くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「念力家族」笹公人

2015-06-18 20:36:17 | 詩歌
 この本が文庫で入手できる日が来ようとは!
 し、しかもNHKでテレビドラマ化?! どんな内容なのか、知りたいようなそっとしておきたいような……。
 笹公人「念力家族」(朝日文庫)。かつて単行本が気になって気になって。どこかの図書館から借りたはずなので、再読です。多分。似たようなタイトルなので、自信ないけど。でも、「生徒会長レイコ」は読んだ覚えが……。
 そこから紹介しようかと思いましたが、意外と「レイコ」が短かったので、「念力学園」から少し。
「あの土手に金八先生あらわれて暮れなずむ町あとにするなり」
 歌詞を見事にはめ込んでいておもしろい。似たようなところで、
「落ちてくる黒板消しを宙に止め3年C組念力先生」。
 こういうのも好きです。
「満員電車こころで歌うメロディーを隣の男よなぜ口ずさむ」
 偶然かもしれないけど、念力のせいかもしれない。ふっと自分の頭の中を覗かれた気がして。
 ちなみに、この次のページに掲載しているのが、あの有名な「『ドラえもんがどこかにいる!』と子供らのさざめく車内に大山のぶ代」です。
 帯にも八首の短歌が記載されていますので、気になるならば読んで損はないと思いますよ。ただ、読者を選ぶといえなくもない。「魔除け少女」とは、何が魔を避けさせるのか。上の句はどれも同じで、下だけ変えてあるんですが、ハムスターの牙をはじめて見たり、般若面が割れたり、方位磁石も割れ、おばあさんは仏間で真言を唱え、さらに竹槍を持ってきてお母さんに渡す。
 このシュールさ! わたしは大好きなんですが、授業で好きな短歌を紹介するような場合にこういうのを発表されると困りますよね。
 朱川湊人さんとの共著「遊星ハグルマ装置」、何度か手にとっては棚に戻してきたのですが、これを機に読むべきでしょうか。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿