・ブランカイアは、有名なキアンティ・クラシコ地域の中心部ラッダ・イン・キアンティにあります。
1990年にキアンティのスター・エノロゴ(*1)Carlo Ferrini(カルロ・フェリーニ)氏を醸造コンサルタントに迎え、イタリアで権威のある「ガンベロロッソ」誌などでも常に高い評価を得ています。

以前はキアンティの名門マッツェイ家の『カステッロ・ディ・フォンテルトリ』が所有していた畑のひとつを、マーティンの妻Barbara Kronenberg Widmer(バーバラ・クローネンバーグ・ヴィドマー)の両親のウィドマー夫妻が1981年に取得し、1999年にワインメーカーとなったバーバラが引き継ぎました。

その後バーバラはマーティンと結婚し、現在は若い夫婦がラ・ブランカイアの経営を取り仕切っています。生産しているワインは3アイテム。


IL BLUE (イル・ブルー)
(1988年ヴィンテージから生産・ブランカイアのトップレンジ)(青ラベル)

Chianti Classico
(2000年ヴィンテージから生産)(ワインカラーラベル)

TRE (トレ)
(2000年ヴィンテージから生産・限定品)(黄ラベル)




Q.ラ・ブランカイアでのあなたの役割は何ですか?

A.セールスマネージャーとして、マーケティングや販売全般 、広報などを担当しています。今回もラ・ブランカイアのプロモーションで来日し、10日ほど滞在する予定です。


Q.今日は限定品の“トレ”を持参していただいたのですが、トレとはどんなワインですか?

A.他のふたつに比べると、もっとカジュアルに飲んでもらいたい、というコンセプトでつくっています。ランチに開けてもいいですし、パスタや魚料理にもおすすめです。楽しく心地よいワインで、私は毎日でも飲みたいくらいです(笑)。

カステリーナ地区のブランカイア、ラッダ地区のポッピ、モレリーノ・ディ・スカンサーノ地区のブランカイア・イン・マレンマという3つの畑から、ぶどうも、サンジョベーゼ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンの3品種からつくられているので、“トレ”(イタリア語で“3”という意味)という名前をつけました。

“Rosso di Toscana IGT”ですが、私はスーパー・タスカン(*2)に入ると思っています。まだ新しいワインで、日本初入荷です。


Q.この春、マレンマにある“マレンマ・イン・ブランカイア”のエステート(*3)から新しいワインが誕生するという話を聞いたのですが?

A.この4月の“Vinitaly 2004”(*4)で発表します。まだ秘密なのですが、名前だけ特別にお教えしましょう(笑)。
“ILATRAIA”(イラトライア)といいます。古い地図から取った名前で、ヴィンテージは2002年です。


Q.マレンマはどういった土地ですか?

A.ラッダのワイナリーから10kmほど離れています。サンジョベーゼに適している土地で、このワインもサンジョベーゼ主体です。


Q.マレンマのエステートは、以前は別の名前だったのでは?

A.以前は“ポッジオ・アル・サッソ”という名前だったのですが、“ラ・ブランカイア”とより密接にということから、2003年の1月に“マレンマ・イン・ブランカイア”に変更しました。


(*1)
エノロゴ:ワインの醸造責任者のこと。カルロ・フェリーニ氏のようなスター・エノロゴになると、いくつかのワイナリーのコンサルティングをかけもちすることも多い。

(*2)
スーパー・タスカン:品種による規制の多いイタリアのDOC法にとらわれない、クオリティを追究するワインのことなどを指し、ワイン法上はヴィーノ・ダ・ターヴォラ(テーブルワイン)やIGTクラスにもかかわらず、高価格で取引されるワインが多く、まさに“超トスカーナ”!

(*3)
エステート:農園、栽培地、醸造所などをいう。

(*4)
Vinitali(ヴィニタリー):イタリアのヴェローナで開催される国際的なワイン見本市。世界中のワインが集まり、試飲会やコンテストなどが行われる。ここで高い評価を得たワインは、世界の注目の的になることが多い。

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うーん、これは早く新作のイラトライアを飲んでみたいですね!

「ぜひVinitalyにいらして、飲んで下さい(笑)」(マーティン)。

ホント、ぜひ飲みに行きたいです!それとも、近いうちにトスカーナのワイナリーにお邪魔させていただく方がいいかも(笑)?
本日はありがとうございました。


インタビューを終えて

長身でスマート。加えて人なつっこいマーティン氏と、ラ・ブランカイアの3種のワインを飲みながらふたりっきりで(本当に独占です!)お話をさせていただくことができましたが、さすが営業のプロ。ブランカイアのどのワインが一番好き?という私の問いに、「もちろん全部!」とマーティン。

トップレンジのイル・ブルーはさすがですが、キアンティ・クラシコも、キアンティとは思えないほど濃密でスタイリッシュな味わい。
今回初体験のトレは、「カジュアルに飲んで」というものの、ガツンとした料理にも合わせられるほど逞しく、それでいてなめらかな素晴らしいワインでした。

彼が自信たっぷりに「スーパー・タスカン!」と言うだけのことはあります。が、いかんせん、日本に入ってくる量 は少ないとのこと。これは苦労して探す価値ありかも?


*輸入元:(有)アビコ




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