NHKまるごと放送 バンベルク4 1990-5
1990年バンベルク交響楽団の来日公演は4月28日(土)から5月11日(金)まで12回行われた。全部ブラームスである。
4月28日(土)初日から4日間連続でサントリーホールに通えばブラームスの交響曲と協奏曲をまるごと聴くことができる。その通りにした。
4月28,29,30日のことは書いたので、今日はブラームス・チクルス四日目。
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5月1日(火)7:00pm
サントリーホール
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ブラームス/ピアノ協奏曲第2番
ブラームス/交響曲第4番
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ピアノ、エリザベート・レオンスカヤ
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ホルスト・シュタイン指揮
バンベルク交響楽団
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交響曲第4番といえば、フルトヴェングラーの草書風にやつしまくった演奏から、晩年のジュリーニの空中分解のような演奏まで、いろいろと聴く楽しみがある。
4番は音色的に明るさを求めているような箇所が多く、中低音の織りなす分厚いサウンドの縞模様よりも、高音楽器の華やかさの方に耳を奪われてしまうことが多い。パッサカリア風の趣きがいい気持ちだ。バンベルクはそのような方面のことを強調しているような演奏であったのだが、そうすると、この曲で活躍する楽器の技術的側面が浮き彫りになる箇所が少なからずあり、また明るさが音楽の幅を狭くしているような気がした。音楽表現はこのように難しい。あっちをたてればこっちがたたず。ニューヨーク・フィルやベルリン・フィルのような完全な楽器でなければ、4番の成功演奏は成し遂げられないのかもしれない。
フルトヴェングラー&ベルリン・フィルの演奏はとんでもないが、指揮棒を持った震える腕の動きがそのまま音化したようなベルリン・フィルの演奏にかなうものはこの世にない。シュタインも別の楽器でこの曲の棒を振っていれば、より透明感あふれる素晴らしい演奏になっていたことであろう。
ピアノ協奏曲の方は、レオンスカヤが初日、第1番の協奏曲でエネルギーを使い尽くしてしまったのかどうか、というよりも、体力的なエネルギーだけが残っていて、神経の方は在庫が残っていなかったのかもしれない。
空回りというか、音は出るのだが、ラフ。
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とにもかくにも、ブラームスの交響曲協奏曲管弦楽をこのように通して聴けるというのはありそうで、ない。
五月晴れさえも秋の空にさせるバンベルクの演奏は総じて素晴らしいものであった。
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バンベルク交響楽団のこの来日公演のうち東京4公演は、あとでNHK-HMで放送された。
1990年バンベルク交響楽団
来日公演ブラームス・チクルス
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1990.4.28(土)7:00サントリーホール
ピアノ協奏曲第1番(1990.8.11放送)
交響曲第1番(1990.8.11放送)
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1990.4.29(日)2:00サントリーホール
悲劇的序曲(1990.4.29生放送)
ヴァイオリン協奏曲(1990.4.29生放送&8.12再放送)
交響曲第2番(1990.4.29生放送&8.11再放送)
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1990.4.30(月)2:00サントリーホール
交響曲第3番(1990.8.12放送)
ダブルコンチェルト(1990.8.12放送)
ハイドン・ヴァリエーション(1990.8.11放送)
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1990.5.1(火)7:00サントリーホール
ピアノ協奏曲第2番(放送なし)
交響曲第4番(1990.8.12放送)
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ピアノ、エリザベート・レオンスカヤ
ヴァイオリン、フランク・ペーター・ツィンマーマン
チェロ、堤 剛
ホルスト・シュタイン指揮
バンベルク交響楽団
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4月29日の昭和天皇誕生日の公演は生中継された。
5月1日のレオンスカヤによるピアノ協奏曲第2番は放送されていない。不調だったのかもしれない。それも、本人が聴いて確認するわけだからテープは残されているだろう。
4公演全部のテープはあると思われるので、是非CDで出してほしいものだ。
河童は生放送の分も含め、河童蔵に全部あるようだ。
但しメディアはDAT。
わりと明るい系の音色で収録されている。
また4月29日の生放送の方のDATは、こころもち迫力があるように感じる。音に力があるというか。
DATは淘汰されてしまったが、音質は抜群、長時間収録が可能で非常に便利。個人で楽しむには何の問題もない。
1500本のDATをCDRに焼き付けなおす作業はする気がしない。時間がかかる、というよりも、CDRの収録時間の短さが問題。DVDでもいいが、そんなことをうつらうつら考えているうちに、新メディアが出てくるに決まっている。
DATデッキが消滅する前に、新フォーマットの長時間収録メディアが出現すれば何の問題もおこらない。
おわり
4月28日(土)初日から4日間連続でサントリーホールに通えばブラームスの交響曲と協奏曲をまるごと聴くことができる。その通りにした。
4月28,29,30日のことは書いたので、今日はブラームス・チクルス四日目。
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5月1日(火)7:00pm
サントリーホール
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ブラームス/ピアノ協奏曲第2番
ブラームス/交響曲第4番
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ピアノ、エリザベート・レオンスカヤ
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ホルスト・シュタイン指揮
バンベルク交響楽団
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交響曲第4番といえば、フルトヴェングラーの草書風にやつしまくった演奏から、晩年のジュリーニの空中分解のような演奏まで、いろいろと聴く楽しみがある。
4番は音色的に明るさを求めているような箇所が多く、中低音の織りなす分厚いサウンドの縞模様よりも、高音楽器の華やかさの方に耳を奪われてしまうことが多い。パッサカリア風の趣きがいい気持ちだ。バンベルクはそのような方面のことを強調しているような演奏であったのだが、そうすると、この曲で活躍する楽器の技術的側面が浮き彫りになる箇所が少なからずあり、また明るさが音楽の幅を狭くしているような気がした。音楽表現はこのように難しい。あっちをたてればこっちがたたず。ニューヨーク・フィルやベルリン・フィルのような完全な楽器でなければ、4番の成功演奏は成し遂げられないのかもしれない。
フルトヴェングラー&ベルリン・フィルの演奏はとんでもないが、指揮棒を持った震える腕の動きがそのまま音化したようなベルリン・フィルの演奏にかなうものはこの世にない。シュタインも別の楽器でこの曲の棒を振っていれば、より透明感あふれる素晴らしい演奏になっていたことであろう。
ピアノ協奏曲の方は、レオンスカヤが初日、第1番の協奏曲でエネルギーを使い尽くしてしまったのかどうか、というよりも、体力的なエネルギーだけが残っていて、神経の方は在庫が残っていなかったのかもしれない。
空回りというか、音は出るのだが、ラフ。
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とにもかくにも、ブラームスの交響曲協奏曲管弦楽をこのように通して聴けるというのはありそうで、ない。
五月晴れさえも秋の空にさせるバンベルクの演奏は総じて素晴らしいものであった。
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バンベルク交響楽団のこの来日公演のうち東京4公演は、あとでNHK-HMで放送された。
1990年バンベルク交響楽団
来日公演ブラームス・チクルス
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1990.4.28(土)7:00サントリーホール
ピアノ協奏曲第1番(1990.8.11放送)
交響曲第1番(1990.8.11放送)
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1990.4.29(日)2:00サントリーホール
悲劇的序曲(1990.4.29生放送)
ヴァイオリン協奏曲(1990.4.29生放送&8.12再放送)
交響曲第2番(1990.4.29生放送&8.11再放送)
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1990.4.30(月)2:00サントリーホール
交響曲第3番(1990.8.12放送)
ダブルコンチェルト(1990.8.12放送)
ハイドン・ヴァリエーション(1990.8.11放送)
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1990.5.1(火)7:00サントリーホール
ピアノ協奏曲第2番(放送なし)
交響曲第4番(1990.8.12放送)
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ピアノ、エリザベート・レオンスカヤ
ヴァイオリン、フランク・ペーター・ツィンマーマン
チェロ、堤 剛
ホルスト・シュタイン指揮
バンベルク交響楽団
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4月29日の昭和天皇誕生日の公演は生中継された。
5月1日のレオンスカヤによるピアノ協奏曲第2番は放送されていない。不調だったのかもしれない。それも、本人が聴いて確認するわけだからテープは残されているだろう。
4公演全部のテープはあると思われるので、是非CDで出してほしいものだ。
河童は生放送の分も含め、河童蔵に全部あるようだ。
但しメディアはDAT。
わりと明るい系の音色で収録されている。
また4月29日の生放送の方のDATは、こころもち迫力があるように感じる。音に力があるというか。
DATは淘汰されてしまったが、音質は抜群、長時間収録が可能で非常に便利。個人で楽しむには何の問題もない。
1500本のDATをCDRに焼き付けなおす作業はする気がしない。時間がかかる、というよりも、CDRの収録時間の短さが問題。DVDでもいいが、そんなことをうつらうつら考えているうちに、新メディアが出てくるに決まっている。
DATデッキが消滅する前に、新フォーマットの長時間収録メディアが出現すれば何の問題もおこらない。
おわり