イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

瀬戸渡船

2011年02月22日 | Weblog
以前に一度だけ訪れたことのある安指の瀬戸渡船の船頭が亡くなったという記事が新聞に出ていた。
釣り客を磯に渡すときに後ろから波を受けて転覆したらしい。
船頭さんは朝からおかみさんにトーストを焼いてもらって食べていたのを覚えている。トーストとコーヒーとはなんとモダンな爺さんとばあさんだろう、そしてなんと仲がよくてかわいいご夫婦だろうと思った。そういえば、予約の電話を入れたときには、「おいでおいで!!。船は6時20分ぐらいやけどコーヒー入れたげるから5時半ごろおいで、場所わからんかったらあかんから電気つけといたげるわ!!」となんともおもしろくて元気な案内だった。船も老船頭と同じくボロボロながら味のある船だった。
ちょうど出向を命じられた直後で、このあとどうなるのだろう(今でも同じ精神状態が続いているが・・・)かと不安な日々を過ごしていたころの釣行だったので、気さくなおかみさんと朴訥な船頭さんの姿がよけいに暖かく感じたものだ。

かなり浅くてシモリも多そうな場所だったのでベテランの船頭さんでもどうにもならなかったのだろう。
船も大破したのか、破片が磯に張り付いている写真が掲載されていた。船頭さん以外は全員助かったということだったので、これは船頭さんの意地で他の人を巻き添えにしなかったのだろうと思う。

おかみさんはさぞ、悲しみに暮れているのだろうと思うとなんともこっちも悲しくなってくる。
ご冥福をお祈りします。
コメント (4)
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