ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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平成とはどんな時代だったか その3

2019年02月23日 | 平成とはどんな時代だったか

 合意なきBREXITへのカウントダウンが始まっています。イギリス国会はひたすら小田原評定を続けるだけでなすすべもなく、メイ首相はむしろ時間切れを狙って最後の賭けに出ているようにしか見えません。つまり「迫りくる悪夢を避けるためには、私に賛成しなさい」という破れかぶれの戦略です。それが成立したところでEU側は再交渉には応じないとしているので全く無意味です。

  敵が目の前に迫っているのに小田原城内で評定を続ける北条氏そっくりです。メイ首相はEU側も混乱を避けるためギリギリで妥協してくれるのではないかというはかない夢を追っていますが、ありえません。せいぜい期限の引き延ばしでしょう。

   ホンダはイギリスからの撤退を発表しました。社長は「BREXITとは関係ない決断だ」などと見え透いたウソを言っていますが、そんな言い訳をしたところで得るものがあるとは思えません。ポピュリストの煽りに乗った愚かな国のツケがどうなるか、高見の見物することにしましょう。

 

さて「平成とはどんな時代だった」かの続きです。

   その1では、

「平成の30年とはバブルのツケを政府に付け替えた30年だった」と記しました。その2では、

 「ツケの規模は平成の30年間で政府の累積債務が250兆円から1,300兆円と1,050兆円増加した」ことでひどさが理解されることを示しました。

  さらに「アベノミクスの6年間、戦後最長の景気回復を記録したと喜ぶが、裏で200兆円も赤字を増やしたから」で、いずれそのツケをまとめて払うことになると数字で示しました。

   一方最近になり異次元緩和を手放しで礼賛していたエコノミストたちもほぼ全員が、さすがに「このままではいかん、幕引き方法をさぐろう」と言いだしています。

 時すでに遅し!

   景気の回復局面でこそ実行しなくてはいけない異次元緩和の撤収を少しもせずに、さらに戦線を拡大して伸び切り、兵站はもう追い付きません。オリンピック景気なるものは今がすでに絶頂で、あとは坂を下るだけです。

  日銀のクロちゃんは世界景気のスローダウンが見込まれているのに、依然として黒田節をうなり続けています。うなっていることはこれまでと変わらず、「打つ手はいくらでもある」

   金利をゼロからマイナスにするほど日本国債を買いまくったため、ついに国債も買えるタマがなくなりつつあります。株を買いまくればリスクを膨らませるだけだと言われているのに買い続ける。ではいったいあとは何の手を打つというのでしょう。ヤケ酒を飲んでゼロ戦による特攻ですか?自爆テロはコンビニだけでたくさんですよ!(笑)。

   では5月からの新元号の時代、今後の日本の危機に我々はどう対処したらよいのでしょう。打つ手はもちろんたった一つ。世界がひっくり返ってもたった一つだけ買われる超安全資産、みなさんの予想通り、

 「米国債を買え!」 です。

   日本の財政金融政策に対する疑念が膨れあがると、すべての日本の資産は売られます。きっかけが何になるかは予想しづらいのですが、私は日銀政策への疑念が大きいと思っています。

  その一つはやらなくてもいい株買いです。日本国債の買い入れは停止すればいずれ保有額は減ります。債券は償還を迎えるからです。しかし株式は売らない限り減りません。しかも値下がりが始まると損失が膨らみ、日銀までが計算上債務超過に陥る可能性があるのです。日銀が保有する上場投資信託(ETF)は昨年末時点で簿価は23.5兆円。それに対して自己資本は8.4兆円しかないのですから、値下がりによるインパクトはかなり大きいのです。もちろんそればかりでなく、日本国債の保有高は444兆円もありので、ちょっとした金利上昇による価格下落で自己資本は吹き飛びます。

   海外勢は日本円、日本株、日本国債、など売りやすい金融資産をはじめ、不動産を含む売りにくい資産まで手を伸ばします。特に金融資産は現物とともに先物市場での売りも可能なため、持たなくとも売れるカラ売りが可能です。

   すると資産価格のマイナス効果だけではすみません。円安は物価高を招きますので、悪性インフレにつながります。もちろんそうした日本売りが本格化すると、個人の金融資産1,800兆円のうち半分近くを占める預貯金も防衛に動き出します。それが円売りを加速させるのは間違いありません。

   こうした見方はすでに多くの方が気が付いていて、先に手を打とうとされる方が多くなっています。私がサイバーサロンへの投稿をまとめた著書、「証券会社が売りたがらない米国債を買え」を2011年に出版して間もなく、米国債を買いたいがどうしたらよいか、という問い合わせを数多く受けました。しかし実際に買った方はとても少なく、例えばサイバーサロンのメンバーで私の講演会に出席された方でも1割程度だったと記憶しています。きっとその方々は今頃密かにほくそえんでいらっしゃるでしょう。

  すでに申し上げているように、私は現在2冊目の著書を書き進めていて最終段階にいます。ここで初めて披露させていただきますが、タイトル案は「ストレスフリーの幸せ投資」です。

  こう書けば前の著書やブログを知らない方からは当然、

「ストレスフリーの投資なんてあるの?」

「幸せ投資なんてありえないでしょ」

という疑問をぶつけられます。

   でも回答はもちろん、

「あります!」 (キッパリ)

   その証拠はこのブログの読者のみなさんからの投稿です。しかも驚くのは、実際に投資を開始していなくともブログにたどり着いたとたんに安ど感から幸せを感じ、投稿をしていただいています。ブログの読者の方々の多くは私の著書「証券会社が売りたがらない米国債を買え」を読んでたどりつくか、あるいは米国債投資というキーワードでたどりついた方々です。

   ちなみに印刷書籍としての出版は第2版をもって終了していますが、今は電子書籍で毎年数百冊程度売れ続けています。売れない作家にとって電子書籍はとてもありがたい存在です(笑)。

   次回は幸せになられたブログ読者の方々の実例投稿をお目にかけます。すでにコメント欄にありますが、再度確認してみてください。

 

  ここで読者の方々にお願いです。私は2冊目の著書でいままでいただいた多くのコメントの中から特に今回の著書の趣旨に合い、参考になる経験談などを少数ですが引用させていただきます。もちろんお名前はたとえハンドルネームであっても伏せて、イニシャルだけ表示するようにいたします。それでも著書への引用はいやだという方がいらしたら、どうぞ遠慮なく申し出てください。その方のコメントは著書では引用しないようにしますので。

 

コメント (13)
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