とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

大日三山縦走 1日目

2010-08-30 23:22:09 | 山登り
8月最後の土日は、登山者の少ない大日三山を歩いてきた。立山三山、剱岳と言えば誰でも良く知っているだろうが、大日岳などの大日三山を知っている人は少ない。だが、このルートは絶好の剱岳の展望コースなのである。静かな山歩きをしながら、絶好の展望を独り占めできる穴場的な山である。これからも、知っている人だけで楽しめる山でいて欲しい気もする。

金曜の夜、浜松を出て浜松西ICから立山ICまでずっと高速で行く。高速だけでも350キロ近く走るが、ほとんど渋滞もなく立山黒部アルペンルートの立山駅に午前2時過ぎに到着する。立山駅前には広い無料駐車場あるが、ほとんど満車に近かった。それでも空いているスペースを見つけ何とか駐車した。車中でしばらく仮眠するが、結構暑い。5時前くらいから周りが騒がしくなり、3時間も眠ることなく目が覚めてしまった。この日のケーブルカー始発は6時40分なので、そのチケットを買うために早めにチケット売り場に行こうとしたのだが、すでにチケット売り場は大勢の人たちが列を成していた。急いで身支度を整えチケット売り場の列に付いた。しばらくして購入は出来たが、始発には間に合わず、6時50分になってしまった。10分遅れくらいは、全然問題ない。

立山からの立山黒部アルペンルートの最初は、標高475mの立山駅から標高977mの美女平駅を7分で結ぶケーブルカーである。


ほぼ満員でケーブルカーが登り始める。30度近い傾斜を一気に駆け上がり、みるみる景色が変わっていく。そして、美女平からは立山高原バスに乗り換えである。弥陀ヶ原、天狗平などの爽やかな高原地帯をバスに揺られながら眺めていくのもいい気分だ。



50分ほどで室堂ターミナルに到着する。いよいよここからが、登山の始まりである。観光客、登山者等大勢の人が行きかう立山観光の拠点である。ターミナルを出ると、「立山玉殿の湧水」がある。まずは、この湧き水を飲んで出発だ。


しばらくは、整備された遊歩道が続いている。


遊歩道を歩いて10分ほどで「みくりが池」に到着する。大昔の噴火で出来た水深15mの高山湖だ。緑色に染まる湖面には山並みが映り絶好の写真ポイントである。


「みくりが池」から下に下ると、火山性ガスを吹き上げている地獄谷となる。入口には、警報装置が設置され「有毒ガス濃度が上昇中、注意して通行して下さい」との放送がずっと流れていた。通行禁止ではなかったので、一応地獄谷を通るコースに向かった。このあたりは、まさに地獄と言うにふさわしい場所である。警報が流れているだけあって、息をすると時々むせそうになる。風向きによって、硫化水素らしきガスが流れてくるので息を止めて急いで危険地帯を通過した。



地獄谷を抜けると、前方のはるか先にこれから目指す奥大日岳が見えていた。


地獄谷からさらに少し下ると雷鳥沢である。ここでは、たくさんのテントが立ち並び、剱岳登山のベースになっている。


雷鳥沢にかかる橋を渡ると、大日岳方面への登山道へと進む。剱岳へは途中の分岐で分かれる。


緩やかな木道をしばらくは登っていく。青い空と敷き詰められたかのような緑の絨毯が美しい。


チングルマは花が終わり、風車のような実になっている。


しばらく上がってから下を見ると噴煙を立ち上げている地獄谷や室堂平などが箱庭のように見える。


景色を楽しみながら、緩やかな登山度を上がっていく。地獄谷からの沢の色は火山の成分を含んでいるためか水色となっている。普通の山では見られない光景である。



たまたま見つけた「ダイモンジソウ」。花の形が「大」の字に似ている。


登り始めて2時間ほどで、ガスがだんだん湧き上がってきていた。途中、剱岳の絶好の写真ポイントがあったのだが、ガスがかかり始めていて写真は撮らずに進んだ。


大日三山の最初の山は「奥大日岳」である。標高2611mで三山の中では一番高い山だ。周りはガスがかかり、残念ながら展望はほとんどなかった。


「奥大日岳」を下り、いくつかの小ピークを越えていく。岩場をいくつか越えると「七福園」と呼ばれる岩石地帯を通過する。岩とハイマツが調和した和風庭園と言うべき場所のようだ。


少し雲行きが怪しくなり、雨が数滴落ちてきたりしていた。最後の一頑張りで緩やかな木道を進む。


大きな山で、何処が山頂かわかりにくいがハイマツの間から頭を出した岩の上に標識がポツンと置かれていた。これが二番目の「中大日岳」2500mの頂上である。看板を持って記念撮影する。


「中大日岳」の直下が今夜の宿の「大日小屋」である。天気もよくならないので、この日は小屋でまったりする事にした。

続きは、大日三山縦走「ランプの宿」編へ。