北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ネットによる通信制高校「N高校」に注目

2015-10-29 23:45:55 | Weblog

 稚内の地の拠点である北星学園大学で、今週水曜日から三泊四日で「地域未来経営塾@道北」が開催されています。

 元北大総長の丹保先生や東京農工大学の堀尾先生を始めとしたすばらしい講師陣の講義のほか、地元北星学園大学の先生たちによる地域ガイド、そして受講する塾生たちにはここ最北の稚内でのビジネスの可能性について提言をまとめてもらうという厳しい課題が設定されているこの未来塾。
 道内自治体や地元稚内に加えて、東京や東北などからも会社経営者や未来を担う中堅の方たちが一堂に会して意見を交わす四日間です。

 冒頭の丹保先生の講義はとても迫力があったのですが、迫力がありすぎて頭を整理するのに時間がかかるので、今日はもう一つ講義で知った別な話題を一つ。それは出版の角川とニコニコ動画で知られるドワンゴがコラボして、新しく通信制の高等学校である『N高等学校』を来年の2016年4月に開校するという話題です。(現在申請中)

 今日は角川ドワンゴから園さんという若い部長が来て少しだけ説明をしてくれたのですが、要は、ネットによる通信制の高校で、しかも学校教育法第一条に定められた高等学校の卒業資格が得られるシステムを作るというのです。



 その部長さんは、「当初の狙いはオタクやニートのような、既成の高校の枠組みにはまりきれない子供たちの才能をネットの授業を受けることで伸ばしてあげて、社会に貢献する人材を育成しようというものだった」と言います。

 レポートなどもネットで提出。自分のペースで授業が受けられるし、しかも普通の教科に加えてプログラミングやファッション、ゲームなどのより実践社会に近い分野のこともネットで学べます。

 特にプログラミングやウェブデザインなどのITスキルを高校の段階で育成することでこれからの時代が必要とする人材が育ちやすいのではないか。実際、プログラミングなどは若いほど覚えが早く、最先端で活躍しているプログロマーが15歳だったりすることもあるのだそう。



 ネットの授業なので子供たちが地域を離れて暮らす必要もなく、通学やその他の余計な時間を学校で過ごす必要もありません。

 余計な時間を効率的に使って浮いた時間で自分のやりたい勉強を思い切り突き詰めて才能を大いに伸ばしてもらいたいというのが根底の思想。

 年五日程度はスクーリングとして沖縄や東京、大阪などで面接指導会場で授業を行うことにしていますが、かなり自由度の高い内容です。

 ここで学んで、地域のIT問題を解決するような人材になれればキャリア教育の一つの課題解決になるのではないかと考えている、とのこと。
 
 ある先生は、「ニートやオタクという単語が良くない。一律の教育から外れてしまった人をそう呼んでいるだけだ。一芸を持っている子たちを画一の枠組みから外してしまっているのではないか」とおっしゃっていました。

 これからの時代は、ITスキルを持った集住人材が地域にいることがとても大切になりますが、そういう人材を育成する必要があるのに、現在の文科省の教育政策ではそれが全くやれていない。角川ドワンゴが一気にそこをやろうとしているところに新しい時代の息吹を感じます。

 多様な人材を育成するためには多様な制度やシステムで対応することが必要な時代なのかもしれません。

 
 N高校、注目です。

【N高校】 http://ed.kadokawadwango.co.jp/index.html

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