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アベチャン対マスゾエ

2016年06月02日 | ニュース・コメント

  アベチャンが支離滅裂になっています。「リーマン・ショック前夜」というたわ言が世界のひんしゅくを買い、ついに取り下げです。みなさんもあきれていると思いますが、昨日の記者会見でこう言ってそれを取り下げました。

 「今はリーマン・ショックとは全く異なるし、大震災も起こっていない」

   G7という世界に発信する場でウソを言ってしまったことを、さすがのアベチャンもわずか数日で取り下げました。そのアベチャン、穴があっても入らないので、日本国民は恥ずかしくて穴に入りたくなります(笑)。

   しかし彼はそれどころか、厚かましくも「消費税上げは見送る」との公約を反故にしました。この決定に対する世界の報道を見ますと、ウォールストリート、フィナンシャルタイムズをはじめ、すべての主要報道が支離滅裂ぶりを非難しています。中には主要メディアとしては非常に珍しく「G7をなんだと思っているのか」、「自分勝手な都合を世界に押しつけるな」、「政権3年も経て成長できていないのは、恥かしい事態だ」とまで言っている報道もあるほどです。

   ではリーマンも見つからないし、大震災もないのに、どうして日本財政にとり最重要政策である消費税率上げを先延ばしするのでしょうか。なんとアベチャンの言い訳は、「これは新たな提案だ」そうです。自信たっぷりにアベノミクスで日本を再生し、増税は必ず実行すると前回の解散宣言で言ったにもかかわらず。ここまでコケにされた国民はほんとうにかわいそう。

    消費税率上げは消費者であるわれわれはある程度覚悟を持っていましたし、財界トップや全銀協会長まで「先延ばしすべきでない」とはっきりとコメントしたにもかかわらず、株屋さんのエコノミストや、世界の著名エコノミストなどに大合唱させ、それに政治家が悪乗りし「景気の腰折れになる」という理由から、先延ばしすべきだというトーン一色になってしまいました。そのため公約違反であろうが支離滅裂と言われようが、かまわず先延ばしにしました。

   この強気はどこから来るのか。それは国民という人質を取っているからです。先延ばしの大合唱を聞いているうちに国民は「先延ばししてくれたほうが助かる」と目先にこだわるようになり、世論調査では7割近くが先延ばしすべきという安易な方向に流れています。アベチャンは「これさえあれば選挙に勝てる」のです。国民にアメを持たせチョコを見せ、アイスを食べさせれば勝てる。財政再建など知ったことか。それがアベチャンのやり口です。

   昨日から私はテレビなどで「街の声」を注意深く聴いていました。声には一定の法則があることを発見しました。若い人には増税派が多いという事実です。たった数人であっても、先行き不安を抱える若者は、しっかりと将来を見据えている。それが見ていた私が感じたことです。選挙権年齢が18歳からに引き下げられ、新たに240万人が投票に加わります。果たして日本の若者は「怒れる若者」になれるか。そして若者以外でもアメに騙されない冷静な大人投票をどれだけの人がするのか。

   と言ってしまうといかにも消費増税が争点になりそうですが、実際にはそうではありません。何故なら野党が与党より先に増税先延ばしを選挙公約に掲げてしまっているからです。争点もない選挙で投票率がどうなるか。低投票率こそ自民・公明の望むところで、反対票を誰にも入れられない選挙民はシラケる一方でしょう。

  もうこうなったら我々は突撃隊を頼んで溜飲を下げる以外ありません。

アベ対マスゾエ、どっちのツラの皮が厚いか、テレビで突撃隊を組んで計りに行ったら、視聴率あがりまっせ(笑)。


  しかし世界は選挙だけでは済みません。格付けや、先日解説したベーシス・スワップのジャパン・プレミアムは、アメやチョコではごまかせないのです。

  このブログは今後もこれらの推移をしっかりと見ていきます。

 

コメント (7)
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