北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

子供のうちから身近にありたい

2017-01-30 23:56:56 | Weblog

 

 建設業の仕事に、情報技術を取り入れて効率性を上げようという政策が、「アイ・コンストラクション(i-construction)」と呼ばれる取り組みです。

 この背景には、これから日本を襲う少子化への対応という事があります。

 今の少子化の流れでは、労働力がどんどん減少し、建設業を志す若者の人数も圧倒的に少なくなってしまうことが懸念されています。

 このままでは新たなインフラの建設はおろか、これまで作り上げてきた施設の維持管理も難しくなってしまいます。

 建設業の現場は、工場で自動的に作り上げるわけには行きません。土地の持つ状況を読み取って、常に一品物を仕上げるわけですから、必要なものは技術力であり、それをささえる労働力なのですが、まだまだ人の手による作業量がどうしても必要なのです。

 これを補うためには、いままで10人でやっていた仕事を情報化や機械化などによって8人、7人でできるようにすることで、より少ない人間の数で必要な仕事をこなす社会を急いで作り上げなくてはいけません。

 
 さて、今日はそんな建設現場を情報化する機材や機械を扱う会社の知人が訪ねて来て、アイ・コンストラクションの最前線事情を教えてもらいました。

 その会社では、農業大学と組んで農作業を遠隔操作で安全に効率的に進められるかという研究も進めようとしているとのこと。

「北海道の農業って、短い季節に大量の農作業をこなさないといけなくて、そうなると夜休んでいるのももったいないわけです。だから夜でも耕耘や種まきなんかができればとても効率的になるでしょう。しかしいくらGPSが発達しても、アクシデントがあった時に止まれないとか、処置できないという事ではいけないので、常に人の目で見ていないといけません」
「夜間作業と言うわけですね」

「はい、でもこれだけインターネットが発達してくると、もしかしたら日本が夜になるころに朝になる中東やヨーロッパの人にネットで作業監視を渡して、さらにその次にはアメリカ大陸の人にバトンを渡す、なんていうことができれば、一日中誰かが見ている状況は作れますよね」
「それはおもしろい」

「夢物語と思うかもしれませんが、個別技術はすぐそこまできているんだと思います」


          ◆ 


 ところでそうなると問題は、たくさんの情報技術を使える人たちが建設業に入って来るかどうか、ということになる。私の関心事はそういうことに関心を持つ若者が育てられるかどうか、ということです。

「工業高校などに、アイ・コンストラクションの実演や宣伝に行くというのはどうですか?」
「はい、我々としてはそう願いたいので工業高校などに持ち掛けることがあるんですが、高校の先生がもうお年だったりして『うーん、今はまだいいわ』なんてことも多いんです」

「なるほど、誰が、ということと、受け入れられる素地があるかどうか、ということも問題なんですね。しかしそうなると私はアイ・コンストラクションという言葉の中でやってほしいことがあるんです」
「なんでしょうか」

「それは建設機械を、プレイステーションのコントローラーで動かせるようにするくらいの発想です。若者の日常にゲーム感覚で建設機械を動かしたり物を作るという経験を送り込む戦略ができないかなあ、と思うのですが」
「随分突拍子もないようにも思いますが、面白いですね」


 アイ・コンストラクションも、建設業の方向だけを見ているのでは発想が狭いと思うのです。

 教育機関や子供の遊びやおもちゃとして、建設が身近な存在になるような戦略があった方が面白くて、だからアイ・コンストラクションが任天堂と組むとか、ゲームメーカーと組むなんていうことになると面白いと思うのですがねえ。

 意味のない画面の中の悪玉をやっつける時間があるんだったら、未来をよくする練習をして欲しいものだ、と願うばかりです。

 さて、アイ・コンストラクションというテーマで、どれだけのことができるものでしょうか。

 

 

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