中共の夕刊紙「法制晩報」が日本政府を揶揄して「廊下外交」と揶揄している。そこまで馬鹿にされても、何とも感じない鈍感さは、政治家として致命的である。その夕刊紙によると、菅直人首相と温家宝首相が偶然遭遇したという設定で、日本と中共との非公式な接触が行われたのだという。それも日本側が拝み倒したのだとか。菅首相が尊敬しているのは、永井陽之助のようだが、現実主義者といわれながらも、ユニーク過ぎて、一歩誤まれば、迷路にはまりこむ危険性がある。一番私が不満なのは、「日本国民は、自らの力の限界を知り、その資源や手段に見あったレベルに、日本の対外政策の目標水準をおくこと、つまり低姿勢外交に徹してきた」(『現代と戦略』)と戦後の日本外交を評価した点である。そして、軍備軽視を英知と持ち上げたことで、菅首相のように、勘違いする政治家が現れたのである。永井の言わんとしたのは、先の戦争への反省から「愚考の葬列の最大の歯止め」として、現実を直視することを勧めるのであって、土下座外交をしろとは一言も述べていない。国家としての体面を失った日本の、プラス面を取り上げただけなのである。しかし、菅のようなサヨクは、それを金科玉条の教えとしてしまうのだから、救いようがない。永井は、安積中学から二高、東大と出た秀才で、多面的な見方をしており、一筋縄ではいかないのである。生半可な勉強ではなく、徹底して学ぶ気がなければ、永井の思想は極められないのである。永井と同じ福島県人として、あえて菅首相に忠告したい。

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