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キャットシッターから見た10連休の日本人模様

2019年04月27日 | ニュース・コメント

  うちの家内は連休が稼ぎ時のキャットシッターです。キャットシッターはベビーシッターと同じで、ネコのいる留守宅にうかがい、ネコの世話をします。ネコは犬と違い、ペットホテルに預けるとストレスで気がおかしくなるため、環境を変えることができないのです。

   年末年始や連休の稼働率はいつも100%になるのですが、今回のせっかくの空前絶後の10連休なのに、お客さんの旅行のパターンに変化がないというのです。つまりいつも2・3泊で出かける方もそのままいつもの短期パターンだし、もともと長期旅行をする方は長期。といっても1週間がせいぜいだそうです。ちなみに外人のお客さんは毎年2週間の休みをGWと夏休み、冬休みの3回取りますが、もちろん今回も同じ。いつもリゾートで、毎回場所を変えるとのこと。

   もちろんキャットシッターの顧客数はわずか数十件の少ないサンプルなので、それですべての日本人の行動パターンが説明できるわけではありませんが、旅行者の予約数統計からも大増加ではないようです。

 

  ではGW中の旅行客数統計を毎年集計しているJTBの発表数字で見てみましょう。「トラベル・ボイス」からの引用です。まず全体動向から。

 「JTBは、2019年のゴールデンウィーク期間(4月25日~5月5日)の旅行動向の見通しをまとめた。それによると、総旅行人数は前年比1.2%増の2467万人になる見通し。そのうち、国内旅行人数は1.1%増の2401万人、海外旅行人数は6.9%増の66万2000人を見込む。」

   旅行者数全体はわずかプラス1.2%ですが、海外旅行者は約7%の増加を見込んでいますので、際立って多くはないですが、順当な伸びかもしれません。では日数はどうか。

 「海外旅行の日数は「3泊4日(17.6%)」と「4泊5日」(17.6%)が同率で最も多く、5泊6日以上が前年より増加。長い休みを利用した中長距離旅行の意向がみられる。方面別では、ハワイのほか、東南アジアや欧州が人気。豪州を含む大洋州も好調となっている。」

   いまいち長期旅行へのシフトがはっきりとは見えてきません。その穏やかな伸びの原因を以下のように分析しています。

 「今年のGWは、皇位継承に伴いカレンダー上では10連休となる。国内経済は懸念材料はあるものの緩やかな回復基調で継続。現在の暮らし向きについては「ゆとりがなくなってきた」との回答(日本銀行調べ)が2018年3月から減少。一方、JTBのアンケートによれば、今後1年間の旅行支出を「増やしたい」が16.1%、「減らしたい」が34.3%、「同程度」が49.6%となり、旅行支出の財布のひもは固い状況が続くものとみられる。」

  そうか、旅行支出を減らしたいという普段からの生活防衛の意識が財布のひもを固くしているようですね。では10連休の取得に関するアンケートはどうか。

 「アンケートによれば、自分自身が10連休以上の休暇がある人は31.5%。自分も家族も10連休以上ある人は21.7%。また、改元の日前後の過ごし方では、「神社やお寺にお参りをする」(27.5%)、「改元を記念したツアーに参加する」(20%)などの声が多かったという。」

   10連休の方は意外に少ない、という印象を持ちました。そして逆に「改元」が旅行やお参りなどの動機になっているのが見て取れます。このところ平成天皇が各地を回るたびに多くの方が一目見ようと押し掛ける様子がニュースになっていますが、この調査でもそれが読み取れますね。また今日の朝のニュースでは、「10連休に何もしない」という方が74%もいると言っていました。私のように毎日がGWの世代は、連休は逆に避けるのが正解なため、今後も連休需要が大幅に伸びることはなく、むしろ高齢化の進展は需要の平準化に貢献するのだと思われます。

  さて、みなさんはどのようにお過ごしでしょうか。私はいつものとおり、家で主夫をしています(笑)。

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