アメリカの大統領選挙の結果次第では、我が国は戦後レジームからの脱却を迫られることになるだろう。アメリカのメインストリームメディアはこぞってバイデンの優勢を伝えており、トランプが負けてバイデンが勝つようなことがあれば、中共の脅威はより深刻なものになるからだ▼まずは国論を統一し、国民が結束しなければならない。国家として身構えることで、自らの力で危機を乗り切らなくてはならない。そのためにも憲法改正は必須である。もはや避けて通ることはできない。アメリカが同盟国としての役割を果たしてくれるのであれば、平和安全法制だけで充分である。しかし、中共に媚びるバイデンが当選すれば、厳しい現実に直面することになるだろう▼現憲法によって交戦権を否定された我が国は、その存立の基盤を他国に依存している。東アジアからアメリカ軍が手を引くならば、尖閣諸島は中共軍の手に落ちるだろう。私たちは何を守るべきかを明確にしなくてはならない。三島由紀夫は「天皇と軍隊とを栄誉のきずなでつないでおくことが急務」(『文化防衛論』)であると訴えた▼最終的には、国軍として日本を守り抜く覚悟が自衛隊にあるかどうかであり、流浪の民にならないために、それを国民が支持するかどうかなのである。トランプの勝利を願わずにはいられないが、最悪の事態も想定しておかなくてはならないのである。
日本のメインストリームメディアはバイデン親子の闇についてまったく触れない。なぜそこまでしてバイデンを応援する必要があるのだろうか。ジョー・バイデンの息子のハンターはロビイストの登録もせずに、ロシアや中共の代弁したことなどが暴露されているにもかかわらず、まったく取り上げないのである▼その一方でネットでは大変な騒ぎになっている。その違いは一体何を意味するのだろうか。日本においても、中共などの静かなる浸透工作が進行しているからなのだろうか。あまりにも展開が急なので理解するのが大変ではあるが、大統領選に影響を与えることは間違いない。トランプ陣営はそのバイデン親子のスキャンダルを問題視して、テレビのスポットでバンバン流している▼昨日アップされたユーチューブで、ケント・ギルバート氏も「第2弾大統領選挙 バイデン息子手口がやばい?」という題で突っ込んだ話をしている。弁護士らしく言葉を選んではいるものの、発端となったパソコンがハンターのものであることはほぼ確実だと断言している。今後も第3弾、第4弾を準備しているようなので、注視したいと思う。劣勢を伝えられていたトランプは、ここにきて攻勢に転じており、一発逆転の可能性も出てきた。日本のメインストリームメディアが口を拭ったままであるのは、あまりにも異常である。
日本のリベラル派のなかにも冷静な識者がいる。東浩紀がAERAdot.15日付に「日本学術会議の任命拒否問題は菅政権のしたたかな戦略かもしれない」との一文を書いていたからだ▼東は多くのマスコミや野党のように一応は「説明責任を求めたい」としながらも、菅政権が「こんな暴挙に乗り出した」という背景には「勝てるという計算が働いたのではないか」との見方をする。その理由として「日本学術会議を自由の旗にすることがどれほど市民に支持されっるか、筆者はいささか心許ない」と述べている。「日本学術会議は税金で運営されているわりには、存在意義があいまいで運命も不透明な組織である」であり、だからこそ、菅政権が「最初の敵に選んだのではないか」と分析している▼「実際ネットでは、政権批判と同じくらい会議批判が広がっていること」に危機感を抱いたのである。ネット上では日本学術会議の問題点が次々と暴露されたいるからだ。東は「モリ、カケ、桜」の縮小再生産でしかないことを見抜いているのだ。実際に立憲民主党の支持率は頭打ちである。戦う前から勝ち目がないことを自覚しており、自分たちリベラル派が守勢に立たされているとの認識に立っている。それでもなお同じことを繰り返すマスコミや野党に、東は異論を唱えたのである。
なぜ「共産主義」の国家に身構えなくてはならないのか。自分たちを絶対化し、それを批判する者を許さないからである。1989年の天安門事件や1991年のソビエトの崩壊によって、「共産主義」の歴史的な実験は失敗したにもかかわらず、未だにそれを拠り所とする国家が存在する。科学を認めないのである▼カール・ポッパーは『推測と反駁 科学的知識の発展』(藤本隆志、石垣壽郎、森博訳)の序文において、科学的知識はあくまでも推測でしかないことを主張し、反証することの重要性を説いたのである▼「われわれの推測を批判することが決定的な重大な意味をもつのは、それが、われわれの誤りを指摘することによって、われわれの解決しようとしている諸問題の困難さを理解させてくれるからである。そのことによって、われわれは自分の問題をもっと知るようになり、もっと慎重な解決策を提唱することができる。一つの理論ーすなわち、われわれの問題に対するまじめな暫定的解決案がーの反証そのものが、常にわれわれを真理へ一歩近づけることになる」▼私たちは特定のイデオロギーに引きずられるのではなく、科学的なアプローチを優先させなくてはならない。それこそが本来のリベラルであり、謙虚であることで、他者との建設的なコミュニケーションの成立するのである。ポストモダンのような奇抜な訳の分からないような言説とも、立場を異にするのである。
アメリカの大統領選挙は、最終盤にきてトランプが逆転する可能性が出てきた。16日付のウォール・ストリート・ジャーナルの日本語電子版は、「ハンター・バイデン氏のビジネス ジョー・バイデン前副首相の息子は父親の名声を私利目的で利用した」との社説をアップした▼大統領選に出馬しているバイデンの息子が、父親をウクライナのガス会社リスマ・ホールディングスに紹介したとされる内容の電子メールが、彼のパソコンから発信されていたことが明らかになったのである。その息子はリスマに協力したことで、350万ドルの資金提供を受けたとの疑惑が持たれていた▼その記事がニューヨーク・ポスト紙に掲載されて大騒ぎになっているが、驚くべきことに、ツイッターとフェイスブックが同紙の記事をプラットホームから消し去って、バイデン親子を守ろうとしたのだった。アメリカ国民に知らせるべき情報を隠すというのは言語道断であり、アメリカの国会もツイッターとフェイスブックの関係者を厳しく追及するのは必至だ▼これは日本にとっても対岸の火事ではない。バイデン親子はロシアばかりではなく中共との癒着も取り沙汰されている。バイデン親子のような日本人がいることは、容易に想像が付くのである。自由と民主主義に反する静かなる侵略に対して、どのように身構えるかは、日本においても深刻な問題なのである。
立憲民主党などの野党によりヒアリングでそこまで言うのならば、国会の場で堂々と弁明すべきである。今日付けの産経新聞によれば、大西隆元日本学術会議議長が昨日、中共の「千人計画」に協力しているとの批判に対して、「まったくない。関係があるかのような悪質なデマが流されている」と反論したが、愚かにも大西元会長は地雷を踏んでしまったのである▼平成27年に中国科学技術協会との協力や交流の覚書を結んだことに対しても、「向こうの求めに応じて結んだ。覚書に基づく活動実績はない」と抗弁した。日本学術会議が働きかけたのではなく、中国科学技術協会からの働きかけがあったと逃げているのだ▼遠藤誉筑波大学名誉教授のブログを読むと、中国科学技術協会は中国工程院と戦略的提携枠組みの合意書に調印しており、中国行程院は軍事科学院国防工程研究所との人的交流で活発である。それが明かになってきたので、言葉に窮しているのだ。すでに「デイリー新潮」によって、中共の軍事部門に手を貸すような東京大学名誉教授がいることが暴露されている。さらに、笑止千万であったのは、自衛隊の装備に関する研究について「一概に禁じていない」と弁解したことだ▼「学問の自由」を叫んでいた者たちが、身の潔癖を自ら証明しなくてはならなくなったのだ。騒いだことが藪蛇になってしまったのである。
ニューズウィークの日本版10月14日付にアップされた「千人計画で流出する日本人研究者、彼らはなぜ中国へ行くか」というコラムにはガッカリした。何のことはない。「日本の研究者の100人に1人が米中で活動している」と言いたいだけで、日本の研究者が中共とどれだけ深くかかわっているかについては、まったく触れていないからだ。同じ日付のデイリー新潮の「参加の東大名誉教授が告白『中国は楽園』」という記事の方が生々しい▼アメリカと中共とを同等に見ているわけで、日本から米中への頭脳流出の問題にすり替えて論じているのだ。筆者の澤田知洋氏には、日中関係がどのような事態になっているかの認識はなく、尖閣諸島をめぐって一触即発であるとの危機意識が皆無なのである。だからこそ、習近平が推進する「千人計画」についても、「多くの日本人研究者が中国に奪われ、研究成果が軍事転用されるのではないかとの懸念が取り沙汰されている」とお茶を濁すのである▼海外で学ぶことや研究することを問題視しているのではなく、日本を敵対視している国家に利用されることの是非こそ議論すべきなのである。戦後の日本人が失ってしまったのが国家への忠誠心であった。金になればどうでもいい。そんな風潮に日本学術会議が汚染されてしまっているのだ。それを正面から批判する日本のネット民の主張の方がはるかに正論なのである。
法政大学にも立派な学者はいる。衛藤幹子法学部政治学科教授の「学術会議:迷惑な学者の正義の押し売り」というブログが一昨日、言論プラットホーム「アゴラ」にアップされた▼衛藤教授は自ら集団的自衛権に賛成の立場であったことを告白するとともに、法政という「リベラル派の牙城」で沈黙を強いられたことを告白している。「署名や集会には一切参加しない」という消極的抵抗をするのが精一杯であったようだ。2017年3月に学術会議が「軍事的安全保障研究に関する声明」を出したときにも、即座に法政も声明を支持したが、それにも衛藤教授は違和感を覚えた。どのような研究をするかは、あくまでも「研究者自身の良心や倫理観の問題」であり、「学術団体で一律に決める」というのには抵抗があったからだ▼衛藤教授はジェンダーの研究家として知られているが、杓子定規な「女性の権利の主張という正義」には与しない。「男女という性別二元論」に含まれない性的マイノリティにこそ目を向けるのである。衛藤教授のように「暴走する正義ほど怖いものはない」と説く識者が出てくるというのは、時代が変わりつるあることを教えてくれる。教条的な左翼の時代はとっくの昔に終わっているのだ。気付かないのは教条的な活動家の学者たちだけなのである。
やっぱり予想した通りの展開になってきた。日本学術会議の会員の任命を菅首相が拒否した背景には、警備公安からの情報があったようだ。特定野党やマスコミからの批判を織り込み済みだったわけで、なぜそうなったかについても、タイミングを見て発表するのではないだろうか▼中共や北朝鮮との関係をつかんでいる節があり、杉田和博官房副長官が菅首相に対して詳細な説明を行っているはずだ。もしそのことが公になった場合に、ダメージを受けるのは誰かというのは、火を見るより明らかである。警察庁が外事警察のスタッフを増やし、中共や北朝鮮のスパイに対する監視を強化することになったのも、今回のことと整合性がある▼アメリカの大統領選挙の行方にかかわらず、米中対立は熾烈になってきている。日本はもはや他人事ではいられないのだ。あくまでも想像の域を出ないが、菅首相に説明責任を求めれば求めるほど、藪蛇になりかねないのではないだろうか▼日本の警察は用意周到にタイミングを狙っていたのだろう。これで特定野党やマスコミによる追及も尻つぼみに終わる可能性が出てきた。官邸サイドは第2弾、第3弾を準備しているのだろう。それを小出しにしているのだ。日本学術会議が悪足掻きをすればするほど、国民の間からは廃止の声が高まるだけなのである。
ネット民に恐れをなして、メディアもすごすごと論調を変えつつあり、いくら日本共産党あたりが「菅辞めろ」と一部ネットで騒いでも、多勢に無勢である。日本学術会議で今もっともタイムリーな話題は、中国軍事科学研究組織との関係である▼日本学術会議の関係者が表向き中共との軍事研究を否定しても、そんなことに騙されるようなネット民ではない。同会議の現役のメンバーが北京理工大学海外千人特別招聘教授であるとの情報が拡散されている。名前まで特定されており、米国電気電子学会からファーウェイの研究者の論文が審査から削除されたことに対しても、中共側の代弁をしていたのだという。日本学術会議は国民に説明すべき責任がある▼上級国民の自分たちの口車に乗って、多くの無知な国民は、菅内閣を批判すると高を括っていたのだろう。しかし、現実はそうではなかった。白を切れないように、ネット民は事実を突きつけたのである。それが本当であるのならば、白旗を掲げるしかないだろう。それこそ「専門バカ」で世事に疎いからと逃げられるレベルではない。即刻解体して、一から出直しをすべきだろう。科学はグローバルであることは否定できないが、日本人の科学者である限り、安全保障の面で、我が国を敵視するような国家は利するようなことがあってはならないのである。