北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

現場が安心して働けるように~除雪するのが残業しすぎ?

2018-03-20 23:56:56 | Weblog

 働き方改革の動きは、国会では森友学園での論争の陰になり、活発な議論がなされていませんが、まあ世間的にはいずれ労働基準法が改定されて、長時間労働の解消に向かうのだろうと思われます。

 ただ、こうした動きを先取りするかのように、地方部では今からもう労働基準監督署による、長時間労働に対するチェックが厳しくなっている、という声を聞きます。

 特にこの冬は、除雪のオペレーターさんの長時間残業にチェックの目が厳しくなっているのだと。

 建設産業は、まだ厳しい残業規制を受ける対象ではないのですが、暴風雪時などの除雪は、単純な労働時間規制で割り切れるものではないはずですが、チェックが厳しくなるとすると、風雪災害の際にどうやって地域生活を守れるのか、答えが見つからず、現場の最前線では悩んでいます。

 問題になるのは、労働基準法第32条で、ここには、1日8時間、1週40時間の法定労働時間が定められており、これを超えて労働させる場合や、労働基準法第35条により毎週少なくとも1日又は4週間を通じ4日以上与えることとされている休日に労働させる場合は、労使協定(いわゆる36協定)を締結し、労働基準監督署に届けることが必要です。(建設産業は、まだ36協定を必要としていませんが)

 ただ、災害その他避けることのできない事由により臨時に時間外・休日労働をさせる必要がある場合においても、例外なく、36協定の締結・届出を条件とすることは実際的ではありません。

 そのため、そのような場合には、36協定によるほか、労働基準法第33条第1項により、使用者は、労働基準監督署長の許可(事態が急迫している場合は事後の届出)により、必要な限度の範囲内に限り時間外・休日労働をさせることができるとされています。

 ただし、労働基準法第33条第1項は、災害、緊急、不可抗力その他客観的に避けることのできない場合の規定ですので、『厳格に運用すべきもの』と、法の趣旨からいって、簡単に考えられては困りますよ、と厳しい姿勢が示されています。

 そこで、ではこの33条第1項の具体的な事例はどういう事があるのか、と調べてみると、昭和22年に通達が出されています。

 ところがこの通達が、昭和22年のものなので、当時想定されているものと現代社会の問題意識がかみ合っていません。


 「ボイラーの破裂」とか「電圧の低下」なんて、戦後すぐの時代背景が感じられますが、笑い事ではありません。こうしたところに明文化されないと、グレーな解釈がまかり通ってしまうのですから。

 今問題となっているような、「降雪時の除雪で道路通行を確保する」といったことがしっかりと認識されなくては、除雪現場の最前線が安心して仕事ができません。

 こうした問題意識は、雪の降らない法律屋さんが想像できるようなことではありませんので、積雪寒冷地の力のある議員先生などがしっかりと力を発揮してくれなくては解決しないでしょう。

 国会も、早いところこうした社会問題をしっかりと議論してくれる正常な場になってほしいものです。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする