職場の女性が、「先日ユニクロ系列のファッションショップ"GU"へ行きましたが、セルフレジで、おまけに複数の商品をかごに入れて、そのままレジの機械に入れると合計が出てくるんです。便利なんですけど、すごいなあと驚きました」と教えてくれました。
そういえば近くのビルの中にGUが入っていたことを思い出して、お店を観てきました。
本当にセルフレジの機械が並べられていて、お客さんは順番に機械が空くのを待って、空いたところへ行き清算をしています。
調べてみると、GUではもう3年も前から実験的にこの方式を始めていたのだそう。
お店で買い物をするときの不満ランキングで必ず上位に入るのがレジの待ち時間なのだそうで、このセルフ方式だと清算時間が従来の1/3で済むのだそう。
おまけにさらなるポイントが、セルフであれば商品を包むのも自分で行うという事。
店員がやればそこでまた時間がかかるのと、包み方の上手下手が気になったりもするものですが、自己責任でやればそういう不満も解消されてしまいます。
なるほど、こういうやり方ならばお店側の店員の人数も少なくできて、回転が速くなりさらに不満やクレームも少なくなり、さらには棚卸の際にも商品を探す時間が一気に短縮されるという、一挙四得というわけですね。
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そもそも「日本的おもてなし」などといって、接客の丁寧さや相手のことを慮るサービスを前向きに評価しがちですが、サービスを受ける側にすれば、何かと丁寧に説明されるよりもさっさといなくなってほしい、と思うことだってあるかもしれません。
そういうことが選べられれば良いけれど、一方的に自分の時間を使ってサービスを押し付けられるというのは、本当に喜ばれているのかどうか見極めてみることが必要です。
わざわざ人手と人件費をかけたサービスが相手にフィットしないとなると二重に無駄になってしまいます。
サービスをセルフ化することが、人件費の節約だけではなく作業の効率化とクレームの出にくい環境を整えられるというのは、生産性向上の観点から実に興味深いところです。
そしてセルフ化を実現させたのも、「複数のアイテムを一括処理できる」、「遠くのものを識別できる」といった特長を持つRFIDというICタグの登場と価格の低下があればこそ。
生産性向上のためには、こうした技術の一般化と価格低下が必要ですが、最後にはそれを使って、生産性を上げるという強い意識があるかどうかのような気もします。
もっとも生産性が上がらないといわれるサービス産業ですが、いよいよ技術がそれをクリアする時代が来るでしょうか。