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●TVドラマ・・ 「結婚できない男」・「不信のとき」

01_1  若い時からTVドラマというものはあまり見ない方であった。TVのドラマは安易に作っており、全てご都合主義で済ませている、との先入観が僕の感覚を支配していて、ドラマは映画しか見るまい、と思わせていた。映画も安易に作り、ご都合主義のものも多いのだが、何か僕の中で、映画はいい、だがTVドラマは駄目だ、みたいな思いが強く、もともと若い時分はTVそのものを見なかったが、後年、仕事から帰宅しての食事中や、暇つぶしにTVを見るようになってからも、ドラマを見ることは何となく避けていた。一応、青年時から、志は高く持っていなければならん、との思いは持っており、実際の生活自体がガタガタでこぼこ道の連続でちっとも落ち着かなくとも、せめて志というものくらいは高く持ち続けなくてはならぬ、と思い続け、読書し続けることがその拠り所であり、安易でご都合主義で、世相の上っ面だけをさあっと撫でて、きれいごとで済ませ、結局は嘘ごとなだけのTVのドラマなぞ、いつもいつも見ていては自分は腐る、と思い込んでいて、見ないようにし、実際、見てなかった。僕の生活はそういうもので、来ていた。

20060703  それが、ここ2年くらい前からだろうか、TVの連続ドラマを、以前に比べればよく見るようになった。逆に読書をしなくなったのだが。TVドラマは続きものであるから、毎週見なくてはならない。だいたいこれが駄目だった。無論、以前から、一話完結の二時間ものの、サスペンス劇場もスペシャルドラマも見ていなかった。仕事を持ち、同僚や友達と付き合って遊んでいると、毎日帰宅が遅くなり、TVの連続ドラマを毎回見るなど不可能である。休日も外に出ていた。まさかビデオ収録まではしない。それに以前の僕は、漫画を読み、ミステリやSF小説を読んでる方が楽しかった。録画してまで見るTV番組は格闘技くらいのものだった。でも30代からこっちは、お笑いが大好きで、笑い中心のバラエティだけはよく見てましたけど。最近は、志の高い方達が唾棄でもしそうな、軽いドラマをよく見ている。最近の僕は、以前持っていた、せめて志だけは高く持たねばならぬ‥、という考えは何処かへ飛んで行ってしまって、手元には何も無い。だから軽い軽い連続ドラマもけたけた笑いながら面白く見ている。高い志を持つ方達には、この笑いは正に馬鹿そのものに見えるかも知れないけれど。

Top06_0726  ここ最近で、僕が毎週見ていたTVドラマというと、遡って思い出すのは「電車男」くらいかなあ。その次が「危険なアネキ」で、次が「弁護士のクズ」。「弁護士のクズ」は面白いドラマだった。「2」が出来るのなら、是非見たいと思うくらい。今見ているのは「結婚できない男」と「不信のとき」というフジ系列の夜のドラマ。「結婚できない男」は面白い。「不信のとき」は本妻と愛人、愛憎ぐじゃぐじゃドラマ。杉田かおる扮するお手伝いさんが、「家政婦は見た」の市原悦子ばりの覗き見ヒトンチ介入ぶりで、物語の語り役である。原作は、その昔、「恍惚の人」というベストセラー小説で一世を風靡した、あの有吉佐和子の小説らしいが、現代の中流家庭の中の愛情事情を語っているドラマ。「結婚できない男」は毎週、けっこう楽しみにしているが、「不信のとき」は見なきゃ見ないでもいい、何となく見ているドラマだ。これはいわゆる昼ドラの主流テーマじゃないかな、とも思うし。僕は、本妻と愛人の二股掛けた高給取りサラリーマンの苦労と、それだけで済まない、相関する各登場人物たちのぐじゃぐじゃした愛情事情と愛憎、なんてものにははっきり言って興味無いし。1方向だけでは済まない愛にのめりこむ、各人いろいろな人間関係はまあ、少しは面白いといえばそうかな。「結婚できない男」は笑えます。阿部寛扮する主人公のキャラクターが実にイイです。この二つのドラマもそろそろ終わりですね。もう二回くらいでワンクール来て終了でしょう(どっちも12回終了)。「不信のとき」はどういう結末に持って行くかは、ちょっと興味がありますね。

06070412abehirosispb00081g060703t  最近のはもうトレンディドラマって言わないようですね。最近はトレンディドラマ自体が無いのか?そもそもトレンディドラマとは何だ?トレンディって言葉が流行語になったのっていつ頃だろ?トレンディドラマってのは、「東京ラブストーリー」とかあの辺りかな?「男女7人夏物語」とかも入るのだろうか。トレンディドラマって、何か80年代後半から90年代前半っていう気がするね。ちょっと幅が広くなるけれど、その十年間。大学出て企業に就職した初めから二、三年くらいまでの、若者達の青春群像劇。全然、貧乏臭くないんだよね。世はバブル期。男女若者達仲間はみんな大学卒で一応大手企業に勤めている。みんなお金に困っている感じは全く無くて、住まいも都会のマンションの2LDK以上のきれいで良い部屋。舞台は都会の洒落たバー、パブ、高級レストラン。迷う進路はゴージャスで、一流企業から自分のスキルアップの為のニューヨーク留学とか。バブル期絶頂だったんだろうなあ。未来に何も不安を感じてなかったんだろうなあ。日本経済はこのままイケイケだと信じて疑わなかったんだろうなあ。バブル崩壊後の復活に、今度はこんな格差社会が待っていようとは、みんな夢にも思わなかったろう(小泉め!)。僕が最近見て来た「電車男」「危険なアネキ」「結婚できない男」とかはトレンディドラマって呼ばないんだろうなあ。「危険なアネキ」とかは軽いノリのコメディだもんね。だいたいトレンディドラマを語ろうにも、僕は「男女7人夏物語」や「東京ラブストーリー」の頃ってほとんどTVドラマは見ていないもんね。「東京ラブストーリー」は、当時の週間ビッグスピリッツ(漫画連載の方がドラマ放送よりも、時期的にだいぶ早かったと思う)で毎週、柴門ふみの漫画で読んでいたけど。ふ~みん漫画の絶頂期だねえ。

(※柴門ふみ作の漫画は小学館ビッグスピリッツにて88年より連載。ドラマは91年1~3月放送。今でもフジ『月9ドラマ』の代表作といわれる。※バブル好景気とは、86年12月から91年2月までの4年3ヶ月を呼ぶのが、通説となっているそうです。)

 「結婚できない男」の阿部寛扮する主人公のキャラが実にイイです。はっきりいって、かなりな偏屈男。マイペースで、空気を読まずに、自分の意見をズケズケ言うし、会話で降りたり譲るのが嫌。人に合わせるのがものすごくヘタで、周囲の人間関係を潤滑に送れないタイプ。一人だけの生活を、見方によっては、優雅に暮らしている。この男は、社会的には、仕事での高い技術を持ちその評判も良く、高収入を得ているようであり、自分の家である高級マンションに一人で住んでいる。40代の独り者だが、社会的には勝ち組なのだ。きれい好きで、掃除も行き届いている。身なりもカジュアルばかりだが、こぎれいに着ている。性格的には、結婚できない男、なのかも知れないが、社会的には充分すぎるくらい結婚全然OK男なのだ。偏屈な、周囲に合わせられないキャラだが、仕事は出来るし、きちんとした性格で、筋を通す硬骨な面もあるように思える。根は親切そうだし、底には優しさもありそうだ。阿部寛の顔でイケメンで、肥満はしてないし、背は高い。そうやって見れば、結婚できないのが不思議なくらいのキャラだ。ただ、世間一般的には、変わった男と見られるだろうし、女の扱いは激しくヘタそう。

 3ヶ月くらい前だったか、TVのバラエティ仕立ての討論番組で、経済アナリストの森永卓郎が言っていたのを思い出したんだけど、現代の女性たちは金持ちかイケメンでないと、恋愛を含んで、結婚はしたがらない。そういう男は実は少数派で、圧倒的多数を占めるのは、少ない年収で、顔は不細工な男たちだ。だから現代は、結婚できない男は多い、のだと。貧乏な不細工男は、社会的にも負け組で、せめての結婚もロクに出来ない、と言っているのだ。また、逆の立場の勝ち組に属する男で、仕事が出来て年収も高く、リッチに優雅な独り者生活を過ごしている40男、というのもけっこう居るらしい。これも、TVのニュースショー番組で、「独身王子」と題して特集していた。中年で王子もないだろうとは思うけれど、昔ながらの大人になりきれてないと、皮肉ってそう呼んだのか(?)。ドラマ「結婚できない男」の主人公もこっちに属する。「結婚できない男」も本当は一人暮らしを楽しんで優雅に暮らしているのだ。束縛されずに好き勝手に生活でき、中年以降も自由を謳歌出来る。女性も状況は似ているのかも知れない。キャリア志向の仕事の出来る女性で、独身のまま40路になった人も、けっこう多いのではないか?芸能界や元局女子アナなどでも、一度結婚して子供を産み、離婚して仕事に生きている女性が、けっこう多く見えるではないか。世は少子化の時代だしね。ますます少子化に拍車が掛かる。現在のニートの人たちも現実的に結婚なんて考えてはないだろうし。格差社会は広がる一方で、自殺者は年々増え、3万人を超えるし。ああ、いやだいやだ。

 という訳で、「結婚できない男」のドラマも佳境、残すはあと2回のみ。え~と、最終回は9月19日の火曜日予定ですね。国仲涼子扮する隣の一人暮らし娘の買っているパグ犬のケンちゃんがメチャ可愛い。よく演技させてるよなあ、感心する。「不信のとき」もあと2回だ。「不信のとき」の主題歌は、アンルイスの昔歌った曲のカバーだとばかり思っていたら、アンルイスの「ああ無情」、オリジナルそのものだった。「結婚できない男」の、エヴィリィリトルシングの歌う主題歌「スイミー」も良い曲だね。

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