安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
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管理人よりお知らせ

2009-02-28 23:58:23 | 運営方針・お知らせ
運営方針というほどのものではありませんが、管理人よりお知らせです。

1.Youtube動画が一部、携帯から閲覧可能になりました。
youtubeで仕様変更があり、90秒以内の短い動画であれば、携帯からも再生が可能になりました。

当ブログ及び「汽車旅と温泉を愛する会」の鉄道動画集を携帯から見たいとご希望の皆さまには朗報と思いますので、ぜひご覧ください。

2.アクセス状況がPCから見られるようになりました。
既にお気づきかもしれませんが、当ブログトップページに1日のアクセス数及び通算アクセス数が表示できるようになりました。

このブログがどの程度の評価を受けているかわかりませんし、「閲覧数=評価」でないことも承知しています。今後とも精進に努めますので、よろしくお願いいたします。

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「つみきのいえ」アカデミー短編アニメ賞受賞!

2009-02-27 23:23:59 | 芸能・スポーツ
「つみきのいえ」でアカデミー短編アニメ賞受賞!加藤久仁生監督が緊急会見

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[eiga.com 映画ニュース] 「おくりびと」と同時に、第81回アカデミー賞で短編アニメーション賞を受賞した「つみきのいえ」の監督・加藤久仁生が、2月25日、東京・日比谷の東京會舘にて受賞記者会見を行った。

 仏アヌシー国際アニメーション映画祭をはじめ国内外で高い評価を受け、日本映画として初の短編アニメーション賞でオスカーを獲得した本作は、「ALWAYS 三丁目の夕日」の製作プロダクション、ROBOTが送るショートストーリー集「pieces of love」の1編で、海面が上昇する度に積み木のように家を建て増してきた老人が、家族との思い出を回想する物語。

 「鉛筆のタッチにこだわった」と監督が語る本作は、セリフが一切なく、手描きの絵を思わせるタッチの映像で綴られているが、そのこだわりゆえに製作期間が3カ月から8カ月に延びたそうで、「始末書を書く羽目になりました」と苦笑い。それも今回のアカデミー賞受賞で報われたといったところか。

 受賞スピーチで、米ロックバンド、スティクスの曲「ミスター・ロボット」の歌詞と自身の所属する会社ROBOTにかけて、「どうもありがとう、ミスター・ロボット」と言って観客を沸かせた監督だが、実は壇上で何も言えなくなることを恐れて予め用意したスピーチだったそうで、この日の会見では「自分は本来こういう表舞台に立つ人間じゃない」と多くの報道陣を前に動揺気味。授賞式の思い出を聞かれると、「プレゼンターのジャック・ブラックに『スクール・オブ・ロック』がすごく良かったと伝えたら、ギターを弾くマネをしてくれた」とハリウッドスターとの交流をはにかみながら明かしていた。

 すでに昨年10月に発売されている本作のDVDは、アカデミー賞受賞効果で売り上げが急増し、現在3万本以上の追加注文が入っているという。また、3月7日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて「pieces of love」の他作品とともに凱旋上映されることも決定している。
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一昨日の「おくりびと」に引き続き、1日鉄道ネタを間に挟んだ後、今日は「つみきのいえ」を取り上げる。カテゴリは一応オタクネタとして扱う。

さて、この「つみきのいえ」、さわりの部分だけテレビで紹介されていたので見たが、作画が全く日本的ではなく、キャラのイメージも米国的だと思った。やはり最初から国際舞台への進出を狙って描かれたものかもしれない。わずか12分間の短い作品だが、海面上昇で沈む家の描写は地球温暖化に対する批判を含んでいるものと理解していいだろう。

このアニメ映画の受賞から思ったことは、日本のアニメーターたちの情けない体たらくである。12分間という限られた時間の中でも、自分の表現したいことは表現できるということを「つみきのいえ」ははっきりと示してみせた。

最近、日本の「萌えアニメ」業界でも制作費の予算は厳しく、ひどい作品になると1話200~300万円しかないことも珍しくないといわれる。そうした状況の中で、3ヶ月1クールでテレビ放送を回すことに慣れてしまった日本のアニメーターたちが「こんな状況でストーリーを持った作品なんて作れるわけがない」とばかりに1発ギャグや萌えに特化した作品を粗製濫造するようになって久しいが、何のことはない。加藤監督が12分でもストーリーを持ったアニメを作っているのに、1話25分近くも与えられているアニメーターたちがまともな作品を作れないのは、単純に能力がないか、自分たちに訴えたいストーリーがないかのどちらかではないか、と思ったのである。私の目には、今の日本のアニメ監督で今後も生き残りそうなのは宮崎駿のほか、押井守くらいしかいないように映るのだ。

宮崎駿は1941年生まれ、押井守は1951年生まれで、萌えアニメや美少女アニメを粗製濫造させた40代のアニメーターから見れば1~2世代上に当たる。今後、日本のアニメ界が生き残りたければ、若手を育成する必要があるが、後に続く世代は30代以下から出てくるのではないか…私は加藤監督の受賞を聞いてそんな予感を抱いている。

それにしても、バブル期に楽して就職した40代ってホント役に立たないな。

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山陽~九州直通新幹線の列車名決定

2009-02-26 22:19:30 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
山陽・九州直通新幹線は「さくら」=17万通の応募から(時事)

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 JR西日本とJR九州は26日、2011年春に山陽・九州両新幹線で直通運転を開始する新しい車両の名称を「さくら」にすると発表した。

 両社は昨年11月末まで名称を公募。「さくら」は寄せられた約17万通のうち、最多の約8000票で、新車両のコンセプトである「日本の美しさ」に合致することからも選ばれた。

 新車両は青磁を模した車体色や木を多用した内装などが特徴。最高速度は山陽新幹線管内で時速300キロ、九州内は同260キロ。新大阪-鹿児島間を約4時間で直通運転する。 
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過去ログにて既報の新幹線愛称が「さくら」に決定した。私は、新幹線最上位列車の愛称には速さをイメージさせるものが来ると思っていたので、かなり意外だと思った。

だが、公募で1位の愛称というから、これでいいのだという気もする。私の頭が固すぎるのだろう。

この結果、新大阪~博多間では<のぞみ><ひかり><こだま><さくら>が走ることになる。

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「おくりびと」アカデミー外国語映画賞を日本映画初受賞

2009-02-25 22:08:42 | 芸能・スポーツ
「おくりびと」大逆転!アカデミー外国語映画賞を日本映画初受賞

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 [eiga.com 映画ニュース] 2月22日に行われた第81回アカデミー賞授賞式で、滝田洋二郎監督の「おくりびと」が日本映画初の外国語映画賞を受賞した。

 滝田監督、続いて主演の本木雅弘、広末涼子、余貴美子がステージに上がったのち、滝田監督が「アイム・ベリー・ハッピー」と第一声。さらに「新たな出発点となりました。私たちはまたここに戻ってきたい」と英語でスピーチした。

 下馬評では、昨年末からの映画賞をほぼ二分してきたイスラエル製アニメ「戦場でワルツを」(東京フィルメックスのグランプリ作品)と、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「クラス」の2本が他に比べて優勢と伝えられていたため、同作の受賞に関し、海外のメディアは“逆転”や“意外”“番狂わせ”といった表現を使った。

 特に「戦場でワルツを」の前評判が高かったが、アニメ形式だったので敬遠された模様だ。また、アカデミー会員は今年からDVD視聴で投票できず、会員向け試写会で見た人のみが投票できるルールになった。世界的に普遍的なテーマである死を題材とした「おくりびと」は、試写会で会員の投票を一気にかき集めたようだ。

 そもそも同作は9月1日にモントリオール世界映画祭グランプリを受賞。日本公開(9月13日)と同時に米アカデミー賞の日本代表に選ばれ、あれよあれよと最終ノミネートの5本に入った。先週の日本アカデミー賞でも10冠を達成している。

 受賞後の会見で滝田監督は、自分が呼ばれた時の心境について「信じられなかった。これまでアカデミー賞でノミネートされた日本映画はほとんが時代劇だった。その意味で、現代ものが認められたことはうれしい」と語った。

 「日本人は、いや世界中どこでも同じだが、死を忌み嫌う傾向がある。企画をいただいた時は不安だった。しかし、実際に納棺師の仕事を見て、これはやらなければいけないと感じた。主演の本木雅弘さんが本当にのめり込んで演じてくれた。今日の賞の半分は本木さんのものだ」と、現在の気持ちとして主演の名演を称えた。
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「これまでアカデミー賞でノミネートされた日本映画はほとんが時代劇」という滝田監督の発言が、アカデミーの日本に対する見方を端的に表しているような気がする。アカデミーと米国にとって日本は未だにフジヤマ、サムライ、ゲイシャだったのではないか。その意味で、現代物の受賞は確かに従来の枠を打ち破る快挙とは言える。

これまで、生きること、「生」をテーマにした作品は数知れずあったが、死というネガティブなテーマ、それも戦争や殺人や天変地異による非業の死ではなく、天寿を全うした人間が迎える病気や老衰による普通の死をテーマにした作品は皆無に近かったのではないか。

今、日本は75歳以上が人口の1割を占めており、60歳以上に至っては人口の実に4分の1にも達するという、人類が歴史上経験したことのない超高齢社会の中にいる。国民の4人に1人が高齢者ということは、1家族に1人は高齢者がいるという程度の比率になる。日本人であれば老若男女にかかわらず、間近に迫った死と向き合わなければならない人間が家族に1人はいるという計算になるわけだ。

誰にとっても「死」が身近なところに位置している…「死」を違和感なく1本の映画としてテーマ化できた背景には、滝田監督の非凡な才能もさることながら、このような社会事情も背景にあるのではないかという気がする。

もうひとつ。このような映画が作られ、興行的にもヒットするようになった背景に、日本人の死生観の変化があるような気がする。

武家時代から太平洋戦争の敗戦まで、日本人にとっては「良く生きる」ことよりも「良く死ぬ」ことが美徳とされた。「おめおめと生き恥をさらすくらいなら腹を切る」が武士道精神だった。佐賀・鍋島藩の心得書「葉隠」にある「もののふとは死ぬことと見つけたり」という言葉は、まさにこうした精神の有り様を武士に指南したものと言えるだろう。

こうした「良く生きるよりも良く死ぬことが美徳」という日本人の精神の有り様は、近代まで引き続くが、昭和に入ると国民を戦争に総動員しようとする軍部によって利用され「国のために死ぬ」に変質させられた(沖縄で起きた集団自決もこの延長にある)。しかし、「もののふとは死ぬことと見つけたり」の本来的意味は、決して「生とは仮の姿」なのだから生を粗末にして良いということではなく、むしろ、「いつ訪れるかわからない死をいつ迎えてもいいように毎日を精一杯、恥ずかしくないように生きよ」という意味だったのだと想像する。生が限りあるものであり、死が避けられないものだと自覚することによって、人間は動物と違う倫理的な生き方ができるようになったのだと私は思う。

ところが、戦後に入ると、医学の進歩によって平均寿命が大幅に伸びたこととも相まって、あたかも生が永遠のものであるかのような風潮が生まれた。「死」について公然と語ることはタブーとなり、「いかに良く生きるか」だけが大手を振って語られた。その結果、死を迎える精神的準備ができないまま死を迎える日本人が多くなっていったと考えられる。

ようやく結論に入るが、「おくりびと」ヒットの背景に日本人の死生観の変化があるのではないか、という本エントリーの主張の趣旨はこうである。すなわち、上述したような戦後的価値観(良く生きることだけが問題とされ、誰もが避けて通れないものであるにもかかわらず「死」をタブー視する)が再び戦前的な「避けて通れない死が明日来てもいいように死と前向きに対峙する」という価値観へと転換しつつあるのではないかということである。物質主義から精神主義への回帰とか、そこまで大げさなことを言うつもりはないが、戦争のためにやりたいことも我慢せざるを得なかった上の世代と、希望も夢も掘り尽くされて無関心の海に沈んだ下の世代との間に挟まれてさんざんやりたい放題やってきた「団塊」世代が、残り少なくなった人生を省みて、死を意識し始めたのだろうか。

「おくりびと」の英語の題名が“Departure”(出発、旅立ち)という前向きなイメージのものになっているのも、そうした精神構造の変化を物語っているのかもしれない。

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「旅と鉄道」休刊

2009-02-23 22:06:40 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
月刊「旅と鉄道」誌が2009年2月号を最後に休刊となったようだ。2007年秋の月刊化から、事実上1年とちょっとで散った。

だが私は、過去ログ既報の通り、月刊化当時から「さしたる見通しもないただの月刊化なら存亡の危機になる」と予想していた。方向性の定まらない誌面は見るに堪えず、最近は書店でも手に取ることさえ少なかった。2月号限りで廃刊の事実に2ヶ月以上気付かなかったのも、内容を確認していなかったからだ。

そもそも相手にしたいのが古参鉄道ファンか新規参入者か、女性や家族連れなどのライトなファンなのかも全然わからないし、それ以前に鉄道雑誌で何をコンセプトにしたいのかも判然としない現状では、ただ漫然と発行していると批判的評価を下されても仕方ないと思う。鉄道ジャーナル本体にしたって、社会派を標榜しながら社会性のある記事はほとんど掲載されなくなった。

このまま行けば、鉄道ジャーナル誌の廃刊も数年のうちに話題に上るのではないだろうか。今のままの誌面が続くなら、鉄道ジャーナル社は昔の鉄道記録映画社に社名を戻し、記録映画の発売に特化して生き残る方がいいような気がする。

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「富士・はやぶさ」の最後を追って東海道へ(3)~根府川

2009-02-22 21:07:37 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
行程3日目。今日は、根府川での撮影である。
朝8時前、大野屋をチェックアウトして伊豆東海バス・熱海駅行きに乗る。約5分で熱海駅へ。ここから東海道本線で根府川へ行く。

ここは、東海道本線の撮影名所・根府川鉄橋に防風壁ができるまでは多くの鉄道ファンでにぎわったところだが、防風壁設置後は海をバックに撮影する人はめっきり減り、代わりに駅構内での撮影が増えた。私も駅構内で陣取り、「富士・はやぶさ」を待つ。

…が、お目当ての「富士・はやぶさ」はいっこうにやって来ない。代わりにやってくるのは電車ばかり。どうやら大幅に遅れているらしい。1時間余りの遅れは、寝台特急では珍しいことではないが、これから1ヶ月、最後の姿を焼き付けようと多くのファンが沿線に繰り出す時期だけに大幅な遅れは勘弁してもらいたい。

昨日、「富士・はやぶさ」は9時25分に戸塚を通過した。定時運行されていれば、もう戸塚を通過していなければならない9時25分になっても、ここ根府川に「富士・はやぶさ」は現れない。ホームの待合室で待っている妻に申し訳ないと、撤収を考え始めた頃、上り線に列車通過を告げるATOS案内が流れた。慌ててカメラを持ち、跨線橋に上がって撮影したのがご覧の写真である。思い通りの構図にならなかったが、縦位置で真上からの撮影というのも、変わっていて面白いのではないだろうか。

日頃、当ブログをご覧いただいている読者の皆さまへのサービスとして、九州勤務時代に日豊本線で撮影した特急「富士」の写真を発掘したので合わせてご覧いただこう。撮影メモを残しておかなかったため詳細は不明だが、撮影時期は1994~1997年頃、場所は日豊本線苅田~行橋間のどこかである。この時期、九州内の日豊本線では「富士」はEF81が牽引していた。2006年以降は、再び門司で機関車交換を行うようになり、日豊本線内はED76牽引に戻っている。

当時は何の変哲もない写真だと思ってほったらかしにしていたが、いま改めて見直すとEF81時代の貴重な記録になった。撮影したときはどうでもいいと思っていた写真が、時が経過してから貴重な記録になるということはよくある。デジカメ時代になり、失敗した写真は瞬時に消去できるようになったが、こんなこともあるのだから、失敗作だと思っても写真はできるだけ残しておいた方が面白いと、改めて思う。

撮影後、東海道本線で横浜まで行くともう昼前。出発前からの計画通り、結婚式に出席できなかった友人の結婚祝いを兼ねて会食する。午後2時半過ぎ、解散。横浜から湘南新宿ラインで宇都宮へ。宇都宮から普通列車を乗り継ぎ、帰宅。

最後に余談。今回、往復とも全区間、普通・快速列車を利用して思ったことだが、最近、普通列車で長距離を乗車する客が増えたような気がする。それも、シルバー層や女性など、従来なら考えられなかった層が多い。これにはいろいろな要因があると考えられるが、

(1)最近の不況による節約志向
(2)普通・快速列車の高速化、長距離化
(3)マスコミで「青春18」やローカル線の旅関連の番組が増え、青春18シーズン以外でも普通列車の旅が一般に浸透してきたこと

…等があるのではないだろうか。

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「富士・はやぶさ」の最後を追って東海道へ(2)~戸塚

2009-02-21 22:39:09 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
行程2日目。
ホテルをチェックアウト後、大船から横須賀線で戸塚へ。事前に下調べしておいたお立ち台通信掲載の撮影地がよくわからず、戸塚駅で撮影することに予定を変更。9時25分頃、「富士・はやぶさ」がやってきた。写真はそのときのものである。動画はこちら。いずれも撮影に成功し、ほっとした。

撮影後は観光。妻にぜひ見せたかった鶴岡八幡宮(写真)、鎌倉大仏(写真)そして銭洗弁天に行く。この3つは、10年前、初めて横浜に赴任した直後に私が巡ったのと同じで、鎌倉の典型的観光コースである。銭洗弁天からの帰り、鎌倉名物「葛切り」を2人で食す。2月のこの時期としては暖かい天気のおかげで、冷えた葛切りがおいしかった。

観光終了後は、今夜の宿泊地である熱海にまっすぐ向かう手もあったが、時間もあったのでわざわざ江ノ電に乗り、遠回りする。鎌倉から江ノ電で藤沢に出た後、東海道線で今夜の宿泊地、熱海へ。今夜の宿は、ローマ様式の巨大な風呂があることで知られるホテル大野屋である。

熱海は、30~40年前は団体旅行・新婚旅行の定番だったが、施設の老朽化・サービスの陳腐化で20年ほど前から地盤沈下が著しく、最近では経営的に苦境に陥る旅館もあったといわれる。しかし昨年夏、急激な原油高騰という思わぬ追い風もあり、鉄道で比較的首都圏から近い熱海は、手軽に行ける「安・近・短」な観光地として時ならぬ賑わいを見せたと報じられた。

原油高騰も収束した昨年秋以降、再び熱海には冷たい風が吹いて閑古鳥が鳴いているのかと思いながら現地入りしたところ、その予想は良い意味で裏切られた。シーズンオフの2月にもかかわらず、夜の帳が下り始めると、数え切れないほどたくさんの温泉ホテル、観光ホテルの窓に次々と灯りが点り始めたからだ。

昨年夏、マスコミで報じられた「熱海復権」は事実だった。私は、なぜかそれがとても嬉しかった。大野屋のローマ風呂は、思わず泳ぎ出したくなるほど広かった。泉質は、塩辛い味のするナトリウム泉。妻にとっては、2009年の初温泉だった。

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「富士・はやぶさ」の最後を追って東海道へ(1)~前夜

2009-02-20 21:52:50 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
既報の通り、いよいよ3月改正での廃止が発表された「富士・はやぶさ」。名実ともに九州寝台特急の運行が終わる歴史的改正になる。今、最後の姿を写真に納めておかなければ恐らく一生悔いを残すに違いない。

そんなわけで、今日から最後の撮影に行くことにした。旅費を少しでも浮かせるため、今回、行程は往復ともドン行利用である。「それならあと2週間待てば青春18シーズンが始まるのに、もったいない」と思ったそこのアナタ、その通りである。私も最初はそうしようと思ったが、あえてこの時期を選んだ。

昨年春の「銀河」「なは・あかつき」廃止の時でさえ、一般人・マスコミを巻き込んだ一大ムーブメントになったのだ。九州寝台特急にとって本当の最後になるこの春の騒ぎは、恐らく昨年春の比ではなかろう。青春18シーズンになったら、東海道沿線は収拾がつかなくなると思い、予定より2週間早めることにしたのである。

仕事を1時間早退し、午後4時半に退社。午後5時までパート勤めをしている妻を迎えに行った後、18時09分新白河発の2148Mで出発。黒磯から1586M、宇都宮から湘南新宿ライン1330Yに乗り継ぐ。ほぼ4時間乗りっぱなしだったが、途中で席が空き、座れたこともあってそれほどの疲れはなかった。22時06分、定刻通り大船に到着、駅前の「相鉄フレッサイン」に投宿。

なぜ大船のホテルを選んだのかというと、約10年ほど前、横浜勤務時代にここに住んでいたことがあり、土地勘を持っていたからである。そうでなければ、22時を過ぎてから初めて泊まるホテルを探すような計画は避けたに違いない。

それにしても、10年ぶりに訪れた大船は大きく変わってしまっていた。わずかに当時の面影を残すのは吉野家などのファーストフード店ばかりである。だが、大まかな街の造りは変わっていなかったから、方向感覚を失うようなことはなかった。

さあ、明日はいよいよ戸塚付近で撮影である。

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消える東京発ブルトレ 伝統の「富士」記憶に…東京駅にファン続々

2009-02-19 23:20:33 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
消える東京発ブルトレ 伝統の「富士」記憶に…東京駅にファン続々(産経新聞)

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 東京駅を発着する最後のブルートレインとなる寝台特急「富士」(東京-大分)と「はやぶさ」(東京-熊本)のラストランまで、残り1カ月を切った。なかでも「富士」は、日本で初めて列車の愛称に使われた由緒ある名前。最後の列車となる3月13日の乗車券は発売後わずか10秒で完売。思い出が詰まり、伝統の名前を持つ列車を目に焼き付けようと、東京駅のホームには大勢のファンが連日集まっている。

・ 【フォト】ブルートレインの愛称で知られる「富士はやぶさ」
 19日午後5時20分ごろ、カメラを構えた大勢の鉄道ファンが待ち受ける中、東京駅の10番ホームに「富士・はやぶさ」が入ってきた。機関車の切り離しや連結作業を経て、午後6時3分、ゆっくりと出発した。

 JR東日本東京支社によると、廃止が発表された昨年12月19日以降、東京駅のホームに集まるファンの数は日に日に増え、最近では平日100~150人、週末は300~400人に。「30年前の新婚旅行で乗車されたというご夫婦もいました」(同支社広報)という。

 ホームに集まるファンは、この列車にそれぞれ特別な思いを持っている。仕事帰りに来た会社員、小鍛治晃さん(43)は「14歳のとき、日本最長の走行距離だったころの『富士』に父親と乗った。台風で遅れて26時間半もかかったけど、忘れられない思い出になった」と話す。

 妻と一緒に乗車した東京都杉並区の小長谷栄さん(71)は「新幹線や飛行機ではあっという間、旅はのんびりした方がいい。道路がよくなりバスも増えたし、時代の流れで仕方がないけれど…」。

 「富士」は、明治45年に誕生した新橋と下関を結ぶ特急が原型とされる。当時高嶺の花だった1、2等車のみで編成した豪華列車で、朝鮮半島への航路やシベリア鉄道を経由し、欧州につながる国際的な特急だった。昭和4年に国内で初めて愛称が付けられ、最後尾に富士山をかたどったテールマークを装着した。

 鉄道アナリストの川島令三(りょうぞう)さんは「伝統ある『富士』の名前が復活することがあるとすれば、リニアモーターカーではないか。それ以外じゃ恐れ多くて難しいだろう」とその重みを語る。

 「はやぶさ」は、昭和33年に東京-鹿児島間を結ぶ特急としてデビュー。現在は東京-門司間は連結した「富士・はやぶさ」として、門司から先は切り離して単独の「富士」「はやぶさ」として運行している。

 客車を所有するJR九州によると、昨年度の2列車の平均乗車率は4割程度。夕方出発し17~18時間かけて翌日午前10~11時ごろに到着するが、通勤客を乗せた列車を優先するため、途中で何度も通過待ちをするなど速達性が損なわれていたうえ、ダイヤ編成時の障害にもなっていた。

 東京駅発着のブルトレは昭和50年代の最盛期に9本を数えたが、新幹線網の発達、飛行機の値下げ、夜行バスの台頭などを背景に数年前から次々と姿を消している。3月のダイヤ改正後に残るブルトレは「北斗星」のほか、「あけぼの」(上野-青森)「北陸」(上野-金沢)「日本海」(大阪-青森)となる。
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いよいよ九州ブルトレもカウントダウン状態になった。

というわけで、当ブログ管理人も20日(金)から22日(日)まで2泊3日の日程で最後のブルトレ撮影に出かける。万全の状態で、違うアングルの2種類以上の写真を撮りたいので、2日間かける予定だ。

1日目は横浜市内、2日目は根府川付近での撮影を予定している。貨物などもできれば狙う予定だ。妻を同伴するので、観光も組み込んでいる。撮影結果は、ここで報告する予定である。

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新幹線建設負担金で「地方の乱」

2009-02-18 23:42:01 | 鉄道・公共交通/交通政策
<新幹線負担金>福岡知事も増額反対表明 予算案に計上せず(毎日新聞)

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 福岡県の麻生渡知事は15日、九州新幹線鹿児島ルート(博多-新八代間)の建設負担金の増額を国が沿線自治体に打診した問題について「事業費が増えたから地方負担を増やす、ということでいいのか」と述べ、増額に反対の考えを表明した。県の09年度当初予算案に、増額分を計上しなかったことも明らかにした。麻生知事は、既に反対を表明した佐賀県の古川康、熊本県の蒲島郁夫の両知事と連携し、地方負担を増やさないよう国に働きかける方針だ。

 福岡県太宰府市で記者団の質問に答えた。全国知事会長でもある麻生知事が、当初予算案への計上を見送る形で国直轄事業の地方負担に異議を唱えたことは、他の自治体にも影響を与えそうだ。

 麻生知事は反対の理由に「地方財政の窮乏」を挙げ「地方の負担増にならないよう新しい枠組みを考えてほしい、と国に提案している」と述べた。具体的には「将来入ってくる(施設の)賃料を、前倒しで建設費に算入する」との考えを示した。

 鹿児島ルートをめぐっては、事業主の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が2011年(予定)の全線開業後、運行主体のJR側から施設の賃料として年間約100億円程度を受け取る見通し。知事の発言は、この賃料収入を原資として、機構側が増額分を借り入れるのが望ましいとの考えを示したものだ。【川名壮志】
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新幹線負担金、新潟県が「凍結」…前年度と同額を予算計上(読売新聞)

 2014年度末開業を目指す北陸新幹線(長野-金沢間)整備事業費の負担金について、新潟県は18日、当初予定から約40億円減額し、08年度分と同額の64億円に「凍結」する新年度予算案を発表した。

 同県は今年に入って突然、220億円の負担金増額を求められたことに反発しており、増額提示以前の分を含めた積算根拠について説明を聞いた上、改めて支出額を判断する。

 県によると、整備費は国と地元4県が分担。新潟県は08年度までに計838億円を負担し、新年度以降も計585億円の支出を求められ、割り当てに従って、新年度分として106億円を計上する方針を昨年末までに決めていた。

 しかし、今年1月になって、資材価格高騰などを理由に、220億円の追加負担を求められ、泉田裕彦知事が「突然増額を求められても対応は難しい」と反発。追加負担に関する資料のほか、新年度割り当て分の根拠の提示を求め、説明に納得できるまでは、前年度の08年度と同額に据え置くことにした。泉田知事は18日の記者会見で、残りの予算措置について、「(根拠について)具体的な説明を受けてから検討する」と述べた。

 新幹線の負担金問題を巡り、全国知事会長の麻生渡・福岡県知事は16日の記者会見で、「地方財政は切迫しており、工事費が上がっても負担できないのが実態」と発言。国直轄事業負担金については、国に協議の場を設けるよう申し入れた。

 また、大阪府が新年度予算案で、国への負担金を約1割カットするなど、負担金を見直す動きが各地で起きている。
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新潟県の泉田知事が口火を切った新幹線建設負担金凍結は他県にも波及し、ついに政治問題化した。麻生渡・福岡県知事は現在、全国知事会長の職にあり、「地方の乱」の拡大は避けられないだろう。

当ブログの見解は2月12日付エントリに示したとおりであり、公共事業を人質にとる形で地方を借金漬けにする現行のやり方は一度解体すべきだと考える。こうした形で借金が増えていった結果、地方は財政的に追い詰められ、夕張のような破綻、あるいはそこまで行かなくとも、福祉・医療・教育の切り捨てとなって住民に襲いかかっている。

新幹線なんかなくても死にはしないが、福祉・医療はなくなれば命に関わるし、教育は数十年先の社会に禍根をもたらす。もう一度、税金の使われ方をきっちり検証しなければならない。

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