リベルテールの社会学

生きている人間の自由とは、私の自由と、あなたの自由のことだ。そして社会科学とは、この人間の自由を実現する道具だ。

資本主義社会におけるフェミニズム

2011-09-11 11:05:10 | 歴史への視角
 こんにちは。お暑うございます。
 昨日も休みだったのですが、太陽が斜めになって、ベランダに差し込むもんで、窓際の机は暑くて。とても勉強という感情がおきません。
 そろそろ次回本をまとめようと思うと、少しあせります。

 さて、昨日の朝日新聞人生相談欄は、東大退職の上野千鶴子がまだやってまして、いつもの言いたい放題に比べて、お、っと思うほどにまじめに発言しておりました。
 ああ、これは、賃金労働から解放されて良い方へ進んでいるのだな、と、他人事ながら喜んであげた次第。ってゆうか、私儀、もともと高校生のような真剣な人間に価値を置くもので。
 図書館で目に入った上野の退官記念講演なるものを4分ほどかけて読みまして、ほお、まじめじゃん、人間いつもこうでなければ。彼女もこれから更生して生きるのかな、と思ったこともありますが。
 だいたい、関西人のせいか知りませんが、話がいいかげんでね(注)。もっとも、嫌いだ、というだけでネットでうじうじ「批判」している男たちよりは数倍マシですが。
 
 フェミニズムというものは簡単素朴、当たり前の主張です。
 性別というものは、ほおっておけばいつでも差別の根拠になるものだから。それが現実化していれば、これと闘うのも当然で。

 一方、マルクス主義がこれに反対するというのも当然でね。これはマルクスが馬鹿だから。
 というか、後に追随したやつが輪をかけて馬鹿だった、といってもいいけれど。
 
 世の中、差別の契機(=要因)というものがあるんですね。
 自己の自由のために優越や賞賛を勝取るための行為、ですね。自分が使える資源が少なく感じられる時代・社会では、個人行為者としては、なんとか他人を犠牲にするのがよいし、そういう時代・社会では、他人を馬鹿にすることが自分の気持ちをよくすることだ、ということです。(私だってみんなと一緒になって性格が悪くて仕事のできないやつの悪口をいうのは、気分の悪いことじゃないです。性格が普通の人の悪口は気分が悪いですが)
 この結果は、弱い人間がバカを見る。
 女は男より弱い。しかして、ほおっておけばいつでも差別の根拠となる。
 
 マルクスとそれ以下は、こういう見方ができないんですね。人間は「類的存在」 であり、自然的存在として矛盾があるはずがない、というのが根本だから。マルクス主義など、後進ドイツと後進日本の合算物ですね。
 なにが類的存在かね。
 人間は哺乳類的家族存在ではあっても、ただの個体生物だ。
 そうでないというならば、なぜ弱いものが現実化するところでは、差別が生ずるのか説明してご覧な。他方、そうだというから、隈理論体系が存在するわけです。
 
 さてと、もちろん資本主義が存在する限り、男女差別なんかなくなりゃしません。
 ていうか、階級社会が存在する限り、かな。だからマルクス主義者が、民主党支持のフェミニストを攻撃するのも当たり前ですが。いわんやそれ以下(自民党・公明党支持)をや。
 
 さてそこで立ち止まらないところが上野センセのいいところですね。根本解決がどうであろうと、ここで闘う。それが人間の歴史的な存在方法というもの。ブントもバカなだけじゃないんです。(って気が付けば、センセいつ転向したのか。まあいいや)人間は、その場所的存在において矛盾と闘うしかない(もとは革共同の特許でしょうかね。これを忘れたら新左翼じゃないけどね)。そして、「それでよい」 のだ。上野という人は、30年前からそれを知っていたのですが、身過ぎ世過ぎというものは物事を形骸化するものです。あれも中途半端、これも中途半端。
 
 もっとも彼女的にはそれでよいようです。彼女が何をしたか。フェミニズムについて、世間のえらい評判をとった。それで充分(資本主義社会での運動とはそういうものだ)。
 そう記念講演でいっておりました(そう読み込んだだけですが)。
 結果として、30年前のポリシー(文字通り、「政策方針」でしたね)を貫いたようです。ご同慶の至り。


注)アカデミズム系の人が見るとうるさいので、くだらないけど「根拠」をあげておきましょう。
例:yahoo検索「上野千鶴子」で1ページ目に出る
「上野千鶴子さんインタビュー1」
「もう一方では、晩婚化と非婚化が進んでいます。つまり、男がモデルどおりの人生を歩まなくなった。そうなると、家族給を支払う理由は何もない。いま、男の非婚率はものすごく高くなっています。40歳の男の非婚率は15~20%、5人に1人です。」
 「いま」じゃ、ないしょ。昔はもっと高いでしょ。なに、この箇所に限りませんが。問題は、彼女は種々の事実を知ってても無視して発言を構成するということです。
コメント
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