河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2491- ハイドン、哲学者、驚愕、ヘンツェ、7番、マルクス・シュテンツ、新日フィル、2018.2.2

2018-02-02 23:31:03 | コンサート

2018年2月2日(金) 7:00pm トリフォニー

ハイドン 交響曲第22番変ホ長調 哲学者  6-5-3-3

ハイドン 交響曲第94番ト長調 驚愕  8-6-4-4

Int

ヘンツェ 交響曲第7番  11-12-5-8


マルクス・シュテンツ 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団


気鋭の指揮者によるハイドン2曲とベルリンフィル創立100周年記念委嘱作品のヘンツェの7番シンフォニーをカップリングしたプログラム。
ハイドンは色々と趣向を凝らした演奏、ヘンツェはドイツ正面突破の作品にふさわしいシュテンツの熱演。

教会ソナタフォルムの哲学者。新日フィルの柔らかい音、真綿のような音色、それでいてストレートなノンヴィヴが活き活きした活力みなぎる演奏で心地よさがなんとも言えず天にも昇るアトモスフィアを醸し出す。
柔らかさの極みと活き活き活力のコンビネーション。オケの配置も奏功しているのか。
12-12-8-6-4(たぶん)で、指揮者の先にヴィオラ8、そこを中心に他弦をミラー風にスプリットした対向配置。ベース左右2ずつ、チェロ左右3ずつ、ヴァイオリンは左右12ずつ。
第1楽章ではホルン2本がステージしもてで立ち吹き。同じくかみてではイングリッシュホルン2本立ち吹き。横幅が大きくとられた空間で弦も集中するセットアップというよりは拡散系の配置。絶妙な棒無しシュテンツのパースペクティヴがよく効き、コントロールもさえわたる、これがその柔らかハイドンの極意なのか。今出来上がったような作品に触れるような新鮮な肌ざわり。素晴らしい。ハイセンスの塊のようなシュテンツ、見事な演奏のオーケストラ。ビューティフルですなぁ。

次の驚愕。弦は同じまま管が増幅。それで柔らか活き活きサウンドは不変。本格的なシンフォニー、序奏の奥行き感、そのままフェザータッチの主部。
第2楽章始まるや、しもてのベースさんがややかみてサイドの管にカツ。びっくり目が覚めるというしかけ。なかなか洒落た趣向。存分に楽しめた驚愕。
ハイドン哲学者、驚愕、共通項の多い演奏はシュテンツのスタイルでしょうね。お見事な演奏、堪能しました。

後半のヘンツェ。
お初で聴く作品。ざっくり、第1楽章はリズム、シンコペーション気味のよく聴くとジャジーな雰囲気もある。次の2楽章は緩徐楽章でこの作品中、一番長い。弦のメタリックに押し込んだような流れと管とパーカスによる盛り上がり、最後は調性を感じさせながらシュトラウスの死と変容のような響きを醸し出しながら終わる。3楽章はスケルツォ風、第1楽章のリズムと似ているようなところもある。終楽章はリズムと流れがカオスのようになり突然終わりをむかえる。
3,4楽章は音圧的力感が圧倒的だが、1,2楽章に比してバランスが今一つで、尻つぼみ的な印象。第2楽章の質感が山頂といったところか。

突然の終止はシュテンツが棒を持たない左手の指を天に指したまま、じっとしてしばらく動かず、余韻の消えるのを待つ。

曲の構成は分かりやすくて、最初の泡立ちのようなウィンドから始まって色々と趣向を凝らしフィニッシュに向かうその進行は分かりやすい。響きにとっつきにくさは無くて、覚えれるような節は無いがそれでももう一度聴こうかなという気持ちにはなる。

シュテンツは作品共感の棒でオーケストラの音がシュテンツの身体に巻きついていくような説得力の大きなもの。オーソリティがオーケストラの音を作っていったというのがよくわかる新日フィルの熱演でした。ハイドンからがらりと変わった大規模16型でウィンド、管、パーカスも思いっきり増幅。弦のなめし皮のような流れ、ウィンド、ブラスセクションのハーモニーと刻みの柔らさ、パーカス類の引き締まった表現。高濃度の演奏を満喫できました。

明日もう一度、聴きます。
おわり