いつになく穏やかな北海道の正月三箇日。皆さんはどうお過ごしでしょうか。
雪の降らないお正月はありがたいのですが、今のうちに家の近くに積んである雪を片づけておくと、これから先に雪が降っても安心です。
というわけで、雪のブロックをスノーダンプでえっちらおっちらと近くの公園まで運びました。
公園には近くの家の住人の方も同じように雪を運び込んでいて、雪を運ぶスロープと道が自然発生的に出来上がっています。
しかし雪ってただ単純に無造作に運んで捨てればよいというものではありません。
降りたての雪や形ばかりのブロックでは密度が小さくて、長靴がズボズボ埋まってしまうので、雪を運ぶ道は靴で締固めて、その上を何度も雪が運ばれることでだんだんに固く安定した運搬路になっていきます。
雪を捨てるところはだんだんとうず高くなっていきますが、それも誰かが締め固めてゆかないと不安定なことと、雪の嵩が減っていきません。そして雪を捨てる場所は、雪のブロックを積み重ねて垂直の壁にした方が捨てる面積が多く確保できます。
そんなわけで雪捨て場としての利用者は、皆さん、次の人たちのこと、次回に雪が降って運ぶときのことを考えて、雪を捨てる場所をしっかり維持するような共通の思想と秩序が生まれています。
私が見る限り、昨年まではこうした雰囲気をあまり強く感じられなかったように記憶していて、冬の初めに大量に雪が降って公園を利用する人が増えた今年ならではの姿のように思えます。
いずれにせよ、こうした積み重ねが雪を捨てるときのモラルやマナーとして利用者に認知されてゆくと、新しい「雪捨て者コミュニティ」のようなものもできそうです。
こういうことは、業者さんに任せてしまって自分自身がコミットしなければ、生じない現象で、地域住民が皆苦労しているという共感の中から生まれているふるまいのように思えます。
新しい雪国のコミュニティと地域ルールが誕生してゆく過程、雪国の街づくりとしては面白い素材なので、調査研究してみたい気がします。
苦労して汗をかき、場所を共有するところには新しいコミュニティが生まれるというのは一つのパターンです。
雪かきは決して難行苦行とは限らないのです。地域社会は関わってこそ面白いものになりますね。
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