くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ぼく、牧水!」伊藤一彦・堺雅人

2016-07-14 22:37:46 | 詩歌
 詩歌に関心がある昨今。図書館の棚も熱心に見てしまいます。
 昨年一度借りたものの途中で返却した「ぼく、牧水!」(角川ONEテーマ21)を借り直しました。なにしろ気になって気になって。
 俳優の堺雅人さんが、高校時代の恩師伊藤一彦先生と、若山牧水について対談する。伊藤先生は社会科教師で歌人。カウンセラーでもある方で、ちらちらとめくっただけでも二人の親密さが伝わってくるのです。
 堺さんと一緒に、わたしも牧水のことを教えていただきたい! と思いまして。
 牧水といえば「白鳥は哀しからずや」や「幾山河越えさりゆけば」、それから酒好きというイメージしかなかったわたしですが、彼の「あくがれ」や「あめつち」に着目する伊藤先生のお話になるほどなぁと思わされます。
 わたしのイメージよりも、牧水は言葉感覚が繊細ですね。

    吾木香すすきかるかや秋くさのさびしききはみ君におくらむ
    海底に眼のなき魚の棲むといふ眼のなき魚の恋しかりけり
    きゆうとつまめばぴいとなくひな人形、きゆうとつまみてぴいとなかする
    なにゆえに旅に出づるや、なにゆえに旅に出づるや、何故に旅に
    先生のあたまの禿もたふとけれ此処に死なむと教ふるならめ
    
 全体的にみると、やっぱり酒と旅の歌が多いようです。で、堺さんは牧水の「日向人」としての感性に目を向ける。
 わたしは東北からほとんど出ないので、宮崎なんてすごく遠い国のように思うのですが、やっぱりその土地土地の「気質」があるのですね。(お二人は地酒にたとえていました)
 
 わたしは堺さんのドラマについて知識はあるのですが、余りテレビをつけないためちゃんと見たことはありません。でも、どんな役をやりたいと注文をつけないとか、役づくりのために「型」から入るというお話、大人になるのも悪くないなんて考えを知るとがぜん興味がわいてきます。
 また、哲学なども積極的に読んでいて、読書を自分のものにしているのが魅力的ですね。
 以前から気になっていた「文・堺雅人」を読んでみたいと思います。彼も、書かずにはいられない人なのだろうと感じました。

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