摘果したミカンを活用し、ミカン100%の酢を商品開発した、という案内が届きました。
ワイン用のブドウも、良い房を残して摘房する「グリーンハーベスト」という摘果作業を夏の時期に行いますが、ミカンも摘果を行っているとのこと。
夏の時期にブドウ畑に行くと、摘果した未熟な房が下に落とされている姿を目にしますが、もったいないなぁ~、何かに使えないものかしら?と、いつも思うのですが、これはその“ミカン”バージョンというわけです。
夏の時期に摘果した青い未熟果を何かに活用できないものか?と考えた
静岡のミカン農家の有志が、
三次産業であるノバレーゼ㈱(ウエディングプロデュース・レストラン運営)と二次産業の鳥居食品㈱(ソース、酢メーカー)と共同でミカン100%の酢を開発しました。
これは気になる話ですよね?
そこで、今週都内で行われた新商品発表会に行ってきました。
想酢(おもす) 200ml 500円 生産本数 950本
原材料:
沼津市内浦重須産 青島ミカン(完熟・摘果)
販売元:
農事組合法人おもす (静岡県沼津市内浦地区重須)
製造元:
鳥居食品㈱ (静岡県浜松市)
プロデュース:
ノバレーゼ㈱ (東京都中央区)
食卓のテーブルに置いて使いやすいサイズ&オシャレな姿のミカン100%酢
8月に摘果したミカン(ゴルフボール大)をマイナス20℃で冷凍保存しておきます。
完熟ミカンの収穫後、摘果ミカンと完熟ミカンをそれぞれ搾汁し(手作業)、アルコール発酵させて「ミカンワイン」をまず造ります。
そこに酢酸菌を植え付け、約1ヵ月半ほど発酵させると、果実酢(ミカン酢)が出来上がります。
完熟ミカン100%でもミカン酢ができますが、酢酸発酵の段階でミカンのフレーバーが飛んでしまうとのこと。
そこで、
酸度が強くて糖度が低く、サッパリした味わいの摘果ミカンを10%加えることで、ミカンの風味を生かした果実酢を造ることができた といいます。
摘果ミカン100%ではダメなのかしら?という疑問も出ますが、糖度が低いため(4%)、単独では厳しいものがあるようです(お酢にするには糖度10%以上必要)。
よって、ちょうどよいバランスになる比率で、ベースの完熟ミカン酢に摘果ミカンをブレンドしています。
果物の断面を見せたラベルを使えるのは果汁100%のものだけ、と知っていました?
このミカン酢を直接飲んでみましたが、
ツンとしたところがなく、とってもまろやか でした。
コク、旨味があり、余韻も長く感じました。
サラダにはそのままかけてもよく、オリーブオイルと合わせてドレッシングにしても
寿司酢としても使えます
アジの干物にかけてサッパリ爽やかに
ミカンの風味は思っていたよりも穏やかでしたので、料理のジャマにならずに活用できそうです。
私はテーブルに置いて、色々な料理に振りかけて使いたいと思いました。
ところで、なぜ
「想酢」 (おもす)なんでしょう?
沼津市の“重須”(おもす)地区でつくられた、“想いを込めたお酢”だから
農業者(一次産業)と加工業者(二次)、サービス産業(三次)の三者が連携し、農作物の付加価値を高めた“6次産業化支援”のプロジェクトである点がユニークです。
また、農業者単独による加工品開発ではなく、サービス産業のノバレーゼのノウハウを生かしている点(同時に同社社員が農業に取り組むCSR活動の一環として支援しています)、農家と同県の加工業者(浜松市 鳥居食品)の協力体制を得ることで地域活性化につながっている点も評価できます。
なにより、以
前は捨てていた摘果ミカンを有効活用できるようになったことが素晴らしいじゃないですか
この「想酢」は、明日4月23日より静岡県の5ヶ所で発売されます。
◆
OH!MOS(ミカン直売所) 沼津市内浦重須14-10
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金岡産直市 沼津市東熊堂600-1
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ふるさと産直市 沼津市下香貫字上障子415-1
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長泉産直市 駿東郡長泉町下土狩1029-1
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沼津みなと新鮮館 沼津市千本港町128-1
地元に行かないと買えないのがネックです。
都内のこだわり食材スーパーや、静岡の産直アンテナショップ、百貨店などに置いてほしいですが、950本では難しいでしょうか。
ただし、「OH!MOS」では、電話注文もできるようなので、気になる人は問い合わせを。
055-943-2136
もちろん、ドライブかたがた沼津まで買いに行くのも楽しいですね
レストランでは、都内銀座の
「SHARI THE TOKYO SUSHI BAR」 (ロール寿司メインのレストラン)で調味料としてこれを使ったメニューがいただけます(中央区銀座2-4-18)
とにかく、
摘果ミカン(小さくて固い)をひとつひとつ手で搾るのが大変だった!とのこと。
それゆえ、来年度はどうするか(つくるかつくらないか)、まだ正式には決めていないようですが、捨てていた摘果を有効活用するという素晴らしいこの取り組み、ぜひ継続していただきたいものです。