河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

330- XRCD24で聴くマタチッチのブル7

2007-06-26 20:18:00 | 音楽

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この前、

マタチッチのブル5をXRCD24で

ということで書いたが、あまりいい感じでは書かなかった。

でも、やっぱりこのようなものが出ればつい買ってしまう。

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ブルックナー/交響曲第7

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ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮

チェコ・フィル

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録音:19673

2枚組み\4,200

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XRCD24による高音質CDである。

ブル5と同じく2枚組である。

オリジナル・マスター使用で、最高の音質だと思う。

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内容はどうであろうか。

これまた買ってのお楽しみということになるが、ちょっとだけ。

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ブル5とはかけ離れた演奏である。あの単刀直入、朴訥で強引な音の作りはここにはない。

曲想の雰囲気が5番のギクシャクとした感じは7番にはなく滑らかで洗練された音楽であるため、違いがあって当然とも言えるが、それにしても、かなり異なる。

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しなやかな音の作りで、細部を妙に誇張しない音づくりは変に作為的でなく好感が持てる。

やや強めのブラスの朗々とした響きなど、日本でふた昔、四半世紀前に、流行った演奏である。ブルックナーをヨーロッパの作品群の一つとしてとらえたあまり肩肘の張らない鳴らしていく明快な演奏である。

マタチッチの7番のタイミングは、5番の場合と異なり、非常に平均的なものであり、最初にジャケットのこのタイミングを見ただけで、少しばかりではあるが5番との違いが垣間見えた。逆に言うと7番の方はたぶん揺さぶりはないであろうと。

実際のところそうであった。

リラックスの極みは第14楽章のエンディングの最後の一音。今どきの演奏とは全く異なる。スゥッ、とあっという間に消えいる。これはマタチッチ独自の解釈かもしれないが、気張らない演奏が妙にさわやかだ。

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5番と同じく2枚組で、CDの場合、余裕のあるプレス、などと言えるのかどうか知らないが、なんとなくありがたみがある。

LP族にとっては、余裕の収録が音楽の余裕につながるような気がしてありがたみが増す。

サウンドは素晴らしいの一語に尽きる。昔のチェコ・フィルの独特のサウンド。

大層なバスなどではなく、弦が一つずつに分解されて、生地の糸の一つ一つが見えるような独特の音色。そしてブラスは一人ずつはベラボーなのにあくまでもアンサンブルを重視したこれまた青黒く響き渡る素晴らしいサウンド。

コレクションマニア向け風で、LPと同じような見開きのジャケットで、両側に一枚ずつビニール袋にCDがおさまっている、といった感じであるが、内容的にはコレクションではなく頻繁に聴きたくなる演奏だ。

解説は宇野さんではない。

おわり

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