いつもお願いしているバンタクシーのおじさんはかの地には珍しく?時間に正確
朝6時にはマンションの下で待っていてくれた
私たちはバタバタと用意をすませ戸締まり確認し、出発
自宅からタクシーで1時間で空港に到着
「大事なモノだから!」と熱心に伝えたら
こんなにベタベタと(割れ物注意)を張ってくれました
重量は、ケース、フレーム、ホイール、工具などモロモロ入れてもこの重量
良く出来たケースです
午前7時50分発で9時にはアイアンマンの行われる島に到着
あいにくの天気だ
この島にやってくるのは
昨年の6月のレース以来だ
(
関連記事はこちらです)
あれから1年弱
再びこの島にやってきた
アイアンマンのために
荷物の受け取りを待っていると、航空会社の職員自らケースを持ってきてくれた!
前回のどこぞの航空会社とは雲泥の違いだ
かの地では小さなローカル線だが、徹底した職員サービスとコストパフォーマンスで最近人気が出てきている航空会社だ
(日本行きの便も始めた)
かの地で飛行機での輪行はこれが最後(復路もあるが)だと思うが、これからもお世話になりたいぐらい良心的だ
今回もYOMEという最大最強のサポーターがいるのでレースに集中できそうだ
結局、体調は完全に回復しないまま、この日を迎えてしまった
体調管理が出来なかったことを猛省している
テーバー期にあたる3週間は何も出来なかった
レース数日前にジョグとバイクの流し、イージースイム(2キロ)と何とか3種をこなしたが
咳と怠さは抜けない
こんな状態ならレースに出るな!
と言われそうだが…
全てをこのレースために1年かけて準備し、職場への理解を得て、機材を揃え…
あこがれのアイアンマンがかの地で開催される
全て揃ったのだ
私の体調を覗けば
「次があるよ」ともう1年待つなんてことは出来ない
これだけの条件がそろうことはそうそうないはずだから
出場した結果、後悔することになっても
何もしないで後悔するより、まずはやるだけやってみたい
例えリタイアしてとしても、この先に影響を与えるとしても
今、自分がここにいることを選択したい
「次」とか「今度」なんて誰が保証してくれるんだ
チャンスは自分で作っていくしかない
島の空港(島の北側)を出て、予約していたバンタクシーに乗り、島の反対側(島の南側)のスイム会場へ
途中、雨レースが予想されるので、アイウェアに塗る撥水スプレーを買いにスーバーマーケットへ
ここで開店まで20分ほど待たされることに
雨対策をしっかりしてこなかったことを反省
車用品売り場で、フロントガラスに塗る撥水スプレーを購入
その後、T1のスイム会場へ
空は相変わらず重たい雲が垂れ込め、何度かぽつぽつと雨を降らせた
1時間半ほどで、スイム兼T1会場到着
すでに会場にはかなり数の選手が試泳している
私もすぐにウェットを着て、軽く泳いでみることにした
透明度が高く、波はない(湾内なので)、ただし水温は低い(公式発表では22度)
レースでは反時計回りに2周回することになっている
最初のブイのところまで泳いで折り返す
久しぶりに着るウェットはやはり安心感がある
キックをほとんど打たなくても十分の浮力
これだけクリアなら自分と同じペースの選手についていくのにも助かる
すぐに上がったのは…
ワセリンを塗り忘れ、首がすれて痛かったからです…
(これが翌日さらにヒドイことに…ワセリンは大事です)
"You are Ready"
残念ながら、"I'm not..."と言いたいところだが
少なくとも気持ちだけは準備出来ています
スイム2ラップ終えた後は、このゲートをくぐり
歩道を通り
ここで自分のバイク用のバックを取り、テントで着替えてからバイクを取り
バイクスタートとなります
(…ということをその後の説明会で聞きました)
今回のレース会場は、T1とT2がかなり離れていて、10キロ以上ある
車でも20分ほどかかる
一端、T2があるレース本部へ行き、受付をすませることにした
244
これが私の明日のレースナンバーだ
その後、車でバイクコースを下見
…が、スイムの疲れ(情けない…)か途中で私は居眠りしてしまった
(YOMEがビデオカメラで撮ってくれていたという安心感もあってか)
バイクコースは2ラップなのでおよそ90キロを車で回った
慌ただしく車は再びT2のレース本部へ
バイクの検車もあるので、ケースからバイクを出します
使う工具やパーツたち
幸い雨は止んでいたので、外で組み立てる
バイクに関するモノは全てケースに入れてきた
エアロヘルメットも
(…これが後にとんでもないことに…)
だんだんとカタチになっていくSpeed Concept(以下SC)
やはりまだSCは珍しいらしく
途中何度かバイクのことで声をかけられる
T1のトランジションエリアは閉鎖時間も迫っているのでそれぞれのバックの用意をすませる
SC用のボトルには、パワーバージェルを12本全て入れて、最後にすこし水を加える
…とここで時間切れ
日本語での説明会の時間となったので会場へ移動
今思えば、この場に日本のトッププロの選手達もいらっしゃったんですね
私は一人興奮していて周りが見えてませんでした(苦笑)
会場には入りきれないほどの日本人の方々
こんなにたくさんの日本人が来ているということに驚く
チャイナが中止になった分、かの地の方にもずいぶん流れてきたと聞いている
(その分、Konaへのスロットは増えました)
説明を聞いて驚いたのは
スイムアップとバイクアップはそれぞれ
トランジションエリアとは別の場所に行き、
バイク用、ラン用のバックを受け取り、
テントの中で着替えて使ったモノを全てバックに入れて自分のエリアに置いてから行くということ
昨年のアイアンマンディスタンスレースでは
T1とT2の場所は離れていたが、
基本的にはオリンピックディスタンスと同じようにスイムアップではバイクのところに行き、
その場で着替えてカゴの中に放り込んでおけばよかった
アイアンマンはそのあたりが違うのかもしれない
バイクについて
「パンク(修理)は手伝いません」
というアナウンスは当然だと思ったが
ゴミはエイドの50メートル以内というのはちょっと驚いた
(ちなみにそれ以外でゴミを捨てるとペナルティになるとのこと。ジェルの袋とかどうするのかな?)
今までのレースでは好きなときに補給して
みなポイポイ捨てていたけど…
アイアンマンともなるとその辺りもしっかりしているだなぁと感心
バイク(ラン)のエイドでは中間ポイントで預けておいたスペシャルエイドを受け取ることができる
何だかプロの選手みたいでアイアンマンってやっぱり別格なのかなぁとこれまた思ったりした
ペナルティについて
今までのペナルティは昨年の島レース以外は、まともにマーシャルが動いているのをあまり見たことがないが
このあたりもしっかりとしているのだろう
そして一番気になるKonaへのチケット
チャイナのスロットも流れてきたため
スロットも75とまたとないチャンス
スロットの配分
私のエイジグループでは9個のスロットがある
これは他のアイアンマンに比べてもかなりの配分数らしい
4時から始まった説明会は1時間で終了
その後は急ぎ
YOMEと手分けして準備に取りかかる
その後、すぐにバイクを組み立てる、バイクのチェックまであと1時間しかない
私は、バイクのブレーキパッドをメンテブースで交換してもらった
明日は雨が予想されるので、スイスストップのイエローのパッドに交換
これが結構時間がかかり45分もかかってしまった
YOMEに補給食(バイク用)を準備してもらう
(撮影:YOME)
(撮影:YOME)
塩熱サプリとハニーティンガージェルをサランラップで包む
パワーバー2本を短冊状に切り違う味(バニラとチョコ)をサンドイッチしてキッチンペーパーで包む
その中にいくつかにアスリートソルトを挟む(刺激と塩分補給)
種なし干し梅は別に包む
今から思えばこの時急いでバイク用の補給食を用意しなくても
翌日の朝バイクにつければ良かったのだが
初アイアンマンで気が動転していたのでしょう
バイクを預けたらレース始まるまでそれまで…みたいな気がして全てセットしておかないといけないと
勝手に思い込んでいました
パッド交換もようやく終わり、YOMEと合流
バイクチェックを受けようとそれらしきテントを探すが、なかなか見つからない
役員の方に尋ねたら、バイクチェックは、T1のスイム会場の方だと判明
チェック終了まで40分
これまた急いでフロントホイールを外し、車にそのままバイクをつめこんで急ぎT1会場へ
事前にセンタムバイクで検査してもらいサインをもらっていたので、
店長からのメモを見せるとすんなりバイクチェックは終了
ところが、ここで問題が!
エアロヘルメットのチェックを受ける際、役員の方が渋い顔をして
「このメットはダメだ」と言ってきた
まだ購入して数回しか使ってないのになんで???
役員の方の説明を聞く
メットの内部…おでこにあたる部分の発泡スチロールにわずかながらヒビが入っていた!
どうやらバイクケースにメットを入れていたときに
上から押さえられていた状態だったので、メット内部に亀裂がはいったらしい
「まだ買ったばかりだしこれぐらいなら大丈夫でしょ」
と言ってみるが当然ダメ
しかし、時間はバイク(メット)チェック終了20分前
しょうがないので、T1会場のトランジットエリアにバイクだけ置かせてもらい、再びT2エリアへ
バイクチェックは、7時までだということで残り時間はあと30分
さすがにT1とT2の往復にタクシーのおじさんもイライラしてきたようだ
T2会場に行き、ブースで販売用ヘルメットを探す
まさか新品のヘルメットを買わなくてはいけないことになるとは…
などと悠長に言っていられない
お店のブースのほとんどがもう店じまいしていた!
マズイ…
急いでお店を探す
幸いいくつかまだ開いていた(店終いの準備をしていたが)ので、
メットを探すと普通のロードのヘルメットはあるが、エアロヘルメットはない
ルディプロジェクトのエアロヘルメットがあったので試すが、
ワンサイズのみで頭のサイドが当たっていてとても長時間被れる感じではない
どうしよう…
気持ちはあせるばかり
とそこにYOMEが何やら見つけたようだ
ブースの置くにLazerのターディス(自分が持ってきたのと同じもの)が置いてある!
サイズはLだと分かっているので在庫を尋ねてみると、白と赤なら残っているとのこと
黒が欲しかったが、Mサイズしかなかった
(被らせてもらったがキツカッタ)
同じヘルメットを2つ買う羽目になるとは…
そんなことをしていたらタクシーおじさんから怒りの電話が、7時まであと10分
マズイ!
白は以前、センタムバイクで、色を間違えて注文して断ったことがあるのだが…
でも、赤ってのは(カンチェラーラやシャアならともかく)自分にはぜんぜん似合わないので、
結局、白を購入
急いで車に乗り込み、車内でメットにはったシールを貼り替える
タクシーおじさんはハザードをつけて、信号無視のもの凄いスピードでT1会場へと飛ばす(怒りながら)
絶対に間に合わないと思っていたのに、無事バイクチェックに到着
終了1分前
チェックを終えて、バイクバックを預けてくる
これでレース準備は終了
明日はアイアンマン70.3も開催される(アイアンマンスタート後)が、そのバックもあるのだろうか
どちらにせよ何千人という人がKonaへのスロットをかけて戦うことは確かだ
そしてこれが私のバイク
ウワサのヘルメットも
メットもバイクバックの中に入れておかないといけないかと思ったら
かなりの方がバイクにそのままセットしておいたので私もそうすることにした
今夜も一雨降るということでバイクカバーをかけている人も
自分も持ち物リストに入れておきながら
カバーを持ってくるのを忘れたことを思いだす
よく見ると、バイクシューズをつけている人も
私もオリンピックディスタンスでは裸足でバイクシューズを履くが
180キロを走るのならいつもの慣れたシューズで走りたかったので
シューズはバックの中だ
後で気づいたのだが
昨年のアイアンマンワールドチャンピオンシップで優勝した
ChrIs Mccormack
は素足に同じスペシャのシューズを履いていた
私も一度だけ灯台ライドで試したことがあるが
汗をかくと靴の中がべたべたしてあまり快適とは言えなかった
スポンサーだからということもあるだろうが
プロが同じようにして180キロをトップで通過しているのだから素晴らしい
一つ気になったのが、バイクに一度も乗っていないこと
調整してもらってからの状態やブレーキバッドのあたりなど確認しないままだ
でも時間なのでしょうがない
それでもこの時にバイクにまたがって状態を確認すべきだった
レース後分かったのだが
リアのパッドが当たっていた状態だった
レース直前に
あれこれ機材をいじるべきではない
ということだな
全て準備が終わったと思ったのだが
ここでもう一つ、タクシーおじさんを怒らせることが…
明日はYOMEが単独でタクシーを拾ってT2会場へと移動するので、
バイクケースと荷物を一人で移動しなければならない
それも大変なのだが、
バイクケースは普通のタクシーでは入らない
そこで、タクシーのおじさんに
もう一度T2会場へ行って、明日泊まる予定のモーテルに行き、
バイクケースを置いて、再びT1会場の今晩泊まるホテルまで乗せていってもらおう
…と頼んでみたのだが、さすがにそれは嫌みたい…だった
そこで、タクシーおじさんだけ、T2会場に行き、
ホテルにバイクケースを預けて、直帰するということで合意…ふぅ
我々は今晩泊まるモーテルへ
何て慌ただしい一日だ
というかしっかり自分が事前に把握していなかったのが原因なのだが…
夕飯はレトルトカレーとスープ
YOMEが近くのマートで買ってきてくれた
その後、ビデオに撮ったバイクコースを確認
とにかく坂がいっぱいだということだけは分かった
折り返しポイントとおおまかなコースを確認する頃にはもう睡魔が肩をたたいていた
明日は4時起きだ