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●漫画・・ 「軍鶏 -シャモ-」 ..第25巻

 大変遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。皆様、2007年もどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、「Kenの漫画読み日記。」2007年1発目は、講談社隔週刊青年漫画誌「イブニング」好評連載、格闘巨編劇画「軍鶏 -シャモ-」です。劇画「軍鶏」については、昨年3月に一度、このブログ記事で書き込んでますが、その続編です。今、物語はどうなっているのか?です。イブニング最新07年第3号では、一大異種格闘技イベント、グランドクロスも最早終盤、クライマックス、大将同士の対戦まで進んでいます。というか、番竜会空手対チームトーマの5対5マッチ、が第4戦まで終了しまして、ついにメインエベント、お互いのチームのキャプテン格同士がリングインする、正にその時です。トーマと、主人公ナルシマリョウが試合場に入場、リングインした時点までです。「軍鶏」の、コミックスの方は最新刊が25巻でして、内容はグランドクロス、第1戦の終盤から第2戦、第3戦の試合模様、そして第4戦が始まったばかりまで、です。第4戦は、多分、日本柔道元オリンピック金銀両メダリストであり世界選手権覇者、平成の三四郎こと古賀稔彦師範がモデルの、天才柔道家吉岡代悟VS番竜会空手黒道着衆四号の異種格闘技対決です。まあ、このグランドクロスは、異色空手対内外各種格闘技の、全試合、異種格闘技戦なんですけど。吉岡代悟は柔道のオリンピックや世界大会を総ナメ連覇した天才。かたや番竜会空手の影の脅威の存在、黒道着衆四号は、2メートルを越える巨漢の怪力空手家。

Photo_44  主人公、成島リョウは親殺しの罪で少年院へ入り、そこで、異端の老空手家、黒川健児と出会い番竜会空手を覚える。黒川のいわばダークサイドの空手を吸収して、凶器としての空手を身につけて出所するリョウ。不良少年リョウは荒みきった生活を続ける。番竜会空手の表側の太陽の如き存在、格闘技重量級世界チャンピオン菅原直人を知り、挑戦を決意するリョウ。不良の無法者として挑発し続けるリョウは、菅原直人の婚約者を強姦して奈落へと突き落とす。怒りに満ち満ちた表側の重量級ヒーロー菅原に対して、手段を選ばず反則ワザを使って挑む、軽量級の成島リョウ。リングでの試合で敗れた成島リョウは、野試合を仕掛け、再戦を挑む。凶器も使用した獣の野試合で、ついに勝利したリョウは、ヒーロー菅原直人を廃人へと突き落とす。でも、この辺のストーリーのあらすじは06年3月の記事「軍鶏」で、一度書き込んでいるんだよね。そうして、香港辺りの、猥雑なアジアの場末の街の地下格闘技で、お金を稼ぎ、リョウの親殺しを背負ってトラウマになり、精神的に病んで廃人状態の妹に、送金し続ける。地下格闘技黒テントで現れた最強の敵。仮面の最強カンフー使いを倒す為に、山岳部で仙人のように暮らす老師を訪ねるリョウ。中国拳法の極意を会得して、仮面の最強カンフー使いと再戦し、これを倒したリョウは、日本へ帰り、再び番竜会空手と関わることになる。格闘巨編劇画「軍鶏」の新たなる展開。

Photo_45  一方、新たなる太陽面のヒーローが登場する。初めの太陽面のヒーロー、菅原直人は廃人となり、歩行訓練からのリハビリの日々に居る。新たなるヒーローの誕生は、元々世界的なバレエダンサーでありバレエ界のスター、トーマ。天才バレエダンサー高原東馬は、異端のダークサイドの格闘家、成島リョウの存在を知り、格闘技に惹きつけられる。格闘技の世界に取り込まれてしまったトーマは、世界バレエの栄光を捨てて、一から格闘技を学び始める。元々天才的運動神経を持つトーマは、格闘技の光面のヒーローとなる。かたや、暗黒面の格闘家リョウは、番竜会サイドからトーマと戦うこととなる。そして、ここに、一大格闘技イベント、グランドクロスが開催され、トーマ側は世界中の各格闘技のトップヒーロー達が集結。対する番竜会空手はメインエベンターに、親殺しでダーティーファイトを旨とする悪役格闘家、成島リョウを据え、他も暗黒面の格闘家で固める為、番竜会空手の正規の選手達ではなく、伝説の黒道着衆を持って来る。

 番竜会空手のルーツ、大東鉄心は自分の空手の世界最強を証明するために、プロレス・ボクシング等世界中の格闘技と戦い、自己の最強空手を世界中に広めた(このあたりまでは、モデルは、極真空手の開祖、大山倍達総裁ですね)。格闘空手の世界的大組織となった番竜会の創始者、故大東鉄心は太陽の如き伝説的ヒーローとなった。しかし、そのためには実は、兄の隆盛を陰で支える隠れた弟、大東烈心が居た。番竜会が栄えるためには、裏側の汚い仕事もこなさねばならない。その決して表には出せぬ、光の当たらない裏側の仕事をこなすために、弟烈心が作り上げた小さな組織(影の精鋭部隊)が、番竜会の暗黒面の空手、黒道着衆である。グランドクロスの第1戦から4戦までは、番竜サイドはこの黒道着衆の異色の空手家が選手として戦う。グランドクロス、第1試合は、チームトーマ側は、これは明らかにグレイシー一族がモデルの、ブラジリアン柔術界の若手の星、ファビオ・マルコス・サンシロオ。一方、番竜会黒道着衆1号は、重度の火傷で醜い顔を仮面で包んだ、痛覚を持たぬ空手使い。第2試合は、チームトーマサイド、神技と称される伝説的古流武術、八紘流合気柔術、上杉静。対するは黒道着衆2号。2号は武道家というよりは忍者みたいなもんですね。で、なければ闇の暗殺者。第3試合、光面の格闘家は、ロシアの国技サンボの世界選手権3度覇者、最強サンビスト、イリューーヒン・ヴァレリ。暗黒面の武道家の方は、荒野の一発必中のハンター3号。第4試合は、光面の栄光に溢れる武道家、日本柔道の誇る天才、吉岡代悟。相手の闇の空手家は最強の巨漢、4号。そしてメインエベントが、高原トーマ。対する主人公の悪童(もう青年ですね)、悪魔の子とでもいう感じかも、ナルシマ・リョウ。

 第1試合の黒道着衆1号は、ファビオのパンチや寝技の連続攻撃に、一向にダメージの気配が無い。仮面の空手家は表情も読めない。何と、1号は、痛覚を持たぬ特殊な身体だった。どんなに激烈な攻撃を続けても参らぬ1号。痛覚を持たぬ1号はついにファビオに腕を折られるがギブアップせず、レフェリーストップも聞かず、ファビオを顔面足刀で失神KOする。試合は、レフェリーストップに寄る黒道着衆1号のTKO負け。だが意識を持って立っているのは一号の方。でも、実際、痛覚を持たぬ身体が万全の運動神経を発揮出来るのか?というのは僕には、ちょっと疑問ですねえ。僕が下半身麻痺で歩けなくなって、入院していた時に、隣のベッドで寝ていたある患者さんと、親しくなって話していたときですが、その方が以前、同じ病院に入院したときは、事故で調度下半身が痛覚が全く無くなってしまって、歩行は出来るのだが、医者が細い棒で叩いてもまるで痛みを感じなかった、ということでした。半年間入院している間に、下半身の上方、腰の辺りからじょじょに痛覚が戻り、半年間掛かってやっと足の指先まで痛覚が戻ったのだ、ということでした。その間は別に治療らしい治療はなく、ただベッドに寝て痛覚の回復を待った、と。そして、その間、歩いたりして、痛みは感じられなくとも、運動神経は機能していたらしいのです。つまり痛覚神経と運動神経はあまり関係しない(?)。僕は現在、頚椎を傷めた脊髄症の後遺症で、両足に麻痺がありますが、特に足先は痺れきっていて、足指の痛みは相当鈍感です。歩くのも健常者に比べれば困難な方でしょうね。しかし、退院後すぐの頃は、足が痺れていても、上段回し蹴りなどはラクにびゅん、と出来てました。今はもう空手の稽古など全然やらないので、出来ませんけど。でも、やっぱり、僕には、痛覚が全く無いと、運動神経にもかなり影響するようには思えますね。あくまで僕個人の思い、ですけど。

Aiki80  次に、伝説の古流武術、八紘流合気柔術の継承者、上杉静の対戦相手である2号は、見た目は普通のオッサンです。普通の真面目な勤め人みたいな、温厚そうな、その辺のオッサン。だがその実態は、忍者の如き隠し武器術の達人。つまり昔の暗殺術に精通した武術家なんですね。上杉の古流柔術の神ワザに面白いように転がされる2号。だが一瞬の隙をついて、麻酔薬を塗布した極小の針を点穴(人体の急所)に打ち込んで、上杉を失神させる。何が起こったのか、各審判全観客の誰にも解らない。だが試合結果はノーコンテストに終わる。実在の古流柔術で一番のメジャーは合気道ですよね。他に、同系の武術には主なものに、大東流合気柔術、竹内流、柳生心眼流、そして八光流がある。漫画の上杉静の八紘流とは、この実在する古武術流派、八光流から取ったものでしょうね。合気道は主に関節技ですが、目立つのはだいたい逆関節を取っての、力を使わぬ投げ、ですね。昔、僕が合気道を習いに行っていた時、師範先生が遠心力を利用する投げ、というのを見せてくれたのですが、それには驚きました。二段投げのように、一度相手の身体を足元に投げ落としながら、落ちる力に遠心力をうまく加えて、そうですね、6、7メートルくらい先まで、相手の身体を飛ばしてしまう。このワザには僕はびっくりしました。僕もこの先生には何が起こったか解らぬ内に、投げて転がされていた、ということがありました。合気道には『気』という重要視するものがありますが、これは武道を長くやっていると打撃系でも何となく解ってきます。そういうもんです。合気道では特にゆっくりゆっくり『気』を身につける鍛錬を行いますが、この修練をある程度やると、何となく『気』が解ってきます。同じ日本古流柔術がルーツのブラジリアン柔術は、寝技の関節を極める方向に行っちゃった感がありますが、今の合気道系の武術には、理屈では説明の難しい神秘性があるように思われますね。あ~あ、合気道、もういっぺんやってみたいな。この両足じゃ無理かなあ‥。でも、2002年に制作された加藤晴彦主演の映画「AIKI」では、加藤が、車椅子の青年が合気道をマスターして精神的にも復活する物語を、演じているんだよねえ。あのドラマ、見てみたいなあ。

 続くグランドクロス第3試合、ロシア人の、シベリアタイガーと異名を取る、最強サンビスト、イリューヒンが、黒道着衆のハンターと対決。ハンターは、実際に寒冷地の雪山にて猛獣を猟銃にて仕留めている、本物の狩人。サンボのイリューヒンは立ち技打撃だけで、圧倒的に攻めまくる。ハンター3号は防戦一方で、じっと待っている。狩猟の一発必中を、格闘技の徒手空拳の試合の中で、ただ一瞬のチャンスを待っている。レフェリーの再三の警告にも、防戦一方のハンター3号。やがてその狙撃の一瞬が訪れ、狩人はシベリアタイガーを仕留める。これこそ空手の一撃必殺というものですね。黒道着衆4号は巨漢です。近年、K-1やプライド等でも選手がスーパーヘビー級に大きくなってますね。セーム・シュルト、ジャイアント・シルバ、ボブ・サップ、チェ・ホンマンetc‥。みんな身長は2メートル以上でウエイトは平均150キロくらいはありそう(みんな、以上はあるな)。試合ではいつもすぐ負けてるけど、曙選手も巨人ですね。黒道着衆4号は2メートル以上ありそうな巨漢から圧倒的怪力を使う、空手モンスターです。大人と子供程の体格差の、平成の姿三四郎、天才柔道家、吉岡代悟は猫の如き敏捷さとワザで戦うが‥。

20050628_15470_1  講談社の青年漫画誌「イブニング」の2大格闘巨編、「餓狼伝」と「軍鶏」からは目が離せません。いよいよ、グランドクロスクライマックス、メインエベント、高原トーマ対成島リョウ戦。リョウは以前、強姦し、恋人の菅原直人を人間的に破壊して、奈落に突き落とした、今は廃人同様の元アイドル女優、船戸萌美に、試合会場選手控え室廊下で、ナイフで腹部を刺され、深手の傷を負う。どうなるのか、メインの試合は!?医師の忠告も聞かずに、決戦に出陣する手負いの成島リョウ‥。このドラマは一貫して、主人公、アウトローの格闘技者、ナルシマ・リョウが暗黒面のファイターとして、菅原直人やトーマのような光面のヒーローへの挑戦と戦いを描く、光対闇がテーマですね。メチャ面白い漫画です。何でも実写映画化の企画もあって、菅原直人役にK-1チャンピオンのスター、魔裟斗(マサト)が抜擢されているようですね。「軍鶏」は、原作・橋本衣蔵、作画・たなか亜希夫にて隔週刊「イブニング」で大好評連載中。

 

 

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