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2015 Ironman Japan バイク編

2015-08-24 09:23:45 | アイアンマン
2015 Ironman Japan
バイク編

バイクラックからバイクを取り、乗車エリアと向かう

事前にT1で自分のバイクラックと乗車エリアまでの動線を確認していたので落ち着いて移動できた



途中の応援で元気をもらう

スイムで結構やらかしてしまったので、
タイムは1時間15~20分くらいか…ここでタイムを見ると心が折れてしまいそうなのでGarminはチェックせず(実際は1:06:44)

今回のバイクコース…Ironmanバイクコース屈指のタフなコースとなったらしい(ニースに次ぐハードなコースだとか)

獲得標高2355m(雛鶴3往復)
※下りの寒さ対策として、トラウェアの上にバイクジャージとブレーカーを用意

特に100㎞過ぎてからの15㎞の登り(表ヤビツ級)と145㎞過ぎの20㎞のダラダラ登りがレース後半に控えている

練習不足、そして、今の自分には明らかに走力不足…誤魔化しのきかないコースだ

本来なら200㎞を淡々とこなせる走力+登坂能力…は必須

事前に用意しておいたのは、
スプロケ11×28
パンクのリスクも考え、チューブ内にシーラント、予備チューブも2本用意

とにかく100㎞まで体力を温存し、坂を登り切ろう

バイク補給食は…
・パワーバージェル8個(バイクのボトル①に入れる)
・凌駕&ポカリ粉末(バイクのボトル②に入れる)
・水(かけ水用、バイクボトル③に入れる)
・パワーバー2個分(それぞれ短冊状に切り、キッチンペーパーで包む)
・塩熱サプリ&パワーバーブラスト(塩熱サプリとパワーバーブラストを挟みキッチンペーパーで包む)

エイドは必要最小限。補給食、水分等180㎞もたせられるようなつもりで用意



乗車エリアを過ぎてからシューズは既に履いているので、止まって落ち着いて片足ずつ確実にペダルにはめる

ここから180㎞の長旅だ



まずは湖畔沿いを反時計周りに25㎞ほど進むコース
唯一?の平坦貴重なコース

足慣らしには丁度良い

ケイデンスを100前後まで上げて、アップ含めまずは身体を温める

「ハム・尻、ハム・尻…」呪文のように心でつぶやく

これだけフラットなコースでこの時点ではほぼ無風だったため自重で回す程度でも35㎞/h前後出ている(25㎞地点までのアベは34㎞/
h)
バイク序盤だからなのか…湖畔沿いはボトルや補給食がチラホラ道路に落ちていた
その中には何故かバナナも…これで滑ったら…笑い話にもならないなぁ…(^_^;

しかし、これだけの数になるとドラフティングしている連中は避けることが出来ないだろうな…などと要らぬ心配をしてしまう



湖畔の後半に入り、女性選手が脇をスッと上がってきた

マイッタナァ…女子にも抜かれてしまったか…
ロードで走る小柄な選手だが登り入るとグイグイと差が広がる
同じように外国人選手も数名、ものスゴい勢いで自分を抜いていく

これはキープレフトを意識しないといかんな…と思いつつ、自分はあくまでマイペースで



下りに入ると、再び先ほどの女性選手が見えてきた
どうやら体重差で下りは自分の方が速いようだ
ドラフティングにならないよう、前に出てキープレフト
(後で分かったのだが、こちらの女性選手、女性トップの強豪選手で女性に抜かれたのは彼女一人。とにかく登りが強い!その後も何度か抜きつ抜かれつを繰り返し最終的には、100㎞過ぎの15㎞の登りで完全に先行。その後彼女の方がは先にT2に到着している)

25㎞過ぎて3㎞の急勾配に

事前の篠崎プロの話だと、ここが一番の斜度ではないか…とのことだった

インナーの出番
無理せずインナーローでクルクル回す

自分の中では勝手に
”この坂がクリア出来るのなら、きっと脚は最後までもつ!”
と思っていた

シッティングで脚への負担を最小限にしてケイデンス高めで登る

心拍は跳ね上がり160後半…さすがに練習不足が響く

笑え!
こんな時こそ、笑ってしまえ!

Yasuko Miyazakiコーチの言葉を思い出す



カメラがこっちを向いていた
ピースしてこれでもか!ってぐらい笑ってやった

ここをクリアすれば必ず次に繋がる

何とか登り終え、脚の状態を確認

四頭筋に少し痺れがあるが、下りで脚を回していれば大丈夫だろう

まず1つめクリアだ

細かいアップダウンが続き
真狩村方面へと北上

50㎞地点
ここからは15㎞のダラダラ登り

ふと腕に付けているGarmin Forerunner910XTを見ると…
画面が割れて液晶部部が黒くなっている?!

タイムが見られないどころかボタンが機能していない…
ただの重たい時計じゃん…
エイドで捨ててしまおうかとも思ったが、長年ずっと共にしてきたヤツなので、壊れていても最後まで一緒にいようと思いそのままにした

補給をどれだけ取れたが後になって響いてくる

食べられるうちに固形物、一定時間(距離)の間にジェル、水分を取らなくては…
と思い、ここまでほぼ5㎞間隔で口の中に流し込む

昨年までのIM Japanのレースレポを見ると、
ドラフティングが酷い…
と聞いていたが、少なくとも自分の周りはほとんど見られなかった

自分はマイペースで周りから見れば置いていかれる側だったせいもあるので、自分の後ろに付かれることもなかった

もちろん、何度か”今、マーシャルが来たら注意うけるかも”と思われるような瞬間はあったが
(下りでキープレフトが守られていないために抜くに抜けないとか、狭い道幅で前に出ずらい場面など)、
大概の選手は自分を豪快に抜いていってくれた

昨年のKorea70.3の方が、ドラフティングは酷かったかな…
あの時はドラフティングしないように集団の前に出なくてはいけなくてかなり脚を使ってしまったからなぁ

ダラダラ登りで時折くる斜度のキツイ場面では、遠慮無くインナーロー(インナー×28)を使う

ホント、このギアがなかったらとてもじゃないけど100㎞地点まで走れなかったと思う
おかげで四頭筋をほとんど使うことなく”ハム・尻”呪文の通り脚を温存することができた

80㎞過ぎの細かいアップダウン続くコースあたりで風が出てくる

ロードの選手は辛そうだ

ロードかTTか…という選択で悩んだ方もいるようだが、
今回のコースで言えば、ロードは上りに強く下りではTTの方が早かった印象がある
※トータルで言えば、TTの方が良かったと思えるコースだった。TTバイクにドロップハンドルという組み合わせの方もいらっしゃったが、そんな選択もありかも



90㎞過ぎて脚の異変に気付く

どんなに温存していたつもりでも、少しずつ四頭筋にダメージが蓄積されていたようだ
大腿部の痺れ力が入りづらくなってきた…

あと10㎞で15㎞の今大会屈指の登りが待っているというのに…
マズいなぁ

少しペースダウンして、登りに入る前に補給食(固形)を取っておく
エネルギーだけでも摂取しておこう

登りの手前で未舗装区間へと入る

川沿いを走り大きく反転すると、砂を敷いた区間が現れる
これがまるで海岸の砂にようにタイヤが深くめり込む

シクロクロスか?!

バイクコントロールを失って倒れそうになり反射的に左脚クリートを外して一瞬地面に足をつく
すぐに体勢を立て直してペダルに脚を戻す

砂地区間はニュートラルゾーンということもあるので、とにかくタイヤを持っていかれないように注意しながら進む

その後、後ろではガチャガチャとギアを変える音やペダルを外す音が聞こえていた
ギアをインナーに落としつつ、よっぽどのバイクコントロールのスキルがないとあそこはクリアするのが困難かも

その後、再び川沿いの砂利道区間を走るのだが、水溜まりがいくつかあり、路面の凹凸が見えなくなっていたらしい

私の前を走っていた選手の身体大きく跳ねて、空に何か跳んでいった?!
自分のすぐ目の前でガツン!と
落ちてきたのはDHバーの先っぽ!

おそらくロードバイクの先にアタッチメントで付けておいたものだろうがカブトムシの角上のバーが勢いよく水溜まりに落下

たまたま自分が通った水溜まりには段差がなかったようだが…
危なかった…
※後で聞いた話では、この未舗装区間でのパンク、落下物(DHバー、ボトル、肘当てなど)が多かったようだ

100㎞過ぎ
いよいよやって来た15㎞の登り

事前情報では全てシッティングでクリアできる…
とのことだったが今の脚の状態を考えると、どこまでもつか微妙なところだ

補給食をほぼ全て食べ終え、ジェル、特製ドリンクもほぼ空
エネルギーは充分取った
行くぞ!

インナーに入れ、ギア1枚残しつつシッティング登り始める

途中何度か道路を交差したが、基本1直線の登りがどこまでも続く…感じだ
5㎞ほど登るが永遠に続くのではないと思うぐらい長く感じる

ギアを最後の1枚(インナー×28)にするも大腿部の痺れがだんだん酷くなってくる

速度が落ち、蛇行し始める

脇を選手がどんどん抜いていく

10㎞登り終え
女子プロ選手が見えてきた…
かなりのダメージのようで何度もガードレールにつかまり休みながら登っている

あぁ…このまま足をついたら…どんなに楽だろう

こんなフラフラならバイクから降りて押していった方が速いんんじゃないか…

目の前がぼやけてチカチカしてくる

大腿部からの痺れが痛みに変わり、ペダルを回す度に頭の先までズキズキ痛む

視界がどんどん狭くなる…

笑えねぇ…

あれ…?

今、何しているんだっけ…
ここは…
あれ…俺、何やってるんだ…

意識が朦朧としてきた

モノクロの世界

目の前に”青”が飛び込んでくる

”青”が何か言っている

「ホレ!ホレ!!」

Iさんが抜き際に声をかけてくれた

青ジャージから視界が戻る

針葉樹の壁の中、真っ直ぐ続く一本道

今…
レースだ

これは俺のレースだ

”完走”するんだ

既に感覚がなくなってしまった脚を回すため
ダンシングで体重を被せるようにして何とかペダルを回す

峠のてっぺんが見えてきた

エイドまで数㎞の看板も

この先、行けるかどうか…は関係ない

身体が動く
全てを出し切るまでは絶対に脚を止めない!

峠を登り切り、すぐ道路脇に設置されていたエイドへとふらつきながらピットイン

既に手持ちの補給食(固形、液体)は全て消化してしまったので、今回発のエイドに立ち寄りで今後の補給を済ませる

ボトルにレッドブルとバームクリアアップルを交互に入れ
速攻元気ゼリー、ピットインリキッド梅、スポーツようかんを水と一緒に流し込む

視界がクリアになり意識もしっかりしてきた

再出発!

走りながら、20㎞続くと言われている長い下りに対応するため用意しておいたウィンドブレーカーベストをジャージのポッケから出して着る

コース脇は崖になっている…と聞いてはいたが、
アドレナリンが出ていたのだろう…
アウタートップで脚が回りきってDHバーの先端を握りブレーキに手をかけていなくても恐いと感じることはなかった

長い下りはTTの方がメリットが多いのか、前を走るロードの選手をどんどん抜いていく

ほとんどの選手が下りで脚を止めていたが(アウターで回しきっていたせいもあると思うが)、
ここはShinozakiプロの言葉を思い出し、脚を少しでも回復させるために脚をひたすら回し続ける

峠で補給を取り、15分ほど続いたダウンヒルで脚を回していたお陰で大腿部の感覚が少し戻ってきた

145㎞過ぎ
蘭越町から南下するコースに入る
ここからは20㎞のダラダラ登り
加えて向かい風がかなり強くなってきた

TTのポジションがきつくなり、身体を上げたいところだが、モロに風をくらうので、腰、肩、首が悲鳴を上げていたがTTポジションを死守…

脚はギリギリ自重で回せる程度

インナー中心で、僅かでも下りがあればアウターに入れる…を繰り返していた

この頃になると、前後を走るメンバーはほぼ同じ
その中でだんだんと千切れていく選手

下りでは外国勢が飛び出し遙か先を行くが、登りになるとこちらが抜き返すを繰り返していた

オーストラリアの選手が、
「俺はヒルクライムしに来たんじゃないよ~」
と苦笑い

下りでは速いが登りでは毎回かわしていたので、お互いに抜かれざまに言葉をかわす

「オマエ、ホント、登り強いなぁ」
「いや、こっちもギリギリだよ」
「後でランコースで会おうな。潰れるなよ!」
「あぁ!待ってるぞ!」

ラスト10㎞で外国勢を抜いて前に出る

てっきりこれが最後の登りだと思ったら、T2へと続く道も細かいアップダウンを繰り返す

もう水も補給食も空
少し尿意があったが、T2で済ませばいいとそのまま行くことに

T2の旧大和小まで残り5㎞

これが本当に長く感じた

5㎞…皇居1周だ…
ペダルを回していればすぐだ
すぐだ
すぐだ


どこにそんな力があったのか分からない

細かいアップダウンが続く度に大腿部の痺れが再びやってくる

脚を止めなければ前に進む
回せ
回せ


何度目かのSlowDown表示を過ぎて大きくカーブすると
T2が見えてきた

降車エリア手前の坂がキツい

大腿部は悲鳴を上げていたがダンシングで登り、降車エリア手間で降りる

四頭筋に力が入らずよろける

腕に付けているGarminは既に機能しておらず、バイクのサイコン(Edge500)も勝手にオートポーズが入ってしまい正確な時間は分からず

ただバイクの数と、ランバックの数をみると、まだかなりの選手がT2に到着していないようだ

上位を狙うつもりは毛頭無いが、全ての力は出し切れるようにしたい

ランバックからシューズを出し、靴下をマメが出来ないように丁寧に履く
グリーパー・レースのおかげですんなりと履けた

バイクパックにバイクシューズ、メットを入れ
キャップを被り、ラン用に用意しておいた補給食の袋をつかみ

立ち上がる

股関節から下の感覚が鈍く痛みが走る…

ここで痛恨のミス

T2で脱ごうと思っていたバイクジャージを脱ぎ忘れるが、
この時点では気付かず、そのままバイクバックをボランティアに預けランコースへ

Bike(180㎞)6:15:09
T2:Bike-to-Run 3:43

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