岡谷公二 「郵便配達夫シュヴァルの理想宮 」読了
分テレビだと思うがシュバルという人を見た記憶があった。郵便配達夫、1867年、フランスの南東部、ドローム県にあるオートリーヴと町で配達中に偶然つまづいた奇妙な形の石に触発されてそんな形の石を大量に集めて理想宮を創り上げた。その期間が33年間。仕事以外の時間をすべて作成に捧げた。
その統制の取れたアンバランスさからシュールリアリズムの芸術家たちから絶賛を浴びたそうだ。この本でも芸術的な視点からルソーやルーテルという作家との共通点を取り上げて論じている。
芸術的なことはさっぱりわからないけれども、この人がどうしてひとりでこんなとんでもないものを創ろうと思い立ったか。そしてそれが人の人生のなかでどんな意味を持っているのかということに思いをめぐらせた。
日本でもときたま、家の庭にお城を作った人とか、ナイトスクープの小枝探偵のパラダイスシリーズなんかに出てくるへんなおじさんが話題になるときがある。
多分、シュバルという人もパラダイスの作者もきっと根源は同じなのではないだろうか。
いったいどうして巨大で人目につくようなものを創るのか。
少しヒントになるのは理想宮のところどころに書かれている箴言めいた言葉の数々だ。聖書の引用もあればシュバル自身が作った言葉もある。
そこには生きることの苦しさや目標を持つことの意義みたいなものがたくさん出てくる。まさに理想宮を創ることに直結している文言に思える。
仕事では世間に認められない、自分も満足していない。だから別のものに自己実現や存在意義を求める。なんだか後ろ向きの僕の見解だが、そんな気がする。そこにサイコパス的な集中力と創造性が加わるとこんな創造物が出来上がるのではないだろうか。
結果としてシュバルは理想宮の創造者として尊敬されたかどうかは別として世間から脚光を浴びることになる。
僕自身もどうして釣りばかりしているのだろうと、ふと自問したくなることがある。特に会社で上司から叱られたときや仕事がうまくいかなかったとき、そんなときだ。
仕事で自己実現できないから船の上に逃避しているのか・・。
楽しいからやっていると自分では思っていたのだけれどもどうもそれだけの意味ではなかったようだ。無意識にそれを自分の存在意義に置き換えていたのかもしれない。
なんだかそれは我ながら悲しいではないか。もう、人から認めてもらいたいなんてことを思うような意欲もないけれども、逃避先とは思いたくないものだ・・。
分テレビだと思うがシュバルという人を見た記憶があった。郵便配達夫、1867年、フランスの南東部、ドローム県にあるオートリーヴと町で配達中に偶然つまづいた奇妙な形の石に触発されてそんな形の石を大量に集めて理想宮を創り上げた。その期間が33年間。仕事以外の時間をすべて作成に捧げた。
その統制の取れたアンバランスさからシュールリアリズムの芸術家たちから絶賛を浴びたそうだ。この本でも芸術的な視点からルソーやルーテルという作家との共通点を取り上げて論じている。
芸術的なことはさっぱりわからないけれども、この人がどうしてひとりでこんなとんでもないものを創ろうと思い立ったか。そしてそれが人の人生のなかでどんな意味を持っているのかということに思いをめぐらせた。
日本でもときたま、家の庭にお城を作った人とか、ナイトスクープの小枝探偵のパラダイスシリーズなんかに出てくるへんなおじさんが話題になるときがある。
多分、シュバルという人もパラダイスの作者もきっと根源は同じなのではないだろうか。
いったいどうして巨大で人目につくようなものを創るのか。
少しヒントになるのは理想宮のところどころに書かれている箴言めいた言葉の数々だ。聖書の引用もあればシュバル自身が作った言葉もある。
そこには生きることの苦しさや目標を持つことの意義みたいなものがたくさん出てくる。まさに理想宮を創ることに直結している文言に思える。
仕事では世間に認められない、自分も満足していない。だから別のものに自己実現や存在意義を求める。なんだか後ろ向きの僕の見解だが、そんな気がする。そこにサイコパス的な集中力と創造性が加わるとこんな創造物が出来上がるのではないだろうか。
結果としてシュバルは理想宮の創造者として尊敬されたかどうかは別として世間から脚光を浴びることになる。
僕自身もどうして釣りばかりしているのだろうと、ふと自問したくなることがある。特に会社で上司から叱られたときや仕事がうまくいかなかったとき、そんなときだ。
仕事で自己実現できないから船の上に逃避しているのか・・。
楽しいからやっていると自分では思っていたのだけれどもどうもそれだけの意味ではなかったようだ。無意識にそれを自分の存在意義に置き換えていたのかもしれない。
なんだかそれは我ながら悲しいではないか。もう、人から認めてもらいたいなんてことを思うような意欲もないけれども、逃避先とは思いたくないものだ・・。
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