草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

台湾有事に及び腰なのは米国ではないか

2023年05月10日 | 安全保障
 昨日の正論大賞の授賞式で、元空将の織田邦男氏が述べたことに、大筋においては賛成であるが、気になった言葉がいくつかあった。
 その一つは、先島諸島上空が戦場になるというのは、少しばかり甘いのではないだろうか。与那国や石垣に自衛隊が展開しており、いうまでもなく、そこは標的になるだろう。12式地対艦誘導弾を配備している場所を狙わないわけはないからだ。
 もう一つは、バイデンが我が国へのトマホークの提供を拒んだことについて、一言あって然るべきだと思ったからだ。いくら自衛隊とて、相手よりも射程の短いミサイルでは、到底歯が立たないからである。
 そもそも論でいうならば、交戦権のない張子の虎の軍隊に、台湾有事に備えろというのが滅茶苦茶なのである。正当防衛のレベルで、どこまで戦えというのだろう。
 台湾有事は日本有事であることは間違いない。しかし、米国がどこまでやるかは分からない。核保有国同士の正面対決は避けるだろう。自分の国は自分で守るのは当然ではあるが、憲法9条を押し付けて置きながら、日本独自の力でというのは、あまりにも理不尽である。
 岸田首相は「核無き世界を目指す」といわれる。ウクライナがそうであるように、核を持たない国家は、核保有国に問答無用で侵略されるのである。
 台湾有事で米国の対応に日本が巻き込まれるのではなく、日本が米国を巻き込むべきである。我が国が危機であることを、米国に理解させるために、何ができるかを考えるべきときなのである。

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