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コロナウイルスは何故世界を席巻できたか(再掲)

2021年05月01日 | コロナショック

 ちょうど一年前、一回目の緊急事態宣言最中の私の投稿を以下に再掲させていただきます。再掲したくなった理由は、世界のオレ様独裁者の内、最悪のトランプが排除されたことにより、やっと先行きに明るさが差し込んできたので、それを喜びたいがためです。

 しかし残念ながらワクチンの遅れから先進国で日本だけは取り残されつつあります。オリンピックを控えた日本こそ、真っ先にワクチン接種を進めなければならないはずなのに、それができない前例主義の政府が邪魔をしています。ワクチンをいまだ開発もできない国の政府が、世界中の国々で承認され何億人にも接種されているワクチンを承認する力量があるとは、全く思えません。にもかかわらず、偉そうにモデルナのワクチンを今頃承認し、オリンピック前のワクチン普及を遅らせました。

 

2020年5月1日の投稿  「コロナウイルスは何故世界を席巻できたのか」

 どうやら日本政府は経済優先ではなく、封鎖継続の道を選びそうですね。私としてはとても安心です。そして私の「モラトリアム(支払い猶予)宣言せよ」の声が少し届いたようで(笑)、家賃の支払い猶予や減免を国会で審議する可能性が出てきました。封鎖継続にはこうした措置が不可欠です。

  では本題の「コロナウイルスは何故世界を席巻できたのか」についてです。

  現在世界でもっとも懸念されているのは、申し上げるまでもなく新型コロナウイルスの蔓延です。一方、世界の政治状況で私が最も懸念しているのは、平気でデマと毒をまき散らす独裁的オレ様政権の跋扈です。コロナショックが世界を覆いつくす今、一番必要なのは各国の連帯によるコロナ阻止です。一国でコロナウイルスの蔓延を防ぐことなど全く不可能で意味をなしません。国境を陸地で接していようが島国であろうが、完璧な鎖国などできない現代の世界では孤立と封鎖は意味をなさないと思います。ましてやワクチンや特効薬の開発なども各国の連携無くしては後れを取ります。

  日本は特に他国との密接な関係により成り立っている国です。エネルギー、食糧という生存に必要な基礎物資のかなりの部分を輸入に頼っています。そして今回明らかになったのは、日本を含め世界がいかに中国に依存していたかでした。マスク一つ国内ではまともに作ってなどいない。より高度な製品であってもサプライチェーンの多くの部分を中国に依存しているため、自動車やエレクトロニクス製品の製造も、中国からの部品供給の停滞により製造ラインをストップせざるを得ませんでした。このことは中国も実は同じで、輸出に頼って国が成立しているため、供給をストップさせることは自分の首を絞めることになるのです。

  グローバル化が災いを招いた、それはそのとおりですが、これまで世界人類はグローバル化によって莫大なメリットを受けて、発展してきました。今後も同じです。 

  こうした相互依存関係が必要であることを多くの国のリーダーもわかっていながら、オレ様独裁者たちは自国優先を主張し他国との連携を拒もうとする。トランプがその最も象徴的リーダーで、彼の最大の主張は「アメリカファースト」です。コロナ感染を食い止めるために必要なリード役はもちろん放棄し、さらにWHOへの拠出金をこの大事な瞬間にストップするという暴挙に出て、人類を破滅の底に投げ入れようとしています。 

   一方で同じく共産党中国は新型コロナウイルスを初期に隠蔽し、さらにWHOをカネの力で取り込み、感染原因の追求と防止策を遅らせてしまい、人類を破滅に導きかねない状況に追い込みました。こうした愚かな大国のリーダー達により人類全体がどんどん悪い方向に向かって行こうとしています。

   こうしたオレ様独裁者の蔓延は大国ばかりではなく、中小国にも及んでいます。核戦力以外では中等国に成り下がったロシアでも、プーチンが皇帝の地位を確立しました。ご存じない方のためにこの3月の出来事を解説します。それはロシア大統領プーチンの驚くべき憲法改正です。3月にロシアは大統領の任期を2回までとする新たな憲法草案を議会で通過させました。

「いままでだって2回なのに、なんでまた?」と多くの方々が疑問に思うことでしょう。

  それにはとんでもない罠が仕掛けられていました。罠とは、次回2024年の大統領選挙から適用される、候補者の資格についてです。これまでの大統領経験者の任期はすべて不問に付す。つまりこれまでのプーチンの任期はノーカウントとされ、新たに2期12年大統領を続けられるとしたのです。

  すでに彼はこれまでの憲法で禁止されていた2期までの制限を、間にメドベージェフをいれることで交して院政を敷いたうえで再選され4期も務め、その後またこんなインチキな憲法改正を通しました。それがいまや皇帝に上り詰めたプーチンなのです。これで2000年から2036年、84歳になるまでロシアの歴史でもっとも長い通算36年に及ぶ独裁政権が成立します。

   ウラジミールは友人だと勝手に思っているどこぞの首相など、全く意に介していない独裁者です。反対者がいれば即座に抹殺し、報道の自由を奪い、権力保持のためなら憲法も捻じ曲げる、まさに帝政ロシアの皇帝に成り上りました。すでに正式に終身主席となった習近平と同等です。

  さらに中東には親類縁者を含め邪魔者を抹殺するサウジの若きムハンマド王子、フィリピンには法律を超えて殺人を許可するドゥテルテ大統領、コロナウイルスを「インフルエンザと同じだ」とバカにした発言を続けるブラジルのボルソナロ大統領。

 

  何故こうもオレ様独裁者達は判で押したようにコロナウイルスを過小評価しバカにしたりするのでしょう。マスクをしないと宣言したトランプ同様、「自分がコロナより強いところを見せないと気が済まない」のでしょう。そしてきっとコロナ感染が制圧されたあかつきには、「どうだ、マスクなんかしなくてもオレ様が制圧した」と宣伝材料に使うにちがいありません。

   私が見るところ、人類共通の敵であるはずのコロナウイルスは、こうした愚かな独裁者たちが争うのを見透かし、その間隙を突いて出現してきたように見えるのです。

  これが今回のお題、「コロナウイルスは何故世界を席巻できたか」への私の回答です。

 

  ではコロナ後に我々がしなければならないことは何か。

 「我々人類は次なる新たなパンデミックに備え、オレ様独裁者たちを駆除しなくてはならない」

  これが私の結論です。

 

以上、1年前の投稿内容でした。

 

  あれから1年を経て史上最悪の大統領トランプが排除され、アメリカはWHOに復帰し協力するようになりました。しかし中国はWHOの査察を今頃になって許諾し、原因追求は遅きに失してしまいました。オレ様独裁者の排除は、トランプ以外進んでいません。これでは次なるパンデミックの防御は万全のものとはならないでしょう。

 

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