鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

ブログ文化の行方

2006-01-14 | Weblog
 ブログが登場してはや数年、いまや全国に数百万ものブログがあり、なかには下手な雑誌を上回るアクセス数を誇るものすらあり、日本のマスコミの将来を左右しかねないものにすらなりかねない。いまのところ、ヒット率の高い一部のブログにバナー広告がついたり、「電車男」のように本や映画にされてビジネスにつながるようなものが出始めている程度で、全体としてはまだまだ素人の趣味の域を出ていない。ただ。なにかのきっかけで世論を大きく動かすようなことになったり、ブログ発の情報発信がビジネスにつながり、日本の文化、社会を変えていくことにならない、とも限らない。
 ブログの世界でいま最も注目されているのが昨年末の耐震データ偽造事件で黒幕である内河健を名指しで批判した「きっこの日記」である。自称ヘアデザイナーの30歳くらいの女性が職種柄、芸能界の裏話を暴露していて人気を集め、時には小泉首相や、ホリエモンをやり玉にあげ、厳しく糾弾していた。が、なんといっても昨秋の姉歯建築士の登場以来の筆法は新聞、週刊誌に一歩先んじて発信していた。なかで告白していたが、民主党の馬渕澄夫議員と密に連携していたからこそだが、ブロガーの心意気を見せてくれた。ただ、あまりにも見事だっただけに舞台裏が見えたあとは以前ほどの魅力が見られない。いまさらどうでもいい身辺雑記など読む気になれないし、年末から精気が薄れた感がしてならない。
 この「きっこの日記」、情報の中身もさることながら、情報量も凄い。一回)(1日)の書き込み量がなんと6000字、400字詰め原稿用紙にして15枚にもなる。文章を書くことに慣れた人が得意の分野で一時間に原稿4枚がいいところだ。とすると、きっこ嬢は一日4時間は書き込みに費やしていることになる。まさか、音声吹き込みで活字にしてくれる機械、もしくは入力者がいる、ということか。いずれにしろ、大変な労力を投入していることになる。それだけのコストを投じて見返りがあるものなのか。あるいは金に困らないスポンサーでもついているのか。スポンサーがいるとしたら、そのねらいは一体何なのか……。
 少し前にIT分野で名を売ったブログに切込隊長ブログというのがある。いまも山本某が主宰しているが、なにかの事件で一躍脚光を浴び、なにかで名声を落とし、おまは細々と発信を続けている。切込隊長にしろ、「きっこ」に草創期のブログの役割は十分に果たしたのだろう。こんなようなブログが10や100出てきて、その後にブログ文化の華が咲くような気がしてならない。その時には日本のマスコミの姿もいくらか変わっていることだろう。神のみぞ知ることかもしれない。
コメント
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