鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

世界の中心で愛をさけぶ

2006-01-02 | Weblog
大晦日に京都の街を歩き疲れてホテルに帰り、たまたまつけたWOWOWで「世界に中心で愛をさけぶ」の放送が始まり、そのまま見入ってしまった。「世界の中心で愛をさけぶ」は片山恭一著のベストセラー小説を、「北の零年」の監督、行定勲が制作した映画である。大型の台風29号が四国に上陸するシーンから画面が始まる。そこからヒロイン、長澤まさみ演じる亜紀の「私、もうすぐ死ぬ」とのテープに吹き込まれた独白まで一気にストーリーを展開し、ぐっと画面にひきつけられる。
 この純愛映画はヒロインが死ぬことで、ヤマ場を迎えるのだろう、と思いながら山崎努演じる写真館の親父や、柴咲コウ演じる伝言役の元少女等がワキを固める。純愛の二人が瀬戸内海の小島にキャンプに行き、豪州のなんとかという世界の中心の草原の写っているフィルムを発見し、二人でいつかそこへ行って愛を語ることを誓う。が、幸せの絶頂で、亜紀は突然倒れ、白血病であることが判明する。白血病のヒロインが純愛のまま死に至るのは「愛と死をみつめて」のマコとミコのお決まりのストーリーである。純愛ではないが、夏目雅子も若くして、白血病で病に倒れ、映画史上に残る女優となった。
 あとはどういう形で死を迎えるのか、と興味をもって画面を見ていると、なんと長澤まさみはつるつる坊主の姿になって画面に登場した。白血病治療のため丸坊主になるのはよくあることだが、おそらく本当に坊主になったような感じで、そうだとしたら立派な役者根性だ。
 純愛の二人は世界の中心、豪州へ行こう、と病院を抜け出して、空港へ行くが台風29号のため便は欠航となり、思いは適わず、冒頭のシーンにやっとたどりつく。病院に戻った亜紀は最後のメッセージをテープに吹き込み、息絶える。その10数年後、元少女と結婚した主人公の青年は亜紀の骨紛をもって、妻と豪州の世界の中心へ行き、亜紀の遺言通り、骨をそこで巻き、物語は終わる。
 韓国の純愛テレビドラマ「冬のソナタ」が大ヒットして、日本のテレビ、映画が色あせて見えていたが、韓流ドラマが日本が忘れ去っていたものを見直させてくれた、といっていいだろう。ドラマの本質は愛であり、人の心を感動させてくれる物語である。この「世界の中心で愛をさけぶ」はそれを改めて思い出させてくれたからこそ大ヒットしたのだろう。それと、映画についてはヒロインの長澤まさみの可憐さもヒットの理由といえる。ただ、途中で長沢まさみが丸坊主になった場面で、意外と美人らしさ、可愛い感じが薄れてしまい、今後の彼女の女優といsてはそんなには大成しないな、と思わせた。
 小説が売れている時はなんと大げさなタイトルだろう、多分甘ったるい恋愛小説なんだろうと踏んで、読む気になれなかった。しかし、これだれ世の中が殺伐としてくると、逆にこうした本質的なものが好まれるのだろう。
コメント
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