日本最大のナショナルセンターとしての連合は、一体何をしているのか。アベノミクスによって大手を中心に企業は儲かっており、それを追い風にして賃上げを勝ち取るのが本来の使命だろう。野党のゴタゴタに巻き込まれて、やるべきことをなおざりにしてはいないか▼リベラル経済学に立脚する安倍総理は、一昨日開かれた経済財政諮問会議で、産業界に対して3%という数字を挙げて、来年の春闘で賃上げが実現するよう要請した。賃上げに積極的な企業には国が税制面で優遇するのだという。希望の党が今回の総選挙の公約にした、内部留保に課税するというのよりも、はるかに建設的な提言である。景気が給料の面にも反映されれば、可処分所得が増加して消費が増え、経済の好循環が生まれる。異次元の金融緩和の成果を、つまりアベノミクスの果実をどこに使うかで、安倍総理は一定の方向性を示したのだ▼連合は3年連続で「2%程度のベア」にとどめており、安倍総理の方が労働者の味方ではないだろうか。雇用の面では大幅に改善されたとはいえ、アベノミクスは道半ばである。ここで安倍総理が喇叭を吹く意義は大きい。春闘を定着させたのは総評の議長であった太田薫であった。威勢のよい太田喇叭を吹いて労働者の先頭に立ったのである。連合は反安倍を旗印にした野党に加勢するよりも、リベラルな安倍さんと手を組んで経団連などと強気で交渉すべきだろう。政治にうつつを抜かしているときではないのである。
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