くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「老後の資金がありません」垣谷美雨

2016-07-15 04:58:09 | 文芸・エンターテイメント
 図書館にいくと、あといつ来られるのかという不安から借りてしまいます。
 ひさしぶりに垣谷美雨作品をふたつ借りました。今日は「老後の資金がありません」(中央公論新社)から。

 パート主婦の後藤篤子は、娘の結婚式に六百万円かかると知って愕然とします。
 地味な娘のさやかは、年下のサラリーマンとの結婚を決めたのですが、彼の実家が大手スーパー経営とあってかなりの出費に。
 さらに義父が亡くなり、喪主をつとめたところ、こちらもかなりの金額。友人のサツキと話していたら、とにかく葬式にかけるお金は抑えたいと言っていた彼女の父は、アットホームな心に残る式を計画し、それを実践したことを知ります。
 貯金はあった、はず、なのに……。
 あっという間に減ってしまったお金をなんとかしないと、老後は不安で仕方がないとおびえる篤子ですが、他の人以上に働いても正社員にはなれず、しかもリストラを言い渡されます。
また、さやかが暴力を振るわれているのではないかとの疑念もあり、心休まる暇もありません。
 そして、さらに夫まで職を失い、毎月の仕送りにも事欠いて義母と同居することに。

 子どもの学費、高いですよね。
 老後のことを考えると、わたしもうすら寒く感じます。
 この作品でもっともバイタリティがあるのは、老人施設にいる義母だと思います。同居後の行動に驚かされますよ。
 老後の資金を貯めておかなければと思いました。

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