イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「甲子園への遺言」読了

2008年06月27日 | Weblog
門田隆将「甲子園への遺言」読了
今年の初めにNHKで「フルスイング」というドラマをやっていた。ストーリーはプロ野球のコーチをしていた人が60歳を前にして高校の教師になったというものだった。そんなやつはいないだろう。思っていたらエンドロールにこの本のタイトルが出ていた。
本当の話だったのだと驚いていつかは読んでみようと思っていた本である。
モデルは、高畠導宏という人で、野球にまったく興味がない僕はこの人のことは全然知らないが、コーチとしては相当な人だったようで僕でも知っている選手をたくさん育てた人だったらしい。教師になってわずか2年で亡くなったそうだ。

最初のプロローグからいきなり涙が出てくる内容だ。
途中はコーチ時代のエピソードが綴られていて最後の1章が教師時代の話になっている。

どうしてこんなに人のために一生懸命になれるのか、歳をとってから新しい夢に向かって進めるのか。それを思いながら読んでいるとますます泣けてくる。

数日前の研修で執行役員のひとりが、「ひとが一番幸せを感じるのはどんなときか。」という話をしてくれた。答えは相手が何をしたら喜んでくれるかを考えているときだそうである。
それをふまえて読んでいると余計にいとおしさがこみ上げてくる。

プロ野球に携わった人は2年間アマチュアの指導をしてはいけないことになっているそうで、この人も2年間の後にこの高校の野球部の指導をするつもりであったらしい。惜しむらくはこの高校が甲子園に出場を果たしたあとでもう1章プラスされたこの本を読みたかった。

僕の友人に不惑の歳を越えて教師を目指しているやつがいる。
きっと彼も高畠導宏のような情熱をもった先生になってくれると思う。
それまではがんばれと声援を送りたい。

いままで、いろいろな本の感想をここに書いてきたが、特に「ぜひとも読んでください。」とお勧めできるようなまともな?本が出てこなかったと思うが、この本はぜひとも読んでもらいたい1冊である。
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