くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ダーシェニカ」チャペック

2010-03-22 06:00:42 | 外国文学
蔵王に泊まりに行ってきました。露天風呂で川の音を聞きながら、ゆったりしていると、大分気が楽になりました。
で、このホテルにあったこの本が気になったので読んでみたのです。カレル・チャペック「子犬の生活 ダーシェニカ」(ブロンズ新社)。
わたしも犬を飼ったことがあるので、身に覚えがあることがたくさんありました。母犬とレスリングしたりいろいろなものを噛んでめちゃくちゃにしたり、穴を掘ったり。
巻末にはかわいい写真もいっぱいです。
ダーシェニカは、ワイヤー・フォックステリアの女の子。やんちゃで甘えん坊のこの犬に、幼少期をプラハで過ごした小野田若菜さんは夢中になります。戦前に書かれたチェコ語の本であるに関わらず、かわいい挿絵とおてんばなダーシェニカの仕種。小野田さんは、著者がこの子犬を人に譲ってしまったこと(文中では「お勤めに出す」)にも不満を抱くほど好きだったようです。
わたしがおもしろかったのは、チャペックが語るお話で、神様が骨・肉・毛の山からそれぞれパーツを組み立てて犬を創るくだり。まず、フォックステリアとピンシャーを創り、昼休みを取ったのですが、骨の山から兎を追い掛けようとグレイハウンドが出現。肉の山からはブルドックとボクサー、毛の山からはセント・バーナード、プードル、チン、ペキニーズができたところへ神様が戻ってきたら、もうほとんど何も残っていなかった。最後に残ったパーツを使ってできたのがダックスフントなんですって。

さて、「ことりはうす」にも行ったのですが、この日、お昼におしるこが振る舞われることになっていたのです。うちの息子、あんこが大好きなので……午前中ずっとここにいましたよ。
わたしは希少生物に興味があるので、コウノトリやトキ、アホウドリの説明は目を皿のようにして見てきました。
こういう場所に来るとどうしてもチェックしたくなるのは図書コーナー。野鳥を中心に絵本や雑誌が揃っていたのですが、なんとそこに「とりぱん」(とりのなん子・講談社)が!
うわーい。わたし、前の方の巻は読んでいるので、⑧と⑦を読んできました。おかしー、アトリが群れを作ると聞いて慌てたり土手から小学生が転がり落ちてきてびっくりしたり、とりのさん、視点がいいのです。でもって、この人は抒情的な人だと思う。⑦の巻頭まんがが、なんともいえません。読者からのおたよりコーナーもおもしろい。
実はもっと読みたかったけど、おしるこができたというのでやむなく中断。おいしかったですー。
この日、観察コーナーにはリスもきていました。
実家の裏が山なのでそれなりに鳥の声に囲まれて育ったはずなのですが、今回はじめてこれがこまどりの声なんだ、というのを知りました……。(山ではなじみの声です)