イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「マネジメント 基本と原則 (エッセンシャル版)」読了

2013年12月27日 | Weblog
P.F.ドラッカー/著 上田惇生/編訳  「マネジメント 基本と原則 (エッセンシャル版)」読了

3年ほど前に読んだ本をまた読み返してみた。
仕事場の環境も変わったので、この際もう一度組織とは何ぞやということを考えてみようと思ったからだ。
しかし、結果としては余計に迷いと失望が増してしまった。
人と労働のマネジメントにはダグラス・マクレガーのX理論とY理論というのもがあるらしい。人はもともと怠惰で怠け者で強制しなければ仕事をしないという考え方がX理論。人は自己実現のために自ら率先して努力するという考え方がY理論。
当然ながら理想とするのはY理論をもとに組織をマネジメントすることだろう。
しかし、僕の周辺には自ら何かを実現したいと考えている人物はどれほどいるだろうか?思い浮かばない。
ドラッカーはX理論でマネジメントを実践する神仏を痛烈に批判している。放漫でばかげていると言っている。
一方ですべての人がY理論に基づいて行動すときといのは、国家存亡の危機にあるときだと言っている。ということは極限状態でないとそんなことが起きないというのも事実らしい。
ウチの会社もそういう意味ではまだまだ極限状態ではないのかもしれない。これは少し安心な材料なのかもしれない。すい臓癌のように気づいたときには手遅れなんていうことにはなってほしくはないものだ。

ドラッカーは、組織とは個としての人間一人ひとりに対して、また社会を構成する一人ひとりの人間に対して、何らかの貢献を行わせ、自己実現させるための手段であると定義をしている。
貢献、自己実現・・・。みんなはいったい何を自己実現したいと思っているのだろうか。
そしてそれを実現するためにはイノベーションが必要なのではあるが、僕が10年近く前に作った帳票をほとんど原型のままで使っている人たちにはイノベーションの能力なんてほとんどないに等しいのではないだろうか。
やっぱり当分、X理論が優先してしまいそうだ。
そんな姿勢を見せている僕は真摯さとは程遠く嫌われ者なのだろうなと諦観してしまった1冊である。
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