ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

モスカート風味が甘美な2つのワイン@イタリア

2011-12-19 18:41:31 | ワイン&酒
先日、イタリアのUNA Vini(ウナ・ヴィーニ、イタリアのワイン生産者協会を取りまとめている団体)主催による、Asti DOCG&Moscato dAsti DOCG のプレゼンテーションがありました。

アスティモスカート・ダスティは、ピエモンテ州南部の同一地域のDOCGで、使用ブドウ品種(モスカート・ビアンコ種)と共通していますが、醸造方法が違います。


Asti DOCG

Moscato d'Asti DOCG

アスティDOCGはスパークリングワイン(スプマンテ)で、モスカート・ダスティはストレートコルクを使うワイン(たまに微発泡のものがある)です。

アスティは二次発酵で炭酸ガスを発生させたスプマンテになりますので、アスティ・スプマンテの名前で記憶している人が多いでしょう。ガス発生は密閉タンク方式が主となっています。

一方、モスカート・ダスティは、アルコール発酵の途中、アルコール度数が5%になった段階で発酵を止めてしまいます。するとアルコール分解されなかった糖分がワインの中に残るため、アルコール度数の低い(上記の写真のワインは5~5.5%でした)、甘口のワインが出来上がる、というわけです。



アスティはキメ細かい泡、豊かなアロマ、爽やかな甘さが魅力


今回試飲したアスティのアルコール度数は7~7.5%と、こちらもライト 



モスカート・ダスティは、元々はアスティをつくるための原料ワインでした。


フレッシュなマスカットのフレーバーとピュアな甘さ が、甘いもの好きにはたまりません


左のワインは、日本サッカーチームのザッケローニ監督の大のお気に入り とか


甘さが濃密なもの、エレガントなタイプと、造り手によって個性が違います



どちらもアロマティックでスウィートなワインなので、そのまま飲んでも美味しいですが、デザートと一緒にいただくのが定番


リンゴのパートフィロ モスカート・ダスティのザバイオーネクリーム添え

クリームにモスカート・ダスティを混ぜ込んだデザートなら、合わせるデザートワインは、もちろんモスカート・ダスティ。もちろん、スプマンテのアスティも。

イタリアでは、モスカート・ダスティは ビスコッティ、クッキー、パンケーキ、フルーツグラタンなどのスウィーツによく合わせるようです。

また、塩気のあるチーズとのマリアージュもパーフェクト!
地元ピエモンテのロビオラ、ゴルゴンゾーラ・ドルチェ、サルタナやドライフルーツの入った山羊チーズ、ペコリーノ・サルドなどもオススメということですから、これもぜひ試してみたいですね。



アスティもモスカート・ダスティも、どうしてもデザート系とのマリアージュが頭から離れませんが、
食中酒として楽しむこともできます。


フリット、酸味のあるマリネ、チーズを使った前菜などに合わせてもOK


バターとセージ風味のタヤリン(手打ちパスタ)/豚ヒレ肉のヘーゼルナッツの衣かけ

濃厚なバターソースをからめたパスタには、スプマンテタイプがイケました。
豚ヒレ肉の付け合せのポテト(インカのめざめのロースト ローズマリー風味)の塩味がやや強めだったのですが、このポテトの塩気にモスカート・ダスティの甘さがよくマッチしました。

甘いワインと塩気のあるものは黄金の組み合わせ ですね

 ※料理は 「オステリア イータリー」  (東京都渋谷区代官山町20-23)



モスカート風味が甘美な2つのワイン、アスティとモスカート・ダスティは乾杯や食前酒にもピッタリ。
アルコール度数も低いので、アルコールに弱いという女子も、これならOKでは?
懐にもやさしいので(1,500円前後~2,000円台が主な価格帯)、人が集まるパーティーに1本用意すると、ほっとなごむこと間違いなしでしょう


コメント
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