北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

冬季アジア大会は、オリンピック招致の試金石

2017-01-11 23:54:54 | Weblog

 

 札幌市の「冬季アジア札幌大会」のご担当者から、「ご相談があるのでお伺いしたい」という連絡を受けて、舗装協会のオフィスでお会いしました。

 考えてみると、2月19日(日)から8日間にわたって開催されるという冬季アジア大会ですが、まだ市民全体の関心と盛り上がりが「ほとんどない」と言っても過言ではありません。

 私自身も、新年交礼会での秋元市長さんをはじめ市役所幹部の挨拶でようやく思い出したほど。

 しかもこの大会の前に、札幌でも最もにぎわうビッグイベントのさっぽろ雪まつりが、2月6日~2月12日の日程で開催されるために、市民の関心もまずは雪まつりに注がれているのかもしれません。

 
          ◆  


 冬季アジア大会の担当者からの当舗装協会に対するご相談と言うのは、「2月19日の大会開会式に少しでも多くの方に出席をしていただくように周知と協力をしてほしい」というものでした。

 大会の開会式には、皇太子のご臨席も賜ることになっていますし、IOCの委員も出席するとのこと。

 札幌オリンピック招致に向けて活動を行っている札幌としては、大会がにぎやかに成功裏に開催されるかどうかが、招致に向けた試金石と言え、それだけに特に開会式が多くの市民によって迎えられているという印象を与えることが特に大切です。

 我々の協会傘下の会員に対する協力要請も、開会式のチケットを購入するというお金だけの問題ではなく、当日は式場へお出かけください、一緒に盛り上げてください、というもの。

 しかも会場は札幌ドームなので、相当の人数がいないと盛り上がりません。

 もちろん当協会だけでできることではありませんが、一人でも多くの札幌市民の関心と参加が求められることなんだ、と改めて理解しました。

 冬季アジア大会に参加する多くのアスリートを笑顔で迎えましょう!  


【2017 冬季アジア札幌大会】 https://sapporo2017.org/site/overviews/


  【ドリカムのミニコンサートもあるよ】

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家のミニ修理~ホーローの洗面台も直せるんだ!

2017-01-10 23:56:56 | Weblog

 

 今の家を建ててから今年で十五年目。

 さすがにあちこちに痛みも目立ってくるようになって、特に壁の継ぎ目のコーキングなどに劣化が見られるようになりました。

 最近はホームセンターへ行くと良質の修理グッズが置いてあるので興味津々でこれらを買いあさり、実用と趣味を兼ねて休日になると修理をしています。

 先日もホームセンターで修理グッズコーナーを物色していると、ホーロー製の調度を修理するエポキシ系の樹脂が売られていました。

 ちょうどホーロー製の洗面台に何かを落とした時についた傷があって気になっていたので、これを買い求めてダメ元で修理をしてみました。

 エポキシ系なので二液を同量混ぜ合わせて、傷のところに塗り、余分な材料をかき落とすとあとは硬化するのを待ちます。一定の硬度が出たところで耐水ペーパーで仕上げて完了。

 目を凝らしてよく見ると気が付きますが、何も意識しなければほぼ気が付かない程度の仕上がりになって、思った以上の成果が得られました。
 
 こういう修繕って、最初は下手でもやっているうちに結構上手になるもので、上手にやれると嬉しくなるものです。


          ◆ 

 そして、こういう作業をやればやるほど、段取りの大切さに気が付きます。

 しっかりと片づけをして、作業範囲を確定させてからきっちり養生をして下準備を万全にすることで作業が効率的にかつ美しくできあがります。

 事務仕事だって、仕込みの段階できっちりやっておけば、ほぼ八割の進捗が見込めます。

 仕事って事務仕事や作業など内容は違っても、なんとなく筋が一本通っているところがありますね。

 体を動かす仕事は好きですねえ。

 

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人工知能が作る笑い ~ 「矢沢永吉の寝言とはいったいなに?」

2017-01-09 23:54:55 | Weblog

 

 NHKに「着信御礼!ケータイ大喜利」という番組があります。

 この番組、司会は今田耕司さんで、スタジオから大喜利形式でお題が出され、視聴者が回答を送信して、この中から千原ジュニアなどの出演者が面白そうなものを選んで回答します。

 その回答の出来を、よしもと興業のお笑い芸人、板尾創路さんが審査して、ケータイの電波の強さのアンテナの数(最大3本)で評価します。
 
 評価の高い回答を積み重ねた回答者は段位認定されて、昇格するというシステムで、NHKによると、この番組は「放送とインターネットの融合のあり方の実験番組」なんだそうで、視聴者がインターネットで番組に参加するという双方向番組として面白く見ています。

 さて、一月七日に放送されたこの番組が興味深かったのは、回答にAI(人工知能)を要する企業の担当者が参加していたことです。

 なんと、その場で出されたお題に、AIが回答を作り、それが面白いのかどうかを判定してもらうというわけで、人工知能が人間が笑えるような回答を出せるかどうかという、斬新な試みです。

 AIの担当者の説明では、過去の膨大な言葉のビッグデータにアクセスして、ある言葉から面白い回答へ至った座標のベクトルを割り出して、お題の単語からスタートするそのベクトルの先にある言葉を作り出すという仕組みなんだそう。

 何題か出されたなかで、最初は一同が笑って良いのかどうか、苦笑いするしかなかったなかで、最後の二つはなかなかに秀逸でした。

 最後から二番目は、「うざいと思われている体育教師の"元気田いくぞう"、スキー合宿でなにをやらかした?」というお題。

 これにAIは「夕日に向かって滑り出して遭難した」と回答。アンテナ2本をゲットして、まあまあ笑える出来です。


 そして最後の問題は、板尾さんが即興で作ったお題で、「有名なロックンローラーの矢沢永吉の寝言は何?」という問題。

 これにAIは「塗り絵は一色で十分」と回答。番組一同の笑いと感心を引き出して、見事にアンテナ3本を獲得しました。

 
 私も見ていて、なかなかの出来と感じました。人工知能が人間の笑いのツボを押さえて、ドラえもんやアトムのようにロボットがひねりながら笑いのとれる答えを作れる時代がすぐそこに近づいているようです。

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長持ちで健康に ~ 三十年ぶりにサンダルを新調

2017-01-08 23:55:55 | Weblog

 

 昨日、「大切なのは足の裏」という記事を書きましたが、私こと、履物にはこだわりがあって、室内履きとしてドイツのビルケンシュトック(Birkenstock)社製のサンダルをもう三十年以上履いています。

 このサンダルの特徴は、コルク素材でできていて、足の裏にあたる部分がスウェードでできていること。そして土踏まずの部分が盛り上がっていて、適切な形で足裏のアーチが形成される、いわゆる健康サンダルの嚆矢ともいうべき製品です。

 さすがに三十年も履いていると、足裏の当たる部分が傷んだ時期もあって、皮を張り替えて修理をしてもらって今でも履いているのですが、さすがにコルクの本体も崩れかけて今日に至っています。

 今日は、義母がやはり台所に立つときのサンダルが欲しい、と言うので運転手になって、三十年来のお付き合いになる「アルファ三輝」さんへ買い物にやってきました。

 義母が妻と一緒にサンダルを選んでいる間に店内をうろうろしていましたが、履物にも流行り廃りがあって、今では店頭ではビルケンのサンダルはほとんど見かけなくなりました。

 それで、相手をしてくれた女性の店長さんに何気なく、「僕はこちらのお店で買ったビルケンのサンダルをもう三十年以上履いているんですが、もう店頭には出ていないんですね」と言ってみました。

 すると店長さんが、「何点か在庫はあるんですよ。お出ししてみますね」と言って、私の今はいているサンダルと同じサイズのものを持ってきました。
 こちらのお店では、客の購入・修理履歴や足の採寸データなどをずっと保管しているので、私の足のサイズもすぐに分かるのです。

 倉庫から取り出してきたのはブラック基調の同じデザインのサンダル。お値段を聞くと、なんと私が三十年前に約1万2千円で買った時の6割程という格安の値札が付いていました。

 驚いて「ど、どうしてそんなに安いんですか?」と訊くと、「私も値札が本当かな、と目を疑って調べてみたんですが、どうやら輸入品なので円のレートが強かった時に仕入れたものみたいです。これはお得です!」と商売上手なトーク。

 私もそろそろ、(修理をしようか、それとも新しいのを買おうか)と思っていた時なので迷わず購入。ラッキーでした。

 
「ビルケンのサンダルは丈夫なのでいいんですよ」と言うと、店長はひと言、「お店泣かせですけどね(笑)」

 足の裏は、理念だけでなく履く靴も選んで大切にする方が良いと思います。長持ちして健康になる、良い買い物になりました。 

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大切なのは足の裏

2017-01-07 23:59:06 | Weblog

 

 人間学を学ぶ月刊誌「致知」の今月号より。

 連載記事の一つに、鎌倉円覚寺管長の横田南嶺(よこた・なんれい)さんの「禅語に学ぶ」という連載記事があります。

 今月号のタイトルは「歩歩是道場(ほほこれどうじょう)」という言葉からのエッセイでした。

 横田管長の臨在禅の修行では、修行僧に「公案」と呼ばれる問題を与え、座禅してその答えを求めさせるという修行があります。

 俗に訳の分からない問答を「禅問答のようだ」と言いますが、決して不真面目なものではなく、真剣な修行。

 ただ、「両手を打てば音がするが、片手にどんな音がするか」などといった難問も多く、こうした問いに自ら答えを考えそれを指導僧に示してその可否を問う。若い時分にはとても苦労する修行だそうです。

 それでこの横田管長がまだ若いころ、公案に悩んでいたところ、当時指示していた老僧が、「公案を頭で考えては駄目だ、足の裏で考えろ」と教えてくださったそう。

 当時は余計に意味が分からなかったそうだが、今でも禅門の修行は裸足で行われていて、冬場ともなるとかかとがひび割れて血が滲んだりもするそうです。

 素足で稽古をすることに象徴されるように、足の裏で地面を踏みしめる感覚を大事にしているのだろう、というのが横田管長の感じるところ。


          ◆ 


 足の裏繋がりで横田管長が紹介してくれているのが坂村真民さんの「尊いのは足の裏である」という詩。坂村真民さんには足の裏を詠った詩が沢山あるのだそう。

  尊いのは
  頭でなく
  手でなく
  足の裏である

  一生人に知られず
  一生きたない処と接し
  黙々として
  その務めを果たしてゆく

     …

  頭から
  光が出る
  まだまだだめ
 
  額から
  光が出る
  まだまだいかん

  足の裏から光が出る
  そのような方こそ
  本当に偉い人である  (『坂村真民全詩集第二巻』より)


 最後に横田管長は、「尊いのは足の裏である」と言います。

 頭で歩くのではない。四十九曲がり細山道をどう進むか、頭で考えていても混乱するばかりだ。

 …新年にあたり高い目標を掲げることは当然大切だが、頭で頂上ばかりを見ていては、姿勢が崩れ足もとが疎かになる。大事なのは、一歩一歩の歩みだ。
 この一歩一歩の歩みこそが、お互いを鍛えてくれる人生の道場なのだ。


          ◆  


 以上が記事の概要ですが、頭が考えても実践するのは最前線の現場の一人一人の力です。

 さて、今年もがんばりましょう。
  
 
 

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これが静岡の実力なんだぞ、と

2017-01-06 23:53:53 | Weblog

 

 今日は仕事上では、全道の舗装関係の会員企業、ならびに発注官庁関係者など約260人をお招きしての新年交礼会を開催しました。

 新年一発目の大仕事ですが、関係者が一堂に会して挨拶ができました。


 ところで今日から静岡県掛川市から、静岡と北海道を結ぶ『互産互消』プロジェクトを推進するサトー君ほか知人の一行がやってきたので、新年交礼会の後にはこちらの新年会に駆けつけ、懐かしい掛川の話や今の静岡の話などで大いに盛り上がりました。

 私が掛川にいた平成14~16年にはまだ静岡空港は開港していなかったため、札幌に帰省するためには羽田まで新幹線で移動する必要があって、ずいぶん時間がかかりました。

 それが今なら掛川から静岡空港までは車で30分もあれば着くので、とても楽な旅ができるようになりました。

 その静岡空港ですが、開港前には「ちゃんと利用されるのか」と不安な向きもありましたが、国内では福岡、札幌(新千歳)、沖縄、鹿児島との定期便が運航していますし、中国や台湾からの国際定期便も就航しています。

 サトー君は、「小松空港とか、地方空港同士の定期便で撤退した路線もあるんですが、いまでもちゃんと繋がっているのが鹿児島便。どうしてこれが繋がっていると思います?」
「鹿児島と静岡と言えば、やっぱりお茶かな」

「そう。お互いにお茶のビジネス便として静岡からも行くし、鹿児島からも来るんです。で、札幌便なんですが、ANAに聞くと、結構苦労している」
「そうみたいですね」

「冬の間にゴルフがしたくて静岡へ来る北海道の人たちって6千人もいるんですが、ゴルフ需要が増えるかな、と思うとちょっと自信がない。二の矢がない感じですが、僕は自転車の旅にその可能性を見ているんですが、やはり観光の需要って不安定です」
「なるほど」

「関係者はなんとか北海道や静岡でのツアーを作ろうと苦労しているんですが、僕はやはりビジネスでの底堅い需要をしっかり作るべきだと思うんです」
「わかるけど、そこが難しいんじゃないのかな」

「いや、北海道のそれなりの銀行の方と話をしていたら、彼らはやはり目線がしっかりしていました。実は静岡って、食品加工機械に関しては全国でもピカイチの集積と実力があるんです。それで、北海道が原料販売で安くたたかれる現状から脱出するために食品加工で付加価値を上げたいと思うと、そうした食品加工機械関係の企業と上手にリンクして経営支援をする。その格好のビジネス相手が実は静岡県と言うわけです」
「はあ、なるほど」

「その北海道の銀行がすごいと思ったのは、北海道の産地と加工機械を結び付けるだけじゃなくて、あわよくば静岡の企業の本社を北海道に移してもらおう、と言うところまで実は狙っている。実際に、静岡から北海道へ本社を移した企業もありますからね」
「ほんと?すごいなあ!」

「頑張るところはそうやって頑張っていますよ。あとは産物の交流もありますし、つまりはせっかく空港を作ってくらたのだから、その果実を得ようと思うと、しっかりしたビジネス需要での交流の種を作っていくことが肝心で、静岡はその相手として申し分ない、ということを言いたいんです」


 もうお互いに酔っぱらいながらの静岡談義でしたが、かつて見慣れた掛川の風景が頭に浮かんできました。

 静岡ってお茶と富士山だけじゃないぞー(笑)

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具合が悪くなりました…

2017-01-05 23:56:56 | Weblog

 

 具合が悪くなりました。

 少し前から左側の後ろがどうにもしびれるような感じで、不調を感じていました。

 我慢しても仕方がないので専門の方に診てもらう事に。

 …といっても調子が悪いのは、もう11年以上乗っているセレナのこと。

 年末から、車を止めた時に何かが焼けるような匂いがすることに気が付いていたのですが、大晦日に洗車をしようとしてタイヤホイールを洗った時に、左の後輪からジュッと蒸気が出ました。
 かなり熱くなっていたわけで尋常ではありません。

 直感的には、サイドブレーキかフットブレーキのパッドが外れなくなっているという印象。

 今日仕事始めだという、いつもの工場へ持ち込んで点検をしてもらったところ、予想通り、ブレーキの油圧ピストンが戻らなくなっていて、ブレーキディスクをパッドが押しっぱなしになっているのが原因と分かりました。

 幸いすぐに部品が調達できたので、朝に持ち込んで夜には取りに行けたのですが、車も古くなるといろいろなところで調子が悪くなるものです。

 
 年末の11月に車検を終えたばかりだったので、「その時には気が付きませんでしたか?」と訊くと、「車検の際には、タイヤを外して、金属のピストンにつないでいるホースの"シールキット"という部分を一応めくってチェックはしたんです。で、そこには異常がなかったんですが、今回トラブルになったのはそのまだ奥だったので、チェックが届きませんでしたね」とのこと。

 このシールキットという部品は、かつては『車検時に交換すること』となっていた部品なんだそうですが、車検が緩くなってからは壊れた時に交換する部品になったとのこと。

「ちなみに、イエロー○ットとか、○ートバックスのような点検ショップでも修理はできた部品ですか?」と訊いてみると、「うーん、できたでしょうね。でも料金は正規の形にしかならないと思います」とのこと。

 減ってしまったブレーキパッドも交換しなくてはならなくなって、ちょっと痛かったのですが、今回はここで車検を受けたばかりというお付き合いもあって、工賃をずいぶん値引きしていただきました。

 車でも家でも、自分の身体でも、点検モノはずっと長く見守ってくれるところを見つけておいた方が良いですね。

 

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『信用』が一人ひとりの価値として見えるようになる時代

2017-01-04 22:37:35 | Weblog

 

 朝起床して顔を洗い、身だしなみを整えるときに欠かせないのがスマホのラジオ。

 洗面の時間帯は、NHKの「らじるらじる」というアプリでNHKの放送を聞いています。

 そんなNHKラジオですが、今朝の「社会の見方・私の視点」というコーナーでは、IT評論家の尾原和啓さんが登場。テーマは『今年のITのキーワードは信頼と共感になるのではないか』というお話で、とても興味深いものでした。

 尾原さんのお話の趣旨は、「ネットビジネスというと、個人が隠された匿名性が強く、そこに詐欺や誹謗中傷、ステルスマーケットや偽情報など、危ない世界と思われがちですが、そうではなくて、特に今年は、信頼や共感こそが大切にされるキーワードになるだろう」というもの。

 その例として挙げていたのがエアB&Bという、インターネットで空き部屋を貸してネットで決済するという今どんどん拡大中のビジネス。

 ネットで登録してきた客に対して、この貸部屋には『よろしかったらお買い求めください』というお土産やお酒が置かれていて、なんとその代金支払いがただの箱が置いてあってそこに代金を入れてもらうシステムなんだそう。

 日本の地方の道端にも似たような野菜売り場がありますが、これなど日本らしい信頼社会だからできることなんじゃないかと思っていたものが、このエアB&Bで増えてきているというのです。

 こんなことが成立する理由は、利用者に対する貸主からのレビュー(=評価)があるからなんだそう。

 部屋を貸した側が借りたお客に対して、『この客はちゃんとお金をごまかさずに利用してくれた上客です』とか、『料金を払わずに酒を飲んでいったひどい客』などといった評価をするシステムがあるので、これによって、クレジットカードで支払う事で特定されている本人に対する評価が下されることになるのです。

 そして、この評価が価値を持ち、評価の高い客に対してはより高度なサービスが与えられる一方、評価の低い客に対しては、そうしたサービスが受けられないという差別や区別がつけられるようになる。

 そうなると、利用客としての評価が高い方が得になるので、皆ネット上での信頼を得るためにまっとうな行動をとるようになる、というのです。


 似たようなシステムは、ネットオークションでは既にあって、出品者と買い求めた客が互いに相手を評価することができます。

 互いに顔の見えない匿名同士でのオークションでは、商品の配送や対応などが評価され、「この出品者は過去に○○個の出品をして、99%の購入者から良好と評価されています」というデータや、「この購入者は過去に▲▲個の品物を購入して、100%の出品者から良好と評価されています」という記録が残ります。

 この評価を参考にすることで、ネット上での取引が安心して行えるシステムになっています。

 つまり匿名性と信頼は両立が可能というわけで、それが今年はいよいよ本格的に社会的に認知されてくるのではないか、というのです。


     ◆


 信頼や共感の心を持つことが、社会においてちゃんと得をするシステムとして機能するというのは面白い時代の流れです。

 尾原さんは、ご自身の著書「ITビジネスの原理」という本の中でも、情報を発信するメリット、デメリットとして、「インターネットの普及によって、情報を隠しておくよりも、自らさらけ出す方がメリットが多くなった」と論評されています。

 企業の不祥事などは、外からバレる前に自分から発信したほうが、被害が小さいし、情報を発信することで、外からの反応や情報提供を受けられて、豊かになるのだと。

 
 実際の社会の中でも(自分自身の所属組織や連絡先などの個人情報の入った)名刺を配り、しかも一枚でも多く配って一枚でも多くの名刺をもらい、付き合いの幅を広げようと努力しているのに、SNSなどではそうした情報や自分自身のバックグラウンドをほとんど書かずに、匿名の自分で参加していて、自分をアピールしたがらない人が実に多いものです。

 誹謗中傷は怖いけれど、逆に、正直でまっとうな自分であれば他人が評価してくれることが普通のことになりつつあります。

 正直や誠実へのモチベーションがネットによって高まる時代を、興味深く見守っていきたいと思います。

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お金のことも、勉強しないといけない時代なんだな

2017-01-03 23:46:46 | Weblog

 正月三箇日も今日でおしまい。

 東京の次女は朝早い飛行機で東京へと帰ってゆきました。JRがちゃんと動いて飛行機がちゃんと飛ぶことがこんなに心配になるなんて昔は思いませんでした。

 不安定な高性能よりも、普通の性能で安定していることの方を多くの人が選ぶに違いありません。

 
 先日会った知人と、四方山話をするうちに確定拠出年金の話題になりました。

 確定拠出年金について全体を説明しようとすると、それこそ長々とかかるのですが、要は、自分の収入から個人責任の年金に入りませんか、と言う話。

 国が運用して安定的な配当を国民に与えるのは当然なのですが、一方ではせっかくの個人の資産が大した運用もされずに銀行や郵便局の口座に放置され、あるいはタンス預金で死に金になっていることで、経済が活性化しないという側面が指摘されています。

 そこで、個人責任の年金と言う名目で、①掛け金を所得から控除したり、②運用収益が非課税になり、③受け取り時にも退職所得控除が適用される、という風に、税金面での優遇制度をぶらさげてお金を世に出してもらおうという制度、それが「確定拠出年金」というわけです。

 六十歳までの支払いという事で、もう私などにはほとんど関係のないものですが、個人の資産運用リテラシーを向上させるには良いのかな、と思っていたのです。

 それを知人に尋ねてみたところ、彼は「僕はおすすめしないね」と一刀両断。

「どうして?」
「確かに低い運用の公的年金に嫌気がさして、もっと配当を受け取りたいと思う人は多いのだろうけれど、運用が結局自分自身の個人責任ということになれば、下がるリスクをどこまで覚悟しているのか、という話さ」

「そこはまさに、リスクを取って高収益を得るという判断だろうね」
「そこまでリテラシーが高いんだったら、もっと別に確度の高い運用だってあるだろう。手元の百万円の資金を増やそうとして、逆に90万円になるかもしれないリスクを取れるかね。それなら百万円のままでいてくれればよかった、ということになるだろう。
 国民の多くに税制の飴を見せてリスクを取らせようという制度だから、覚悟をもって始める人を否定するものではないけれど、気楽に始めようという若者がいたら、『もっとじっくり考えた方が良いよ』ということにしているよ」


 金融資産に関する理解力や冒険をする力って、学校教育ではまず教えてくれない分野なので、一人一人がちゃんとメリットとデメリットを勉強をしなくてはなりません。

 軽い儲け話に騙されたという話を聞くたびに、(そういうところにつけこまれる余地が世間にはまだまだたくさんあるんだなあ)と思うところです。

 世の中、何でも勉強。何事にも死ぬまで生涯学習を続けたいものです。

 

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自然発生的雪国コミュニティ ~ 雪捨て場には秩序がある

2017-01-02 23:38:54 | Weblog

 

 いつになく穏やかな北海道の正月三箇日。皆さんはどうお過ごしでしょうか。

 雪の降らないお正月はありがたいのですが、今のうちに家の近くに積んである雪を片づけておくと、これから先に雪が降っても安心です。

 というわけで、雪のブロックをスノーダンプでえっちらおっちらと近くの公園まで運びました。

 公園には近くの家の住人の方も同じように雪を運び込んでいて、雪を運ぶスロープと道が自然発生的に出来上がっています。

 しかし雪ってただ単純に無造作に運んで捨てればよいというものではありません。

 降りたての雪や形ばかりのブロックでは密度が小さくて、長靴がズボズボ埋まってしまうので、雪を運ぶ道は靴で締固めて、その上を何度も雪が運ばれることでだんだんに固く安定した運搬路になっていきます。

 雪を捨てるところはだんだんとうず高くなっていきますが、それも誰かが締め固めてゆかないと不安定なことと、雪の嵩が減っていきません。そして雪を捨てる場所は、雪のブロックを積み重ねて垂直の壁にした方が捨てる面積が多く確保できます。

 そんなわけで雪捨て場としての利用者は、皆さん、次の人たちのこと、次回に雪が降って運ぶときのことを考えて、雪を捨てる場所をしっかり維持するような共通の思想と秩序が生まれています。

 私が見る限り、昨年まではこうした雰囲気をあまり強く感じられなかったように記憶していて、冬の初めに大量に雪が降って公園を利用する人が増えた今年ならではの姿のように思えます。

 いずれにせよ、こうした積み重ねが雪を捨てるときのモラルやマナーとして利用者に認知されてゆくと、新しい「雪捨て者コミュニティ」のようなものもできそうです。

 こういうことは、業者さんに任せてしまって自分自身がコミットしなければ、生じない現象で、地域住民が皆苦労しているという共感の中から生まれているふるまいのように思えます。

 新しい雪国のコミュニティと地域ルールが誕生してゆく過程、雪国の街づくりとしては面白い素材なので、調査研究してみたい気がします。

 苦労して汗をかき、場所を共有するところには新しいコミュニティが生まれるというのは一つのパターンです。

 雪かきは決して難行苦行とは限らないのです。地域社会は関わってこそ面白いものになりますね。

 

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