あっちを立てれば、こっちが立たずで、誰にでもいい顔をしたい政治家にとっては、政治というのは難儀なことのようだ。だからこそ、ブレずに筋を通さなくてはならないのだが、そうもいかないから、菅直人首相のように迷走するのだろう。どんな人からも嫌われたくないというのであれば、政治家を辞めるべきだろう。それと比べると、小沢一郎前民主党幹事長は、心得たもので、闇将軍に徹し、表に出てこないことで、かえってにらみを利かせている。政争から外れているようで、それでいて、側近を通してメッセージだけは出し続けているからだ。ウルトラCを考えているのでは、と思わせるだけでも、大成功なのである。9月の民主党代表選では、本人の出馬すらチラつかせながら、揺さぶりをかけている。東京第5検察審査会は、一度は起訴相当を議決しているが、再度の議決に時間がかかっている。このままでは、その代表選後になる可能性すら出てきた。小沢が代表選で勝てば、それは内閣総理大臣に就任することを意味する。鳩山由紀夫前首相がそうであったように、起訴することはできないわけだから、滑り込みセーフとなるのだ。菅首相のここ数日間の顔色を見ていると、元気がなさ過ぎる。小沢に怯えているのだろうが、窮鼠猫を噛むという諺もあるように、腹を決めて、一戦交えればいいのである。政治家は結果責任であり、ときには悪魔とすら手を結ぶわけだから、そのためにどこと組むかは、自分で判断すればいい。菅対小沢のバトルが、政界再編の引き金となるというのは、衆目の一致するところであり、二人の間がどうなるかに関心が集まっているのである。
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