北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

家の近くに公園があってよかった

2020-01-17 23:46:26 | Weblog

 

 阪神淡路大震災から25年目を迎えた1月17日でした。

 25年前のこの日、自分は何をしていたかは全く覚えていないのですが、この2か月半後に転勤で当時の建設本省へ行くと、この震災対策は自分の仕事になりました。

 神戸の震災では、立体の高速道路やコンクリートのビルも倒れたりして建造物の耐震強度が問題になりましたが、同時に木造建物が密集していた市街地では火災が発生しそれが延焼したことで多くの犠牲者が発生しました。

 火災に対しては、木造の建物が連担している地域で水が少なかったりしたために消化がままならず、炎症が拡大しましたが、私たちの分野である公園や樹木などの緑が延焼防止の効果を発揮しました。

 効果の一つは、公園が燃えるもののないオープンスペースであったことと、そこに樹木が植えられていてそれが火災を遮断したことが大きな効果を発揮しました。

 樹木にも燃えにくい樹種と燃えやすいものがありますが、一年中葉っぱの落ちない常緑樹のクスノキなどは燃えにくい樹種として効果を発揮しました。

 また街路樹や生け垣なども建物の倒壊を防いで避難路を確保する効果もありました。


 さらに被災一週間後には、小さくても公園のような場所は「応急避難生活の場」や「救援活動拠点」として利用されました。

 ボランティア活動の拠点で会ったり、仮設トイレ、給水施設、緊急車両置き場、自衛隊の駐屯地、がれき集積場、ごみの一時堆積場など、様々な生活のために緊急に必要な空間が公園に求められたのです。

 これらの効果はその後の東日本大震災などでも顕著にみられ、人々が集中して住む都市のなかで、日常的にはゆとりをもたらし、いざというときには緊急活動の拠点となる都市空間の重要性が明らかになりました。

 最近はともすると、遊具の老朽化や事故やボール遊びなど様々な活動が禁止される使い勝手の悪い空間といったネガティブなイメージがあったりするのですが、いざというときに役に立つ空間として日常から利用したりして身近な存在であってほしいところです。

      ◆

 今年は雪が少ないので目立ちませんが、私は雪国では住宅が連なる街区では道路のの雪を住民が公園に滞積することで街路の除雪を助けることができると思っています。

 雪国の公園は、冬に効果を発揮するオープンスペースとしても活用できるというわけです。最近は市民と行政がタッグを組んでこうした活動が増えているので喜ばしい限りです。

 都市の中でなにもない空間は、ともすると「利用しないなんてもったいない」と思われるかもしれませんが、イベントなど仮設的に利用できることや周辺の建物との連携を深めることでもっと柔軟に利活用することもできるはずです。

 身の回りの公園を大切にしてください。
 

 

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