とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

山小屋トイレにも補助金が交付される

2010-08-24 21:42:05 | ニュース
民主党の目玉で、大々的に「事業仕分け」なるイベントが行なわれ、山小屋トイレの整備補助事業も廃止判定を受けたと聞いていた。ところが、環境省で検討した結果、国による整備費の半額補助を原則維持した上で、5~10年の時限的措置とする内容に決まったという。結局は、事業仕分けで廃止になっといっても強制的に廃止する権限はなく、各省庁の要求が通ってしまう状況のようだ。スーパーコンピューターの件でも、廃止判定が覆り、文科省の要求どおりとなっている。事業仕分けは、単なるパフォーマンスで蓮舫議員の知名度をアップさせただけの行事だった感が強い。

とはいえ、私自身は山小屋トイレの整備やスーパーコンピューターの予算が復活したこと自体は、大変良かったと思っている。

廃止と判定された理由として「受益者・汚染者負担の原則から、登山者の利用料で整備すべきだ」という議論があったらしい。つまり、山に登ってトイレを使う人は少数の人であるから使う人からお金を取ればいいだろう、わざわざ税金から出す必要はないという考えから廃止という判定に至ったようだ。

本来、高い山は国立公園になっている場所が多く、国が公衆トイレを設置するのが基本だという。山小屋自体は民間が経営している例が多いが、国が管理すべきトイレを民間が肩代わりしているわけで、それに整備補助金をだして良好な自然環境を守る事業を行なっているともいえるのである。

実際、山小屋のトイレを使ってみて、如何に民間の山小屋経営者が苦労してトイレを維持しているか良くわかる。エネルギーや水の供給が難しい山岳地帯では、きれいなトイレを維持するのは並大抵の苦労ではない。最近の山小屋では有料の表示がされ、利用者は100円程度のお金を料金箱に入れるようになっている。だが、これは誰も見ているわけではなく登山者のモラルだけに頼っているのが現実である。たまたまお金を持っていなかったり、何度も行ったりすると払うのが面倒くさくなって、ただで使ってしまうこともあるかもしれない。料金箱から回収した金額だけでは、トイレの維持費用を賄うことができないのが現実である。汚物をヘリで運ぶ費用は高額であり、零細で経営が厳しい山小屋ではきれいなトイレは補助金がないと設置は進まないのである。

従来は、中高年の登山者が多かったが、最近は若い女性も登山をする人が増えている。「きれいなトイレ」が増えれば、登山愛好家の層は広がるし、自然破壊の防止や生態系の保全にも繋がる。大事な税金だが、国民共通の財産でもある山を汚さないために山小屋トイレの整備補助事業に当面は予算がついて整備されていくことを望む。もちろん、全て税金で出せばいいと思ってはいないし、利用料の支払いには気持ちよく応じ、携帯トイレを持参するなど、一人一人に山を汚さない努力も必要だと思っている。