鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

京都三態

2006-01-08 | Weblog
 年末年始に京都へ旅行した際の見聞記である。
・大晦日の午後8時半ころのこと。祇園の八坂神社の参道にさしかかった折り、前方に何やら人だかりがしているのが目にとまった。フラッシュがたかれているので、その先をみると和服姿で着飾った芸者さんがおけら参りでといわれる火縄を手に持って、グルグル回している。その姿を数名のカメラマンが取り囲んで盛んに撮影していた。芸者さんをじっくり見ると、そんな有名人でもなさそうだし、飛び切りの美人でもない。そうはいっても京都の風物だな、と思って携帯電話に写真を収めてやろうとシャッターを押し、画面を確認していると、横からやり手ばばあを若くしたようなお姉さんが「これは撮影会です。肖像権がありますので、取り消して下さい」ときつく睨んで言う。こんな天下の公道で人目にさらして、肖像権云々もないものだ、と思いながら、まあそんな美人でもないからいいか、とも思ってやむなく敵の言うことを聞いて、折角撮った写真を消去して、その画面をお姉さんに見せてやった。癪だったけどこんなところでいざこざを起こしても仕様がない、と思って従った。
・大徳寺横の昆布屋さんはいつも京都に行く際には寄って買い物をするお店である。今回も立ち寄ったところ、いつもの愛想はあるがしっかりもののおばさんはいなくてご主人とおぼしき人が応対に現れた。8-9点ばかり選び、1万円札を出し、お釣りをもらうまでの間、うちのかみさんが「いつの買っているんですよ」と話しかけても知らんぷり。黙ってきっちり5千円余のお釣りを差し出した。「毎度おおきに」くらいのお愛想があってもいいのにそれもなし。昆布がうまいから贔屓にしているのだが、愛ここまで想がないと考えてしまう。京都のお店によくあるタイプtぽいえばタイプなのかもしれない。
・左京区高野から詩仙堂まで乗ったタクシーで、たまたま運ちゃんに「今年の年末の京都はいつになく暖かいですね」と話しかけたところ、運ちゃんは暖冬予想が寒波に変更されたようです、と話した後に「地球の温暖化現象で熱せられた海水が蒸発し、それが上空でシベリアからの冷気に冷やされて大雪になっている。寒波で大雪といってももとは温暖化現象の結果なんです」と気象予報士顔負けの分析を披露してくれた。なるほどと思わず、運ちゃんの横顔をみつめ直した。京都には年間4000万人の観光客が訪れる。その人たちあタクシーに乗り、いろんな話しをしていくことで、タクシーの運ちゃんも自然と耳学問をし、耳が肥えてくる。タクシー学士といったところか。

  
コメント
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