人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
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国は今こそ貨物列車迂回対策を!

【告発キャンペーン1】消費者不在で暴走する「消費生活協同組合」の存在価値を問う

2011-08-23 23:23:11 | 原発問題/一般
今日から、原発事故に関し、「被曝からの住民保護」という基本理念に反する行動を取っていると思われる個人、企業、政府要人等に関する告発キャンペーンを随時行うことにする。当ブログですでに実施してきた山下俊一教授告発キャンペーンの続編と考えていただくとよいだろう。今回はまず手始めに、福島県南生協を取り上げる。

私の住む白河地域で活動しているのが福島県南生協だが、ここから、7月末、組合員宛に1通の文書が届いた。それも、生協担当者が戸別訪問するのでなく、他の注文商品と一緒にケースに入れられていたものである。サムネイル写真で紹介したのがその問題の文書である。

「麦茶(六条大麦使用)・2L×6をご利用いただきました組合員様へ 日頃より共同購入をご利用頂きまして誠にありがとうございます。7月1週と7月3週にご案内致しました上記商品の製造所間違いのご連絡をさせていただきます。Week案内の(日本・兵庫)ではなく正しくは(日本・静岡)でございます。静岡県富士宮市の工場で昨年収穫のカナダ産大麦と当該工場の地下水を使用し製造した商品でございます。今回製造場所間違いのためご不要の際は担当者にお申し出下さいますようお願い致します。ご利用を頂きました組合員様には誠に申し訳ございませんが、何卒ご了承下さいますようお願い致します」

このような組合員へのお詫びが記載されている文書の問題点はいくつかある。

1.放射能汚染で組合員が最もピリピリしているこの時期に、よりによって最も重要な情報である「産地」の間違い。しかも、お茶からセシウムが検出されて騒動が起きていた静岡産を兵庫産と「間違えた」という事実。

2.カナダ産大麦を使っていると弁明しつつ、水は結局静岡産。富士宮市はセシウム汚染が発覚した茶畑からある程度離れてはいるが、その水が本当に安全なものかどうかについては文書は何も触れていない。

3.そして何よりも問題なのは、配達員が組合員の自宅の目の前まで配達に来ているにもかかわらず、直接謝罪しないでお詫びの文書だけを商品と一緒に投げ込んでいくという「官僚的対応」だ。

もちろん、彼らにすれば単なる「間違い」なのかもしれない。しかし、一部の心ない生産者が行政の「風評被害」キャンペーンをいいことに、汚染隠しをして出荷しているのではないかという疑念を日本中の消費者が抱き始めているこの時期に、産地に関する情報を「間違える」ということがいかに自分たちの信用を傷つけるかを理解していないとしかいいようがない。実際に妻は「騙された。静岡とわかっていたら注文しなかった」と言っているのだ。

正確な食品検査が行われていない以上、消費者が放射能による内部被曝から自分を防衛する手段は、現状では産地情報しかない。その唯一の手がかりを「間違い」によって奪うなんて、仮にも消費生活協同組合を名乗る組織のやることではない。

もちろん、事が「今回のお茶飲料の産地だけの単なる間違い」にとどまるなら、私はこんな告発キャンペーンなど考えもしなかっただろう。しかしこの生協は、これ以外にも許し難い「間違い」を犯している。証拠? もちろん持っている。お目にかけよう(クリックで開かないときは右クリックから保存の上ご覧頂きたい)。

リンク先のPDFファイルは、一見するとなんの変哲もないただの線量計、PDM-122の広告に見える。しかし、問題はこの線量計の測定範囲が1μSv/h~1Sv/hであることだ。福島県内では確かに、今も1μSv/hを超える空間線量が常時計測されている地域がある。しかし、県の測定によると、汚染が激しいといわれている郡山市ですら今は1μSv/hを下回ることもある。最低測定単位が1μSv/hの線量計では、福島県内でも大半の地域で事実上役に立たないだろう。

一方、最高測定単位はなんと1Sv/hである(これは、メーカーである日立アロカメディカル社のサイトでも確認しているので間違いではない)。個人差はあるが、一般的には400~500mSv/hを一度に浴びるとリンパ球減少などの急性症状が出始めるといわれる。1Svなんて、吐き気を催して倒れ、髪が抜けてもおかしくないほどの高線量だが、一般住民で誰がそんなところを計測するのか。製造した日立アロカメディカル社にはもちろんなんの落ち度もないが、この線量計は明らかに警戒区域か、原発周辺地域で使うレベルのものである。

この線量計を注文した人には、「8月下旬からお届け予定」となっている。到着後、「全く反応しないのですが故障ですか?」という問い合わせや苦情が殺到するだろう。あるいは、もしかしたらその苦情さえないかもしれない。なぜならこの線量計はコイン型リチウム電池を電源として動作する仕様になっているからだ。ところが「電池、品薄で線量計「宝の持ち腐れ」(2011.7.23漬け「産経」)という記事の通り、無反応以前に電池が入手できず動作させられない可能性さえあるのだ。

こんなものを平気で売り出す時点で、福島県内の各生協が放射線と線量計について全く勉強していないことは明らかだし、「反応しない線量計を買わせることで、福島県民に健康に影響はないと安心してもらおう」という目的で故意にやっているのだとしたら、これは立派な犯罪といえる。

ちなみに、県南生協も加わっている「コープふくしま」は、NPO法人放射線安全フォーラムなる団体とともに除染プロジェクトに取り組んでいるようだが、このNPO法人は「放射線や放射能への理不尽な恐怖感は、人々に放射線そのものより遥かに大きな害を及ぼす」などと言ってのける確信犯的原発推進御用団体である。おまけに情報公開が叫ばれるこのご時世に役員名簿も予算も決算もホームページに掲載していない。こんな輩と提携して事業を行っている時点で、福島県の生協のお里が知れるというものだろう。

私が生協という組織に最初に疑いを抱いたのは、あの「中国製毒入り餃子」事件がきっかけだった。原発事故による放射能汚染という事態を迎え、今こそ生協の真価が問われようとしている局面でのこの醜態は、日本の生協が破滅に向かっていることを示す明らかな兆候である。取り扱う製品がどういうものかに注意を払うこともなく、「顔の見える関係」に安住してきた無自覚、無責任な構造がまたも露呈しつつある。市場原理にさらされ、生産地を偽ることが市場からの強制退場を意味することをきちんと理解している民間スーパーのほうが、産地表示ひとつとっても生協よりはるかに神経質になっている。たとえば私の自宅近くの大手スーパーでは「福島県郡山市産」などと市町村まで表示するようになってきている。今や一部の自覚のない生協は、民間スーパーにさえ劣っているのが実情だ。

民間スーパーが経済産業省所管であるのに対し、生協は、その事業が営利事業ではなく福祉事業であるとの考えから厚生労働省の所管となっている。しかも、生協は消費生活協同組合法という特別の法律に守られている。このことの意味を各生協はもう一度よく考えてもらいたい。

残念ながら、現在、一部の無自覚な生協の緊張感のない運営は、あまりにも消費者の望むものとかけ離れた結果をもたらしている。このままでは、私は彼らに消費生活協同組合などと名乗ってもらいたくない。各生協は設立の原点に帰り、消費者の当たり前の要求を当たり前に反映できるような運営に努めてほしい。それなくして、生協の信頼回復は決してあり得ない。

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