今日は一日、車を借りて浜松市内と浜名湖周辺をドライブ観光してきました。
浜松市内ではまず浜松城を見学。
徳川家康が29歳から45歳の間、この城を預かって、この間三方ヶ原の合戦で武田信玄にボコボコにやられて打ち死に寸前に至るなど、いろいろと思い出の深いお城です。
「出世城」とよく呼ばれますが、これは家康がいたことだけではなく、歴代の城主がのちに江戸幕府で重用されることが多かったことからそう呼ばれたとのこと。
まあかつて家康がいて重要な城なわけで、そもそもそこには有能で信頼できる者しか派遣しないわな、ということなのでしょうが。
浜松城公園ではもうすでに桜が2分~3分咲きで、木によっては満開に近い気もありました。
思いのほか開花が早まって、来浜中に桜が見られたのは望外の幸運でした。
城に桜はよく合いますね。
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そこからは、これまでもこれからも簡単には行けなかった名所を巡ろうと、「湖北五山」に焦点を当てて、一日で五つのお寺を巡るという強行軍を実施しました。
湖北五山とは、浜名湖の北側に位置していて、国指定重要文化財を保有している五つの古刹の総称のこと。
浜松の近隣の掛川にいながら、自治体にいると他の自治体の観光地を巡るなどということはほとんどしませんでした。
ある意味他の自治体はライバル的な要素もあるので、素直に楽しめなかったり、それを詳しく勉強しようなどという気が起きなかったのだと思います。
そういう心残りを払しょくして歩く旅は、人生の宿題のようなものかもしれません。
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さて、改めて湖北五山を列挙しておくと、浜松市の「初山宝林寺」、「龍潭寺」、「大本山方広寺」、「摩訶耶寺」、「大福寺」の五つのことです。
所在地はみな浜松市ということになっていますが、市町村合併後の浜松市であって、かつては引佐(いなさ)町や、三ヶ日町という町にあったものです。
合併前の静岡県にいた身としては、そういう町名で呼んだ方が自分の中ではしっくりくるなあ。
それにしても、こんなに大きなお寺がちゃんと残っているとは改めて驚きました。
宝林寺は、明国の僧「独湛禅師」によって開創された黄檗宗の寺院とのことですが、当時は先進的外国からの知恵を取り入れることにいかに必死だったか、ということもよくわかります。
二つ目の龍潭寺は、日本庭園作庭の大家小堀遠州作と言われる枯山水庭園が有名です。一つ一つの石に意味を込める気持ちの入れ方が秀逸です。
三つ目の方広寺は、よくもこんな山奥にこれだけの規模のお寺さんを作ったものだなあ、という感動。
四つ目の摩訶耶寺の枯山水庭園も、シンプルながら趣のある石庭で見事でした。
五つ目の大福寺は、受付に係の方がいなくて焦りましたが、お賽銭を箱に入れてこちらも庭園の見学ができました。
いずれも、豊かな歴史としての、日々の営みの積み重ねの結果ですが、そこに何を感じるか、を大事にしたいですね。
五山巡りの途中で、鍾乳洞の竜ヶ岩洞(りゅうがしどう)も見学をしてきました。
ちょっと一日では詰めすぎた感のある行程でしたが、天気も回復してきて満足な時間を過ごせました。
遠州は深堀するとやっぱり面白い。