河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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0234- トスカニーニ ニューヨーク・フィル in PA

2007-03-22 21:25:00 | 音楽




 

ニューヨーク・フィルの1929-1930シーズンは、1929年10月3日に始まり、1930年4月20日まで行われました。
113回の定期公演でした。
そして、このシーズンは4月20日に終了後、ヨーロッパ・ツアーを行っております。
このツアーは5月3日から6月4日まで約一か月の間、ヨーロッパ各地をまわるというものでした。
指揮はアルトゥーロ・トスカニーニ。
23回の公演を行っております。

これらとは別に、昨日も書きましたがフィラデルフィアでの公演も行っております。
今日はトスカニーニと一緒にフィラデルフィアに行ってきました。

1929年11月4日(月) 8:15pm
アカデミー・オブ・ミュージック
フィラデルフィア

ロッシーニ/アルジェのイタリア女、序曲
ベートーヴェン/交響曲第7番

トマジーニ/ヴェネツァのカーニヴァル
ワーグナー/神々の黄昏より、
 夜明けとジークフリートのラインへの旅

アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック

前半後半ともに、イタリアものドイツものをセットにした非常に興味深いプログラム・ビルディングとなっております。
トスカニーニならでは、という感じではあります。日本人がこのようなプログラムを組んでも奇異に思われる、というか誰も何とも思わないでしょう。
それにしても突進するベト7が目に浮かんできます。
ところで、このシーズンも12代常任のウィレム・メンゲルベルク、13代常任のアルトゥール・トスカニーニが定期を振り分けておりました。巨頭体制といったところでしょうか。
メンゲルベルクは1922-1930の間、トスカニーニは1928-1936の間、常任指揮者をしてましたので、1929年といえば、トスカニーニ時代の始まりということになります。
この11月4日のフィラデルフィア公演の前日は旧メトロポリタン・オペラ・ハウスで、トスカニーニの棒のもと、ベルリオーズのイタリアのハロルド、フランクの交響詩「アオイロスの人々」、レスピーギのローマの祭り、を振っております。
当時ニューヨーク・フィルが日常的に公演を行っていたホールは、カーネギー・ホール、旧メトロポリタン・オペラ・ハウス、ブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック、の3ホールですから、今の東京のNHK交響楽団に例えると、NHKホール、サントリー・ホール、オーチャード・ホール、といったところでしょうか。
たまに、各地での演奏会を行うといったところも似てます。
N響は現在、週2公演、同一プログラムで通してますが、日本のキャパ的には妥当なところかなとは思います。ニューヨーク・フィルは当時すでに同一プログラム2,3回公演をこなしておりました。

メンゲルベルク、トスカニーニの時代はどのように光輝いていたのでしょうか。当時のこのオーケストラの音は今となっては貧弱な音でしか聴くことが出来ないのです。あの時代にワープしてきても、うまく言葉で表現することはままなりません。
音が残っていない時代の匠は語られることがあまりありません。この時代のメンゲルベルク、トスカニーニについて語られることは一般にはあまりありません。音が残っていない、というのは決定的に弱い。
このようなプログラムを見ながら過去に思いをはせるしかないものなのでしょうか。
おわり