ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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みなさまのプロフィール登録へのコメント

2014年06月07日 | 2014年の資産運用

 これまでプロフィールを登録していただいたみなさん、ありがとうございます。お一人ずつコメントを書く時間がやっと取れましたので、登録をいただいた順に私からひとことコメントをこの本文にて書かせていただきます。

 なお、このプロフィール登録はおっちょこちょいのななしさんからのリクエストがきっかけでした。リクエストは「ブログに集まっていらっしゃるみなさんのプロフィールと構成比がどのようなものか知りたい」というものです。登録されるか否かは全く自由ですし、登録をしないと今後コメントを受け付けないということでもありません。今回の質問は何問もありますが、答えたくない質問はスキップしていただいて結構です。ではコメントです。

しこさん

最初に登録いただき、ありがとうございます。お子さんもいらして30歳代だと元手をためるのが大変な時期ですよね。資産のうちすでに外貨建てが多く、30年のゼロクーポン債も所有されているとのこと。長期的展望を持っていることはとてもよいことだと思います。このブログをご覧になっていれば、独学の限界を突破して、みんなと一緒に勉強ができます。


Puffinさん

軽井沢の別荘での生活、きっと快適でしょうね。みなさんが羨むほどの年収と資産ですね。外貨へのシフトも十分と見受けます。かねてから私が一番感心しているのはPuffinさんの投資のタイミングです。リーマンショックを見事に乗り切り、というより見事に荒波を利用しての投資タイミングは、みなさんも見習いたいところだと思います。今後も波が立ち始めたら、是非みなさんに向けたアドバイスをお願いします。それとあまり貯め過ぎずに、たくさん使って下さい(笑)


目白のおっちょこちょいさん

たびたびの登場、ありがとうございます。投資済み資産の中ではかなり外貨建てが多いですね。ZAR、NZなどはめずらしいかもしれませんね。米国債への投資は気長にタイミングを待ちましょう。

 
おっちょこちょいのななしさん

いつもおばちゃん代表として、遠慮も忌憚もないご意見をいただき、嬉しく思っています。ホント。以前から投資のパフォーマンスを含めて公開していただき、ありがとうございます。成功談だけでなく、失敗談もとても貴重な情報です。ドル金利上昇、気長に待ちましょう。それより先に、円高待ちですね。


鋼鉄の男さん

たびたびのコメント、ありがとうございます。お一人様でたくさんの資産をお持ちですと、モテモテですね。いや、非公開かな(笑)。日本株比率が高いので、アベノミクスの恩恵はいっぱい受けているのでしょうね。利益確定即米国債シフトとなるといいですね。


ひでひでさん


はじめまして。資産の内訳に外貨建ての起債がありませんが、ゼロということでしょうか。安全資産がとても多いですね。慎重な投資スタンスをうかがえる内容です。その中に国債がありますね。直接日本国債に投資されている方は、決して多くないと思いますが、定期よりはずっと有利ですので、よい選択だと思います。ただ財政問題が起こりそうになったら、真っ先に逃げましょう。


投資初心者さん

初心者としてまず勉強するというのはとても大事です。証券会社などに「まずは授業料のつもりで投資を」などといわれても、納得できるもの以外には手を出さないようにしましょう。慎重な心掛けをいつまでも大切にしてください。

つづく
コメント (4)
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みなさまのプロフィール調査

2014年06月06日 | 2014年の資産運用
 プロフィールの登録の締め切りが、あと1週間となりました。6月12日木曜日が締切りです。

お済みでなくて迷われていらっしゃる方、是非話の輪にご参加ください。

よろしくお願いいたします。


ここまでに登録をいただきました方、誠にありがとうございます。

 この調査前までにある程度資産内容を公開していただいた方もいらっしゃいますが、お名前だけでやり取りをしていただいている方が新たに資産内容を公開していただけると、今後のやりとりに具体性が増し、楽しみが増します。

 また登録のついでにいただいたコメントに、私に対する励ましや感謝の言葉が含まれていました。

今後私自身の大きな励みになります。誠にありがとうございます。
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基軸通貨としてのドル その2

2014年06月02日 | 2014年の資産運用
 Owlsさん、その1へのコメントありがとうございます。FSXさんのご意見に賛成とのこと。そして、以下のように述べられています。
>少子高齢化の影響も想像以上で、実は受給ギャップなんて大してなかったなんて話も目にします。政府は財政再建にあまり熱心ではない。年間トータルで経常赤字転落するようだと、円は安全通貨という地位は失われるのではと思います。

 この経常収支に関して、興味ある議論をRBSのアナリスト西岡氏がしていました。それは「輸入浸透度」という指標についてです。輸入浸透度とは、一国の鉱工業製品の供給全体に占める輸入の割合ですが、日本ではこれがどんどん上昇しているという分析です。

                2000年   2013年
輸入浸透度 全輸入    8.5%     22%
輸入浸透度 除く燃料   7.5%      15%


 日本の全鉱工業製品の供給額に占める輸入品の総額は、00年の8.5%から13年には22%へ、コンスタントに上昇しています。特に輸入額の大きな石油などの燃料を除いても00年と13年では浸透度が2倍になっています。この傾向は一時のものではなく、長期の傾向値なので、なかなか押し戻せません。


 さて、基軸通貨についてです。前回はコーネル大学の教授の寄稿文を参照しながら、基軸通貨をどう評価するかのお話を差し上げました。教授の考え方は「ドル基軸は消去法の選択」というものでした。ドル基軸を数字の上で評価するため、各国の中央銀行が準備通貨としてどの通貨を選定しているか、構成比で比較しました。そしてドルは6割強の構成比で安定している様子を確認することができました。

 では基軸通貨としてドルが盤石なのかを見てみましょう。ここからは私の意見が中心です。

 ドルの最大の競争相手はユーロです。ユーロの準備通貨としての構成比は25%とドルの4割程度です。ユーロは導入時から数年の間、構成比を上げました。しかし25%前後になった時にユーロ危機が起こり構成比の上昇はほぼ止まっています。
 その最大の理由は、ユーロを構成する各国間の経済的交流が思惑通りに進まず、経済格差が縮小しないことです。経済的交流とは貿易だけでなく、労働人口の移動、資本の移動(投資)等です。通貨が統一されたおかげで貿易量は増加していますが、他の要素がイマイチ思惑通り国境を越えて流動化しないのです。スペインの失業者が失業率の低いドイツになかなか動きません。もう一つは、ドイツなど一部の国を除くと各国の財政状況が目標どおり改善せず、ユーロ参加基準を満たすことのできない国が増えていることです。

 今後もこうしたユーロの危うさが一気に解消することは望めないことから、ユーロに対するドル優位に大きな変化はなさそうです。私の意見は教授の「消去法」ではなく、「積極的選択」です。

 ではドル自身の中身を検証しておきましょう。ドルが基軸通貨として信頼を受け続けるために重要な点は、

① 経常収支の赤字が拡大しないこと

② 財政収支の赤字が拡大しないこと


 双子の赤字の状況がどうか、現状と将来を見ておく必要があります。まず2つの数字の現状を過去のピークとの比較で見てみます。

           06年      13年  (単位10億ドル)
経常収支    ▲800       ▲380


 経常収支の赤字のピークは06年の8千億ドルで、それが昨年は3千8百億ドルへと半減しています。今後も石油を中心としたエネルギー輸入の減少と製造業の本国回帰から赤字の縮小が見込まれます。

            09年      14年(予算)   (単位10億ドル)
財政収支    ▲2,122      ▲1,124


 財政収支もリーマンショック後に巨額の財政出動をしたため約2兆ドルの赤字になったものが、今年の予算は約半分の1兆ドルに大幅な改善となっています。アメリカの場合、日本と違い予算は単年度ではなく、複数年度で見込みを作成しますが、すでに財政赤字の削減計画が数年後まで与野党間で合意されているため、よほどの外的ショックでもない限りこのトレンドに変化はないものと思われます。

 以上のように、ドルの信認は大事な2つの点で改善が見込まれ、対抗馬のユーロがその差を拡げられる可能性が高いことから、ドル基軸が長期に渡り継続すると見込まれるのです。

  一方、安全通貨としてのドルには供給責任というある意味矛盾した宿命があります。世界が地政学的リスクを増しているため、安全資産に対する需要が非常に強く、双子の赤字による安全資産の供給が望まれているのです。これが基軸通貨であるがための矛盾した宿命です。

 ドルへの投資を考えている方には、こうした長期見通しは安心材料なのですが、一方安全通貨としてドル以外の選択肢が多くないため、金利が魅力あるレベルに到達しづらくなってしまいます。

 このところのドル金利低下については、世界のアナリストがこれだという原因を突き止められずにいます。私も数字として追える債券先物の売り建て玉の買い戻し以外は、確たる証拠を見つけられずにいます。上記の安全資産への志向は一つの大きな要素なのかもしれません。



コメント (2)
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