昨日は マデイラワインの数字的情報や消費について紹介 しましたが、今日はその中身を紹介しましょう。
マデイラワイン は、ポルトガル産の酒精強化ワインのひとつ。
大西洋の真ん中にあるマデイラ島で生産され、アルコールは17~22%、カラーは黄金色から琥珀色、茶色がかった飴色。
マデイラは醸造方法に特徴があり、それがマデイラに独特の風味をもたらします。
まず、発酵の途中でブドウ由来の96度のアルコールを添加し、発酵を止めます。
この時の発酵の進み具合で、出来上がるワインの糖度が決まります。
次のプロセスが熱処理で、2つの異なるシステムがあります。
ひとつは、ステンレスタンクの中に入れた管に熱湯(40~50℃)を通して循環させ、約3か月間ワインを加熱するシステム(エストゥファジェン)。
もうひとつは、樽に入れたワインを高温の部屋(通常はワインセラーの最上階)に置き、最低でも2年寝かせて酸化熟成させるシステム(カンテイロ)。
元々は、マデイラワインの主要市場のひとつだったインドに船で輸送した際、返品されてヨーロッパに戻ってきたワインの風味と複雑味が増し、とてもおいしくなっていたことが始まりでした。
熱帯を通るため、ワインが高温にさらされます。それがおいしさの理由とわかると、わざわざインドまで船旅をさせ、戻ってきてから売られるようになり、英国市場で高値で取引されました。
そのため、マデイラワインは “Vihno da Roda”(ヴィノ・ダ・ロダ、周遊ワイン)と呼ばれました。
しかし、ワインを高温にさらすために船で周遊させるのは大変です。
そこで、それと同じ状況を、エストファジェン のシステムで再現しました。
マデイラワインの特徴は 豊かなアロマとリッチな味わい、そして高い酸味
昼夜の寒暖差の大きい気候の下、玄武岩を多く含む火山性土壌で栽培されたブドウは酸度が高い状態で収穫され、出来上がるワインも酸がしっかりしています。
そのため、高いアルコール度にもかかわらず、口の中に爽やかさが残ります。
フランス料理でよく使われるのも、独特の風味に加え、酸味があるからでしょう。
ただ、マデイラワインは、グランメゾンやワインにこだわるレストラン、ワインバー、シガーバーなどでしかお目にかかれないのが現状です。
ショップでも、なかなか姿を見かけないと思います。
レストランの常連、ジュスティーノ社
(輸入元:サントリー酒類株式会社 / ミレジム)
レトロなエチケットが素敵な ボルジェス社
左の瓶タイプと、右の編んだ菰カバータイプの中身は同じですが、菰ボトルの方がよく熟成するとか。価格も菰の方がやや高くなります。
(輸入元:株式会社アデカ)
また、アルコール度数が通常のワインより高い こと、甘さ のあるワインであり、独特の風味 があることもあり、普通のワインのようにゴクゴクと飲む性質のものでもありません。
特に、梅雨入りした今の季節から夏にかけて飲むには、かなり重たく感じます。
今は、マデイラのプロモーションには一番向かない時節だと思うのですけれど。
現地では、やはり観光客のためのワインであり、地元民にとってはクリスマスや記念日などの特別な時に楽しむ高級品。
通常は、冷やして食前酒に、また食後のデザートとして飲むことが多いようですが、氷を入れたり、ミントとソーダとクラッシュアイスで“マデイラモヒート”にしたりという楽しみ方も人気のようです。
今の季節の日本なら、氷入りやモヒートが涼しげでいいですね!
エンリケッシュ&エンリケッシュ社 のラベルは洗練されていてオシャレ
(輸入元:日本リカー株式会社)
食とのマリアージュも、ドライタイプと各種オードブル類というライトな組み合わせから、スイートタイプにフォアグラ、ブルーチーズ、ショコラ、スウィーツ類などとのリッチな組み合わせまで、さまざまな可能性がありそうです。
洗練された楽しみ方としては、パーティーの乾杯ワインをマデイラにすること。
1776年7月4日のアメリカの独立宣言の際に、ジョージ・ワシントン初代大統領が祝杯ワインとして選んだのがマデイラでした。
酸味のあるドライタイプのマデイラは、食前酒としてもピッタリ。
梅酒が食前酒に飲まれるように、乾杯や食事の始まりにマデイラをチョイスしてはいかが?
バーベイト社 の上記のマデイラのように、500mlサイズで価格も手頃(2300円)なものもあります。
持ち寄りワイン会などにも使えそうでは?
(輸入元:木下インターナショナル)
そう考えたら、ちょっと飲んでみたくなってきませんか?(笑)
とはいっても、マデイラワインの種類は複雑で、なかなか覚えきれないと思いますので、まずは以下の5つのブドウ品種を覚えることをオススメします。
セルシアル:ドライ(辛口)、またはエクストラドライ(極辛口)
マデイラは糖分を残しているワインですので、基本的には甘さがありますが、セルシアル種のブドウでつくられたものは、必ずDRYになります。ドライの糖度は1.5ボーメ以下、エクストラドライは0.5ボーメ以下。
色もやや淡い黄金色で、酸がしっかりとして爽やかなタイプになります。
ヴェルデーリョ:ミディアムドライ(中辛口)
糖度は1.0~2.5ボーメ。黄金色。トロピカルフルーツを思わせるエキゾチックな香りで、味わいはエレガント。
ボアル:ミディアムリッチ(ミディアムスイート、中甘口)
糖度は2.5~3.5ボーメ。ゴールデンカラーから茶色がかった色になり、バニラの香りが現れます。
マルヴァジア(マルムジー):リッチ(スイート、甘口)
糖度は3.5ボーメ以上。マデイラ島で初めて栽培された品種。濃い色調で、スパイス、ドライフルーツの香りがあり、フルボディの甘口。
ティンタ・ネグラ:ドライ~リッチまで
前述の4つは白ブドウですが、ティンタ・ネグラは黒ブドウ。
発酵を止める段階により、ドライ~リッチまで、さまざまな味わいになります。
ほかに、種類としては、フラスケイラ、コリェイタ、カンテイロ、リザーヴ、オールド・リザーヴ、セレクテッド、ソレラ、レインウォーター等々、実に多彩です。が、とうてい覚えきれませんので、まずは上記の白ブドウ4つの名前と味わいの特徴を覚えることから始めてみましょう。
ブランディーズ社 の“レインウォーター”
(輸入元:木下インターナショナル)
マデイラで覚えておくといいことは、古いヴィンテージでも意外と手に入る こと。
ペレイラ・ドリヴェイラ社 は古いマデイラワインを保有しています
今回は、1977年、1971年、1958年、1927年、1912年、1907年が紹介されました。
上記は1万円台から5万円台で購入できます。
誕生年ワインや、記念日ワインを探している人には朗報ですね。
なお、輸入元で在庫している一番古いマデイラは、1850年ですって!(11万円)
(輸入元:木下インターナショナル)
すでに酸化された状態にあるマデイラは 100年以上も持つワインです。
抜栓してからも、冷暗所に置けば、半年程度は大丈夫なのも嬉しいですね。
寝酒にチョコチョコ飲むという人もいるみたいですよ?(笑)
どうですか?いよいよマデイラワインが飲みたくなってきませんか?
マデイラワイン は、ポルトガル産の酒精強化ワインのひとつ。
大西洋の真ん中にあるマデイラ島で生産され、アルコールは17~22%、カラーは黄金色から琥珀色、茶色がかった飴色。
マデイラは醸造方法に特徴があり、それがマデイラに独特の風味をもたらします。
まず、発酵の途中でブドウ由来の96度のアルコールを添加し、発酵を止めます。
この時の発酵の進み具合で、出来上がるワインの糖度が決まります。
次のプロセスが熱処理で、2つの異なるシステムがあります。
ひとつは、ステンレスタンクの中に入れた管に熱湯(40~50℃)を通して循環させ、約3か月間ワインを加熱するシステム(エストゥファジェン)。
もうひとつは、樽に入れたワインを高温の部屋(通常はワインセラーの最上階)に置き、最低でも2年寝かせて酸化熟成させるシステム(カンテイロ)。
元々は、マデイラワインの主要市場のひとつだったインドに船で輸送した際、返品されてヨーロッパに戻ってきたワインの風味と複雑味が増し、とてもおいしくなっていたことが始まりでした。
熱帯を通るため、ワインが高温にさらされます。それがおいしさの理由とわかると、わざわざインドまで船旅をさせ、戻ってきてから売られるようになり、英国市場で高値で取引されました。
そのため、マデイラワインは “Vihno da Roda”(ヴィノ・ダ・ロダ、周遊ワイン)と呼ばれました。
しかし、ワインを高温にさらすために船で周遊させるのは大変です。
そこで、それと同じ状況を、エストファジェン のシステムで再現しました。
マデイラワインの特徴は 豊かなアロマとリッチな味わい、そして高い酸味
昼夜の寒暖差の大きい気候の下、玄武岩を多く含む火山性土壌で栽培されたブドウは酸度が高い状態で収穫され、出来上がるワインも酸がしっかりしています。
そのため、高いアルコール度にもかかわらず、口の中に爽やかさが残ります。
フランス料理でよく使われるのも、独特の風味に加え、酸味があるからでしょう。
ただ、マデイラワインは、グランメゾンやワインにこだわるレストラン、ワインバー、シガーバーなどでしかお目にかかれないのが現状です。
ショップでも、なかなか姿を見かけないと思います。
レストランの常連、ジュスティーノ社
(輸入元:サントリー酒類株式会社 / ミレジム)
レトロなエチケットが素敵な ボルジェス社
左の瓶タイプと、右の編んだ菰カバータイプの中身は同じですが、菰ボトルの方がよく熟成するとか。価格も菰の方がやや高くなります。
(輸入元:株式会社アデカ)
また、アルコール度数が通常のワインより高い こと、甘さ のあるワインであり、独特の風味 があることもあり、普通のワインのようにゴクゴクと飲む性質のものでもありません。
特に、梅雨入りした今の季節から夏にかけて飲むには、かなり重たく感じます。
今は、マデイラのプロモーションには一番向かない時節だと思うのですけれど。
現地では、やはり観光客のためのワインであり、地元民にとってはクリスマスや記念日などの特別な時に楽しむ高級品。
通常は、冷やして食前酒に、また食後のデザートとして飲むことが多いようですが、氷を入れたり、ミントとソーダとクラッシュアイスで“マデイラモヒート”にしたりという楽しみ方も人気のようです。
今の季節の日本なら、氷入りやモヒートが涼しげでいいですね!
エンリケッシュ&エンリケッシュ社 のラベルは洗練されていてオシャレ
(輸入元:日本リカー株式会社)
食とのマリアージュも、ドライタイプと各種オードブル類というライトな組み合わせから、スイートタイプにフォアグラ、ブルーチーズ、ショコラ、スウィーツ類などとのリッチな組み合わせまで、さまざまな可能性がありそうです。
洗練された楽しみ方としては、パーティーの乾杯ワインをマデイラにすること。
1776年7月4日のアメリカの独立宣言の際に、ジョージ・ワシントン初代大統領が祝杯ワインとして選んだのがマデイラでした。
酸味のあるドライタイプのマデイラは、食前酒としてもピッタリ。
梅酒が食前酒に飲まれるように、乾杯や食事の始まりにマデイラをチョイスしてはいかが?
バーベイト社 の上記のマデイラのように、500mlサイズで価格も手頃(2300円)なものもあります。
持ち寄りワイン会などにも使えそうでは?
(輸入元:木下インターナショナル)
そう考えたら、ちょっと飲んでみたくなってきませんか?(笑)
とはいっても、マデイラワインの種類は複雑で、なかなか覚えきれないと思いますので、まずは以下の5つのブドウ品種を覚えることをオススメします。
セルシアル:ドライ(辛口)、またはエクストラドライ(極辛口)
マデイラは糖分を残しているワインですので、基本的には甘さがありますが、セルシアル種のブドウでつくられたものは、必ずDRYになります。ドライの糖度は1.5ボーメ以下、エクストラドライは0.5ボーメ以下。
色もやや淡い黄金色で、酸がしっかりとして爽やかなタイプになります。
ヴェルデーリョ:ミディアムドライ(中辛口)
糖度は1.0~2.5ボーメ。黄金色。トロピカルフルーツを思わせるエキゾチックな香りで、味わいはエレガント。
ボアル:ミディアムリッチ(ミディアムスイート、中甘口)
糖度は2.5~3.5ボーメ。ゴールデンカラーから茶色がかった色になり、バニラの香りが現れます。
マルヴァジア(マルムジー):リッチ(スイート、甘口)
糖度は3.5ボーメ以上。マデイラ島で初めて栽培された品種。濃い色調で、スパイス、ドライフルーツの香りがあり、フルボディの甘口。
ティンタ・ネグラ:ドライ~リッチまで
前述の4つは白ブドウですが、ティンタ・ネグラは黒ブドウ。
発酵を止める段階により、ドライ~リッチまで、さまざまな味わいになります。
ほかに、種類としては、フラスケイラ、コリェイタ、カンテイロ、リザーヴ、オールド・リザーヴ、セレクテッド、ソレラ、レインウォーター等々、実に多彩です。が、とうてい覚えきれませんので、まずは上記の白ブドウ4つの名前と味わいの特徴を覚えることから始めてみましょう。
ブランディーズ社 の“レインウォーター”
(輸入元:木下インターナショナル)
マデイラで覚えておくといいことは、古いヴィンテージでも意外と手に入る こと。
ペレイラ・ドリヴェイラ社 は古いマデイラワインを保有しています
今回は、1977年、1971年、1958年、1927年、1912年、1907年が紹介されました。
上記は1万円台から5万円台で購入できます。
誕生年ワインや、記念日ワインを探している人には朗報ですね。
なお、輸入元で在庫している一番古いマデイラは、1850年ですって!(11万円)
(輸入元:木下インターナショナル)
すでに酸化された状態にあるマデイラは 100年以上も持つワインです。
抜栓してからも、冷暗所に置けば、半年程度は大丈夫なのも嬉しいですね。
寝酒にチョコチョコ飲むという人もいるみたいですよ?(笑)
どうですか?いよいよマデイラワインが飲みたくなってきませんか?