我が国指折りの脳外科医でありながら無類の釣り好き、尊敬すべきフライフィッシングの大先輩であるドクター・カワノこと川野信之先生の最新刊、「ある毛鉤釣り師の足跡」が我が家に届きました。
発刊されたことを知って、すぐに川野先生に送ってくださるようお願いをしたところ、直筆のサイン入りで送って下さったもので、今から読むのを楽しみにしています。
元々釣りなどしない私でしたが、私が釧路市役所へ赴任したところで掛川の友人たちが「これはいい場所に行ったもんだ」とばかりに、釣りガイドを求めて私の元へ来ることになりました。
市役所の釣りのベテランにガイドをお願いしたところ、「それは構いませんが、小松さんも参加してくださいよ」と言われ、道具も用意されて、それが縁で私もフライフィッシングの世界に足を踏み入れたのでした。。
川野先生とは、実は掛川ですれ違っていたものの、当時私はフライフィッシングをしていなかったので挨拶程度の薄いお付き合いでしかありませんでした。
ところが、偶然にも釧路には地元でアメマス釣りの開拓者という筋金入りのフライフィッシャーにしてしかも出版社の社長と言う水口さんという仲介者を得て、川野先生と釣りによって不思議な再会を果たすことができました。
川野先生と歩いた阿寒川、音別川、とある漁港などは、今でも思い出に残る釣行でした。
そして、目次を見ながらぺらぺらとページをめくると、なんと!その思い出の釣行が「道東での釣り」として、一編のエッセイになっているではありませんか。
開いてみると、私と妻も一緒に行った時の写真も載せていただいています。
さらには後書きにも、楽しかった釣り仲間の一人として名前を乗せていただいていました。なんという光栄!
先生直筆のサインには、「小松正明さん、もし私がfly fishingに出会っていなかったら、医学という狭い世界で右往左往していたことでしょう。良い釣りを!」という言葉が寄せられていました。
お礼を兼ねて、先生にネットを通じて、「我が家にも川野先生の直筆サイン入りで一冊届きました。最初のエッセイの『世界中の時間が止まった!』というのが、素人の私でも実によくわかります。釣りを始めて良かった!」と書いたところ、すぐにこんな返事がきました。
「いかに読み手に膝をたたかせるかというのが書き手が苦心するところであり、そう言ってもらえば書き手冥利に尽きます!」と。
川野先生が世界中を駆け巡って作った思い出には到底及びもつきませんが、川へ入って魚に対峙した時の血がたぎる思いが少しは感じ取れるようになりました。
農業は詩になり、釣りは文学になる。
川野先生、ありがとうございました。 Tight lines!