トランプも市場に打たれ、支持率が下がり、さすがに焦りを感じていることでしょう。もちろん彼はそれを決して外には出さず、むしろ他者を攻撃することで自己だけが正しく、自分以外のすべてのことは間違っていると主張し続けています。
例えば支持率に関して、全米の有力調査機関の平均値の推移を見ると、政権発足時は支持率が不支持率を大きく上回っていました。それが政権のメチャクチャな政策により3月12日には両者が同率となり、現時点ではひっくり返っています。
支持 不支持 差
・1月政権発足時 50% 44% 6%
・3月12日に両者が交差 0%
・現時点 45% 52% 7%
しかし政権100日目の先週、トランプはその支持率低下を指摘されると記者団に対して、「正しい調査なら支持率は60%~70%はある」と平然とウソをついています。
ちなみにトランプをあからさまに支持し、彼がよく出演するFOXニュースの最近の調査でさえ、支持44%、不支持55%とその差は平均値よりはるかに大きな11%となっています。これこそウソつきトランプの象徴的例です。
では本題に戻ります。
その1ではトランプ自身の精神分析をAIにしてもらいました。
それをサマリーすると、
自己愛性障害; 自分を神格化する発言、ウソで自己正当化
境界性機能 ; 忠誠心を絶賛したかと思えば即裏切る
投影性同一視 ; 批判されると「やつらがフェイクだ!」と怒る
特徴
フロイト的分析; 欲望主導型、自我が全く欠落
ラカン的分析; 虚構の自己イメージに囚われ、現実否認
言語分析 ;原始的思考パターン、論理より感情
以上が前回の「トランプの精神分析」の簡単なサマリーです。
このような人間が世界の大国アメリカの大統領になっているのですから、本当に恐ろしいですね。しかしそれを選んだのは彼よりはマシなはずのアメリカ国民です。
ここからは、彼の精神分析レビューの深堀から始まり、支持者の精神分析へと進んでいきます。ふたたびAIによる分析です。
1. トランプ本人の精神構造とその象徴性
トランプの人格構造は単なる「ナルシシズム(自己愛性障害)」にとどまらず、より原初的な「全能感」に固執している点が特徴です。本来、幼児期に感じる「自分は何でもできる」という感覚は、成長と共に現実との接触を通じて修正されるものです。
しかしトランプは、その発達過程が未完了なまま大人になったと考えられます。結果として、現実を受け入れる代わりに「現実そのものを歪めてしまう」という行動様式が見られます。
たとえば選挙での敗北を認めるよりも、「選挙は盗まれた!」と現実そのものを否定する。こうした態度は、彼の内部にある「万能である自分」という空想を守るための防衛反応なのです。
2. 支持者たちの心理的構造:なぜ彼に惹かれるのか
では、なぜ多くの人々がこうした人物に惹かれるのでしょうか?
精神分析的には、支持者たちはトランプに「自分たちの失われた全能感や誇り」を投影しています。グローバル化、経済格差、社会の多様化などによって、「自分は小さくなった」「取り残された」という無意識の傷を抱える人々が、トランプの強い言動に魅了されるのです。
彼の「俺は勝つ」、「アメリカを再び偉大にする」という態度は、支持者の内なる自己像、すなわち「かつての自分」「強かった自分」を代理的に生きてくれる存在となります。こうして、トランプの未成熟な万能感と支持者の無意識的な欲望が共鳴し、強固な精神的同盟が成立します。
3. フロイト的観点:集団心理のメカニズム
1921年にフロイトが著した『大衆心理と自我分析』では、「集団の中に入った個人は、自我の監視機能を指導者に委ねる」と述べられています。
つまり、個々人が普段持っている「考える力」や「抑制力」は、カリスマ的指導者が現れることで一時的に停止し、指導者に同一化するようになるのです。このとき指導者は「理想自我」として作用し、集団はその人物を通じて自己の理想像を投影します。
トランプはまさにこの「理想自我」として、アメリカ人が失ったと感じている「全能性」「自信」「勝利感」を体現しているのです。だからこそ、彼に従うことは単なる支持行動ではなく、「自分自身の拡張」でもあるのです。
4. 社会的背景:不安と権威主義の接点
現代社会は急激な変化にさらされ、多くの人々が慢性的な不安に苦しんでいます。情報の氾濫、経済的な不安定、文化的多様性の進行、そしてテクノロジーによる生活の変容などが、その要因です。
精神分析では、不安に直面したとき、人は以下のような「防衛機制」によってバランスを取ろうとします:
• 世界の単純化(白黒思考)
• 問題の投影(他者に原因を押し付ける)
• 強いリーダーへの依存(自分で判断する不安から逃れる)
トランプはこの構造のなかで、あたかも「不安社会が生み出した必然的な産物」のように登場します。彼が行う過激な発言や単純なスローガン(例:アメリカファースト)は、複雑な世界に対して「安心できる分かりやすさ」を提供し、人々の不安を一時的に解消する働きを持っています。
5. ファシズムとの精神力学的類似性
トランプ現象は、20世紀のファシズムと精神的メカニズムにおいて非常に似通った特徴を持っています。特に以下の点で共通しています。
• 無力感と暴力的補償:経済や文化の変化によって喪失感を抱いた人々が、外敵(移民・エリート・外国)への攻撃性で自尊心を補完しようとする
• 指導者の理想自我化:トランプを理想のリーダー、つまり「自分たちがなりたかった存在」として理想化し、同一化する
• スプリッティング(分裂思考):社会を「味方と敵」「真実とフェイク」に二分し、現実の複雑さから逃れる
これらは、ナチスやムッソリーニのファシズムで見られた集団心理と驚くほどの共通性を示します。違うのは、時代背景とメディア環境だけなのです。
以上がAIによる支持者の精神分析です。この分析により見えてきたものを私なりに振り返ると、ファシズムとの類似性が見られるため、とても恐ろしい現象だと思われます。
あの国会襲撃は、まさに支持者たちが自分の生命を賭してトランプのために破壊・殺りく行為を平然と行いました。21世紀の現代では映画でしかみられないことが、目の前で現実に起こったのですから。トランプ現象を傍観してはいけない。
過去に軍部の暴走による独裁を経験した日本人は、トランプ現象をどの国でも起こり得る現象だと考え、他人ごとにしてはならないと改めて思いました。
結論(総まとめ)
・トランプ個人の精神構造
トランプは「万能感」への固執により現実を否認する傾向を持つ
・支持者の心理
彼に「失われた誇り」や「強さ」を投影し、代理的に自我を回復しようとする
・社会背景
情報過多・格差・不安の中で、単純な解答と強いリーダーへの依存が進む
・精神力学
トランプ現象は、ファシズム的構造ときわめて近い集団心理の再来とも言える
以上、AIに力を借りた「トランプと支持者たちの精神分析」でした。
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